「故人の意向で葬儀はシンプルにしたい」「長時間の葬儀は体力的に負担が大きい」などの場合、お通夜なしの家族葬を検討しても良いかもしれません。お通夜なしの家族葬は、身近な親族のみで1日で終えられるため、心身ともに負担が少ない葬儀スタイルです。時間を短縮しながらも、心のこもった葬儀を行えます。
この記事では家族葬をお通夜なしで行なう際に気になる点や、メリット・デメリットなどを詳しく解説しています。故人や遺族・親族にとって最も良い葬儀がどのようなものかをイメージできるでしょう。
この記事を要約すると
- 家族葬は通夜なしで行うことができ、失礼にはあたりません。通夜を省いて告別式と火葬を1日で行うこの形式は「一日葬」と呼ばれ、儀式を行わない「直葬」とは異なります。
- 通夜なしの家族葬(一日葬)の所要時間は4〜6時間程度、費用相場は30〜50万円です。通夜振る舞いや式場1日分の費用が不要になるため、通夜あり家族葬より10〜20万円ほど抑えられます。
- 通夜なしにする場合、実施前には菩提寺への確認と親族への説明が必須です。無断で通夜を省くとお墓への納骨を断られる恐れがあるほか、葬儀後の弔問対応が増えやすい点にも注意しましょう。
家族葬とは
家族葬とは、身近な親族やごく親しい友人のみのプライベートな空間で行なわれる葬儀のスタイルです。多くても30名程度の参列者で、小規模に行なわれます。儀礼的な弔問がないためゆっくり過ごせて自由度も高いため、近年人気の葬儀スタイルです。
家族葬の詳細については以下の記事で解説しています。家族葬そのものの考え方を知っておきたい方は参考にしてみてください。
お通夜とは
お通夜とは、葬儀・告別式の前日の夜に行われる葬送儀礼の一つです。もともとは、線香やろうそくの火を絶やさないよう夜通し故人に付き添い見守ったことが「通夜」の由来と言われています。親族や友人など、故人と親しかった人が集まり、別れを惜しみます。葬儀・告別式が読経や弔辞などの儀式が中心であるのに対し、通夜は故人や遺族との対面が中心となります。
お通夜そのものの流れやマナー、費用などについては以下の記事で詳しく解説しています。お通夜の位置づけや考え方を知っておきたい方は参考にしてみてください。
一般弔問を受けない家族葬ならお通夜なしでもいい
一般弔問を受けない家族葬であれば、葬儀をお通夜なしにしても問題はありません。
先に述べた通り、お通夜は近親者のみで行い、一般弔問は葬儀・告別式でというのが本来の考え方です。したがって、家族葬を一般弔問なしで行なうなら、お通夜と葬儀・告別式を必ずしも両方行う必要はありません。
通夜なしの家族葬は「一日葬」という葬儀形式
通夜を行わず、告別式と火葬を1日で執り行う家族葬は、一般的に「一日葬」と呼ばれる形式にあたります。同じく簡素な葬儀として「直葬(火葬式)」と混同されがちですが、両者は大きく異なります。
一日葬は読経や焼香といった告別式の儀式をきちんと行うのに対し、直葬は儀式を行わず火葬のみでお見送りする形式です。つまり一日葬は、「儀式は省きたくないが、負担は減らしたい」というご家庭に合った、通夜あり家族葬と直葬のちょうど中間の選択肢といえます。
それぞれの違いを表で整理すると、次のようになります。
| 比較項目 | 家族葬 | 一日葬 | 直葬(火葬式) |
|---|---|---|---|
| 日数 | 2日(通夜+告別式・火葬) | 1日(告別式・火葬) | 半日(火葬のみ) |
| 宗教儀式 | 通夜・告別式で読経、焼香 | 告別式で読経、焼香 | 原則なし(炉前で短いお別れ) |
| お別れの時間 | 最も長く取れる | 告別式で確保できる | ごく短い |
| 費用の目安 | 約80〜150万円 | 約30〜50万円 | 約10〜30万円 |
| おすすめな人 | 参列者を迎えてしっかり送りたい人 | 儀式は行いつつ、体力・費用の負担を抑えたい | 費用を最優先で抑えたい、ごく身内のみ送りたい |
「通夜なしの家族葬にしたいが、火葬だけでは寂しい」と感じる方にとって、一日葬は儀式によるお別れの時間と負担軽減を両立できる現実的な選択です。一方で、お別れの時間を最優先するなら通夜あり家族葬、費用を最優先するなら直葬という整理になります。迷った場合は、それぞれの形式で見積もりを取り、内容と金額を並べて比較するのがおすすめです。
弊社でも事前のお見積もりを無料で承っております。また、プランにお迷いの場合、ご要望に合わせた最適な葬儀プランのご案内を24時間受けつけておりますので、お気軽にお問い合わせください。
家族葬をお通夜なしで行なうメリット
家族葬をお通夜なしで行うメリットは、「拘束時間が短い」「体力的・精神的負担が少ない」「費用が抑えられる」の3つです。それぞれ詳しく説明していきます。
葬儀の時間が短いので親族が参列しやすい
