火葬後に故人の遺骨を拾う骨上げは、遺族が複数人で行うのが一般的です。しかし、親族が少ない場合など、「骨上げを行う人が自分一人しかいない」と困っている方もいらっしゃるかもしれません。骨上げは一人で行うこともでき、また事情によっては辞退することもできます。
この記事では、骨上げを一人で行う場合の手順や注意点、骨上げを行わない場合の遺骨の供養方法ついて解説します。家族や親族が少なく、骨上げについて悩んでいる方は、ぜひ参考にしてください。
この記事を要約すると
- 骨上げは一人でも行うことができ、必ずしも複数人で行わなければならないわけではありません。一人で行う場合は、骨上げ箸を持ち、遺骨を挟んで骨壺へ納めます。
- 骨上げの儀式は必ず行わなければならないものではなく、辞退して火葬場のスタッフに任せることもあります。遺骨の供養方法も永代供養・手元供養・散骨など、さまざまです。
- 家族や親族が少ない場合や、一人での骨上げに不安がある場合は、無理に一人で対応する必要はありません。葬儀社に相談し、状況に合った対応方法を確認しておきましょう。
骨上げとは?
骨上げとは、火葬後に残ったご遺骨を箸で拾い、骨壺に納める儀式のことで、収骨とも呼ばれます。
骨上げは、故人と関係の深い方から順に「二人一組」で行うのが一般的です。二人で行う背景には、悲しみを分かち合うという意味や、霊が一人だけに憑かないようにという由来があります。
また、二人で一つの遺骨を挟む行為は「箸渡し」と呼ばれ、箸を三途の川に架かる「橋」に見立てて、故人が無事にあの世へ旅立てるように願う意味が込められています。
二人一組で行う際の代表的なやり方には、以下のような3つの代表的な方法があります。
- 二人一組で同時に箸で遺骨を拾い上げ、骨壺に納める
- 一人が箸で遺骨を拾い、もう一人が受け取って骨壺に納める
- 遺族が一列に並び、先頭の人が拾った骨を順番に渡していき、最後の人が骨壺に納める
手順や参加する人数、納める遺骨の量、男女で組をつくるかなどの慣習は地域や火葬場によって異なります。また、地域によっては箸から箸へ直接渡すのがマナー違反とされる場合もあるため、事前に火葬場のスタッフへ確認しておくと安心です。
骨上げの意味や収骨の基本的な作法について詳しく知りたい方は、以下の記事も参考にしてください。
骨上げは一人でもできる?
一人で骨上げを行うことは可能です。家族や親族が少ない場合や遠方に住んでいて参加者がいない場合でも、問題なく一人で執り行えます。また、血縁関係がない方であっても遺族の意向があれば参加可能です。
一人で骨上げを行う際は、一人で骨上げ箸を持って遺骨を挟み、そのまま骨壺へ納めます。当日の対応をスムーズにするためにも、事前に葬儀社や火葬場へ相談しておくと安心です。
一人で骨上げをする場合はどうする?
一人で骨上げを行う場合は、二人で行う場合とは異なる方法になることがあります。実際の進め方や事前に確認しておきたいことを知っておくと、当日も落ち着いて対応しやすくなります。
自分一人で遺骨を拾い上げる
本来、骨上げは「二人一組」で1つの遺骨を挟んで骨壷に収めるのが一般的ですが、一人の場合は自分一人で骨を拾い上げて直接骨壷に収めるケースもあります。
一人で行うことに不安がある場合は相談する
一人で骨上げを行う場合、火葬場のスタッフ・係員がサポートし、具体的な手順をすべて指示してくれるため、作法がわからなくてもまったく問題ありません。
葬儀社に事前に事情を伝え、骨上げの方法や火葬場で受けられるサポートについて確認しておきましょう。
骨上げは行わなくてもいい?
