黒住教は神道系の宗教であり、仏教式の葬儀とは大きく異なる作法やマナーがあります。
本記事では、黒住教の葬儀の特徴から流れ・参列時の服装について詳しく解説します。黒住教の葬儀に参列する予定の方や、葬儀を執り行う立場にある方はぜひ参考にしてみてください。
この記事を要約すると
- 黒住教の葬儀の特徴は、故人を家の守護神として祀ることです。黒住教は神道の形式で行われ、仏教と異なり、故人は極楽浄土へ送るのではなく、家族を見守る神としてこれからも身近にとどまると考えられています。
- 神式の葬儀では焼香ではなく玉串奉奠(たまぐしほうでん)で拝礼し、香典の表書きは「御玉串料」や「御榊料」といった表現を用いります。参列者は数珠を持たず、玉串を両手で受け取って祭壇の前で丁寧にささげ、心のなかで故人への感謝を伝える作法が基本です。
- 黒住教の葬儀での参列者の服装は、黒系の喪服を着用し、装飾品は結婚指輪程度に抑えて控えめな服装を心がけましょう。光沢の強い金属や華やかな色の装飾、派手なネイルや香水は避けることで、故人と御霊への敬意を静かに示す装いとなります。
黒住教とは?
黒住教とは、江戸時代後期の1814年に岡山の神職・黒住宗忠が開いた神道系の宗教であり、現在も岡山市に本部を置いて活動している教派神道です。
太陽の神とされる天照大御神を万物の親神と仰ぎ、私たち一人ひとりはその「分け御霊」をいただいた尊い存在だと考えるため、日々を感謝して明るく生きることが大切だと説いています。特徴的なのは、毎朝日の出に向かって祈る「日拝」です。
単なる太陽崇拝ではなく、太陽の光を通じて天照大御神とつながり、自分の心を温かく丸く育てていく時間として重んじられています。また、黒住教は天理教や金光教と並んで「幕末三大新宗教」のひとつに数えられ、日本の近代宗教史のなかで早い時期から組織的な教団として整えられた存在でもあります。
黒住教における葬儀の特徴
次に、黒住教の葬儀にはどのような特徴があるのかについて見ていきましょう。
- 故人を家の守護神として祀る
- 神道の形式による神式葬儀として行う
- 作法は神道をベースとする
ぜひ参考にしてみてください。
故人を家の守護神として祀る
黒住教の葬儀では、故人はどこか遠くへ旅立つ存在ではなく、家を見守る神として身近にとどまると考えます。亡くなった人の魂は「御霊」として大切に迎えられ、儀式を通して家の守護神となるように祀られます。
仏教のように極楽浄土へ送るのではなく「これからも家族を守ってください」とお願いしながら御霊をまつる点が大きな特徴です。遺族も故人を恐れる存在としてではなく、これからも支えてくれる頼もしい存在として受け止める考え方です。
神道の形式による神式葬儀として行う
黒住教の葬儀は、仏教式ではなく神道の作法にもとづいて行われる神式葬儀です。人の死を「帰幽」ととらえ、祭壇には神道のしつらえが整えられ、僧侶ではなく神職が祝詞を奏上して故人の御霊を慰め、神々への感謝と報告をささげます。
参列者は焼香のかわりに玉串奉奠によって拝礼し、通夜祭や葬場祭など、神道特有の流れにそって儀式が進みます。全体としてしめやかでありながらも、故人の御霊を清らかな神として迎える雰囲気があるのが、黒住教の葬儀です。
作法は神道をベースとする
黒住教の葬儀で用いられる作法は、基本的に神道の作法を土台としています。通夜祭・葬場祭など儀式の流れや名称も神道にならい、参列者は数珠ではなく玉串をささげ、二礼二拍手一礼をベースにした拝礼によって故人の御霊を慰めます。
ただし、黒住教では亡くなった人を家の守護神として丁重に迎えるという教えが強く意識されているのが大きな特徴です。
黒住教の葬儀(神葬祭)の流れ
ここでは、黒住教の葬儀(神葬祭)の流れを詳しく解説します。
- 帰幽奉告・神棚封じ・枕直しの儀など
- 通夜祭
- 遷霊祭(みたまうつしの儀)
- 葬場祭(そうじょうさい)
- 火葬祭・帰家祭
ひとつずつ見ていきましょう。
なお、神式の葬儀について詳しく知りたい方は、以下の記事を参考にしてみてください。
1. 帰幽奉告・神棚封じ・枕直しの儀など
黒住教を含む神道式葬儀では、まず「帰幽奉告」といって、故人が神のもとへ帰ったことを神棚や祖霊舎に報告することから始めるのが一般的とされています。同時に、死は穢れとされるため、神棚の扉を閉めて白い半紙を貼る「神棚封じ」を行い、家の神々に穢れが及ばないように配慮します。
そのうえで、故人のそばに簡素な祭壇を整え、遺体の向きを整える「枕直しの儀」をして、清めや装いを整えながら静かに御霊をなぐさめる時間を持つという流れです。神葬祭では「故人の功績をたたえ遺徳をしのび、その後は祖霊として丁重にお祀りする」という風に考えます。