お通夜なしで行う家族葬は、拘束時間が短いため親族が参列しやすいのがメリットです。
一般的な葬儀は通夜と葬儀・告別式を2日間かけて行いますが、通夜なしの場合、葬儀・告別式から火葬まで半日程度で終わります。仕事・介護・育児などに追われる多忙な親族でも参列しやすくなります。現代人の生活スタイルに合った葬儀スタイルといえるでしょう。
また葬儀が1日だけなので、遠方の親族でも日帰り参加しやすくなります。
体力的・精神的負担が軽減できる
お通夜なしで行う家族葬では、体力的・精神的負担が軽くなります。拘束時間が短いため、肉体的にも精神的にかなり楽になります。
高齢化で喪主の年齢層も上がっているため、2日間の葬儀が心身ともに負担になる方は少なくありません。参列者にご高齢の方が多い場合も同様です。お通夜なしの家族葬は、高齢化社会にも適した葬儀形式といえるでしょう。
費用負担が抑えられる
家族葬をお通夜なしにすると、費用の負担も少なくなります。
通夜式そのものがなくなるため、通夜ぶるまいなどの飲食接待費用は不要です。場合によっては会場費用が抑えられることもあるでしょう。
費用については、葬儀社や寺院などによっても異なります。お通夜の有無によって費用がどの程度変わるのかは、事前に詳細を確認しておきましょう。
家族葬をお通夜なしで行なうデメリット
家族葬をお通夜なしで行うのには、デメリットもあります。短時間すぎる・費用面・個別弔問対応の3点です。それぞれ詳しく説明していきます。
参列者の都合がつかない可能性がある
家族葬をお通夜なしで行う場合、葬儀がわずか数時間で終わるため、どうしても都合のつかない参列者が出てくる可能性があります。
納棺から葬儀・火葬までの所要時間はおよそ半日程度です。通夜と葬儀・告別式で2日間どちらかなら参列ができても、数時間だけで終わってしまう葬儀では参列できないこともあるでしょう。遠方に親族が多い方や出張などが多い方は要注意です。
費用は必ずしも1/2にならない
家族葬をお通夜なしで行なっても、費用は必ずしも1/2にはなりません。葬儀は1日だけであっても、準備のため2日間分の費用が必要になることがあるからです。お通夜なしの家族葬の費用は、一般会葬者の有無や葬儀の詳細によって異なります。ただお通夜がないため、通夜ぶるまいやお通夜の返礼品といった飲食接待費は少なくなるでしょう。
お通夜を省く家族葬の場合、形式は一日葬と同じになります。一日葬とはお通夜をせず告別式と火葬だけを行うスタイルの葬儀で、お通夜がないこと以外は一般葬と同じです。
以下は、一般的な家族葬と一日葬の費用の相場です。
| 家族葬(お通夜あり) | 約72万円 |
|---|---|
| 一日葬(お通夜なし) | 30万~50万円 |
なお、一日葬の費用については、以下の記事で詳しく解説しています。費用について詳しく検討したい方は参考にしてみてください。
個別弔問への対応が必要になることがある
お通夜なし・一般会葬者なしで家族葬を行なう場合、個別弔問への対応も考えておきましょう。
故人の社会的地位や交際範囲によっては、個別弔問の依頼が多数入る可能性があります。この場合、故人とお別れしたい友人・知人のための場を設けなければなりません。個別弔問への対応があまりに多いのであれば、通夜で弔問客を受け付ける方がスムーズかもしれません。
お通夜なしの家族葬の注意点
お通夜なしでの家族葬は、一般的な葬儀スタイルではありません。注意すべき点もあるので、前もって確認しておきましょう。
菩提寺に確認をとる
お通夜なしでの家族葬を検討している場合、菩提寺への確認が必要です。納骨の条件として、通夜・葬儀を必須と考えるお寺もあるためです。菩提寺への納骨を断られないよう、事前に確認しておきましょう。
親族の理解を得ておく
お通夜なしの家族葬である旨は、親族にも事前に伝えておきましょう。
昔ながらの通夜~告別式の2日間で行なう葬儀をイメージしている場合、お通夜なしの家族葬が理解できないこともあるかもしれません。事前にお通夜なしの考え方や葬儀の流れを丁寧に説明をし、お互いスムーズに葬儀を進められるようにしましょう。
お通夜なしの家族葬(一日葬)の流れ
通夜なしの家族葬(一日葬)の当日は、午前に告別式、午後に火葬・法要という流れが一般的で、全体の所要時間は4〜6時間程度です。
ここでは、告別式を10時に開式する場合のモデルスケジュールを紹介します。実際の時間は火葬場の予約枠に合わせて前後するため、目安としてご覧ください。
| 時刻 | 内容 |
|---|---|
| 9:00〜 | 納棺の儀 |
| 10:00〜 | 葬儀・告別式 |
| 12:00〜 | 喪主挨拶 |
| 13:00〜 | 火葬・お骨上げ |
| 15:00〜 | 繰り上げ法要 |
