葬儀の流れ

マンションの自宅でも安置はできる?必要な条件や注意点、安置の流れを解説

マンションの自宅でも安置はできる?必要な条件や注意点、安置の流れを解説

「亡くなった家族を自宅に連れて帰りたいけれど、マンションでも安置できるの?」と悩んでいませんか。

マンションでも、搬入経路や室内環境などの条件が整えば、自宅安置は可能です。分譲・賃貸を問わず、禁止する法律もありません。

この記事では、マンションで自宅安置をするための条件や安置の流れ、管理会社や近隣住民への配慮、安置が難しい場合の選択肢などをまとめました。

必要な準備や注意点を把握し、葬儀社と相談しながら、故人を住み慣れた自宅に迎える方法を考えていきましょう。

この記事を要約すると

  • マンションでも、搬入経路や安置スペース、室内環境などの条件が整えばご遺体の安置は可能です。分譲・賃貸を問わず、マンションでの安置を禁止する法律はありません。
  • ご遺体の搬入には、エレベーターのトランク機能や階段を利用することがあります。管理規約や共用設備の使用方法を確認し、必要に応じて管理会社などと調整しましょう。
  • 自宅での安置期間は一般的に2〜3日程度が目安です。室温管理やドライアイスでの保冷、十分な換気が必要です。自宅での安置が難しい場合は、葬儀社や斎場・火葬場の安置施設を利用します。
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マンションでも自宅安置はできる?

マンションでも、条件が整えばご遺体を自宅に安置することは可能です。分譲・賃貸を問わず、マンションでの自宅安置を禁止する法律はありません。

日本では「墓地、埋葬等に関する法律」により、死亡後24時間を経過するまでは火葬しない決まりです。そのため、亡くなってから葬儀・火葬までの間は、自宅か安置施設のどちらかでご遺体を安置する必要があります。

ただし、実際に安置できるかどうかは、建物の設備や管理規約、室内環境などによって異なります。マンションで自宅安置をする際は、主に次の点が重要です。

  • ストレッチャーなどでご遺体を室内まで搬入できるか
  • 布団1組を敷けるスペースがあるか
  • 室温管理や換気など、ご遺体を適切に保全できる環境が整っているか

マンション独自の管理規約や賃貸借契約に、自宅安置や搬送に関する特別な取り決めがないかも確認しておくとよいでしょう。

関連: 遺体安置を自宅で行う際の手順や方法、注意点を解説

マンションで自宅安置する前に確認すること

マンションで自宅安置をする際は、ご遺体を室内まで搬入できるか、安置スペースやご遺体を適切に保全できる環境が整っているかが重要です。さらに、管理規約や賃貸借契約に特別な取り決めがないかも見ておくと安心です。

マンションで自宅安置する前には下記を確認します。

  • エレベーターにストレッチャーが乗るか
  • 管理規約・賃貸契約に問題がないか
  • 安置スペースが確保できるか
  • ご遺体を適切に保全できる環境か

次に詳細を見ていきましょう。

エレベーターにストレッチャーが乗るか

マンションで自宅安置をする場合、まずチェックしたいのがご遺体の搬入経路です。

ご遺体は通常、葬儀社がストレッチャーなどを使って搬送します。エレベーターの奥行きや間口が足りない場合、ストレッチャーがそのまま乗せられないこともあります。

エレベーターのサイズや共用廊下の幅、室内までの経路を確かめましょう。

トランク機能付きエレベーターの場合

マンションのエレベーターには、奥の壁の一部を開放して奥行きを広げられる「トランク機能」が付いているものがあります。

トランク機能を利用することで、ストレッチャーを搬入しやすくなる場合があります。ただし、エレベーターや搬送器具の寸法、使用条件によっては搬入できないため、葬儀社や管理会社に確認しましょう。使用の際、鍵が必要になる場合は、管理会社や管理人に解錠を依頼します。

エレベーターがない・乗らない場合(団地・階段のみの建物)

エレベーターがない団地や、ストレッチャーが乗らないマンションでも、階段を使ってご遺体を搬入するケースもあります。

搬入できるかどうかは、階段の幅や踊り場の広さ、階数などによって異なります。ご遺体の搬送には専門的な対応が必要なため、葬儀社に相談するのが確実です。

管理規約・賃貸契約に問題がないか

マンションの自室での安置に、管理会社や管理組合への許可・申請が必ずしも必要なわけではありません。個々のマンションによってルールはさまざまです。分譲マンションでは管理規約や使用細則、賃貸マンションでは賃貸借契約書などに、利用ルールが記載されています。

共用設備の使用については独自の規則が設けられている場合もあるため、あわせて確認しておくとトラブルが避けられます。

安置スペースが確保できるか

ご遺体を安置するには、布団や枕飾りなどを置ける程度のスペースが必要です。和室がない場合は、洋室やリビングなどに安置してもかまいません。故人が生前使っていたベッドを利用することもあります。清潔な寝具を用意しましょう。

ご遺体を適切に保全できる環境か

ご遺体は時間の経過とともに傷みが進むため、安置場所はできるだけ涼しく保たなければなりません。直射日光や暖房の熱を避け、エアコンで室温を下げましょう。室温だけでは十分な冷却ができないため、ドライアイスを併用します。

