葬儀の基礎知識

自家用車での遺体搬送は法律違反でない!注意点や流れを解説

自家用車での遺体搬送は法律違反でない!注意点や流れを解説

大切な方が亡くなり臨終が告げられると、まず初めに遺体搬送の手配が必要となります。初めての場合、「自分たちで病院から遺体を運んでもいいのか」「自家用車での移送は可能なのか」といった疑問が出てくるのではないでしょうか。

この記事では遺族が遺体を搬送することや、搬送に関連する法律について解説するとともに、搬送の流れや注意点などをお伝えします。

スムーズに遺体を安置場所へと搬送できるよう、参考になさってください。

なお遺体搬送について詳しくは以下の記事でご紹介しています。一般的な流れや料金、長距離搬送などについて触れていますので、気になる方はチェックしてみてください。

関連: ご遺体搬送とは?自分でもできる?料金や流れまで解説

この記事を要約すると

  • 遺族が自家用車で遺体を搬送すること自体は、法律違反ではありません。ただし、第三者が費用を受け取って搬送するには「一般貨物自動車運送事業」の許可が必要で、許可のない有償搬送は違法となります。
  • 自家用車での搬送は、心理的・身体的な負担が大きい点に注意が必要です。死後硬直で動かしにくく、損傷や体液漏れなど衛生面のリスクもあるため、経験豊富な葬儀社や搬送業者に任せるのが安心です。
  • 自家用車で搬送する流れは、まず棺を用意し、遺体を運ぶ人手を集め、棺が入る自家用車で安置場所へ搬送します。万が一に備え、死亡診断書(死体検案書)を携帯しておくと安心です。
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【結論】遺族が遺体を自家用車で運ぶのは違法ではない

遺族が故人の遺体を自家用車で運ぶのは法律違反ではありません遺族が営利目的ではなく、自分の家族や親族の遺体を自家用車で搬送するのは法的には問題のない行為です。

ただし実際に遺体を自家用車で運ぶには、いくつかの注意点があります。遺体は大きく重いため、取り扱いには専門的な知識や技術が必要なことが多いものです。

体液の流出といった衛生面のリスクも伴います。また感染予防法三十条記載の通り、定の感染症で亡くなった場合には移動が禁止・制限されることもあります。

【早見表】自家用車での遺体搬送がOK・NGなケース

ケース可否理由
遺族が自分の家族の遺体を自家用車で運ぶ〇 問題なし営利目的でないため
第三者が報酬を受け取って運ぶ× 違法一般貨物自動車運送事業の許可が必要
タクシーで有償で運ぶ× 違法タクシーは旅客運送。遺体は「貨物」扱い
介護タクシーで運ぶ× 原則不可旅客運送のため(許可・提携がある場合を除く)
レンタカー・知人の車で運ぶ△ 非推奨違法ではないが規約違反・汚損・責任の問題

※特定の感染症で亡くなった場合は、感染症法により移動が制限されることがあります。

ご遺体搬送で法律違反になるケースとは?

自家用車を用いてご遺体搬送をすることは法律違反ではないと解説いたしました。しかし、注意が必要で少し間違えると違法なケースがあります。

  • 報酬を受け取り遺体搬送する場合
  • レンタカー・知人の車で遺体搬送する場合
  • 介護タクシーで遺体搬送する場合

知らないうちに法律を破らないように、一つ一つしっかりと見ていきましょう。

報酬を受け取り遺体搬送する場合

遺族自らが故人の遺体を搬送するのは法律的に問題ありませんが、第三者が費用をもらい、営利目的で遺体を搬送するのは違法です。

遺体搬送を「事業」として行えるのは、国土交通大臣から「一般貨物自動車運送事業」の許可を受けた事業者だけです。なお、事業許可は都道府県ごとに与えられるため、許可された都道府県を越えての搬送もできません。

またタクシーなども、費用を受け取り遺体を運ぶのは違法になります。これは法律上、遺体が「貨物」の扱いとなるためです。タクシーは「旅客運送事業者」であるため、運べるのは生きている人・旅客です。