お通夜なしでの家族葬の流れは、一日葬の流れと同じです。一日葬の流れについては、以下の記事で詳しく解説しているので合わせてご確認ください。
お通夜なしの家族葬のマナー
お通夜なしで家族葬を行なう場合のマナーについて解説します。親族・参列者、それぞれ押さえておくべき点がいくつかあります。
なお、家族葬のマナーについては、以下の記事でさらに詳しく解説しているので、気になる方は参考にしてみてください。
訃報
通夜なしの家族葬では、「参列をお願いする方」「参列をご遠慮いただく方」「葬儀後に報告する方」の3通りで連絡内容を変える必要があります。
特に通夜がないことを伝え忘れると、告別式当日の夕方に弔問に来られてしまうといった行き違いが起こるため、文面には「通夜は行わない」旨を必ず含めましょう。そのまま使える文例を3パターン紹介します。
なお、訃報の詳細については下記の記事をご確認ください。
参列をお願いする方への訃報連絡
参列者への連絡には、お通夜なしの家族葬であることと、葬儀の日時・場所などの詳細を記載して送ります。香典を辞退する場合、この時点で連絡するのが親切です。
【例文】
父 ○○○○(享年○○)が、○月○日に永眠いたしました。
葬儀は故人の遺志により、通夜は行わず、家族葬にて告別式のみを執り行います。
つきましては、ぜひお見送りいただきたく、ご案内申し上げます。
日時:○月○日(○) 午前10時より
場所:○○斎場(住所・電話番号)
喪主:○○○○(長男)
※誠に勝手ながら、御香典・御供花はご辞退申し上げます。
参列をご遠慮いただく方への訃報連絡
葬儀への参列をご遠慮いただく方へは、葬儀は近親者のみの家族葬で行う旨をわかりやすく伝えましょう。
一般会葬を受け付けないなら、葬儀日程・場所なども知らせません。訃報そのものを、葬儀のあと数日たってからの事後報告とする場合もあります。故人や喪主との関係性に合わせてタイミングを選びましょう。
【例文】
父 ○○○○が、○月○日に永眠いたしました。
葬儀は故人の遺志により、誠に勝手ながら近親者のみの家族葬にて執り行います。
つきましては、ご会葬・御香典・御供花につきましても、故人の遺志によりご辞退申し上げたく、何卒ご理解賜りますようお願い申し上げます。
生前のご厚誼に、故人に代わり心より御礼申し上げます。
事後報告する場合
家族葬では一般会葬を受け付けないことも多いので、訃報や葬儀について事後報告とするケースもあります。この場合、故人の氏名・死亡日・享年・喪主の氏名・故人の意向で家族葬で行ったことなどを、後日ハガキやLINEなどで連絡します。
香典や個別弔問などを辞退する場合は、その旨も合わせて記載するといいでしょう。
【例文】
父 ○○○○ 儀
かねてより療養中のところ ○月○日に永眠いたしました
葬儀は故人の遺志により ○月○日 近親者のみの家族葬にて相済ませました
本来であれば早速お知らせ申し上げるべきところ ご通知が遅れましたことを深くお詫び申し上げます
生前に賜りましたご厚誼に 故人に代わりまして厚く御礼申し上げます
令和○年○月
住所・喪主名
香典・供花・弔電
家族葬に参列する場合、香典は通常通り用意します。香典辞退を事前に知らされている場合、無理に包む必要はありません。
香典の代わりに供花や供物で弔意を表わす方法もあります。香典のみ辞退なのか、供花・供物すべて辞退なのかも確認しておきましょう。香典や供花などは、故人や遺族の意向に従って行うのがマナーです。
また、訃報を受けたが弔問・会葬できない場合などは、香典・供花・供物を送るのが一般的です。香典辞退の場合は、弔電を送る方法もあります。
服装
家族葬の服装は、一般的な葬儀と同じです。お通夜なしでも葬儀であることに変わりないので、カジュアルな服装はふさわしくありません。葬儀・告別式は通夜よりフォーマル度が高いため、身内だけの家族葬であっても準喪服を選びましょう。
| 男性 | ブラックスーツ |
|---|---|
| 女性 | ブラックフォーマルのワンピース・アンサンブル・スーツ |
| 子供 | 制服または白トップス+黒ボトム |
そのほか、家族葬に参列する場合の服装については以下の記事で解説しています。小物や身だしなみのマナー、宗教による違いなどにも触れているので、迷った時は参考にしてみてください。
家族葬を通夜なしで行う場合によくある質問
通夜なしの家族葬をご検討中のお客様から、実際に多く寄せられるご質問にお答えします。弊社は全国で家族葬・一日葬をご提供しており、「失礼にあたらないか」「お布施はどうなるのか」といったご相談を日々いただいています。同じ不安をお持ちの方は、ぜひ参考にしてください。
ここにないご質問も、24時間365日・無料の事前相談で受け付けておりますので、お気軽にお問い合わせください。
通夜なしの家族葬は失礼・非常識にあたりませんか?
