自宅でのお通夜を検討しているものの、「そもそも可能なのか」「準備や費用が不安」と迷っている方も多いのではないでしょうか。
結論から言うと、自宅でお通夜を行うことは可能です。ただし、住宅の広さや参列者の人数によって、無理なく実施できるかは大きく異なります。
本記事では、自宅でお通夜を行う際のメリット・デメリットや確認すべき条件、費用の考え方、具体的な進め方までをわかりやすく整理しています。ご家族の状況や希望に応じて、自宅と斎場のどちらが適しているかを判断するための参考にしてください。
また、通夜から葬儀・告別式までを自宅で行う「自宅葬」については、以下記事で詳しく解説しています。あわせてご確認ください。
この記事を要約すると
- 自宅でのお通夜は可能ですが、住宅の広さや参列者の人数、近隣環境などの条件を事前に確認することが大切です。「通夜だけ自宅で行い、葬儀・告別式は斎場で行う」という折衷的な形を選ぶ方法もあります。
- 自宅でのお通夜のメリットは、住み慣れた場所で過ごせることや、小さな子どもや高齢者がいる家族でも負担が少ないことです。デメリットは、多くの参列者への対応や、設営・近隣への配慮など、家族側の負担が増えやすい点です。
- 自宅でのお通夜を検討する際は、祭壇や焼香のスペース、棺の搬入経路など、事前確認が必要です。自宅葬の実績がある葬儀社に相談し、スペース・人手・近隣環境の3つの条件を整理したうえで判断しましょう。
自宅でお通夜を行うことはできる?
お通夜といえば斎場や会館で行うイメージが一般的ですが、自宅で行うことも可能です。とはいえ、現在は住宅事情や家族構成の変化もあり、昔のように自宅で行うケースは多くありません。
そのため、自宅でのお通夜を検討する場合は、現在の状況に合わせて判断することが大切です。
かつては自宅でのお通夜が一般的だった
かつての日本では、お通夜も葬儀も自宅で行うことが一般的でした。近所の方が集まって故人を囲み、地域全体で見送る文化が根付いていた時代です。
50代以上の方のなかには、「お通夜は家で行うものだ」という感覚を持っている人もいるでしょう。自宅で故人と最後の時間を過ごし、そのまま見送るという形が自然だと感じる人も少なくありません。
現在でも自宅通夜は可能だが、昔とは状況が異なる
現在は、設備の整った斎場やセレモニーホールが普及したことで、葬儀を斎場で行うことが主流になっています。住宅の小型化や核家族化、近隣との関係の変化なども、自宅葬が減った背景にあります。
自宅でお通夜を行う場合、まずは自宅の広さや搬入動線、参列者の人数、近隣環境などの確認が必要です。また、自宅で行うといっても、お通夜だけを自宅で行い、葬儀・告別式は斎場で行う形もあれば、お通夜から告別式まですべてを自宅で行う形もあります。
自宅でお通夜を行うメリット
自宅でお通夜を行うことには、斎場にはない独自のメリットがあります。ここでは、自宅でお通夜を行う主なメリットについて見ていきましょう。
住み慣れた自宅で故人と最後の時間を過ごせる
自宅通夜の最大のメリットは、故人が生前慣れ親しんだ場所で最後の夜を過ごせることです。見慣れた部屋や日常の空間の中で過ごすことで、形式にとらわれすぎず、落ち着いた気持ちで故人と向き合いやすくなります。
斎場では時間や進行に合わせて動く場面も多くなりますが、自宅であれば比較的ゆったり過ごしやすいのも特徴です。
家族や親しい人を中心に、落ち着いた雰囲気で見送りやすい
斎場では時間や進行のスケジュールが決まっていることが多く、慌ただしさを感じる場面もあります。自宅であれば時間の制約が少なく、家族のペースでゆっくりとお別れの時間を持てます。近しい人だけで静かに見送りたいという希望にも応えやすい環境です。
小さな子供や高齢者がいる場合でも負担が少ない
斎場での通夜・葬儀は、小さな子ども連れや高齢者にとって体力的・精神的な負担が大きくなることがあります。授乳や着替え、子どもが落ち着かないときの対応、高齢者がすぐに横になれる環境など、自宅であればこうした場面にも柔軟に対応できます。
また、斎場まで移動する手間がないという点も、家族全体の負担を減らす大きなメリットです。
自宅でお通夜を行うデメリット
自宅でのお通夜では準備や当日の対応において、斎場では生じない負担も伴います。自宅通夜を検討する際はメリットとデメリットを把握し、「できるかどうか」だけでなく、「無理なく行えるか」という視点を持つことが大切です。
