葬儀のマナー

直葬に戒名は必要?判断基準やつけない場合の注意点・後から付ける方法

直葬に戒名は必要?判断基準やつけない場合の注意点・後から付ける方法

直葬(火葬式)は、お通夜や告別式を行わず火葬のみで見送る形式のため、僧侶を呼ばず、戒名も付けないまま進めるのが一般的です。一方で、「本当に戒名なしで大丈夫なのか」「あとで困ることはないのか」と不安に感じる方も多くいらっしゃいます。

この記事では、葬儀社の立場から、直葬で戒名が必要になるケース・不要なケースの判断基準、つけない場合の注意点、直葬でも戒名を付ける方法と費用相場を解説します。

なお、直葬の流れ・費用などに関しては以下の記事で詳しく解説しているので、気になる方はチェックしてみてください。

関連: 直葬とは?火葬だけ?費用や流れの特徴・注意点を完全ガイド

この記事を要約すると

  • 直葬では戒名はつきませんが、後からつけることも可能です。直葬ではお通夜や告別式といった宗教儀式を行わないため、基本的に戒名は付きませんが、後から戒名が必要になった場合でも、葬儀後に僧侶に依頼してつけてもらうことができます。
  • 戒名を必要ないと考えてる人は54.2%で、半数以上が不要と考えていることがわかります。葬儀形式においても小規模な家族葬を選ばれる方が増えてきている中、かつてのような葬儀形式を望まない方が増えてきている傾向にあります。
  • 戒名をつけない注意点として、先祖のお墓を管理してらっている菩提寺がある場合、菩提寺に納骨が決まってるのであれば戒名がないと納骨を断られることがあります。葬儀形式を選ぶ段階で相談しておくようにしましょう。
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【結論】戒名が必要かは「納骨先」で決まる

直葬で戒名を付けるべきかどうかは、感情論ではなく「ご遺骨をどこに納めるか」でほぼ判断できます。納骨先ごとの要否を一覧にまとめました。

納骨先戒名の必要性補足
菩提寺のお墓(先祖代々の墓)必要な場合が多い戒名授与や読経を納骨の条件とするお寺が多い
寺院墓地(新規)お寺による檀家になることや戒名を条件とする場合がある
公営霊園不要自治体運営のため不要
民営霊園不要募集要項の宗教条件を確認
永代供養墓・納骨堂不要が多い寺院運営の場合は戒名を条件とする場合あり
樹木葬・海洋散骨不要宗教的な条件は基本的になし
手元供養(自宅安置)不要納骨自体を行わないため不要

つまり、菩提寺やお寺との関わりがない方であれば、戒名なしで問題が生じることはほとんどありません。一方、菩提寺がある方は戒名授与がないと納骨をお断りされる可能性があるため注意しましょう。

戒名の意味や目的

戒名とは、仏弟子になった証として与えられる名前のことで、元々は出家者だけに与えられていたものです。出家していない人でも迷わず極楽浄土へ行けるようにと、亡くなった人にも戒名をつけるようになりました

宗派によって「法名」「法号」と表わすこともあり、戒名には以下のような位号(ランク)が存在します。

  • 男性の場合:大居士、居士、信士
  • 女性の場合:清大姉、大姉、信女

位号は、故人の性別や年齢、社会的地位や地域への貢献度などによって決定され、高額な戒名料を用意したからといって、希望するものを付けてもらえるわけではありません。

戒名を付けてもらった場合のお布施の相場は10~15万円で、位号の高いものとなると100万円を超えることもあります。

仏教における儀式であるため、全ての宗派に戒名があるわけではなく、必ず付けなければならないわけではありません

戒名を不要だと思っている人の割合

保険クリニックが公表した「葬儀に関する調査結果」によると、葬儀で省略してもよいと思うこととして多かったのは、以下のような内容でした。(参考:一般葬より直葬、戒名は不要・・・お墓事情の最新版!「夫と同じお墓に入りたくない妻」は、「そもそもお墓に入りたくない人」だった!?|保険クリニック

