身内が住民票のある地域以外で亡くなった際「住民票以外の場所で火葬はできるの?」「手続きや費用はどう変わる?」といった疑問を抱える方は多いのではないでしょうか。実は、住民票以外の場所でも火葬は可能ですが、手続きや費用に違いがあります。
そこで本記事では、住民票以外の場所で火葬する場合の手続きから、費用の違い・市外利用のポイントまで詳しく解説します。
「市外の火葬場を利用する場合、費用はどれくらい高くなる?」「火葬場の予約は断られることがある?」といった疑問にもお答えするので、ぜひ参考にしてみてください。
この記事を要約すると
- 住民票以外の場所でも火葬は可能で、亡くなった場所や遺体の安置場所、希望する場所の火葬場で執り行えます。手続きは、死亡診断書の取得・死亡届の提出・火葬許可証の申請・火葬場への提出という流れで進み、火葬後は埋葬許可証を受け取ります。
- 火葬費用は住民の利用か市外からの利用かによって大きく異なり、たとえば港区では市民料金44,000円に対し市外料金は88,000円、大阪市では市民1万円に対し市外6万円です。住民以外の火葬料金が値上がりするのは、自治体が住民向けに税金で施設維持を行っているため、市外利用者にはその分の負担が反映されるためです。
- 住民税非課税世帯や生活保護受給者には火葬費用の減額や免除制度があり、自治体によっては最大数万円の補助が受けられる場合もあります。市外の火葬場利用を希望する場合は混雑時や規約により断られるケースもあるため、事前に利用条件を確認し予約や費用を調べて計画的に手配することが大切です。
住民票以外の場所でも火葬はできる
結論、故人の住民票がある地域以外でも火葬は可能です。火葬は本籍や住民票の所在地に限らず、亡くなった場所や希望する場所の火葬場などで執り行えます。
火葬許可証は、死亡地や火葬地のある市区町村から発行されるため、手続きはその自治体で行う必要があります。また、住民票がある地域で火葬する場合より料金が高めになることも留意しておきましょう。
住民票以外の場所で火葬する場合の手続き
住民票以外の場所で火葬する場合の手続きについて知っておくことで、スムーズに葬儀から火葬まで執り行えます。ここでは、手続きするうえでのポイントを4つのステップに分けて解説します。
- 死亡診断書や死体検案書を取得する
- 死亡届を役所に提出する
- 火葬許可証を申請し受領する
- 火葬場へ火葬許可証を提出し埋葬許可証を受け取る
それぞれ詳しく見ていきましょう。
1. 死亡診断書や死体検案書を取得する
住民票以外の場所で火葬する場合でも、まず死亡診断書や死体検案書を取得します。死亡診断書や死体検案書は、死亡の事実を公的に証明する書類です。医師が亡くなった状況を確認したうえで発行します。
病院で亡くなった場合は死亡診断書が、事故や自宅など医師の立ち会いがない状況では死体検案書が発行されます。死亡診断書や死体検案書は、火葬許可証の申請に必要な書類です。
2. 死亡届を役所に提出する
死亡診断書または死体検案書を受け取ったら、次に死亡届を役所へ提出します。届出書は、医師が記入した死亡診断書等と一体になっているため、そのまま窓口へ持参すれば問題ありません。

引用:厚生労働省
死亡届は、死亡の事実を正式に届け出る書類であり、火葬許可証を発行してもらうために必要です。提出先は、以下のいずれかの市区町村役場です。
- 亡くなった場所
- 故人の本籍地
- 届出人の住所地
故人の本籍地以外の市町村役場でも手続きできます。
なお、死亡届の提出期限は死亡したことを知った日から7日以内である点に留意しましょう。
3. 火葬許可証を申請し受領する
死亡届を提出すると、同時に火葬許可証の申請が行えます。火葬許可証とは、火葬を実施するために必ず必要な公的証明書のことです。
住民票と異なる地域で火葬を行う場合でも、基本的には死亡届を受け付けた自治体が発行します。申請は市町村役場の窓口で行い、手数料も200~300円と少額です。
発行された火葬許可証は火葬場に提出し、火葬後は「埋葬許可証」として返却されます。
火葬場の予約は早めに済ませておきましょう。手続きの進め方がわからない場合は、葬儀会社に相談するのがおすすめです。
なお、弊社「1日葬・家族葬のこれから」では、役所手続きの代行を葬儀プランの料金内で対応しておりますので、ご不安な方は安心してお任せください。
火葬許可証について詳しく知りたい方は、以下の記事を参考にしてみてください。
4. 火葬場へ火葬許可証を提出し埋葬許可証を受け取る
火葬許可証を受け取ったら、火葬当日に火葬場へ許可証を提出します。住民票以外の地域で火葬する場合でも、事前に予約した火葬場に許可証を持参すれば対応してもらえます。
火葬場で許可証を提出して火葬を実施し、終了したら埋葬や納骨のために再利用できる「埋葬許可証」を受け取りましょう。
なお、火葬許可証と埋葬許可証は同じ書類で、火葬が終了すると火葬許可証が埋葬許可証としての効力を持ちます。住民票以外の地域で火葬した場合でも埋葬許可証は効力を持ち、墓地や納骨堂・永代供養先での手続きする際に必要です。
