葬儀の費用相場

葬儀費用の還付はいくら?申請方法や期限、振込時期を解説

葬儀費用の還付はいくら?申請方法や期限、振込時期を解説

葬儀にはまとまった費用がかかるため、負担の大きさに不安を感じる方も多いでしょう。こうした負担を軽減するため、自治体や健康保険には葬儀費用の一部が戻る制度が用意されています。その代表が「葬祭費」や「埋葬料」といった還付制度です。

ただ、制度の名前は知っていても、いくら戻るのか、どのように申請するのかまで理解している人は多くありません。この記事では、葬儀費用の還付の金額目安や申請方法、期限、振込時期までわかりやすく解説します。

この記事を要約すると

  • 葬儀費用の還付制度は「葬祭費」「埋葬料・埋葬費」「葬祭扶助」の3種類があり、加入している保険や状況によって受けられる内容が異なります。
  • 葬儀費用の還付申請は、必要書類を準備したうえで申請先で手続きを行い、内容確認後に振り込まれる流れになるが、制度によって申請先やタイミングに違いがあります。
  • 葬儀費用の還付制度は、条件を満たしていない場合や申請期限を過ぎた場合などは受け取れず、葬儀形式や申請内容によって対象外となるケースがあるため注意が必要です。
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葬儀費用の還付とは条件を満たすとお金が戻る制度のこと

葬儀費用の還付とは、葬儀を行ったあとに条件を満たすことで、支払った費用の一部が戻る仕組みです。多くの方が「聞いたことはあるがよく分からない」という状態で、実際に申請せずに終わるケースも少なくありません。

これは健康保険や自治体の制度として用意されており、遺族の経済的な負担を軽くする目的で設けられています。葬儀は急に発生しやすく、まとまった出費になりやすいものです。そうした負担を少しでも和らげるために、一定の条件を満たした場合にお金が戻る仕組みが用意されています。

まずは「葬儀後にお金が戻る制度がある」という前提を押さえておくとよいでしょう。

葬儀費用で受け取れる主な還付金は3種類

葬儀費用の還付は一つの制度ではなく、加入している保険や状況によって内容が分かれています。代表的なのが葬祭費」「埋葬料・埋葬費」「葬祭扶助の3種類です。ここでは、それぞれの制度の概要と違いをわかりやすく整理します。

葬祭費(国民健康保険・後期高齢者医療)

葬祭費は、国民健康保険や後期高齢者医療制度に加入していた方が亡くなった場合に、葬儀を行った人へ支給される還付制度です。主に喪主など実際に葬儀を行った人が対象になります。支給額は自治体ごとに異なりますが、おおむね3万円から7万円程度が目安とされています。

あくまで葬儀費用の一部を補う目的であり、全額が戻るわけではありません。地域によって金額や条件に差があるため、事前に確認しておくと安心でしょう。

関連: 生活保護以外の葬祭扶助はある?葬儀費用がない場合にお葬式を上げる方法

埋葬料・埋葬費(社会保険)

埋葬料や埋葬費は、会社員などが加入する健康保険(社会保険)の加入者が亡くなった場合に適用される還付制度です。被保険者によって生計を維持されていた家族が葬儀を行った場合は「埋葬料」として支給され、それ以外の人が費用を負担した場合は「埋葬費」として実費の範囲内で支給されます。

支給額は原則5万円とされており、国民健康保険の葬祭費と比較すると金額が固定されていることが特徴です。どちらか一方のみが対象となる仕組みになっています。

葬祭扶助(生活保護)

葬祭扶助は、生活保護を受けている方が亡くなった場合や、遺族に葬儀費用を負担する余裕がない場合に適用される制度です。通常の還付とは異なり、葬儀費用を事前または直接的に公費でまかなう仕組みに近い位置づけになります。

対象となるのは最低限の葬儀で、通夜や告別式を伴わない火葬のみの形式が基本とされています。支給額も地域や条件によって上限が定められており、自由に使えるお金として戻るわけではありません。制度の性質が他の還付とは異なることは押さえておく必要があります。