2. 通夜祭
通夜祭は、黒住教の葬儀において、仏教でいう通夜にあたる大切な儀式です。夕方以降に遺族や親族、友人が集まり、神職が祭壇に神饌をささげて祝詞を奏上し、故人のこれまでの歩みへの感謝と、御霊が穏やかに鎮まるよう心をこめて祈りを捧げます。
そのあと、喪主や遺族・参列者が一人ずつ玉串をささげて拝礼し、静かな雰囲気のなかで故人との最後の夜を過ごします。
3. 遷霊祭(みたまうつしの儀)
遷霊祭(みたまうつしの儀)は、故人の魂を棺から霊璽(れいじ)と呼ばれる木札へと移し、神としてお迎えするための大切な儀式です。
会場の明かりを落とし、厳かな雰囲気のなかで神職が特別な言葉を唱えながら霊璽をかざすことで「魂が新しいよりどころに移る」と考えられています。その後、霊璽は仮の祭壇に安置され、喪主や遺族・参列者が玉串をささげて拝礼します。
4. 葬場祭(そうじょうさい)
葬場祭は、黒住教の葬儀のなかでも、故人を送る中心となる儀式です。通夜祭や遷霊祭を経て迎える本番の場で、祭壇の前に棺を安置し神職が祭詞を奏上して、故人のこれまでの歩みへの感謝と御霊が守護神として導かれるよう祈りをささげます。
その後、喪主を先頭に遺族・親族・参列者が順に玉串をささげて拝礼し、全員で最後のお別れをするという流れです。
5. 火葬祭・帰家祭
火葬祭は、葬場祭を終えて火葬場に向かい、火葬炉の前で故人の御霊に別れと感謝を伝える儀式です。神職が祭詞を奏上し、遺族や参列者が玉串をささげて拝礼したのち、棺が炉に納められ、静かに見送ります。
火葬後に遺骨を迎えて自宅に戻ると帰家祭が行われ、仮の祭壇や霊璽の前で改めて神々への報告と感謝をささげて、一連の葬儀は終了です。帰家祭には、故人の御霊が家の守護神としてともに暮らしていくことをみんなで確認するという意味合いがあるとされています。
黒住教(神葬祭)の葬儀における作法・マナー
黒住峡をはじめとする神葬祭における作法やマナーを紹介します。
- 焼香ではなく玉串奉奠で拝礼する
- 「御玉串料」「御榊料」など神道式の表書きを用いる
- 数珠はいらない
- 黒またはダーク系の喪服・控えめな装飾を心がける
ぜひ参考にしてみてください。
焼香ではなく玉串奉奠で拝礼する
黒住教の葬儀では、仏教のように焼香をするのではなく「玉串奉奠」という神道の作法で拝礼します。玉串とは、榊の枝に紙垂(しで)をつけたものです。参列者は玉串を両手で受け取り、祭壇の前で向きを整えてから、神前にささげて一礼し、心のなかで故人への感謝や祈りを伝えます。
このとき、数珠は用いません。玉串を通して自分のまごころを神さまや故人の御霊へ届けるという気持ちをもって拝礼するのが、黒住教の葬儀における基本的なマナーです。
「御玉串料」「御榊料」など神道式の表書きを用いる
黒住教の葬儀では、香典の表書きも神道にならい「御霊前」だけでなく「御玉串料」や「御榊料」といった呼び方もよく用いられます。
玉串や榊は、神前にささげる大切な供え物で「お金」ではなく「まごころを込めたお供え」をお渡しするという意味合いが強いのが特徴です。
表書きは神道式では、通常の濃い墨で書くのが一般的で、黒住教の葬儀でも「御玉串料」や「御榊料」といった表現を選ぶとよいでしょう。
数珠はいらない
黒住教の葬儀は神道の形式で行われるため、仏教の法要で使う数珠は使いません。参列者は数珠の代わりに、玉串奉奠(たまぐしほうてん)でまごころをささげるのが神葬式の慣習です。
むしろ、数珠を手にしていると仏教式との混同を招くおそれがあります。黒住教の葬儀では数珠を持たず、落ち着いた服装と丁寧な所作で故人の御霊を敬うことが適切な態度といえるでしょう。
黒またはダーク系の喪服・控えめな装飾を心がける
黒住教の葬儀も、基本的には神道葬儀と同じく、黒またはダーク系の喪服を着用するのが礼儀です。男性は黒のスーツか礼服に白いワイシャツと地味なネクタイ、女性は黒のワンピースやスーツを選び、肌の露出は控えめにしましょう。
アクセサリーは結婚指輪程度にとどめ、光沢の強い金属や華やかな色の装飾・派手なネイルや香水は避けるのが無難です。
黒住教の葬儀は基本的に神道の作法で進行します
黒住教の葬儀は、仏教式ではなく神道の作法にもとづいて進行します。故人の死は「帰幽」ととらえられ、帰幽奉告や神棚封じ・枕直しの儀などを経て、通夜祭・遷霊祭・葬場祭・火葬祭・帰家祭という流れで、神職が祝詞を奏上しながら儀式を執り行います。
参列者は数珠や焼香ではなく玉串奉奠で拝礼し、表書きは「御玉串料」「御榊料」といった神道式の表現を使いましょう。
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