なお、一般的に遺体搬送には霊柩車ではなく寝台車と呼ばれる車両が使われます。「緑ナンバー」「営業ナンバー」などともいわれる緑色のナンバープレートは、特殊用途車両である8ナンバーです。遺体を運べるようストレッチャーや固定具といった専用設備が整っています。

レンタカー・知人の車で遺体搬送する場合

遺体搬送のためにレンタカーや知人の車を使用することは、明確に禁止されているわけではありません。ただし、車両の汚損や衛生面の問題、トラブル時の責任の所在などを考えると推奨できません

また、レンタカー会社の規約で遺体搬送が禁止されている場合もあるため、事前の確認が必要です。

介護タクシーで遺体搬送する場合

介護タクシーで遺体を搬送することは、原則としてできません。その理由は、法律上、遺体は「貨物」として扱われるためです。

介護タクシーは「旅客運送事業」に該当し、生きている人(乗客)を運ぶためのサービスであるため、遺体の搬送は業務の範囲外となります。また、遺体搬送を有償で行うには「一般貨物自動車運送事業」の許可が必要です。介護タクシー事業者はこの許可を持っていないことが多く、料金を受け取って遺体を運搬すると違法となる可能性があります。

ただし、例外的に、葬儀社と提携している場合や、必要な許可を取得している事業者であれば対応できるケースもあります。
いずれにしても、トラブルを避けるためには、遺体搬送は葬儀社や専門業者に依頼するのが安心です。

遺体搬送に関連する法律

遺体搬送に直接関係する法律には以下の2つがあります。

貨物自動車運送事業法霊柩運送事業を、認可を受けた事業者だけに限定する法律
感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律(第三十条)特定の感染症で亡くなった場合、移動を禁止・制限する法律

また搬送とは直接関係ありませんが「墓地、埋葬等に関する法律(墓地埋葬法)」では、亡くなった後、24時間は火葬・埋葬ができないと法律で決められているため、安置が必要です。

病院で亡くなった場合、24時間の安置期間を病院では過ごせないため、まず安置場所への遺体搬送が必要となることを覚えておきましょう。

遺体は法律上「貨物」として扱われる

法律上、遺体は「貨物」として扱われます。そのため、有償で遺体を運ぶ行為は「貨物自動車運送事業」に該当し、国土交通大臣の許可が必要です。

これは一般的な荷物の運送と同様の扱いとなるため、誰でも自由に遺体搬送を事業として行えるわけではありません。

霊柩車が8ナンバーである理由

遺体搬送に使用される車両は、一般的に「8ナンバー(特種用途自動車)」に分類されます。これはストレッチャーや固定装置など、遺体搬送専用の設備を備えているためです。

一方で、一般の乗用車はこうした設備がないため、業務として遺体搬送を行うことは認められていません。

自家用車で遺体搬送をする際のリスク・注意点

ここからは、自家用車で遺体搬送をする際に知っておきたいリスクや注意点をご紹介します。

遺体搬送は負担が大きい

遺体搬送は、心理的にはもちろん身体的にも負担の大きい作業です。故人の遺体は死後硬直によって動かしにくくなり、遺体に加えて棺の重さも加わります。

故人が特に大柄な方でなかったとしても、人一人の大きさ、重さを考えると、ご遺族が一人で搬送するのは難しいでしょう。

遺体の損傷や衛生面

先に述べた通り、遺体搬送には専門的な知識や技術が必要です。不慣れな人が遺体を動かすのは遺体を損傷する恐れがあります。体液の流出・滲出による衛生面での問題も考えられます

棺を搬入できるスペースが必要

遺体は棺に納めて車に乗せることになるため、搬送に使用する車両は、荷室に棺を入れられる十分なスペースが必要です。また走行時に棺が動かないよう、固定しておかなければなりません。