埋葬許可証は納骨の際に提出しなくてはいけないため、火葬後に紛失しないよう保管しましょう。
火葬場所による費用の違い
火葬場所による費用の違いを理解するには、以下の2つの要素が欠かせません。
- 住民の利用かそれ以外からの利用かによって火葬費用は変わる
- 自治体によって、低所得世帯・生活保護者は減額される
ひとつずつ解説します。
住民の利用か市外からの利用かによって火葬費用は変わる
火葬場所が住民票のある地域か市外かによって、火葬費用は大きく変わります。代表的な都市の火葬費用は、以下のとおりです。
このような料金の違いは、自治体が住民向けに税金で施設維持を行っているためです。原則として市外利用者には、その分の負担が反映されているため生じます。
低価格で火葬したい場合は、故人の住民票のある自治体を選択するほうがよいでしょう。
自治体によって、低所得世帯・生活保護者は減額される
住民税非課税世帯や生活保護を受給している場合、火葬費用が減額されたり全額免除となったりする制度を利用するのがおすすめです。
自治体によって、最大2万円から数万円の補助が受けられるケースも存在し、低所得者世帯やひとり親世帯・重度障害がある世帯には特例措置が設けられていることがあります。
このような減免制度を利用するには、非課税証明書や生活保護受給証明書の提出が求められ、申請者の状況や火葬地の条例に応じた手続きが必要です。火葬費用が生活の大きな負担と感じる場合、まず自治体窓口で相談しましょう。
生活保護を受けている方の葬儀については、以下の記事を参考にしてみてください。
住民票以外で火葬を検討するときのよくある質問
住民票以外で火葬を検討する際には、さまざまな疑問が生じます。ここでは、よくある質問を4つ紹介します。
- 地元と居住地のどちらで葬式を執り行うべき?
- 亡くなった場所から住民票がある地元で遺体を搬送するには?
- 火葬場の市外利用で断られるケースはある?
- 納骨先が住民票以外の場合、追加の手続きは必要?
ぜひ参考にしてみてください。
地元と居住地のどちらで葬式を執り行うべき?
葬式をどこで執り行うべきか迷う場合は、参列者の利便性や故人の生前の希望・遺族の事情をもとに選びましょう。一般的には、故人の住民票がある地元で葬儀を行うことで、火葬場の利用料が安くなるなど経済的な利点があります。
斎場や火葬場の設備・参加者の交通手段なども検討すべき項目です。葬式の場所について悩む場合は、葬儀社に相談してみるのがおすすめです。
弊社では、価格を抑えたプランパックでの葬儀をご用意しています。参列人数に応じた広さの式場で、現代に合わせたシンプルな葬儀を行えます。依頼・相談は24時間365日受け付けているので、興味をお持ちの方はぜひお気軽にご相談ください。※火葬料金は別途必要になります。
亡くなった場所から住民票がある地元で遺体を搬送するには?
亡くなった場所から住民票がある地元へ遺体を搬送する場合、まずは葬儀社に搬送依頼をすることが一般的です。
搬送距離や時間によって費用が大きく異なるため、事前に見積もりを取り、搬送ルートや時間帯についても確認することが大切です。搬送前に、死亡診断書などの必要書類を整えておきましょう。
火葬場の市外利用で断られるケースはある?
火葬場を市外から利用する場合、必ずしも断られるわけではありません。ただし、自治体運営の公営火葬場では地域住民を優先するため、混雑時や規約によっては市外利用を断られるケースもあります。
市外の火葬場を利用を希望する場合は、予約や費用などを調べて計画的に手配しましょう。
納骨先が住民票以外の場合、追加の手続きは必要?
納骨先が住民票のある地域以外の場合でも、通常は埋葬許可証があれば納骨すること自体は可能です。ただし、墓地や納骨堂によっては追加書類の提出や所定の申請手続きが必要となる場合があります。
特に、名義変更や墓地使用権の承継・分骨や改葬の場合には、住民票や戸籍謄本・承諾書の提出が求められることもあります。
霊園によっては、住民票の提出が必要なケースもあるため、事前に管理事務所や自治体窓口で必要書類や手続きの詳細を確認しておくと安心です。
住民票以外の市町村で火葬を執り行う際は葬儀業者に相談しましょう
住民票のある市町村以外で火葬を行う際は、まず葬儀業者に相談するのがおすすめです。火葬場は自治体ごとに規則や利用条件が異なり、住民票の所在によって料金や予約の優先順位も変わるため、専門知識のある葬儀業者のサポートが役立ちます。
葬儀社は、遺体の搬送や必要書類の手配・火葬場の予約・当日の進行まで一貫して支援してくれるため、手続きの負担が大幅に減るでしょう。
加えて、市外利用の場合は費用が高くなることも多いため、費用面も含めて相談しながら最適なプランを選べます。
なお「1日葬・家族葬のこれから」では価格を抑えたプランパックでの葬儀をご用意しています。参列人数に応じた広さの式場で、現代に合わせたシンプルな葬儀を行えます。依頼・相談は24時間365日受け付けているので、興味をお持ちの方はぜひお気軽にご相談ください。