参列者が多い場合は対応しにくい
一般的な住戸の場合、参列者の人数に限界があります。祭壇や焼香スペース、弔問客の動線を確保しようとすると、受け入れられる人数はどうしても限られます。一般参列も想定されるような規模の葬儀では、自宅での対応は難しいことが多いです。
設営や近隣配慮など家族の負担が増えやすい
自宅でお通夜を行う場合は、祭壇や焼香スペースの設営、来客対応、片付けなど、気にかけなければならないことが増えやすくなります。斎場なら葬儀社が担う部分も、自宅では家族が進める場面も少なくありません。
また、近隣への事前の挨拶や配慮も必要になります。心身ともに疲弊しているなかで準備を進めなければならない点は、自宅通夜の大きな負担です。
駐車場やトイレなど、来客用設備を補いにくい
斎場には駐車場・トイレ・控室など、弔問客を迎えるための設備が整っています。自宅ではこれらを補う必要があり、駐車場が確保できない場合は近隣の方に迷惑をかけるリスクもあります。参列者が多い場合や、自家用車での来訪が多いと予想される場合は、事前の対策が欠かせません。
自宅でお通夜を行う前に確認したい条件
自宅でお通夜を行いたいと思っても、すべての自宅で同じように実施できるわけではありません。葬儀社への相談と並行しながら、以下の点を整理しておきましょう。
自宅の広さや間取りに問題はないか
自宅でお通夜を行うには、ご遺体の安置場所、祭壇や焼香スペース、参列者の動線の確保が必要です。十分なスペースが確保できない場合は、家族中心の小規模なお通夜が現実的な選択肢となります。
参列者の人数はどのくらいか
参列者の人数は、自宅でお通夜を行えるかどうかを判断するうえで重要な要素です。家族・親族を中心に小さな規模で行うなら自宅でのお通夜が可能ですが、一般参列も想定される場合は対応が難しくなります。
どの範囲の方に声をかけるか、何人程度の参列を見込んでいるかを事前に整理したうえで、葬儀社に相談しながら自宅で対応できる規模かどうかを確認しましょう。
近隣環境や搬入動線に支障はないか
自宅でのお通夜では、人や車の出入りが増えるため、近隣への配慮も欠かせません。駐車スペースの有無や道路状況、周囲の住宅との距離などを確認しておきましょう。
また、棺や祭壇の搬入がスムーズに行えるかも重要なポイントです。玄関や階段、通路の広さによっては、搬入が難しいケースもあるため、事前に葬儀社と確認しておくと安心です。
葬儀社にどこまで対応してもらえるか
自宅通夜を葬儀社のサポートなしに進めることは現実的ではありません。祭壇の設営から搬入、式の進行、片付けまで、どこまで任せられるかを事前に確認しておきましょう。
葬儀社によっては、自宅葬の実績が少なかったり、自宅葬に必要な備品を持っていなかったりする場合もあります。「自宅でお通夜を行いたい」という希望は、できるだけ早い段階で葬儀社に伝えるようにしましょう。
自宅でのお通夜にかかる費用
自宅でのお通夜にかかる費用は、「通夜だけ自宅で行うのか」「葬儀・告別式まで自宅で行うのか」といった形式によって大きく変わります。そのため、お通夜単体での相場を出すのは難しく、全体の費用感や内訳を踏まえて考えることが大切です。
ここでは、自宅でのお通夜にかかる費用の考え方について整理していきます。
費用の相場
自宅でお通夜から葬儀・告別式まで行う「自宅葬」の場合、全体の費用は約40万円〜100万円前後がひとつの目安とされています。ただし、参列者数や祭壇の規模、会食の有無などによって大きく変動します。
また、お通夜だけ自宅で行い、葬儀・告別式を斎場で行う場合は、自宅での設営費用と斎場の利用費用がそれぞれかかるため、全体としては費用が増えることもあります。
費用の内訳
自宅でお通夜を行う場合に発生する主な費用には、以下のようなものがあります。
- 葬儀社への基本費用(搬送・安置・進行サポートなど)
- 祭壇や焼香スペースの設営費
- ドライアイスなどご遺体の保全にかかる費用
- 返礼品・会葬御礼
- 通夜ぶるまい等の飲食費
- 近隣の方への手伝いへの心づけ
ただし、上記すべてが基本プランに含まれるかどうかは葬儀社に確認が必要です。また、斎場であれば会場費に含まれる項目も、自宅では別途費用が発生するケースもあります。
葬儀社への見積もりの際は、何が含まれていて何が含まれていないかを細かく確認するようにしましょう。