ドライアイス処置を行わない場合のリスク

遺体は時間の経過とともに腐敗が進行します。適切なドライアイス処置を行わない場合、体液の流出や臭いの発生といった問題が生じる可能性があります。

特に夏場は進行が早くなるため、適切な処置が重要なため、プロである葬儀社や遺体搬送業社に任せることをオススメします。

関連: 死亡後の遺体の腐敗はいつから?進行を防ぐ方法と手続きを解説

遺族自ら遺体搬送をする際の流れ

遺体搬送を自ら行う場合、以下のような流れとなります。

遺体を納める棺を用意する

遺体はそのままの状態では運べないため、棺やそれに代わるものに納めなければなりません。体液が滲出する可能性もあるため、防水対策も必要です。

棺の価格は2万5,000円程度で、インターネットでの購入が可能です。病院で亡くなった場合、急ぎの退院を求められることが多いため、棺は前もって準備しておかなければなりません。

また先に述べた通り、亡くなったあと1時間ほどで死後硬直がはじまります。思うように動かすことはできないことも頭に入れておきましょう。

遺体を運ぶ人を手配する

遺体と棺でかなりの重さになるため、一人で遺体を動かすのは困難です。

遺体搬送用の寝台車にはストレッチャーが備え付けられていますが、一般の乗用車の場合はありません。遺体を運ぶ人手の用意も必要です。

棺を乗せられるサイズの自家用車を用意する

搬送する車の荷室に棺を乗せられるスペースがあるか、フラットになるか、確認が必要です。

体液の流出など、汚れる可能性があるため搬送用の車を借りるのはよくありません。また遺体を運ぶ目的でレンタカーを借りるのは難しいでしょう。

関連: 遺体搬送車とは?寝台車との違いや費用、依頼の流れを解説

必要書類を携帯する

搬送時は、死亡診断書または死体検案書を持っておくほうがよいでしょう。書類携帯は絶対ではありませんが、もしもの時のトラブルを避けるためには携帯しておくと安心です。

また安置期間を経て出棺→火葬となる際は、火葬場の手続きで火葬許可証が必要となります。火葬許可証は自治体へ死亡診断書・死亡届を提出すると発行されます。

関連: 遺体搬送時の死亡診断書はどう扱う?手続きの流れと注意点をわかりやすく解説

安置場所へ搬送する

先に述べた通り、死後24時間は法律により火葬・埋葬ができないため、たとえ直葬の場合でも搬送先は火葬場ではなく安置場所です

自宅で安置する場合は、エレベーターや玄関、部屋の出入り口など、安置する部屋までの導線も確認しておきましょう。

葬儀社・専門業者に遺体搬送する際の流れ

葬儀社や遺体搬送の専門業者に搬送を依頼する際の具体的な流れをご紹介します。

病院から遺体搬送をする場合については、以下の記事で詳しく解説しています。業者の違いや選定のポイントなど、参考にしてみてください。

関連: 病院からの遺体搬送の流れ|何時間後?安置や料金も解説

葬儀社・専門業者の選定・見積り

搬送をプロに任せる場合、葬儀社と専門業者、大きく分けて2通りの方法があります。

葬儀社に依頼する場合、搬送費用は葬儀プランに含まれていることがほとんどです。葬儀もそのまま依頼するのであれば、葬儀社に搬送を依頼すると費用を抑えられます。

対して、搬送先が県外など遠方である場合や、葬儀を行わないといった場合は、搬送専門の業者に依頼するとよいでしょう。
搬送先やその後の葬儀などに応じて業者を選定し、2~3社から見積もりを取り検討したうえで決めると安心です。

逝去後、お迎えの依頼

病院で亡くなった場合、急ぎ退院してベッドを空けなければならないことが一般的です。すみやかに業者へ連絡して迎えに来てもらいます

通常、連絡から1時間程度でお迎えが到着します。この時の車両は通常、ストレッチャー付きの寝台車です。

搬送先の確認

搬送先は、自宅または安置施設など個々の状況によりさまざまです。安置施設は日額数千円~2万円と、日数に応じて費用がかかります。

自宅安置の場合の主な注意点は、安置する部屋の状態や搬入経路です。自宅安置でも葬儀社に依頼した場合はスタッフが遺体のケアをしてくれます。

死亡診断書を受け取り退院手続きをする

医師から死亡診断書を受け取り、退院手続きを済ませます。退院手続きの際、医療費・入院費の支払いが必要となります。支払い方法や支払い期限などについて確認しておきましょう。

