家族が亡くなると、葬儀の準備と並行して、死亡届をはじめとするさまざまな行政手続きを進めなければなりません。なかでも死亡届は、埋火葬許可証の交付を受けるために必要となる重要な届出であり、その後の健康保険や年金などの手続きにも関わります。
大阪市では、24ある各区役所の窓口や東淀川区役所出張所で提出できますが、夜間・休日の受付方法や提出先には注意が必要です。事前に流れを把握しておくことで、慌ただしい状況でも落ち着いて対応しやすくなります。
この記事では、大阪市における死亡届の提出方法や書き方、提出後に必要な手続きに加え、死亡届のコピーがない場合の対応や、大阪市が案内している死亡後の手続き支援サービスについても解説していきます。
この記事を要約すると
- 大阪市では、死亡したことを知った日から7日以内に死亡届を提出する必要があります。提出先は各区役所の窓口サービス担当課や出張所で、夜間・休日は各区役所の宿日直窓口で受け付けています。
- 死亡届は病院で受け取るのが一般的です。紛失した場合は大阪市公式サイトから様式をダウンロードできますが、死亡診断書欄は医師に再記入してもらう必要があります。
- 死亡届の提出後は、健康保険や年金などの手続きも必要です。大阪市では「おくやみナビ」や一部の区で配布しているおくやみハンドブックを活用することで、必要な手続きを確認できます。
大阪市で死亡届を提出する際の基本情報
死亡届は、火葬許可証の交付を受けるために必要な重要な届出です。提出期限や届出人は全国共通ですが、受付窓口や時間外の対応は自治体によって異なります。大阪市では24区の各区役所と東淀川区役所出張所で受け付けています。ここでは、大阪市で死亡届を提出する際の基本情報を解説します。
死亡届の提出期限
死亡届の提出期限は、死亡の事実を知った日から7日以内です。病院などで亡くなった場合は死亡日と同日になることが多いですが、離れて暮らす家族が後日連絡を受けた場合は、その日が起算日になります。
国外で死亡した場合は、死亡の事実を知った日から3か月以内に届け出なければなりません。正当な理由なく期限を過ぎた場合は、戸籍法に基づき5万円以下の過料が科される可能性があります。
なお、期限を過ぎても死亡届は受理されます。やむを得ない事情で提出が遅れた場合は、できるだけ早く提出先の区役所へ相談しましょう。
死亡届を提出できる人
大阪市で死亡届の届出人になれるのは、戸籍法で定められた次の人です。
- 親族
- 同居者
- 家主または地主
- 家屋管理人または土地管理人
- 後見人、保佐人、補助人
- 任意後見人
- 任意後見受任者
親族には、配偶者や子、父母、祖父母、兄弟姉妹などが含まれます。届出人は1人で問題なく、親族全員が署名する必要はありません。なお、届出人と実際に窓口へ書類を持参する人は別です。届出人が署名した死亡届を、葬儀社の担当者などが使者として提出することもできます。
死亡届の提出に必要なもの
大阪市へ死亡届を提出する際は、医師が作成した死亡診断書または死体検案書と一体になった死亡届を提出します。提出手数料はかかりません。
後見人や保佐人、補助人、任意後見人が届出人になる場合は、その資格を証明する登記事項証明書などの提出を求められることがあります。該当する場合は、事前に提出先の区役所へ確認しておくと安心です。
死亡届を提出できる区役所・出張所
大阪市では、24区すべての区役所と東淀川区役所出張所で死亡届を受け付けています。死亡届は、死亡地・本籍地・届出人の所在地のいずれかを管轄する市区町村へ提出できます。
| 提出先 | 所在地 | 電話番号 |
|---|---|---|
| 24区役所 | 大阪市内各区 | 各区役所代表番号 |
| 東淀川区役所出張所 | 大阪市東淀川区豊新2丁目1-4 | 06-4809-9986(代表) |
なお、大阪市内には梅田・難波・天王寺の「大阪市サービスカウンター」がありますが、死亡届は受け付けていません。
受付時間
大阪市では、区役所の窓口サービス担当課で死亡届を受け付けています。平日の開庁時間に加え、毎月第4日曜日も窓口を開設しているため、平日に手続きが難しい場合でも提出できます。
| 受付場所 | 受付時間 |
|---|---|
| 区役所窓口サービス担当課 | 月~木曜日:9:00~17:30金曜日:9:00~19:00(窓口延長)毎月第4日曜日:9:00~17:30 |