ドライアイスの必要量や交換頻度は、ご遺体の状態や室温、安置期間などによって異なります。葬儀プランに含まれていることも多く、設置や交換は基本的に葬儀社の担当です。安置期間が延びると追加料金が発生する場合もあります。

ドライアイス使用時の換気と安全対策

ドライアイスは気化すると大量の二酸化炭素を発生するため、換気が不十分な室内では二酸化炭素中毒の心配があります。

厚生労働省が葬祭事業者向けに示したガイドライン「御遺体を安置する部屋の室内環境に関する望ましい基準」でも、ドライアイス使用時には二酸化炭素濃度が高くなる危険があり、十分な換気や曝露時間を減らす対策が必要とされています。自宅安置でも同様の危険に注意しましょう。

自宅安置中は十分な換気を行い、長時間ご遺体のそばで過ごす場合は、定期的に部屋を離れるなどの対策を取ってください。特に納棺後は、棺の中に顔を入れたり、のぞき込んだりしないよう注意が必要です。

気分が悪くなった場合はすぐにその場を離れ、異常があれば119番してください。

自宅で安置できる期間の目安

自宅での安置期間の目安は、一般的に2〜3日程度です。期間に法律上の期限はなく、適切な保冷処置を行えば、それ以上の期間でも安置できることもあります。

実際に何日間安置できるかは、ご遺体の状態や季節、室温、保冷方法などによって異なります。火葬場の混雑や繁忙期のために安置期間が長くなる場合は、葬儀社と相談し、保冷設備のある安置施設への移動も検討しましょう。

マンションでの自宅安置の流れ

マンションでの安置も、一戸建てでの安置も、基本的な流れは変わりません。一般的には、次の手順で進めます。

ご遺体の搬送・安置を手配する

病院で亡くなった場合は、葬儀社に連絡してご遺体の搬送を依頼します。このとき、自宅マンションでの安置を希望していることを伝えてください。オートロック付きのマンションでは、葬儀社の到着に合わせてエントランスの解錠ができるようにしておくとスムーズです。

自宅で亡くなった場合は、医師による死亡確認などを経て、そのまま自宅に安置することもできます。ご遺体を移動させる必要がない場合でも、安置に必要な処置や準備は必要です。葬儀社に連絡を取りましょう。

関連: ご遺体搬送とは?流れ・依頼方法をわかりやすく解説

ご遺体を安置し、枕飾りを整える

ご遺体を、用意した布団などに寝かせます。仏式では北枕か西枕にするのが一般的ですが、宗派や部屋の間取りに応じて調整して問題ありません。

続いて、故人の枕元に「枕飾り」と呼ばれる小さな祭壇を設けます。仏式では線香やろうそく、花などを供えますが、宗派によって内容は異なります。

枕飾りは葬儀プランに含まれている場合があります。用意の有無や追加料金について葬儀社に確認しましょう。

関連: 枕飾りとは?用意するもの・宗教別の飾り方と知っておきたい注意点

枕経をあげる

仏式では、ご遺体の安置後、僧侶に枕元でお経をあげてもらう「枕経(まくらぎょう)」を行うことがあります。

菩提寺がある場合は、亡くなったことを伝え、枕経をお願いするか相談しましょう。必ず行う儀式ではなく、宗派や地域の慣習、家族の意向などによって異なります。

マンションの場合は、読経の声の大きさや時間帯など、近隣住民への配慮が必要です。

葬儀社と打ち合わせをする

ご遺体の安置後は、葬儀の日程、会場、葬儀の形式などについて、葬儀社と打ち合わせを行います。マンションで安置する場合は、安置期間や葬儀当日の搬出方法なども重要な確認事項です。

親族への連絡や遺影写真の用意など、家族が行う準備についても打ち合わせの中で整理しておきましょう。費用については、内訳を詳しく記載した見積書を受け取っておいてください。

関連: 葬儀の打ち合わせで確認することは?打ち合わせをするタイミングや注意点も解説

納棺する

納棺は、ご遺体を棺に納める儀式です。一般的には通夜の前などに行い、葬儀社のスタッフが中心となって進めます。

必要に応じて故人の身なりを整え、家族が見守るなかで棺に納めます。故人の愛用品などを一緒に納めることもできますが、火葬できないものもあるため、わからないことは葬儀社に確認しましょう。

マンションで納棺する場合は、棺を置くスペースや搬出経路の確保が必要です。玄関や廊下が狭い場合や、エレベーター・階段からの搬出が難しい場合は、葬儀社と相談して別の場所で納棺することもできます。

関連: 納棺とは?立ち会わなくていいか親族はどこまでか解説

関連: 納棺のときに何を入れる?副葬品の選び方と入れてはいけないものを解説

管理会社・近隣住民へ配慮する際のポイント

マンションの自宅で安置する際は、ご遺体の搬送や葬儀社スタッフの出入りなど、普段とは異なる状況が生じます。ほかの住民への影響を考え、周囲に配慮しながら準備を進めましょう。

