「臨終が近づくと体にどのような変化が起きるのか」「立ち会えなかった場合はどうするのか」といった疑問を抱える方は、多いのではないでしょうか。
臨終とは、人が死期に差し迫った時期や最後の瞬間に近い段階を指す言葉です。多くの人にとって、家族の最後に立ち会うことは初めての経験であり、どのように対応すればよいかわからないと感じるのは自然なことといえます。
本記事では、臨終時の体の変化から心構え・立ち会えない場合の対応、そして埋葬までの流れにいたるまで詳しく解説します。大切な方との最後の時間を穏やかに過ごしたいと考えている方は、ぜひ参考にしてみてください。
この記事を要約すると
- 臨終が近づくと、呼吸の変化、体温低下、意識の変化など、いくつかの体の変化が見られます。感謝やねぎらいは短い言葉で伝え、意識がなくても声は届くと考えて寄り添うことが大切です。
- 臨終に立ち会えなかった場合でも、親不孝ではありません。葬儀までの時間で気持ちを整理し、葬儀や火葬の場でしっかり別れを告げることで、気持ちに一区切りをつけられます。
- ご臨終から埋葬までの流れは、医師による死亡確認・エンゼルケア・遺体の搬送、死亡届の提出、通夜・葬儀・火葬・納骨という順序で進みます。わからないことがあれば、医療スタッフや葬儀社に都度確認することが大切です。
臨終とは人が死を迎える直前の時期のこと
臨終(りんじゅう)とは、一般的には人が死期に差し迫った時期や、最後の瞬間に近い段階を指す言葉とされています。医学用語としては「終末期」「ターミナル期」と関連していますが、明確な時間範囲は定義されていません。
医療現場では、医師などの資格者が診察を経て死亡診断書を作成することで正式に死亡が確認されます。家族にとっては最後の時間は気持ちの整理が追いつかないことが多く、慌てずにそばで声をかけたり手を握ったりして静かに見守ることが大きな支えとなるでしょう。
臨終に立ち会う前に知っておきたいサイン
臨終が近づくと、いくつかの体の変化が見られることがあります。具体的には、以下のようなサインが挙げられます。
- 呼吸の間隔が不規則になり、息が浅くなる
- 呼吸のたびに喉がゴロゴロ鳴るようになる
- 眠っている時間が長くなり、呼びかけへの反応が鈍くなる
- 目を開けていても反応が乏しく、視線が合いにくくなる
- 声をかけても返事が少なく、うなずきや表情だけで示す
- 手足や指先が冷たく感じられるようになり、体温が下がってくる
- 唇や爪の色が紫色や白っぽく変化する
- 食事や水分をほとんど受け付けなくなる
- 尿の量が極端に減ったり、出にくくなる
- 落ち着きがなくなり、手足を動かしたり意味のない動作をする
- せん妄などにより、亡くなった人やその場にいない人の話をする
こうした変化は自然な経過であり、慌てずそばに寄り添い、声をかけて見守ることが大切です。なお、すべての人に当てはまるわけではなく、現れ方や順序には個人差があります。
臨終の兆候については、以下の記事も参考にしてみてください。
臨終に立ち会う瞬間の心構え
臨終に立ち会う際の心構えを知っておけば、最後の時間を悔いなく過ごせます。ここでは、立ち会う瞬間に意識すべき重要なポイントを紹介します。
- 感謝やねぎらいは短い言葉で伝える
- 意識がなくても声は届くと考えて接する
- 家族それぞれの反応の違いを否定しない
- 医療スタッフの動きを妨げない
それぞれ詳しく見ていきましょう。
最後のときを迎える人に対する接し方については、以下の記事を参考にしてみてください。
感謝やねぎらいは短い言葉で伝える
臨終の場では、長い言葉や立派な挨拶は必要ありません。「ありがとう」「おつかれさま」「大好きだよ」など、短くても気持ちが伝わる言葉が一番の支えになります。相手は返事ができなくても、聴覚は最後まで残るといわれています。
手を握り、穏やかな声で語りかけるだけで十分です。うまく話せなくても大丈夫なので、心にある感謝やねぎらいを素直に伝えましょう。
意識がなくても声は届くと考えて接する
意識がはっきりしない状態でも、耳は最後まで働くといわれています。返事がなくても「ここにいるよ」「一緒だよ」と声をかけることで、安心感を与えられることがあります。
無理に起こそうとしたり、反応を求めたりする必要はありません。静かに名前を呼び、普段どおりの口調で話しかけるだけで十分です。そばに寄り添い、穏やかな気持ちで接することが、本人にとっても家族にとっても大切な時間といえるでしょう。
家族それぞれの反応の違いを否定しない
臨終の場では、涙が止まらなくなる人もいれば、言葉を失って黙ってしまう人もいます。取り乱す人、気丈に振る舞う人など反応はさまざまです。
