葬儀の基礎知識

霊安室とは?ご遺体を安置する流れや手続き、費用について解説

霊安室とは?ご遺体を安置する流れや手続き、費用について解説

人が亡くなった後、ご遺体は霊安室や葬儀社などの安置場所に保管されます。病院の霊安室は一時的にしか利用できず、葬儀や火葬を行うまでの期間、別の安置場所に搬送が必要です。安置施設の利用方法や、ご遺体をいつ搬送したらよいのかわからないという方も多いでしょう。

本記事では、霊安室の役割や、利用・搬送の流れについて解説します。利用の手続きや費用などはぜひ事前に確認しておくと安心です。ぜひ利用の際は参考にしてください。

この記事を要約すると

  • 霊安室は、ご遺体を安置する場所のことです。ご遺体は病院や警察署の霊安室から寝台車で運ばれます。
  • 病院や警察署の安置室は、スタッフによってそのまま運ばれるため特に手続きは不要です。その後、葬儀社等の安置施設に運ぶため、予約や寝台車を手配しましょう。
  • 安置施設を利用する際は、施設料として5,000〜3万円程度、別途搬送料や、ドライアイス代などがかかります。搬送する前に死亡診断書を必ず受け取っておきましょう。霊安室で遺族が付き添いできるか、面会できるかは施設ごとに異なります。
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霊安室とは

霊安室とは、ご遺体を保管する場所のことです。

日本では、法律により一部の感染症による死亡を除いて、亡くなってから24時間以内の火葬が認められていません。 そのため、医師による死亡確認のあとすぐに火葬することはできず、ご遺体を霊安室などに安置したうえで葬儀や火葬の準備を進める流れになります。

葬儀の日程や火葬場の混雑状況によっては、ご遺体の安置する日数が伸びることもあります。病院の霊安室や葬儀社の安置室など施設によって、役割や利用できる期間が異なります。

病院の霊安室

病院で亡くなられた場合、病室で医師が死亡を確認したあと、ご遺体は院内の霊安室へと移されます。病室が個室であっても、同じ病棟には他の患者さんが生活しており、入院待ちの方が多いこともあるため、病室で長時間お過ごしいただくことは難しいのが一般的です。

霊安室は病院の地下など人目につきにくい場所に設けられていることが多く、あくまで治療や療養を行う病院内での一時的な安置場所という位置づけです。看取りに対応する病院であっても供養の場ではないため、霊安室の利用は次の安置先が決まるまでの数時間程度に限られることがほとんどです。

警察署の霊安室

死因が不明な場合、検視のために、ご遺体は警察署の霊安室に運ばれます。自殺や他殺、事故死など事件性がある場合に限らず、災害死や病死か老衰かの判断がつかない場合なども検視の対象となります。

検視は、ご遺体の外表面、着衣、所持品などの確認を行います。警察署の規模によっては霊安室がないこともあり、別の施設で検視を行います。司法解剖が必要な場合は、長期間、警察にご遺体を預けなければならないケースもあります。

葬儀社の霊安室

病院の霊安室はあくまで一時的にご遺体をお預かりする場所であり、葬儀や火葬まで長期間安置できるわけではありません。そのため、多くの場合は葬儀社が運営する斎場へ搬送し、葬儀までの間は霊安室(一般的には「安置室」と呼ばれることが多い)でご遺体をお預かりします。

病院や警察署の霊安室からは、葬儀社の寝台車がご遺体をお迎えに伺います。葬儀社の霊安室では、ご遺体をきれいな状態で保てるよう適切な管理が行われ、そのまま同じ施設内で葬儀に移れる点も大きなメリットです。

火葬場の霊安室

火葬場の混雑状況により、すぐに火葬を行えないこともあります。大型の火葬場には、霊安室が併設されていることも少なくありません。火葬まで数日の間、預かってくれることもあれば、火葬の前日からしか預けられない場合もあります。

ご遺体を棺に納めた状態で預ける、家族の面会や付き添いに制限があるなど、それぞれの施設でルールが設けられています。利用する際は、事前に確認しておきましょう。

霊安室以外でご遺体を安置できる場所

病院や警察署の霊安室は一時的にしか安置できません。また、葬儀社の霊安室では火葬までの期間預けられますが、混雑状況によっては、利用が難しい場合もあるでしょう。ここでは、病院や葬儀社の霊安室以外でもご遺体を安置できる場所を紹介します。