必要に応じて管理会社・管理組合に事前に連絡する

自宅安置について法律上全国一律の事前連絡義務があるわけではありません。ただし、管理規約・使用細則・賃貸借契約で共用部やエレベーターの使用手続きが定められている場合があります。

ただし、ご遺体の搬送にあたって、エレベーターのトランク機能の解錠や、駐車スペースの確保などが必要になる場合があります。そうした手配が必要なときは、管理会社や管理人に事前に連絡しましょう。

また、葬儀社スタッフや僧侶などの出入りがあることを、一言伝えておくとスムーズです。

共用部(廊下・エレベーター)での搬送に配慮する

ご遺体を搬送する際は、ほかの住民の通行やエレベーターの利用を妨げないよう配慮しましょう。

搬送車両についても、マンションの出入り口や周辺道路をふさがないよう、停車場所に注意が必要です。

搬入・搬出は基本的に葬儀社が行うため、建物の構造や搬送経路などをあらかじめ伝えておくとスムーズです。

線香・読経・人の出入りに気を付ける

自宅安置中は、線香の煙やにおい、読経の声などが近隣住民の迷惑にならないよう配慮が必要です。

線香は煙の少ないものを選ぶなどの工夫をし、ろうそくや線香の火の取り扱いにも十分注意してください。

お通夜の前でも、親族や親しい友人などが弔問に訪れることがあります。訪問の際は、共用廊下での話し声や人の出入りに気をつけましょう。

マンションで自宅安置が難しい場合の選択肢

マンションの設備や室内環境などの問題で自宅安置が難しい場合は、葬儀社の安置施設や斎場・火葬場の安置室を利用します。それぞれ設備や利用条件が異なるため、葬儀社と相談しながら安置場所を選びましょう。

関連: ご遺体安置とは?費用相場や安置場所の決め方を解説

葬儀社の安置施設

葬儀社が所有・提携する安置施設では、葬儀や火葬までのあいだ、ご遺体を預かってもらえます。保冷設備を備えた施設もあるため、安置期間が長くなる際は安心です。

注意したいのは、面会できる時間や回数、付き添い・宿泊の可否が施設によって異なる点です。自由に面会できない場合もあるため、事前に確認しておきましょう。

安置料は日数に応じて発生することが多く、ドライアイス代などが別途必要になるケースもあります。葬儀プランに含まれる日数や、延長時の追加料金を把握しておくと、あとで慌てることがありません。

斎場・火葬場の安置室

斎場や火葬場に安置室が設けられている場合は、そちらを利用する方法もあります。同じ施設で葬儀や火葬を行えば、ご遺体を別の場所へ搬送する手間が抑えられます。

ただし、すべての斎場・火葬場に安置室があるわけではありません。利用できる日数や時間、面会などに制限が設けられていることもあります。

公営の斎場・火葬場では、故人の住所によって利用資格や料金が異なる場合があります。また、安置室の利用には事前予約や所定の手続きが必要な施設もあるため、葬儀社に利用条件や空き状況を調べてもらいましょう。

マンションでの自宅安置に関するよくある質問

弊社によくいただくお問い合わせをいただく、マンションで自宅安置をするにあたってのよくある質問をご紹介します。

弊社では全国対応で、24時間365日受け付けておりますので、些細なことでも疑問がありましたらお気軽にお問い合わせください。

近所に知られずに安置できますか?

自宅安置をする際、近隣住民にわざわざその旨を知らせる必要はありません。家族だけで静かに故人を見送りたい場合は、近所に知らせずに搬送・安置します。

ただし、ご遺体の搬送時にほかの住民と顔を合わせることはあります。周囲の目が気になる場合は、葬儀社に希望を伝え、搬送する時間帯や方法を相談してみましょう。

また大規模マンションなどでは、エントランスからエレベーターまでの移動距離が長いケースもあります。人目に触れずにご遺体を搬入したい場合は、葬儀社にその旨を伝え、人目の少ない時間帯や搬入経路を相談しましょう。

安置中にご遺体と一緒に寝てもいいですか?

ドライアイスによる二酸化炭素中毒のおそれがあるため、ご遺体と同じ部屋で寝るのは避けましょう。

ドライアイスから発生する二酸化炭素は、空気より重いため床付近にたまりやすい性質があります。換気が不十分な部屋で長時間過ごすのは危険です。

故人のそばで過ごしたい場合も、就寝時は別の部屋を利用し、換気は十分に行いましょう。

マンションでも自宅安置は可能。事前の確認で、故人と穏やかな時間を

マンションでも、ご遺体の搬入や保冷などの条件が整えば、自宅安置は可能です。エレベーターや階段からの搬入が難しい場合でも、葬儀社に相談することで対応できるケースがあります。

故人を住み慣れた自宅に迎え、家族でゆっくりお別れの時間を過ごせるのは、自宅安置ならではのよさです。マンションだからと諦めず、まずは葬儀社に希望を伝えてみましょう。

弊社でも、もちろんマンションでの安置に対応しています。ご遺体のお迎えや安置に関するご不安やご質問を、まずはお聞かせください。

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