失礼にはあたりません。通夜はもともと、近親者が故人と最後の夜を過ごすための儀式であり、一般の弔問客をお迎えする場は本来、告別式とされてきました。
参列者を近親者に限定する家族葬であれば、通夜と告別式を分けて行う必然性はなく、通夜を省いても弔いの本質は損なわれません。
実際に通夜なしの家族葬(一日葬)を選ぶご家庭は年々増えています。ただし、従来の2日間の葬儀を当然と考えるご親族もいるため、事前に理由を添えて説明し、理解を得ておくことが大切です。
通夜なしでも僧侶は呼びますか?お布施は必要ですか?
はい、通夜なしの家族葬でも、告別式で僧侶に読経していただくのが一般的です。通夜を省くのは「日程の簡略化」であり、宗教儀式そのものを省く直葬(火葬式)とは異なります。
また、お布施も必要ですが、通夜の読経がない分、2日間の葬儀より金額を抑えられる傾向があります。
なお、菩提寺がある場合は「通夜を行わない形式でもよいか」を必ず事前に確認してください。中には通夜を省くことに抵抗のあるお坊さんもいらっしゃるため、無断で進めると先祖代々のお墓への納骨を断られるトラブルにつながる恐れがあります。
なお、弊社では菩提寺のない方に向けて、全国一律価格でお坊さんのご手配を承っております。読経代や戒名代、お車代も含まれた定額となっておりますので、安心してご依頼いただけます。
通夜なしの家族葬でも香典は受け取れますか?
はい、受け取れます。通夜がなくても告別式で香典をお受けするのは通常の葬儀と同じで、受付で受け取り、返礼品をお渡しします。
一方、近年の家族葬では香典を辞退するケースも多くなっています。辞退する場合は、訃報・案内の文面に「御香典はご辞退申し上げます」と明記し、当日の行き違いを防ぎましょう。判断に迷う場合は、参列者の顔ぶれ(親族のみか、友人も招くか)を基準に家族で話し合って決めるのがおすすめです。
友引の日でも通夜なしの家族葬はできますか?
友引に葬儀を行うこと自体に宗教上の問題はありません。友引は仏教ではなく六曜という暦の考え方であり、「友を引く」という字面から縁起を担いで避けられてきたに過ぎないためです。
ただし実務上の注意点として、友引を定休日とする火葬場が多くあります。通夜なしの家族葬は告別式と火葬を同日に行うため、火葬場が休みの日には葬儀自体を行えません。日程を組む際は、暦よりもまず火葬場の空き状況を葬儀社に確認しましょう。
お通夜なしで行う家族葬で心のこもったお別れを
家族葬をお通夜なしで行っても問題ありません。お通夜はもともと遺族・親族を中心に行なうものであるため、近親者のみの家族葬でお通夜と告別式を分けて行う必要がないからです。
お通夜なしの家族葬は、通常2日間で行なう葬儀を1日で行なうので、時間や体力面での負担を軽減できるでしょう。しかし一般的な葬儀スタイルではないため、菩提寺や親族への事前の確認・連絡は必須です。
身近な親族と心のこもった葬儀を行えるよう、葬儀社に相談しつつ進めるといいでしょう。
弊社では、価格を抑えたプランパックでの葬儀をご用意しています。参列人数に応じた広さの式場で、現代に合わせたシンプルな葬儀を行えます。依頼・相談は24時間365日受け付けているので、興味をお持ちの方はぜひお気軽にご相談ください。
