お盆の時期に東京で身内を見送ることになったとき、「お盆に葬式をしてよいのか」に加えて、多くの方が戸惑うのが東京ならではの費用の高さです。結論からお伝えすると、お盆に東京で葬式を行うことは問題ありません。
ただ、東京、とくに23区は、全国のなかでも火葬事情が特殊な地域です。火葬場の多くが民間企業の運営で、火葬料は全国でも高い水準にあります。さらに2026年には、長く使われてきた「区民葬」の制度が変わり、新たな助成金が設けられました。この制度を知っているかどうかで、負担が数万円変わります。
この記事では、東京23区の火葬の仕組みと2026年の制度変更を整理したうえで、お盆の混雑のなかで日程をどう組むかまで、東京の事情に沿って解説します。読み終える頃には、費用と段取りの両面で見通しが立っているはずです。
この記事を要約すると
- お盆でも東京で葬式は問題なく行えます。ただし東京23区は火葬場の多くが民営で、火葬料は全国でも高水準です。お盆は火葬の予約が混み合うため、早めの日程確保がより重要になります。
- 2026年4月から、23区の火葬料は実質値上げされ、区民葬が廃止されました。民営火葬場の火葬料は87,000円に。代わりに特別区が27,000円の助成金制度を新設したため、条件を満たせば実質負担は約6万円に抑えられます。
- 東京での葬儀で費用を抑える鍵は「火葬場選び」と「助成金の活用」です。公営の瑞江・臨海や多摩地区の公営施設は比較的安価です。民営を使う場合も、助成金の申請条件を事前に確認しておきましょう。
【結論】お盆に東京でお葬式はできる
お盆の期間に葬式を行うことに、宗教的・慣習的な問題はありません。東京でも通夜・告別式・火葬を通常どおり執り行えます。実務上のポイントは、火葬場の予約が取れるかどうかです。
そして東京、とくに23区では、その火葬場の仕組みが他の地域と大きく異なります。まずはこの前提を押さえることが、東京で葬式を考えるうえでの出発点になります。
東京23区の火葬場は「民営が中心」という特殊事情
多くの地域では、火葬場は自治体が運営する公営施設が中心です。ところが東京23区は事情がまったく違います。
23区内にある火葬場9か所のうち、公営はわずか2か所(瑞江葬儀所・臨海斎場)だけで、残りは民営です。
この「民営中心」の構造が、東京の火葬料の高さと、後述する制度変更の背景になっています。人口が集中する23区では新たな火葬場の建設が難しく、古くからの民営施設が地域に根付いてきた、という歴史的な経緯があります。
多摩地区は公営が中心で、費用を抑えやすい
同じ東京都でも、多摩地区は事情が異なります。多摩地区では市や複数市の組合が運営する公営火葬場が中心で、その市の住民であれば費用を大きく抑えられます。お住まいが23区か多摩地区かで、火葬の選択肢と費用感が変わる点は知っておきましょう。ただし、住民以外が公営施設を使う場合は料金が割高になります。
2026年、東京23区の火葬料と「区民葬」が変わった
東京23区で葬式を考えるうえで、2026年の制度変更は必ず押さえておきたいポイントです。従来より負担が増えた一方、それを補う助成金も新設されました。
民営の火葬料は87,000円に、区民葬は廃止
2026年4月1日から、東京博善が運営する火葬場の火葬料は87,000円になりました。同時に、それまで23区民が59,600円で火葬できた「区民葬」の制度から東京博善が脱退し、区民葬は使えなくなりました。差額でみると、実質的に約27,000円の負担増です。
特別区が27,000円の助成金を新設
この負担増を受けて、23区でつくる特別区長会が、2026年4月から火葬料の一部を助成する制度を新設しました。助成額は27,000円で、火葬料87,000円から差し引くと、実質的な負担は約60,000円です。従来の区民葬とほぼ同じ水準に収まるよう設計されています。
ただし、助成を受けるには条件があります。おおむね次のとおりです。
- 区民葬儀メニューの祭壇(棺のみを含む)または霊柩車のうち、1つ以上を利用していること
- 東京博善の火葬場で、最も安い火葬料金(87,000円)を利用していること
- 亡くなった方が、死亡日時点で23区内に住民登録があること(区外でも、費用を負担した方が23区民なら対象になる場合があります)