どれが正しくて、どれが間違いということはありません。不安や悲しみの表れ方が違うだけなので「なんで泣かないの」「冷たい」などと責めないことが大切です。お互いの感じ方を尊重し、無理に合わせようとせず、それぞれの形で見送っていいと捉えましょう。
医療スタッフの動きを妨げない
臨終の場では、医師や看護師が状態確認や処置を行うことがあります。その際は、無理に近づいたり声をかけ続けたりせず、指示に従って静かに見守りましょう。
心配で手を握りたくなる気持ちになるのは無理もありませんが、医療スタッフの動線をふさがないよう配慮することが大切です。わからないことがあればその場で質問して構いません。落ち着いて協力する姿勢が、本人にとっても家族にとっても安心につながります。
臨終に立ち会えなかった場合はどうするか
ここでは、立ち会えなかった場合の向き合い方を3つのポイントから解説します。
- 「間に合わなかった=親不孝」と考えなくてよい
- 葬儀までの時間を使って気持ちの整理をする
- 葬儀や火葬の場でしっかり別れを告げる
それぞれ詳しく見ていきましょう。
「間に合わなかった=親不孝」と考えなくてよい
最後に間に合わなかったとしても、それは決して親不孝ではありません。仕事や移動・連絡のタイミングなど、どうしても避けられない事情が重なることはあります。
大切なのは、これまでどう向き合ってきたかであり、最後の数分に立ち会えたかどうかではありません。十分に頑張ってきたことを認め、気持ちを切り替えて静かに見送ることが何より大切です。
葬儀までの時間を使って気持ちの整理をする
臨終に間に合わなかった場合、強い後悔や喪失感に襲われることがあります。そのようなときは、無理に気持ちを切り替えようとせず、葬儀までの時間を使って静かに向き合うことが大切です。
写真を見返したり、思い出を書き出したり、心のなかで伝えたかった言葉を整理するだけでも気持ちは少し落ち着きます。泣いても、何も考えられなくても構いません。自分のペースで気持ちを整え、故人を思う時間にしていきましょう。
葬儀や火葬の場でしっかり別れを告げる
臨終に間に合わなくても、葬儀や火葬の場は大切な「お別れの時間」です。棺の前で手を合わせたり、心のなかで言葉をかけたりすることで、気持ちに区切りをつけられます。
「ありがとう」「またね」と素直な気持ちを伝えるだけで十分です。無理に明るく振る舞う必要も、涙をこらえる必要もありません。その場で感じたままに見送ることが、後悔を残さないための大切な時間になるでしょう。
ご臨終から埋葬までの流れ
臨終から埋葬までの一連の流れを把握することで、いざというときに落ち着いて対応できます。ご臨終から埋葬までの流れは、以下の手順で進めましょう。
- 医師による死亡確認と死亡宣告を受ける
- エンゼルケアと退院準備を行う
- 葬儀社へ連絡し、遺体を搬送する
- 死亡届を提出し火葬許可証を取得する
- 通夜・葬儀・告別式を行う
- 火葬を行い、遺骨を受け取る
- 埋葬・納骨を行う
各ステップについて詳しく説明します。
1. 医師による死亡確認と死亡宣告を受ける
ご臨終の際は、まず医師が診察して死亡を確認し、死亡診断書や死体検案書の作成につながる対応を行います。病院の場合は医療スタッフが対応を進めるため、家族は慌てず連絡や指示に従って動けば問題ありません。
在宅の場合は、かかりつけ医や訪問診療医に連絡します。死亡後の行政手続きは、医師が死亡を確認し、死亡診断書等が作成されてから進めるのが通常です。この後に死亡診断書等を受け取り、葬儀や役所手続きへと進んでいきます。まずは落ち着いて、医療スタッフの案内に従いましょう。
2. エンゼルケアと退院準備を行う
死亡確認のあと、看護師などが死後処置(エンゼルケア)を行います。体を整え、清潔にし、身支度を整えるなどの死後処置を行う時間です。
家族が立ち会えるかどうかは医療機関や状況によるものの、声をかけて見送る時間を持てることがあります。その後、病室の整理や荷物のまとめを行い、搬送の準備に入ります。わからないことは医療スタッフに確認し、落ち着いて進めましょう。
エンゼルケアについては、以下の記事を参考にしてみてください。
3. 葬儀社へ連絡し、遺体を搬送する
死後処置が終わったら、葬儀社に連絡して遺体の搬送を依頼します。病院から自宅や安置施設へ移動するのが一般的であり、夜間を含め連絡を受け付ける葬儀社も数多くあります。
搬送は寝台車などを手配して行うのが一般的であり、葬儀社に依頼して進めるケースがほとんどです。指示に従い、落ち着いて手続きを進めましょう。
なお、弊社「1日葬・家族葬のこれから」では、24時間365日葬儀の専門スタッフが受け付けております。交通状況によりますが、最短30分でお迎えに上がりますので、安心してお任せください。
遺体の搬送については、以下の記事を参考にしてみてください。