骨上げが負担に感じる場合は、骨上げそのものを辞退することも可能です。骨上げを行わない場合、どのような対応ができるのか事前に確認しておきましょう。
骨上げは辞退できる
骨上げは遺族が必ず参加しなければならないものではなく、事情によっては辞退できます。ご遺骨を見るのがつらい場合や体調に不安がある場合など、骨上げへの参加が難しいこともあるためです。
遺族のなかに骨上げを行える方がいない場合は、儀式への参加を辞退し、火葬場のスタッフに収骨を依頼できることがあります。費用は火葬場によって異なり、無料の場合もあれば、数千円程度かかる場合もあります。
なお、骨上げに参加しない場合でも、スタッフが収骨したご遺骨を遺族が受け取る必要があるかどうかは、地域や火葬場によって異なります。辞退を希望する場合は、事前に火葬場や葬儀社へ確認しておきましょう。
骨上げを行わない場合の対応
骨上げを行わず、遺骨を持ち帰れるかどうかは、自治体や火葬場によって異なります。希望する場合は、事前に葬儀社や火葬場へ相談し、必要な手続きや遺骨の取り扱いを確認しましょう。
火葬場側が収骨する地域がある一方、遺族による収骨を原則としている自治体もあります。いったん遺骨の引き取りを辞退すると、あとから返還を求めることは困難です。親族間のトラブルを防ぐためにも、故人の希望を確認し、家族で十分に話し合ったうえで判断しましょう。
遺骨を受け取りたくない場合の対応について詳しく知りたい方は、以下の記事も参考にしてください。
骨上げの流れ
ここで、火葬が終わってから遺骨を骨壺に収め、受け取るまでの一般的な流れを紹介します。
火葬後に収骨室へ移動する
火葬が終わると、火葬場の係員の案内に従い、遺族は骨上げを行う収骨室へ移動します。収骨室ではご遺骨の状態を確認し、係員から骨上げの手順や骨壺に納める範囲について説明を受けます。
収骨方法には、ご遺骨のすべてを骨壺に納める「全収骨」と、一部のみを納める「部分収骨」があり、地域によって異なります。また、骨上げを行う人数や具体的な方法も、火葬場ごとに異なる場合があります。一人で骨上げをする場合も係員がその場で手順を説明してくれるため、案内に従って進めましょう。
遺骨を骨壺に収める
収骨室では、専用の骨上げ箸を使ってご遺骨を拾い、骨壺に納めます。一般的には、足元のご遺骨から順に拾い、最後に喉仏を納めます。
骨上げは、喪主をはじめ、故人との関係が深い方から順に行うのが一般的です。二人一組で行う場合は、二人で一緒にご遺骨を拾う方法と、一人が骨上げ箸で拾ったご遺骨をもう一人が受け取り、骨壺に納める方法があります。火葬場によっては、係員が遺族と一緒に骨上げ箸を持ち、収骨を手伝う場合もあります。
収骨後に骨壺を受け取る
収骨が終わると、ご遺骨を納めた骨壺を受け取ります。受け取った骨壺は、納骨するまで自宅で保管するほか、寺院や霊園などに預けることも可能です。納骨先が決まっていない場合は、葬儀後に家族で話し合い、今後の供養方法を決めましょう。
近年は、永代供養や手元供養、散骨など、さまざまな供養方法があります。家族の事情や希望に合わせて検討するとよいでしょう。ただし、骨壺の受け取り方や収骨後の流れは、地域や葬儀の形式によって異なります。案内に従い、不明な点は火葬場の係員や葬儀社に確認しましょう。
お墓への納骨以外の供養方法
遺骨は、お墓への納骨だけでなく、永代供養や手元供養、散骨などさまざまな方法で供養できます。家族構成や費用、故人や遺族の希望などを踏まえて、自分たちに合った方法を選ぶことが大切です。
永代供養
永代供養とは、寺院や霊園などが遺族に代わって遺骨を管理し、供養する方法です。お墓を継ぐ人がいない場合や、家族がお墓の管理をできない場合などに選ばれています。