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葬儀費用の還付申請の流れ

葬儀費用の還付は制度ごとに細かな違いはありますが、基本の流れは共通しています。ただし、必要書類や申請先、支給方法には違いがあるため、制度ごとに整理して理解することが重要です。ここでは各ステップに分けて解説します。

必要書類を準備する

まずは申請に必要な書類をそろえます。制度によって必要な内容が異なるため、自分が該当するものを確認することが重要です。準備する書類は以下の通りです。

制度主な必要書類
葬祭費葬儀の領収書、会葬礼状、申請書、本人確認書類、振込先口座
埋葬料・埋葬費埋葬料支給申請書、死亡を証明する書類、事業主の証明、振込先口座
葬祭扶助申請書、死亡確認書類、収入状況が分かる資料など

葬祭費や埋葬料は、葬儀を行った事実を証明する書類が中心になります。一方で葬祭扶助は、経済状況の確認が必要になることが特徴です。書類に不備があると手続きが止まるため注意が必要です。

なお、必要書類は自治体や保険組合によって異なる場合があり、制度の見直しで変更されるケースもあります。事前にお住まいの自治体や加入先へ確認しておくと安心です。

市役所・保険組合へ申請する

書類がそろったら、該当する窓口へ申請を行います。制度によって申請先が異なるため注意が必要です。

制度申請先
葬祭費市区町村(国民健康保険窓口)
埋葬料・埋葬費健康保険組合・協会けんぽ
葬祭扶助福祉事務所

葬祭扶助は他の制度と異なり、原則として葬儀前に申請・相談が必要です。事前に手続きを行わない場合、制度の対象外となる可能性があるため注意が必要です。

内容確認後に振り込まれる

申請が受理されると、内容の確認が行われたうえで支給されます。葬祭費や埋葬料・埋葬費は、審査に問題がなければ指定口座へ振り込まれる流れです。振込までの期間は自治体や保険組合によって異なりますが、目安としては数週間から2か月程度を見ておくとよいでしょう。

一方で葬祭扶助は、後からお金が戻る仕組みではなく、葬儀費用そのものが支給される形になります。この違いは見落とされやすいため、あらかじめ理解しておく必要があります。

葬儀費用の還付の基本

葬儀費用の還付は制度ごとに対象者や条件が異なります。共通している部分もありますが、細かな違いを理解していないと申請できないケースもあります。ここでは制度ごとに基本事項を整理します。

還付を受けられる人

葬儀費用の還付を受けられる人は、制度ごとに異なります。特に社会保険は「埋葬料」と「埋葬費」に分かれるため、ここを整理して理解することが重要です。主な対象は以下の通りです。

制度還付を受けられる人
葬祭費葬儀を行った人(喪主など)
埋葬料・埋葬費条件に応じて、生計を維持されていた人または費用を負担した人
葬祭扶助生活保護の対象となり制度の条件を満たした人

葬祭費は、国民健康保険や後期高齢者医療制度の加入者が亡くなった場合に、実際に葬儀を行った人が対象になります。一方で社会保険の埋葬料と埋葬費は、同じ制度の中で条件によって区分されます。

亡くなった方に生活費を支えてもらっていた家族が葬儀を行った場合は「埋葬料」として扱われます。それ以外の人が費用を負担した場合は「埋葬費」となります。別の制度ではなく、誰が葬儀費用を負担したかで扱いが変わる仕組みです。

葬祭扶助は、経済的に葬儀費用の負担が難しい場合に利用される制度です。他の還付とは性質が異なり、条件を満たした場合に限って適用される点に注意が必要です。

申請できる人

申請できる人も制度ごとに整理しておく必要があります。詳細は以下の通りです。

制度申請できる人
葬祭費葬儀を行った人(喪主など)
埋葬料・埋葬費対象となる遺族または費用負担者
葬祭扶助本人・親族・民生委員など(福祉事務所へ相談)