助成を使うかどうかで数万円の差が出ます。条件に当てはまる方は、忘れずに申請しましょう。なお、満6歳以下のお子さまの場合は助成額が異なります。制度は変更されることがあるため、最新の内容は各区の窓口で確認してください。
お盆の東京で葬式費用を抑える方法
火葬料が高い東京では、費用の抑え方を知っておくと安心です。お盆でも使える考え方を3つ紹介します。
- 公営の火葬場を検討する
- 助成金を確実に申請する
- 葬儀の形式を見直す
1. 公営の火葬場を検討する
23区内の公営施設(瑞江葬儀所・臨海斎場)は、民営より火葬料を抑えやすい選択肢です。多摩地区にお住まいなら、その市の公営火葬場がさらに安価な場合があります。ただし公営は数が限られ、お盆は予約が集中しやすいため、早めの確認が必要です。
2. 助成金を確実に申請する
民営を利用する場合でも、前述の27,000円の助成金を使えば負担を抑えられます。申請には条件と手続きがあるため、葬儀社に「助成金を使いたい」と伝え、対象になるプランで進めてもらうのが確実です。
3. 葬儀の形式を見直す
火葬料の高騰を背景に、東京では通夜を省いた「1日葬」、通夜・告別式を省いて火葬中心にする「直葬(火葬式)」を選ぶ方も増えています。費用は抑えられますが、後から「きちんと見送りたかった」と感じる方もいます。費用だけでなく、ご家族の気持ちも含めて形式を選ぶことが大切です。
なお、弊社では必要なものに厳選したわかりやすいセットプランでの葬儀を提供しています。また、ご希望の葬儀形式やご予算に合わせて複数のプランをご用意しておりますので、お客様に合った内容をお選びいただけます。
東京でのお盆の葬式の流れ
お盆の時期に東京でご逝去された場合の動き方を、5つのステップに分けて整理します。東京は火葬場選びと費用の判断が他地域より複雑なため、各段階のポイントを詳しく見ていきましょう。とくに「火葬場の予約」と「助成金の確認」が、東京ならではになります。
- 葬儀社へ連絡し、ご遺体を搬送・安置
- 火葬場選び、予約
- 費用の見積もりと助成金の対象可否を確認
- お坊さん(僧侶)を手配
- 通夜・告別式・火葬・収骨
1. 葬儀社へ連絡し、ご遺体を搬送・安置
ご逝去後、まず24時間対応の葬儀社へ連絡し、ご遺体を搬送します。病院で亡くなった場合は長く留め置けないため、数時間以内に搬送先を決める必要があります。搬送先は自宅か、葬儀社の安置施設のいずれかです。
東京で葬儀社を選ぶ際は、後の火葬場選びと費用に直結するため、できれば「助成金の申請に対応してくれるか」も確認したいところです。お盆は夏の暑い時期のため、安置にはドライアイスによる冷却が欠かせず、予約が混んで日数が延びると、その分の費用も加算されます。この点も含めて相談できる葬儀社だと安心です。
2. 火葬場を選び、予約
東京、とくに23区では、このステップが費用と日程の両方を大きく左右します。23区の火葬場は「民営(東京博善の6か所ほか)」と「公営(瑞江・臨海の2か所)」に分かれ、料金も予約の取りやすさも異なるためです。
民営は施設数が多く式場も併設されていて便利ですが、火葬料は高水準です。公営は費用を抑えやすい一方、数が少なく、お盆の時期は予約が集中します。多摩地区にお住まいなら、その市の公営火葬場がさらに安価な選択肢になります。「費用を抑えたいか」「利便性を優先するか」で選ぶ火葬場が変わり、その予約が取れて初めて葬儀全体の日程が固まります。
3. 費用の見積もりと助成金の対象可否を確認
火葬場の方向性が決まったら、火葬料・式場使用料・安置費用などの見積もりを取り、総額を把握します。ここで東京23区ならではの重要な確認事項が、2026年に新設された助成金の対象になるかどうかです。
民営(東京博善)の最も安い火葬料を利用し、区民葬儀メニューの祭壇や霊柩車を使うなどの条件を満たせば、27,000円の助成を受けられます。故人が23区内に住民登録があることなどの要件があるため、葬儀社に「助成金を使いたい」と明確に伝え、対象になるプランで組んでもらいましょう。使えるかどうかで、実質負担が数万円変わります。
4. お坊さん(僧侶)を手配
日程の目処が立ったら、読経をお願いするお坊さんを手配します。菩提寺がある場合は、まずそちらへ連絡します。お盆はお坊さんが法要で多忙な時期のため、希望日に来ていただけるとは限りません。日程調整の段階から、菩提寺の都合も含めて相談できると理想的です。