高額になる場合、高額医療費制度の対象となります。後日申請書が送られてくるので手続きします。

葬儀社・専門業者に遺体搬送を依頼する場合の費用

搬送料金は主に距離や時間帯によって異なります。夜間や早朝、休日の搬送には、割増料金が発生するのが一般的です。

葬儀社に依頼する場合、葬儀プランの中に搬送費用が含まれている場合もあります。一般的な料金相場は以下の通りです。

【搬送料金の目安】

距離加算額
~10kmまで1.2~2万円程度
10km~30kmまで2~3万円程度
30㎞~10kmごとに3,000~5,000円程度

また遺族自らが遺体搬送を行う場合の費用の目安は以下の通りです。

物品費用
2万5,000円
防水シーツ、手袋など5,000円程度
ドライアイス1日あたり5,000〜1万円程度(季節・状況による)

遺族自ら遺体搬送を行う際は以下の点を考慮する必要があります。

  • 遺体や車両を損傷するリスクがある
  • 体液漏れなどの場合の車両の清掃費用
  • 時間と労力、精神的な負担が大きい
  • 複数の人の手配

費用面だけでなく、これらのリスクや負担も含めて総合的に判断しましょう。
なお、ご遺体搬送の費用についての詳細は、以下の記事をご覧ください。

関連: 遺体搬送の費用相場はいくら?距離別料金や費用内訳を解説

遺体搬送の法律に関するよくある質問

弊社によくいただくご遺体搬送についてのご質問についてまとめました。ご遺体搬送以外のことでも気になることありましたら、24時間365日・全国対応しておりますので、いつでもお問い合わせください。

自家用車で身内の遺体を運んでも違法にならない?

違法にはなりません。遺族が営利目的でなく、自分の家族・親族の遺体を自家用車で運ぶこと自体は法律上問題ありません。

ただし、棺の用意・人手・車のスペース・死亡診断書の携帯など準備が必要で、負担や衛生面のリスクは大きいため、葬儀社に任せるのが安心です。

レンタカーや知人の車で運んでもいい?

明確に禁止されているわけではありませんが、推奨できません。車両の汚損や衛生面、トラブル時の責任の問題があり、レンタカー会社の規約で遺体搬送を禁止していることもあります。使う場合は事前に規約を確認しましょう。

タクシーや介護タクシーでも遺体を運べる?

有償では運べません。タクシー・介護タクシーは「旅客運送」で、生きている人を運ぶためのものです。法律上、遺体は「貨物」として扱われ、有償搬送には「一般貨物自動車運送事業」の許可が必要なためです。

亡くなってすぐに火葬場へ運んでもいい?

できません。「墓地、埋葬等に関する法律」により、死後24時間は火葬・埋葬ができません。

そのため、搬送先は火葬場ではなく、いったん自宅や安置施設などの安置場所になります(感染症など一部例外あり)。

適切な遺体搬送で、故人も遺族もスムーズな弔いを

遺族が自家用車を使って故人を搬送すること自体は法律違反ではありません。ただし遺体の取り扱いには専門的な知識や技術が不可欠です。

遺体搬送に関する法律は「貨物自動車運送事業法」と「感染症予防法」があります。事業許可を得ない第三者に金銭を支払って遺体を搬送してもらうのは違法です。また遺体搬送を行うのは、「墓地、埋火葬に関する法律」によって24時間の安置期間が必要となるからです。

遺体搬送が必要となり迷った際は、専門家である葬儀社にまずは相談してみるとよいでしょう。

弊社では、価格を抑えたプランパックでの葬儀をご用意しています。参列人数に応じた広さの式場で、現代に合わせたシンプルな葬儀を行えます。依頼・相談は24時間365日受け付けているので、興味をお持ちの方はぜひお気軽にご相談ください。

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