基本は、実際に葬儀費用を負担した人が申請する流れです。ただし社会保険の場合は、亡くなった方に生活を支えてもらっていた家族が優先される仕組みになっています。

葬祭扶助は少し異なり、本人や家族だけでなく、周囲の人が相談するケースもあります困ったときは一人で抱え込まず、早めに福祉事務所へ相談することが重要です。

申請の期限

申請期限は制度ごとに明確に決められています。

制度申請期限
葬祭費葬儀日の翌日から2年以内
埋葬料・埋葬費死亡日の翌日から2年以内
葬祭扶助原則として葬儀前の申請が必要

葬祭費と埋葬料は2年以内であれば申請できますが、期限を過ぎると受け取れません一方で葬祭扶助は事前申請が前提となるため、タイミングが大きく異なります。ここは最も注意すべきポイントです。

申請から支給までの期間

申請から支給までの期間も制度によって異なります。詳細は以下の通りです。

制度支給までの期間
葬祭費約2週間〜2か月
埋葬料・埋葬費約2週間〜2か月
葬祭扶助事前承認後に直接支給

葬祭費と埋葬料は、申請後に審査を経て振り込まれる流れです。自治体や保険組合によって多少の差はありますが、1か月前後を目安に考えるとよいでしょう。葬祭扶助は後払いではなく、事前に支給が決まる点が大きな違いです。

葬儀費用の還付が受けられないケース

葬儀費用の還付は条件を満たした場合に受け取れる制度です。ただし、条件から外れると対象になりません。ここでは受け取れない主なケースを整理します。

保険未加入の場合

葬祭費や埋葬料・埋葬費は、健康保険に加入していることが前提です。そのため、亡くなった時点で国民健康保険や社会保険に加入していない場合は対象外になります。無保険の状態や、資格喪失から期間が空いているケースでは受け取れない可能性があるため注意が必要です。

条件を満たしていない場合

葬儀費用の還付は細かな条件が設定されており、知らずに外れてしまうケースも少なくありません。たとえば、社会保険の埋葬料は亡くなった方に生活を支えてもらっていた家族が対象ですが、その関係が確認できない場合は受け取れない可能性があります。

さらに葬祭扶助は条件が厳しく、事前に申請していない場合や、一定の収入や資産があると判断された場合は対象外になります。思い込みで申請しても受け取れないことがあるため、自分の状況が制度の条件に合っているかを確認しておく必要があります。

申請期限を過ぎた場合

葬儀費用の還付には申請期限があり、これを過ぎると原則として受け取れません。葬祭費や埋葬料・埋葬費は、死亡日や葬儀日の翌日から2年以内と定められています。期間に余裕があるように見えますが、手続きを後回しにしているうちに期限を過ぎてしまうケースもあります。

特に注意したいのは、一度期限を過ぎると特別な理由がない限り救済されないことです知らなかった場合でも対象外になるため、葬儀後は早めに確認して手続きを進めましょう。また、葬祭扶助は原則として事前申請が必要なため、葬儀後に気づいても利用できない可能性が高いことにも注意が必要です。

葬儀形式が制度の対象外となる場合

葬祭費や埋葬料・埋葬費については、直葬や火葬のみの形式でも対象になるケースが一般的です。ただし、「葬祭を行ったこと」「埋葬を行ったこと」を証明できる書類が必要になるため、内容によっては確認を求められる場合があります。

また、自治体や保険組合によっては、葬儀の内容によって対象外と判断されるケースもあります。同じ火葬のみの形式でも扱いが異なる場合があるため、事前確認が重要です。

一方で葬祭扶助は、最低限の葬送を前提とした制度のため、火葬のみで行われるのが基本です。それ以外の形式は対象外となります。同じ火葬でも制度によって扱いが異なる点には注意が必要です。