| 東淀川区役所出張所 | 月~金曜日:9:00~17:30 |
| 各区役所宿日直 | 上記以外の夜間・休日・年末年始(24時間受付)※書類預かりのみ |
夜間や休日に宿日直へ提出した死亡届は、その場で内容を審査するわけではありません。翌開庁日に担当職員が内容を確認し、不備があった場合は届出人へ連絡が入ることがあります。
なお、東淀川区役所出張所では第4日曜日の窓口開設は実施していないため、利用する際は平日の受付時間内に提出しましょう。
参考:死亡届|大阪市
大阪市の死亡届の書き方
死亡届には、故人に関する情報だけでなく、届出人の住所や本籍、署名なども記入します。本籍や筆頭者の氏名など、普段記入する機会が少ない項目もあるため、戸籍謄本(戸籍全部事項証明書)などを確認しながら正確に記入しましょう。
なお、大阪市独自の記入方法はなく、法務省が定める全国共通の様式で記入します。
届出人欄の記入方法
届出人欄には、死亡届を提出する人の情報を記入します。届出人になれる人は戸籍法で定められており、該当する区分にチェックを入れたうえで、住所や本籍などを記入します。
| 項目 | 記入例 |
|---|---|
| 届出人との関係 | 同居の親族(該当する区分にチェックを入れる) |
| 住所 | 大阪市北区中之島1丁目3番20号 |
| 本籍 | 大阪府大阪市北区中之島一丁目3番 |
| 筆頭者の氏名 | 大阪 太郎 |
| 署名 | 大阪 花子(届出人本人が自署) |
| 生年月日 | 昭和51年12月28日 |
筆頭者とは、その戸籍の最初に記載されている人のことです。世帯主とは異なるため、分からない場合は戸籍謄本(戸籍全部事項証明書)などで確認しましょう。なお、署名は届出人本人が自署する必要があります。
故人に関する記入項目
故人に関する欄には、氏名や生年月日、死亡日時、住所、本籍などを記入します。死亡日時や死亡場所などは、医師が作成した死亡診断書または死体検案書に記載された内容を、そのまま転記しましょう。
| 項目 | 記入例 |
|---|---|
| 氏名(よみかた) | 大阪 太郎(おおさか たろう) |
| 生年月日 | 昭和23年12月14日 |
| 死亡したとき | 令和8年1月9日 午前4時10分 |
| 死亡したところ | 大阪市都島区都島本通二丁目13番22号(病院所在地の住所) |
| 住所(住民登録をしているところ) | 大阪市北区中之島一丁目3番20号 |
| 世帯主の氏名 | 大阪 太郎 |
| 本籍 | 大阪府大阪市北区中之島一丁目3番 |
| 筆頭者の氏名 | 大阪 太郎 |
| 死亡した人の夫または妻 | いる(満76歳) |
| 死亡したときの世帯のおもな仕事と職業・産業 | 該当する項目を選択して記入(職業・産業は国勢調査実施年のみ記入) |
住所や本籍は住民票や戸籍の記載どおりに省略せず記載しましょう。なお、大阪市では、外国籍の方の死亡届を提出する場合、氏名欄はカタカナ(漢字を使用する場合は漢字)で記入し、その下にローマ字を付記します。ローマ字表記がない場合は、記入する必要はありません。
参考:死亡届|法務省
大阪市で死亡届を提出する流れ
死亡届の手続きの流れは、基本的に全国どこでも変わりません。ただし、提出窓口や時間外の対応などは自治体によって異なります。ここでは、大阪市で死亡届を提出する流れを順番に解説します。
病院で死亡診断書を受け取る
病院で亡くなった場合は、医師が死亡を確認した後に死亡診断書が交付されます。死亡届は死亡診断書と一体になった様式になっているため、あわせて受け取る仕組みです。
一方、事故や事件、自宅での突然死などで死亡原因が明らかでない場合は、警察による検視などを経て、医師が死体検案書を作成します。この場合は、死亡診断書ではなく死体検案書を添付しての提出となります。
万が一、死亡届の用紙を紛失した場合は、大阪市公式サイトから様式をダウンロード可能です。ただし、死亡診断書(または死体検案書)の欄は医師が記入するため、再度医療機関で記載してもらわなければなりません。また、自宅で印刷する場合は、必ずA3サイズで印刷しましょう。
各区役所の窓口サービス担当課または出張所へ死亡届を提出する
必要事項を記入した死亡届は、大阪市内24区の区役所窓口サービス担当課または東淀川区役所出張所へ提出します。受付で内容に問題がなければ死亡届が受理され、戸籍や住民票に関する手続きが進められます。