葬儀内容・仏教儀式割合
精進落とし60%
白木位牌59%
戒名54.2%
法要・法事・お勤め54.5%
香典・香典返し56.3%

※40歳から60歳の男女各300名を対象に複数回答可でアンケートを実施した結果です。

最も多かったのは、精進落としで戒名に関しては3番目に多い結果でした。解答者数の半数以上が不要だと考えていることが分かります。

なお、希望する葬儀形式は53.8%で家族葬が最も多く、次いで直葬が15.7%、一般葬が14.5%という結果でした。

家族葬や直葬など、比較的小規模な葬儀を望む人が増えている傾向があるといえるでしょう。

戒名をつける必要があるケース

戒名は必ずつける必要がないと冒頭で解説しましたが、葬儀を執り行ううえで戒名が必要となるケースもあります。具体的には、以下のような場合です。

  • お通夜や葬儀式を行う葬儀の場合
  • 菩提寺などへ納骨する場合

なぜこのようなケースでは戒名が必要となるのか、葬儀事情にも触れながら解説していきます。

お通夜や葬儀式を行う葬儀の場合

仏教儀式と戒名の授与はセットとなっているため、家族葬や一日葬など、お通夜・葬儀式がある葬儀形式では戒名が必要です。直葬以外の葬儀も検討している場合は、理解しておきましょう。

ただし、家族葬の形式で無宗教葬を選択した場合は、仏教儀式がないため、直葬と同様に読経や戒名なしでも葬儀ができます。故人の要望などで葬儀形式や内容に指定がある場合は、葬儀社に相談するようにしましょう。

なお、弊社「1日葬・家族葬のこれから」では、お通夜・葬儀式を行う家族葬も承っております。
相場より価格を抑え、葬儀に必要な内容が含まれたセットプラン料金をご用意しておりますので、お気軽にご相談くださいませ。

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菩提寺などへ納骨する場合

葬儀後に菩提寺へ納骨する予定の場合は、戒名を付けなければならないことがあります。納骨するうえで、戒名をつけることを条件としているお寺が多いためです。

直葬のように仏教儀式を一切行わない葬儀をNGとしているお寺の場合、納骨するのであれば火葬場で読経や戒名をつけることを条件にしているケースがあります。

先祖のお墓を管理してもらっている菩提寺がある場合は、葬儀形式を選ぶ段階で相談しておくようにしましょう。直葬で戒名を付けてもらう方法は、後ほど詳しく解説していきます。

戒名をつけなくてもいいケース

菩提寺に納骨する場合は、戒名が必要となる可能性があると解説しましたが、戒名がなくても大丈夫なケースもあります。具体的には、以下のような場合です。

  • 永代供養の納骨堂やお寺に納骨する場合
  • 自然葬や公営の霊園に納骨する場合

なぜこのようなケースで戒名がいらないのか、各施設の特徴にも触れながら解説していきます。

永代供養の納骨堂やお寺に納骨する場合

永代供養や納骨堂にて納骨する場合は、戒名を刻む位牌や墓石がないので、戒名は必要ありません

永代供養とは、寺院などが遺族に代わって遺骨を管理・供養することを指します。「子供に墓守りの負担をかけたくない」といった理由から、永代供養を希望する人も増えてきています。

納骨堂とは、お墓を建てることなく指定のスペースで遺骨を管理できる屋内施設です。納骨するうえで、特別な条件はないため戒名なしでも問題ありません利用したい場合は、自分で希望するお寺や納骨堂に連絡するか、葬儀社に相談してみましょう。

自然葬や公営霊園に納骨する場合

自然葬とは、墓地や納骨堂などで遺骨を管理するのではなく、海や山などの自然に還す葬送です。具体的には樹木葬や海洋散骨といったものがあり、戒名に関する条件はありません。費用は20~100万円ほどです。

公営霊園も宗教に関する条件がないため、戒名なしでも納骨できます。各自治体が管理しており、民間霊園と比べて費用も安くなりやすいと言えます。公営霊園でお墓を購入する場合は、墓石の費用・永代使用料・管理費が必要です。気になる方は近くの公営霊園で検索してみてください。

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直葬で戒名をつけないデメリット

戒名は、故人が極楽浄土へ迷わず行けるようにする仏教儀式の1つであり、必ず付けなければならないわけではありません。ただし、直葬で戒名をつけない場合、以下のようなデメリットがあります。

  • 仏教を信仰する親戚などに反対される可能性がある
  • 菩提寺との関係が悪くなる可能性がある
  • 法事ができない可能がある

宗教信仰の強さは人によって異なるため「戒名なんていらない」と考える人もいれば「成仏できなくなる」と、戒名をつけないことに反対する人もいます。特に直葬はお通夜や葬儀式といった仏教儀式もないため、強く反対される可能性があります。