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葬儀社とのトラブルで返金されるケース

ここまで紹介してきた還付とは別に、葬儀社とのやり取りの中で費用が返金されるケースもあります。これは制度によるものではなく、契約内容や対応に問題があった場合に発生するものです。思わぬトラブルで費用が変わることもあるため、代表的なケースを確認しておきましょう。

見積もりと請求が異なる場合

葬儀では、見積もりと最終的な請求額が大きく異なるトラブルが発生することがあります。たとえば、事前に提示された金額より高額な請求になったり、説明されていない費用が後から追加されたりするケースです。

特に「一式」とまとめられている見積もりは内訳がわかりにくく、後から費用が増える原因になりやすい傾向があります。葬儀は短時間で判断を求められるため、内容を十分に確認できないまま進んでしまうことも少なくありません。

その結果、搬送費や安置費用などが追加され、想定より大きく費用が膨らむこともあります。明らかに説明と異なる請求であれば、内容を確認したうえで返金の対象となる可能性があります。

不要なオプションが含まれている場合

葬儀では、必要以上のオプションが含まれていることで費用が高くなるケースもあります。たとえば、装飾のグレードアップや供花、返礼品などが十分な説明なく追加されている場合です。本来は任意で選ぶものですが、状況的に断りにくく、そのまま進んでしまうことがあります。

その結果、見積もりに含まれていなかった項目が増え、最終的な費用が想定以上になるケースも見られます。不要と判断できる内容や説明不足のまま追加された費用については、確認することで返金につながる可能性があります。契約時にどこまで含まれているかを把握しておくことが重要です。

困ったときは一人で悩まず、消費者ホットライン「188」に相談すると最寄りの消費生活センターにつながります。 

葬儀費用の負担を軽減するその他の制度

葬儀費用の負担を抑える方法は、還付制度だけではありません。自治体の制度や手続きによって、支払いを軽減できるケースもあります。ここでは、還付以外で活用できる主な方法を整理します。

市民葬・区民葬の制度

市民葬・区民葬は、自治体が住民向けに用意している葬儀プランで、費用を抑えて葬儀を行える制度です。提携している葬儀社が内容と料金をあらかじめ決めているため、一般的な葬儀より費用がわかりやすい特徴があります。

対象はその自治体に住んでいる人が中心で、祭壇や棺、搬送など基本的な内容が含まれます。ただし、飲食や返礼品などは別料金になる場合があります。また、自治体ごとに内容や料金が異なるため、事前の確認が欠かせません。

葬祭扶助との違いは、利用条件にあります。市民葬・区民葬は誰でも利用できる仕組みですが、葬祭扶助は生活保護などの条件を満たした場合に限られます。費用の支払い方法も異なり、市民葬・区民葬は自己負担が前提であるのに対し、葬祭扶助は費用が支給される形になります。

関連: 市民葬・区民葬とは?利用条件・費用相場や申込方法をわかりやすく解説

相続預金の払戻し制度

相続預金の払戻し制度とは、亡くなった人の銀行口座が凍結された後でも、一定の範囲で預金を引き出せる仕組みです。通常は相続手続きが終わるまで引き出せませんが、この制度を使えば葬儀費用などに充てるお金を先に確保できます。

引き出せる金額には上限があり、「預金額の3分の1×法定相続分」で計算され、同じ金融機関では最大150万円までとされています。相続人であれば単独で手続きできることも特徴です。ただし、引き出したお金は後の遺産分割で精算されるため、使い方には注意が必要です。

手続き方法や必要書類は金融機関によって異なるため、事前に確認しておくと安心です。

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葬儀費用の還付の流れと必要書類を押さえて申請しましょう

葬儀費用の還付は、制度の種類や条件を正しく理解していれば、負担を軽減できる仕組みです。葬祭費や埋葬料などは申請しなければ受け取れず、期限や必要書類を把握していないと対象外になる可能性もあります。制度ごとに申請先や流れが異なるため、事前に整理しておくことが重要です。

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