自宅 or 斎場|お通夜の実施場所を検討するときのポイント
自宅でお通夜を行うかどうかは、費用だけで判断できません。参列者数や家族の人手、希望する式の規模、家族の状況など、複数の要素を総合的に考えることが大切です。どちらが正解ということはなく、自分たちの状況に合った形を選ぶことが、後悔のない見送りにつながります。
自宅のほうが安いとは限らない
会場の利用料が不要であっても自宅のほうが安いとは限りません。斎場では会場費がかかりますが、設備や運営体制が整っているため、追加で発生する費用が少ない場合があります。
一方、自宅では会場費が不要でも、葬儀社の出張対応費用や設営の手間、ドライアイスの交換対応など、個別にコストが発生することもあります。費用面だけで比較する場合も、必ず見積もりを取って具体的な金額で判断するようにしましょう。
特にお通夜だけ自宅で行い、葬儀・告別式を斎場で行う場合は、複数の場所で準備が必要になるため注意が必要です。
家族の負担と希望を総合して判断する
小さな子ども連れや高齢の親族がいる場合、斎場への移動や長時間の滞在が負担になることがあります。自宅であれば着替えや休憩がしやすく、慣れた環境で過ごせるため、家族全体の負担が軽くなる場合があります。
一方で、自宅での準備や対応に人手が必要になることも事実です。費用だけでなく、家族の体力や人手、故人・遺族の希望も含めて総合的に判断しましょう。
スペース・人手・近隣環境など現実的な条件を確認しておく
自宅でお通夜を行う場合、スペースの確保、当日の人手、近隣への配慮という3つの条件が揃っているかどうかが重要です。どれか一つでも対応が難しい場合は、斎場の利用や「通夜だけ自宅・葬儀は斎場」という分割パターンも選択肢に入れながら、葬儀社と相談して決めていくのがおすすめです。
自宅でのお通夜が向いているケース
自宅でのお通夜は、すべてのケースに適しているわけではありませんが、条件が合えば落ち着いて見送れる方法のひとつです。とくに参列者の規模や家族の希望によっては、斎場よりも自宅のほうが無理なく行える場合もあります。
ここでは、自宅でのお通夜が向いている主なケースを見ていきましょう。
故人をできるだけ自宅から送りたい
故人や家族の意向として、自宅から見送りたいと考えるケースです。「住み慣れた我が家へ帰らせてあげたい」という願いは、ご遺族にとって大きな供養の一つです。生前愛用していたものに囲まれ、日常の風景の中でお別れをすることで、ご遺族自身の心の整理もつきやすくなるという側面があります。
参列者が限られており、スペースに余裕がある
参列者が少人数、または自宅スペースに余裕があれば、自宅でお通夜が行いやすいでしょう。参列者が家族や近親者のみの小規模なものなら、広い受付スペースや大きな駐車場は必要ありません。
目安として、祭壇スペースに加え、5〜10名程度が座れる部屋があるなら、自宅での対応は十分に可能です。
自宅でのお通夜が向いていないケース
自宅でのお通夜が難しい、または負担が大きくなりやすいケースもあります。無理に自宅で行おうとすると、家族や参列者にとって負担が大きくなることもあるため、状況に応じた判断が必要です。
ここでは、自宅でのお通夜が向いていない主なケースを紹介します。
参列者が多く、一般弔問も多く見込まれる
参列者が多くなるほど、自宅での対応は難しくなります。受付・案内・焼香の誘導など、斎場であればスタッフが担う役割を遺族側で対応しなければならない場面も増えるでしょう。一般弔問が多く見込まれるようなら、設備の整った斎場の方が参列者にとっても負担が少なくなります。
自宅のスペースや搬入動線に不安がある
祭壇の設置や棺の搬入が難しい、参列者の動線が確保できないといった場合は、無理に自宅で行うよりも斎場を利用する方が式全体がスムーズに進みます。
マンションや集合住宅で規約上の制限がある場合も同様です。
家族の負担をできるだけ減らしたい
体力的・物理的な影響による家族の負担を減らしたい場合は、自宅でのお通夜は避けたほうがよいでしょう。
弔問客の対応や片付け、近所への気配りなど、自宅でお通夜を行う際は、ご遺族が「ホスト(主催者)」として動かなければならない場面が増えます。これらのことが負担となるようなら、設備の整った斎場を利用する方が安心でしょう。
自宅でお通夜を行う場合の主な2つのパターン