菩提寺も同様に、直葬や戒名なしの葬儀を良く思っていないことがあるため、勝手に判断してしまうと、関係が悪化する可能性があります。故人の意向と喪主の事情も重要ですが、なるべく事前に了承を得ておくようにしましょう。

直葬で戒名をつけない場合の注意点

戒名をつけなくい場合に注意事項は大きく3つあります。後々トラブルにならないように、しっかりチェックしましょう。

  • 菩提寺から納骨を断られる可能性がある
  • 仏式の法要ができない可能性がある
  • 親族とトラブルになる可能性がある

菩提寺から納骨を断られる可能性がある

最も多いトラブルがこれです。菩提寺は先祖代々のお墓を管理し、葬儀・法要の際に供養をお願いしてきたお寺です。お寺に相談なく直葬・戒名なしで進めてしまうと、「先祖代々のお墓への納骨を断られる」「その後の法要を引き受けてもらえない」といった事態になりかねません

菩提寺がある場合は、直葬という形式を選ぶ段階で必ず一報を入れ、意向を確認してください。相談すれば、火葬炉の前での読経(炉前読経)と戒名授与を条件に直葬を認めてもらえるケースも多くあります。菩提寺があるかどうか分からない場合は、ご親族に確認しておきましょう。

葬儀後の法要もできない可能性がある

四十九日や一周忌などの法要を仏式で行う場合、基本的に戒名が前提となります。戒名がないと、僧侶から法要を断られる場合があります。

今は必要ないと感じても、後々仏式の法要を行いたくなる可能性があるかは、ご家族で話し合っておきたいポイントです。なお、位牌は俗名で作る「俗名位牌」も可能で、無宗教の形でお別れの会や偲ぶ会を行うこともできます。

親族とトラブルになる可能性がある

宗教観は人によって異なり、「戒名がないなんて」と考えるご親族がいることも事実です。後から不和にならないよう、直葬・戒名なしで見送る方針は、事前に主要なご親族へ伝えて了承を得ておくことをおすすめします。

故人の生前の意向があれば、それを伝えるのが最も理解を得やすい方法です。

直葬でも戒名を付けてもらう方法

「儀式は省きたいが、戒名だけは付けてあげたい」という希望はもちろん叶えられます。方法は主に4つです。

  • 菩提寺に依頼する
  • 葬儀社に依頼する
  • 僧侶の派遣サービス・近くの寺院へ依頼する
  • 生前に戒名を授かっておく

菩提寺に依頼する

菩提寺がある場合は、必ず菩提寺に依頼します。菩提寺があるのに、他所で付けてもらうと、かえってトラブルになるため注意しましょう。

直葬の相談とあわせて戒名についても尋ねましょう。火葬炉の前で読経をしてもらい、戒名を授けていただく形が一般的です。

葬儀社に依頼する

菩提寺がない場合は、葬儀社経由で宗派に合った僧侶を手配するのが最もスムーズです。

弊社「1日葬・家族葬のこれから」では、全国一律価格での寺院手配を承っています。読経代や戒名代やお車代含んだ定額のお布施となっておりますので、安心してご依頼ください。

戒名をつけるべきかどうかのご相談も24時間無料で承っておりますので、お気軽にご相談ください。

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僧侶の派遣サービス・近くの寺院へ依頼する

インターネットの僧侶手配サービスや、お近くの寺院に直接依頼する方法もあります。僧侶の派遣サービスとは、宗派やお寺の所在地を指定したうえで、該当した僧侶のなかから選んで戒名や読経を依頼できるサービスです。

近隣の寺院に直接依頼した場合、その後の納骨や法要をお願いしやすくなるメリットがあります。読経を伴わず戒名のみ授与してもらえるケースもあるため、事情を話して相談してみましょう。

生前に戒名を授かっておく

ご本人が生前に戒名を授かっておく方法もあります。本人が納得のいく戒名を選べるうえ、費用も没後に授かるより抑えられる傾向があります。

最近では、終活の一環として検討される方が増えています。

戒名を付けた際のお布施の目安

直葬で戒名を付けてもらった際のお布施は、10〜15万円を目安に準備しましょう。明確なお布施の相場はありませんが、位号ごとのおおよその目安は以下の通りです。宗派・地域・お寺との関係によって大きく変動するため、あくまで参考としてご覧ください。