菩提寺がない、あるいは遠方にある場合は、葬儀社に僧侶の手配を依頼できます。その際、自分の家の宗派を伝えると、宗派に合ったお坊さんを紹介してもらえます。宗派が分からない場合も、葬儀社が確認を手伝ってくれます。
5. 通夜・告別式・火葬・収骨
準備が整ったら葬儀です。東京の民営火葬場は式場が併設されていることが多く、通夜・告別式から火葬・収骨までを同じ施設で行えるのが特徴です。会場間の移動がない分、参列者の負担が少なく、進行もスムーズです。
お盆は参列者も帰省や旅行と重なり、予定を合わせにくい時期です。日程を早く確定できれば、遠方のご親族にも早めに連絡でき、参列の段取りをつけてもらいやすくなります。この点でも、ステップ2で火葬場の予約を早く押さえることが大切です。
全体を通して、東京のお盆の葬儀は「火葬場の予約」と「助成金の確認」を早く済ませるほど、費用も日程も有利になります。とくに公営施設は数が少なくお盆は混み合うため、ご逝去後はできるだけ早く葬儀社に連絡し、火葬場の空きを確認することが、希望に近い形で送るための鍵です。
お盆に東京で葬式を行う際のよくある質問
東京でお盆にお葬式を行うか検討されている方から、弊社よくいただくご質問を紹介します。お盆の葬儀について以外でも気になる点やご不安ごとありましたら、24時間無料で受け付けておりますのでいつでもご相談ください。
お盆の時期、東京の火葬場はどのくらい混みますか?
お盆は火葬の予約が集中しやすい時期です。とくに数の少ない公営施設は混み合いやすく、希望日に取れないこともあります。民営は施設数が多いものの、人気の時間帯は早く埋まります。日程を早く固めるためにも、ご逝去後すぐの相談をおすすめします。
火葬料の助成金は、お盆の時期でも申請できますか?
はい、時期を問わず申請できます。ただし対象となる条件(区民葬メニューの利用、東京博善の最安火葬料の利用、故人が23区民であることなど)を満たす必要があります。お盆の時期でも手続きは同じですので、葬儀社に助成金を使いたい旨を伝えてください。
23区外に住んでいた家族を、23区の火葬場で送れますか?
民営火葬場は利用者の制限がないため、住所を問わず利用できます。ただし助成金は、原則として故人が23区内に住民登録があることが条件です(費用負担者が23区民の場合など例外もあります)。詳しくは葬儀社や各区の窓口で確認してください。
お盆に東京で直葬を選ぶ人が増えているというのは本当ですか?
火葬料の高騰を背景に、通夜・告別式を省く直葬(火葬式)を選ぶ方は都市部で増えています。お盆や年末年始など、親族が集まりにくい時期にはその傾向がより強まります。費用は抑えられますが、供養の形として後悔しないよう、家族で話し合って決めることが大切です。
お盆に亡くなった場合、その年の初盆はどうなりますか?
初盆(新盆)は四十九日の忌明け後に迎える最初のお盆を指します。お盆の時期に亡くなり、その年のうちに忌明けを迎えていない場合は、初盆の供養を翌年に行うのが一般的です。判断に迷う場合は菩提寺や葬儀社に確認しましょう。
お盆でも東京で葬式はできるが日程は早めの確認を
東京でお盆に葬式を行うはできます。ただし、色々とチェックすべき点がありますので、以下の要点を押さえておきましょう。
- お盆でも東京で葬式は問題なく行える
- 23区は火葬場の多くが民営で、火葬料は全国でも高水準
- 2026年4月から民営の火葬料は87,000円、区民葬は廃止
- 代わりに27,000円の助成金が新設され、条件を満たせば実質負担は約6万円
- 公営施設の検討・助成金の申請・形式の見直しで費用を抑えられる
- お盆は火葬場が混むため、日程は早めに確保する
東京は費用と予約の両面で、早く動くほど選択肢が広がります。お盆の時期に東京で葬儀をお考えの方は、火葬場の空きや助成金の可否も含め、まずは葬儀社の無料相談で見通しを立ててみてください。
なお、弊社では東京でのお盆時期の葬儀についても実績豊富です。価格を抑えたプランパックでの葬儀をご用意しています。参列人数に応じた広さの式場で、現代に合わせたシンプルな葬儀を行えます。依頼・相談は24時間365日受け付けているので、興味をお持ちの方はぜひお気軽にご相談ください。