4. 死亡届を提出し火葬許可証を取得する
死亡診断書等を受け取ったら、市区町村役場に死亡届を提出します。葬儀社が提出をサポートすることもありますが、対応の可否や範囲は葬儀社・自治体の運用によるため事前に確認しましょう。
手続きが完了すると火葬許可証が交付されます。必要書類や流れは自治体窓口や葬儀社が案内するため、不明点はその都度確認するとよいでしょう。なお、火葬許可証がないと火葬はできません。そのため、期限や必要書類を確認しながら丁寧に進めることが大切です。
弊社では必要なものを含んだわかりやすいセットプランでの葬儀を全国にご提供しています。火葬許可証の代行手続きもプラン料金内に含んでおりますので、葬儀が初めてで不安な方もご安心ください。
死亡届については、以下の記事を参考にしてみてください。
5. 通夜・葬儀・告別式を行う
搬送と安置が終わったあと、通夜・葬儀・告別式を行うことが多いですが、形式により省略・簡略化する場合もあります。
通夜は弔問者が集まり、読経や焼香などを行い故人をしのぶ場です。葬儀・告別式では、宗教・宗派に応じた儀礼や焼香・献花等を行い、お別れの時間を持ちます。流れや進行は葬儀社が調整することが多く、要所を確認しながら進めればよいでしょう。
挨拶や段取りに不安があれば、その都度確認すると安心できます。無理をせず、遺族の状態を優先して臨むことが大切です。
通夜については、以下の記事を参考にしてみてください。
6. 火葬を行い、遺骨を受け取る
葬儀・告別式の後に火葬場へ移動して火葬を行うことが多いですが、式の有無や順序は形式により異なります。火葬中は待合室で待機し、終了後に収骨して遺骨を骨壺に納めます。
箸で骨を拾い、骨壺に納めるのが一般的な流れです。地域によって作法に違いがあるため、火葬場係員の案内に従って進めましょう。
火葬については、以下の記事を参考にしてみてください。
7. 埋葬・納骨を行う
火葬後に受け取った遺骨を墓地や納骨堂に納めます。四十九日法要に合わせて行うことが多いですが、地域や家庭の考え方によって時期は異なります。
お墓がまだ決まっていない場合は、自宅で一時的に安置することも可能です。納骨の際は、宗教・宗派や家の方針に応じて読経や焼香・献花などの儀礼を行うことがあります。流れは寺院や霊園などが案内するので、不明なことがあれば先方に確認しておきましょう。
臨終に関するよくある質問
ここでは、臨終に関するよくある質問と回答を紹介します。実際に直面する場面での疑問や不安を解消するために、具体的にお答えします。
- 臨終には必ず立ち会ったほうがいい?
- 臨終の瞬間、家族は何か声をかけたほうがいい?
- 臨終後、葬儀社にはいつ連絡すればいい?
それぞれ詳しく見ていきましょう。
臨終には必ず立ち会ったほうがいい?
臨終に必ず立ち会わなければならない、という決まりはありません。仕事や距離・体調などの事情で間に合わないこともあるため、臨終に立ち会えなかったことに対して自分を責める必要はないでしょう。
立ち会えなかったとしても、葬儀や火葬の場でしっかり別れを告げられます。無理をせず、自分の状況に合った形で見送ることが大切です。
臨終の瞬間、家族は何か声をかけたほうがいい?
無理に声をかけなければいけないわけではありませんが、短い言葉で感謝の気持ちを伝えてあげると、きっと故人も喜びます。「ありがとう」「おつかれさま」「そばにいるよ」など、自然な一言で十分です。
返事がなくても、聴覚は最後まで残るといわれています。長い話や立派な言葉は必要ありません。手を握り、穏やかな声で寄り添うだけでも、安心につながります。
臨終後、葬儀社にはいつ連絡すればいい?
臨終後は、医師による死亡確認が終わってから葬儀社に連絡するのが適切です。病院の場合は看護師が流れを案内してくれるので、指示に従えば問題ありません。在宅で亡くなった場合も、かかりつけ医の確認後に連絡します。
早すぎても手続きが進められず、遅すぎると安置の準備が遅れるため、死亡確認後すぐが目安です。深夜や早朝でも対応してくれる葬儀社が多いので、時間を気にせず連絡して大丈夫です。
なお、弊社は24時間365日フリーダイヤルにて受け付けておりますので、些細なこと心配事でも気にせずにご連絡くださいませ。
臨終に立ち会うことで最後に感謝の気持ちを伝えましょう
臨終に立ち会う時間は、これまでの感謝を伝えられる大切なひとときといえます。長い言葉や立派な表現は必要ありません。「ありがとう」「おつかれさま」「大好きだよ」など、短い一言で十分です。
返事がなくても、気持ちはきっと届きます。手を握り、穏やかな声で寄り添うだけでも、安心感を与えられるでしょう。
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