位号お布施の相場
信士・信女10万〜15万円程度
居士・大姉50万〜80万円程度
院号付き(院信士・院居士など)50万円以上〜100万円超

僧侶に火葬場まで直接来ていただく場合は、お車代として5,000円〜1万円程度を別途包むのが丁寧です。なお、弊社で僧侶をご手配いただく場合は、お車代も含めたお布施となっておりますので、ご安心ください。

直葬におけるお布施のマナーに関しては、以下の記事で詳しく解説しています。気になる方はチェックしてみてください。

関連: 直葬でお布施は準備すべき?戒名や読経の相場や注意点を解説

戒名に関するよくある質問

最後は、戒名に関する3つのよくある質問に答えていきます。戒名の必要性や費用の工面などに関する質問に触れているので、直葬で戒名を付けるかどうかを判断するうえで参考にしてみてください。

戒名なしでは成仏できない?

戒名があれば、供養がスムーズに行われるため成仏への道を助けてくれると言われていますが、戒名なしでも成仏はできます。そのため、必ず葬儀へ僧侶を呼ばなければならないわけではありません。

なお、葬儀における読経にも故人を極楽浄土に導く目的がありますが、読経しないから成仏できないわけでもありません。ただし、成仏とは別に戒名や読経なしでは納骨できない可能性があるため、注意が必要です。

遺族や親戚の意見も取り入れながら、読経や戒名を依頼するか決めましょう。

戒名をつけるお金がない場合の対処方法は?

戒名や葬儀費用のお金がない場合は、葬儀ローンやクレジットカード支払による分割ローンを検討してみましょう。審査を通過する必要はありますが、前払いすることなく葬儀費用を工面できます。故人の生命保険を利用する方法もあります。

前払いできるのであれば、葬儀後に「葬儀費用の補助制度」を活用することで、葬儀費用の一部が返ってきます。葬儀費用のお金がない時の対処法については、以下の記事で詳しく解説しています。気になる方はチェックしてみてください。

関連: 直葬でお金がない場合の対策【7選】|手順も詳しく解説

戒名は後からつけられる?

直葬で戒名をつけなかったことを後から後悔しないか悩む人もいますが、戒名は葬儀後に付けてもらうことも可能です。戒名をつける期限はなく数年経ってからでもお寺に依頼することで付けてもらえます。また、戒名の変更も可能です。

直葬を戒名なしで進めてしまい、後悔していたり周りから指摘されている場合は、お寺に相談してみましょう。ただし、全てのお寺が対応してくれるというわけではなく、断られる可能性もあります

戒名がなくても位牌は作れる?

戒名をつけない場合でも位牌は作れます。生前のお名前で作る「俗名位牌」という形があり、仏壇店などで依頼できます。

戒名を後から授かった場合は、位牌を作り直すことも可能です。

戒名を自分でつけてもいい?

法律上の制約はありませんが、戒名には宗派ごとの構成や使用できる文字のルールがあり、菩提寺がある場合は自作の戒名では納骨を認められない可能性が高いため、おすすめしません。

どうしても希望する場合は、必ず事前に菩提寺へ相談してください。

関連: 戒名は自分で付けられる?付け方の手順や宗派ごとのルール、注意点を解説

浄土真宗だが戒名の考え方は同じ?

浄土真宗では「戒名」ではなく「法名」と呼ばれ、「釋(釋尼)」の文字を冠するなど構成が異なります。

位号のランクという考え方も他宗派とは異なるため、お布施の考え方も含めて、お手次のお寺(菩提寺)にご確認ください。

関連: 戒名は浄土真宗では法名と呼ぶ|費用相場・つけ方・釋の意味を解説

戒名の必要性を理解したうえで依頼するか判断しましょう

戒名は、故人が迷うことなく極楽浄土へ行けるようにするためのものですが、必ず付けなければならないわけではありません。宗教観の変化に伴い、自身の葬儀で戒名は不要と考える人も増えてきています。一方で、葬儀では読経や戒名が必要と考える菩提寺もあり、葬儀自体は問題なく執り行えたとしても、納骨を断られる可能性があります。

直葬を依頼する場合は、戒名の依頼や葬儀の内容について、親戚や菩提寺になるべく相談しましょう。どうしても理解を得られない場合は、一日葬や家族葬といった形式の検討をおすすめします。

弊社では、価格を抑えたプランパックでの葬儀をご用意しています。参列人数に応じた広さの式場で、現代にあわせたシンプルな葬儀を行えます。依頼・相談は24時間365日受け付けているので、興味をお持ちの方はぜひお気軽にご相談ください。

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