自宅

かつては、仏間のある家に住んでいる方も多く、ご遺体を自宅で安置されるケースも少なくありませんでした。しかし、近年ではマンションなどが増えるにつれて、スペースの確保や搬入が難しいといった理由で、自宅での安置は減りつつあります。

自宅で安置する場合は、仏間がなくても室温を下げられるようにエアコンのある部屋で安置します。自宅以外の場所で亡くなった場合も、ご遺体だけでも家に帰らせてあげたいという方が安置場所として自宅を選ばれることがあります。

遺族が故人との最後の時間をゆっくりと過ごしてお別れを伝えたいという方は自宅を安置場所として検討してもよいでしょう。

民間の安置施設

遺体の安置に特化した民営の施設もあります。特に火葬場が混み合っており、数日待たなければいけないケースや、葬儀について検討する際に時間がかかるケースでも利用されます。

24時間、予約や受け入れ対応している施設も多く、遺族の面会なども可能であることが一般的です。サービスが充実している安置施設は費用が高いケースもあるので、安置する日数と合わせて確認しておくとよいでしょう。

霊安室の利用の手続き

実際に霊安室を利用する前に必要な手続きを確認しておきましょう。病院や警察署の霊安室の場合は、職員がご遺体を霊安室に運んでくれるため、基本的に予約などは必要ありません。

その後、葬儀社の霊安室や安置施設に搬送するため、空き状況を確認して予約し、寝台車を手配します。その後は葬儀を行うことになるため、葬儀内容と一緒に葬儀社に相談するとスムーズです。

なお、自宅で安置する場合も、搬送の手配と寝具や供物、ドライアイスなどを用意する必要があります。清潔面などから自家用車で運ぶより寝台車を利用すると安心です。

各施設の霊安室の利用料

次に、霊安室の利用料金について説明します。費用は施設によって異なり、安置のための施設使用料に加えて、寝台車での搬送費用やドライアイスの費用などが発生します。

これから葬儀や火葬にもさまざまな費用が必要になるため、霊安室の利用料や付随する費用について、事前にしっかり確認しておくことが大切です。

病院や警察署の霊安室の利用料

霊安室の使用料は施設によって異なり、費用がかかる場合があります。しかし、病院や警察署の霊安室については、基本的に使用料が発生しないケースがほとんどですが、病院でエンゼルケア(ご遺体の清拭や身だしなみを整える処置)を依頼する場合は別途費用が必要で、保険適用外のため数千円〜1万円ほどかかります。

また、霊安室を出る際には、次の安置先への搬送費や、安置施設での利用料がかかる点にも注意が必要です。さらに、病院を「死亡退院」として出る場合は、後日入院費の精算を行うことも覚えておきましょう。

葬儀社や民間の安置施設の利用料

葬儀社が運営する安置室の利用料は葬儀社によって異なりますが、1日あたり5,000〜3万円程度が一般的です。通夜や葬儀までの2〜3日間お預けするケースが多いものの、日数が延びればその分だけ費用も増えます。

また、ご遺体の状態を保つためには、亡くなってから遅くとも4時間程度でドライアイスによる冷却を開始する必要があります。ドライアイスの費用は、1日1〜2万円程度が目安です。

加えて、ご遺体の搬送費用は走行距離によって設定されていることが多く、10km以内であれば1万〜15,000円程度、それ以上の場合は10kmごとに追加で数千円〜2万円程度がかかります。家族が付き添う場合に追加料金が発生することもあります。

なお、これらの費用が葬儀プランの中に含まれている場合もあるため、事前にしっかり確認しておくと安心です。

自宅で安置する場合の費用

自宅で安置する場合は、霊安室の利用料が不要なため、費用を大きく抑えられるのが大きなメリットです。付き添いの制限もなく、時間を気にせず故人と過ごしたい方にとっては、特に適した選択といえるでしょう。

ただし、施設での安置と同様にドライアイス代は必要で、室温管理にも注意が必要です。また、遺体の搬送料として遺体搬送料として10kmあたり約2万円ほどかかるほか、寝具の準備や供物の手配などに数万円程度の費用が発生する点も考慮しておきましょう。

霊安室から移動する場合の流れ

亡くなってから霊安室へ移動し、霊安室から次の搬送先に移動する際の流れについて解説します。寝台車の手配や死亡診断書の受け取りなど遺族がやることもあるため、事前に確認をしましょう。