記載内容について確認すべきことがあった場合は届出人へ連絡が入ることがあるため、日中に連絡が取れる電話番号を記入しておくと安心です。なお、夜間や休日に宿日直へ提出した場合は書類を預かる対応となり、内容の審査は翌開庁日に行われます。
埋火葬許可証を受け取り火葬の手続きを進める
大阪市では、死亡届の提出と受理にあわせて埋火葬許可の申請も行われます。そのため、別途申請書を提出する必要はなく、手続きが完了すると埋火葬許可証が交付される仕組みです。
火葬を行う際は、この埋火葬許可証を火葬場へ提出しなければなりません。葬儀社へ依頼している場合は、火葬場への提出を代行してもらえるケースも多いため、事前に確認しておくと手続きをスムーズに進められます。許可証は紛失しないよう大切に保管し、火葬当日に持参しましょう。
大阪市で死亡届を提出する際の注意点
死亡届は提出する時間帯や提出場所によって、手続きの進め方が異なる場合があります。ここでは、大阪市で死亡届を提出する際に知っておきたい注意点を解説します。
夜間・休日に提出した場合は翌開庁日に審査される
夜間や休日に区役所の宿日直へ提出した死亡届は、その場で内容の審査が行われるわけではありません。翌開庁日に担当部署で内容を確認し、不備がなければ正式に受理されます。記載内容に確認事項がある場合に備え、日中につながる電話番号を記入しておくと安心です。
なお、大阪市では死亡届を提出すると埋火葬許可証が発行されるため、夜間・休日に提出する場合は、許可証の受け取り方法についても提出時に確認しておきましょう。
夜間・休日は区役所の宿日直受付の場所を確認しておく
大阪市では、夜間や休日に死亡届を提出する場合は各区役所の宿日直受付を利用します。窓口の場所は区役所によって異なるため、事前に確認しておくと当日スムーズです。なお、大阪市サービスカウンター(梅田・難波・天王寺)では、死亡届は受け付けていません。
保険金請求などに備えて死亡届のコピーを取っておく
死亡届と死亡診断書(死体検案書)は、一度提出すると返却されません。生命保険の請求や勤務先での手続きなどで内容を確認する場合に備え、提出前にコピーを取って保管しておくことをおすすめします。
死亡届のコピーがない場合は「記載事項証明書」で対応できる
死亡届や死亡診断書のコピーを取らずに提出してしまった場合でも、生命保険の請求や遺族年金の手続きなど、法令で定められた特別な理由がある場合は、「届書等情報内容証明書(または届書記載事項証明書)」を請求できます。
令和6年3月以降に受理された届書は原則として「届書等情報内容証明書」が交付され、手数料は1通350円です。請求は、届出をした区役所または本籍地の区役所の窓口サービス担当課で行えるほか、郵送でも申請できます。
ただし、誰でも取得できるわけではなく、利害関係人であることや請求理由を確認できる書類の提出が必要です。
死亡届提出後に必要な主な手続き
死亡届を提出した後は、健康保険や年金、各種契約などの手続きも必要です。必要な手続きは故人の加入状況や契約内容によって異なるため、該当するものを確認しながら進めなければなりません。ここでは、死亡届提出後に必要となる主な手続きについて解説します。
健康保険・後期高齢者医療の資格喪失手続き
故人が大阪市の国民健康保険や後期高齢者医療制度に加入していた場合は、資格喪失に関する手続きが必要です。死亡届の提出によって資格喪失の情報は反映されますが、資格確認書を持っている場合は返却しなければなりません。
また、故人が国民健康保険の世帯主だった場合は、世帯主変更などの手続きが必要になることもあります。一方、勤務先の健康保険に加入していた場合は、勤務先や健康保険組合での手続きが必要です。
それぞれに提出期限が定められており、国民健康保険は死亡日から14日以内、社会保険の場合は5日以内となります。
年金の受給停止や未支給年金の請求
故人が老齢年金や障害年金などを受給していた場合は、年金の受給停止に関する手続きが必要です。また、亡くなった月までの年金でまだ受け取っていない分がある場合は、生計を同じくしていた配偶者や子などが未支給年金を請求できることがあります。
故人が年金を受給していた場合や、遺族年金の対象になる可能性がある場合は、年金事務所や区役所へ早めに確認しましょう。
葬祭費・埋葬料の申請