「自宅でお通夜」といっても、必ずしも葬儀のすべてを家で行うわけではありません。以下の2つのパターンから状況に合わせて選ぶこともできます。
お通夜だけ自宅で行い、葬儀・告別式は斎場で行う
最後の夜だけは自宅で静かに過ごしたい一方、告別式や出棺は設備の整った斎場で行いたいという方に向いているパターンです。
自宅での負担を通夜の一夜に限定できるため、遺族の体力的・精神的な負担を抑えながら、故人を自宅から送り出す気持ちも大切にできます。なお、このパターンでは供花や香典の届け先(自宅か斎場か)を事前に参列者へ案内しておくと親切です。
お通夜も葬儀・告別式も自宅で行う
お通夜から葬儀・告別式まで、すべてを自宅で行う「自宅葬」の形です。できるだけ住み慣れた場所から送りたい、家族中心で静かに見送りたいといった場合に選ばれます。
ただし、スペースや設備、近隣への配慮などの条件がより重要になるため、事前の確認と準備が欠かせません。
自宅通夜のために準備しておきたいこと
自宅でのお通夜を無理なく行うためには、事前の準備が重要です。ここでは、あらかじめ確認しておきたいポイントを紹介します。
安置場所や祭壇・焼香スペースを整える
ご遺体を安置する場所や祭壇の設置位置、焼香スペースなどを事前に決めておきましょう。参列者がスムーズに移動できる動線も意識して配置することが大切です。季節によってはエアコンによる室温管理も重要になります。
必要な物品は、葬儀社と相談しながら準備を進めると安心です。
参列者対応や家族の役割分担を決めておく
自宅では誰が玄関で出迎えるか、香典を受け取るか、お茶を出すかといった役割を明確にしておきます。小規模なお通夜でも、最低限の役割分担をしておくことで、家族の負担を軽減できるでしょう。
近隣への配慮や当日の動きを確認しておく
人の出入りや車の出入りが増えるため、近隣への配慮も重要です。必要に応じて事前に一言伝えておくと、トラブルを防ぎやすくなります。
また、当日の搬入や進行の流れも事前に確認しておくことで、スムーズに進めることができます。駐車スペースについても、事前に確認し、参列者に連絡しておくと安心です。
自宅でお通夜を行う流れ
ここでは、逝去からお通夜当日までの大まかな流れを解説します。
なお、一般的なお通夜の流れについては、以下の記事で詳細に解説しております。
1.逝去後、葬儀社に相談する
家族が亡くなったら、まず葬儀社に連絡します。「自宅でお通夜を行いたい」という希望をできるだけ早く伝えることが大切です。自宅での実施が可能か、ご遺体の搬送・安置の段取り、お通夜だけなのか葬儀・告別式まで自宅で行うのかといった形式の確認も、この時点で相談しておくとスムーズです。
病院で亡くなった場合は、ご遺体を自宅または安置施設に搬送します。自宅へ搬送する場合は、搬入経路(玄関の広さ・廊下・エレベーターなど)についても葬儀社と事前に確認しておきましょう。
2.ご遺体を安置し、必要な準備を進める
ご遺体を自宅へ搬送し、安置します。具体的な準備は担当者の指示に従いながら進めるのがおすすめです。安置後、葬儀社との打ち合わせで、葬儀の詳細を決めていきます。
以下の準備も並行して進めましょう。
- お寺様(宗教者)への連絡
- 参列者への連絡・日程の調整
- 食事の手配や返礼品の確認
- 受付・来客対応の役割分担の確認
- 近隣への挨拶
3.お通夜を行い、その後の葬儀・告別式へ進む
お通夜当日は、葬儀社の担当者が式の進行をサポートしてくれます。一般的な流れは、僧侶による読経、焼香、通夜ぶるまいという順序ですが、家族のみの小規模なお通夜の場合、形式にとらわれず、故人とゆっくり過ごす時間を大切にする形でも問題ありません。
お通夜が終わった後は、翌日の葬儀・告別式へと続きます。
自宅でのお通夜は無理のない形を選ぶことが大切
自宅でお通夜を行うことは可能ですが、住宅の広さや参列者の人数、家族の負担など、現実的な条件を踏まえた判断が重要です。「通夜だけ自宅で行い葬儀は斎場で行う」という形も選択肢のひとつであり、どちらが正解ということはありません。
自宅でのお通夜が可能か、するべき準備は何か、疑問や不安があれば、まずは葬儀社に電話で相談してみるのも一つの方法です。たくさんの葬儀を知っているプロに、最適なアドバイスをもらえるでしょう。
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