末期の水やエンゼルケアを行う

医師が死亡を確認したあと、「末期の水」と「エンゼルケア」が行われます。末期の水は仏教に由来する儀式で、故人が安らかに旅立てるよう願いを込めて行うものです。筆や割り箸に脱脂綿を巻いて水を含ませ、故人の唇をそっと湿らせます。病院で実施が難しい場合は、次の安置先で行われることもあります。

エンゼルケアは、看護師や専門業者が担当します。口腔内のケアや全身の清拭を行った後、白い浴衣の「死装束」へ着替えさせますが、故人が好きだった洋服に変更できる場合もあるため、希望があればスタッフに相談するとよいでしょう。

また、生前の姿に近づけるために髪を整え、死化粧(エンゼルメイク)を施すこともあります。

搬送先を決めて寝台車を手配する

病院や警察署で亡くなられた場合は、まず施設内の霊安室へ移されますが、葬儀まで長期間利用できるわけではありません。病院では数時間程度、警察署では検視が終わり次第、ご遺体を速やかに引き取る必要があります。

そのため、早めに葬儀社へ相談し、次の安置先を決めて寝台車の手配を進めましょう。病院の霊安室は混雑しやすく、できるだけ早く退室を求められることも少なくありません。

葬儀社には、病院へ何時頃到着できるか確認しておくと安心です。混み合う時間帯などは、寝台車の到着に1〜2時間ほどかかる場合もあります。

搬送の際、ご遺体は棺ではなく、担架やストレッチャーに載せたまま車内へ運び込みます。遺族が同乗できるかどうかは、車両のタイプや業者の方針によって異なるため、希望する場合は事前の確認が必要です。

また、県外で亡くなった場合など距離が長い搬送では、手配に時間がかかるほか、往復料金が必要になるケースもあります。こうした場合は、搬送のみを専門に行う業者へ依頼する方法も選択肢になります。

死亡診断書を受け取る

医師が死亡を確認したら、死亡診断書を作成してもらいます。死亡診断書は、ご遺体を次の施設や自宅に搬送する前に、必ず受け取るようにしましょう。

死亡診断書には亡くなった人の氏名や生年月日、死亡日時や死亡の原因などが書かれています。死亡診断書を受け取ったら、同じ用紙の左半分の死亡届を記入して7日以内に役所に届けなければなりません。

死亡診断書は年金の停止や生命保険を請求する際に必要になるため、複数枚発行してもらうか、コピーを取っておくと安心です。

霊安室や安置所の利用に関するよくある質問

霊安室や安置場所の利用についての流れや費用について解説しました。ここでは、実際に利用するにあたって、よくある質問をまとめましたので、利用前にぜひ確認ください。

霊安室ではどれくらい安置できる?

病院の霊安室の利用できる時間は、次の安置場所が見つかるまでの2〜3時間程度です。警察署の場合は、検視が終了して1〜3日のうちに引き取る必要があります。

葬儀社や火葬場で安置する場合は、葬儀や火葬まで保管できます。ただし、それだけ費用がかかるのと、ドライアイスを利用してもご遺体を保てるのは長くて1週間程度です。それ以上ご遺体を保ちたい場合は、エンバーミングと呼ばれるご遺体を腐敗させにくくする特殊な処置が必要です。

霊安室で面会はできる?

病院の霊安室などは、遺族など一部の方が対面でき、ご友人等は面会できないケースがほとんどです。

その後の葬儀社や民間の施設等で葬儀までの期間、安置される場合は、面会のルールは、施設ごとに異なります。遺族は面会が可能であることが多いですが、ご友人は葬儀で対面することが一般的です。故人の友人から霊安室での面会の希望があっても、遺族の判断で断っても問題ありません。

また、安置施設によっては、宿泊型で遺族が付き添いすることができるケースもあるので、探してみるとよいでしょう。ホテルのような雰囲気で遺族にとっても過ごしやすいように作られている施設もあります。亡くなった場所や葬儀の場所と、遺族の住居が遠いなど事情がある場合は、利用を検討してみてください。

一日葬や家族葬を行うなら経験豊富な葬儀社に相談を

病院の霊安室を出た後、スペースがあれば自宅でも安置することはできますが、ご遺体の冷却や搬送なども含めて葬儀社にお任せすると安心です。葬儀社の安置室であれば、そのまま同じ斎場でスムーズに葬儀も行うことができるため、葬儀の日程や内容と合わせて相談するとよいでしょう。

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