葬儀を行った方は、加入していた健康保険に応じて葬祭費や埋葬料などを受け取れる可能性があります。故人が大阪市の国民健康保険に加入していた場合は葬祭費、会社員などの健康保険に加入していた場合は埋葬料や埋葬費が支給されるのが一般的です。
いずれも申請しなければ支給されないため、対象になる方は加入していた健康保険や勤務先へ確認しましょう。
銀行口座やクレジットカードの解約
故人名義の銀行口座やクレジットカードがある場合は、金融機関やカード会社へ死亡したことを連絡し、所定の手続きを進めます。銀行口座は死亡の事実が確認されると凍結されるため、相続手続きが必要です。
また、クレジットカードは年会費や公共料金などの支払いに利用されている場合もあるため、引き落とし先を確認したうえで解約手続きを行いましょう。
電気・ガス・水道・携帯電話など契約変更
故人名義で契約していた電気・ガス・水道・携帯電話などは、引き続き利用する場合は名義変更、利用しない場合は解約手続きが必要です。口座が凍結されると料金の支払いができなくなることもあるため、早めの対応をおすすめします。
同居家族がいる場合は生活への影響を避けるためにも、優先的に手続きを進めましょう。
死亡後の手続きで迷った場合の対処法
「何から始めればよいのか分からない」「自分に必要な手続きが知りたい」という場合は、大阪市や各区が提供する支援サービスを活用するのがおすすめです。
大阪市では区によって取り組みが異なり、たとえば此花区では「おくやみハンドブック」を配布しています。ハンドブックには、死亡後に必要となる行政手続きや問い合わせ先、手続きのチェックリストなどがまとめられており、漏れなく進めるための参考になります。
また、大阪市ではインターネット上で利用できる「おくやみナビ」も提供されています。亡くなった方の年齢や加入していた保険などを入力すると、必要になる行政手続きを確認できるサービスです。あわせて、お住まいの区のホームページで、支援制度が用意されていないか確認してみましょう。
大阪市の死亡届に関するよくある質問
最後は大阪市における死亡届関連の手続きについて、よくある質問に答えていきます。内容を理解したうえで進めていきましょう。
死亡届は葬儀社に提出を代行してもらえる?
死亡届は、葬儀社に提出を代行してもらうことも可能です。届出人は法律で定められていますが、実際の提出については、依頼を受けた葬儀社のスタッフが使者として区役所へ提出できます。
そのため、葬儀の打ち合わせ時に必要書類を預ければ、死亡届の提出から埋火葬許可証の受け取りまで対応してもらえます。ただし、対応範囲は葬儀社によって異なるため、事前に確認しておくと安心です。
死亡届を提出すると住民票は自動で除票になる?
死亡届が受理されると、住民票は死亡の事実に基づいて自動的に除票となります。そのため、住民票を削除するための手続きを別途行う必要はありません。
犬が亡くなった場合も死亡届は必要?
犬が亡くなった場合は、死亡届を提出する必要はありません。ただし、狂犬病予防法に基づく登録を抹消するため、犬の死亡届を提出する必要があります。大阪市では、各区役所の保健福祉課窓口のほか、大阪市行政オンラインシステムからも届出が可能です。
なお、大阪市は狂犬病予防法の特例制度に参加しているため、マイクロチップを装着し、環境省指定登録機関へ登録している犬は、指定登録機関で死亡手続きを行うことで、大阪市への死亡届の提出は不要となります。一方、猫など犬以外のペットについては、この届出は必要ありません。
大阪市で死亡届を提出する際は関連手続きもあわせて確認しましょう
大阪市で死亡届を提出する際は、提出期限や提出先、必要書類を事前に確認し、不備なく手続きを進めることが大切です。死亡届は埋火葬許可証の交付にも関わる重要な届出であるため、記入漏れや提出先の間違いがないよう注意しましょう。
また、死亡届の提出後は、健康保険や年金、各種名義変更など、さまざまな手続きが必要になります。大阪市では、おくやみナビや一部の区で配布しているおくやみハンドブックなど、手続きをサポートするサービスも利用できるため、状況に応じて活用するとスムーズです。
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依頼・相談は24時間365日受け付けているので、興味をお持ちの方はぜひお気軽にご相談ください。