永代供養には、最初から他の方の遺骨と一緒に納める「合祀型」や、一定期間は個別の納骨スペースで安置した後に合祀する方法など、さまざまな形式があります。
施設によって、供養の方法や費用、個別に安置される期間などの条件は異なります。契約する前に、どのような形で供養されるのかを確認しておきましょう。
手元供養
手元供養とは、遺骨を自宅などで保管し、身近な場所で故人を供養する方法です。遺骨の一部を小さな骨壺などに納めて保管したり、遺骨の一部を加工してアクセサリーのように身につけたりする方法もあります。
お墓への納骨を行わない場合や、故人を身近に感じながら供養したい場合にも選ばれています。一定期間、手元で供養してから後でお墓に納骨する方もいらっしゃいます。手元供養をする場合は、遺骨を保管する場所や方法を家族で相談し、将来的に納骨するかどうかについても考えておくとよいでしょう。
散骨
散骨とは、遺骨を粉末状にしたうえで、海や山などにまいて供養する方法です。お墓を持たず、自然に還す形で故人を供養したい場合などに選ばれています。すべての遺骨を散骨するだけでなく、一部を散骨して、残りを遺族の手元で保管したり、お墓などに納骨したりすることもできます。
ただし、散骨は希望する場所で自由に行えるわけではなく、周囲への配慮や自治体などのルールを確認する必要があります。
また、散骨を希望する家族と納骨を希望する家族で意見が分かれる場合もあるため、事前に家族で話し合っておくことが大切です。実施する際は、専門業者などに相談し、適切な方法で行いましょう。
遺骨の供養方法や費用、注意点について詳しく知りたい方は、以下の記事も参考にしてください。
骨上げに関するよくある質問
ここでは、骨上げに参加する人や拾う順番、地域による収骨方法の違いなど、骨上げに関するよくある疑問を紹介します。
骨上げに子どもは参加してもいい?
一般的に、骨上げへの参加に一律の年齢制限はありません。ただし、ご遺骨を見たり骨上げをしたりすることが、子どもにとって精神的な負担になる場合もあります。子ども本人が嫌がっている場合や、家族が参加させることに不安を感じる場合は、無理に参加させる必要はありません。
子どもの年齢や気持ち、故人との関係、家族の考えなどを踏まえて、参加するかどうかを決めましょう。参加しない場合は、火葬場へ同行しないのか、収骨中は待合室で待つのかなど、当日の過ごし方をあらかじめ葬儀社に相談しておくと安心です。
骨上げで拾う順番に決まりはある?
骨上げは、喪主をはじめ、故人と関係の深い遺族から順に行うのが一般的です。ご遺骨は足元から順に拾い、最後に喉仏を骨壺へ納めます。
ただし、骨上げを行う順番やご遺骨を納める順序は、地域の慣習や葬儀の形式、火葬場によって異なります。順番や方法がわからない場合は、自己判断で進めず、火葬場の係員の案内に従いましょう。
地域によって骨上げ・収骨のマナーは違う?
骨上げや収骨の方法には地域差があり、骨壺に納めるご遺骨の量も異なります。一般的には、東日本ではご遺骨のほぼすべてを骨壺に納める「全収骨」、西日本では一部を納める「部分収骨」が多いとされています。また、骨上げを行う人数や順番、箸の使い方などにも、地域ごとの慣習があります。
骨上げを一人でする場合や遺族が少ない場合は葬儀社に相談を
骨上げは一人で行うこともでき、作法がわからない場合でも、火葬場のスタッフの指示に従って行えば、スムーズに行えるでしょう。しかし、骨上げを負担に感じる場合は、辞退することもできます。骨上げを行うか迷う場合はもちろん、地域のルールや遺骨の引き取り方法などを事前に葬儀社や火葬場に確認しておきましょう。
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