世帯主が亡くなると、「何から手をつければいいのかわからない」と、不安や戸惑いを感じている方も多いのではないでしょうか。世帯主の死亡後に必要な手続きは、行政・年金と保険・名義変更・相続の4つです。
この記事では、死亡届や世帯主変更届など全体像を整理しながら、世帯主の死亡後に必要な手続きをわかりやすく解説します。
読むことで「今やるべきこと」と「後からでいいこと」が明確になり、手続きの抜け漏れを防ぎながら、落ち着いて対応を進められるようになるでしょう。
この記事を要約すると
- 世帯主が亡くなった際に必要な手続きは、大きく分けて行政・年金と保険・名義変更・相続の4つです。期限の短いものから優先して対応しましょう。
- 世帯主変更届が必要なのは、同じ住所に15歳以上の家族が2人以上残る場合のみです。一人暮らしや残った家族が1人だけの場合は必要ありません。
- 相続放棄は3ヶ月、相続税申告は10ヶ月、相続登記は3年と、相続関連の手続きにも期限があります。早めに財産状況を確認し、必要な手続きを進めましょう。
世帯主が亡くなったら、何をする必要があるのか
世帯主が亡くなった際は、まず必要な手続きの全体像を把握し、優先順位をつけて取りかかりましょう。
まずは手続きの全体像を把握する
世帯主の死亡後に必要な手続きは、以下のように、大きく4つに分けられます。
- 行政手続き(死亡届・世帯主変更届など)
- 年金・健康保険の手続き(受給停止・遺族年金の申請など)
- 名義変更・解約手続き(銀行口座・公共料金など)
- 相続に関する手続き(相続放棄・相続税申告など)
それぞれ期限や窓口が異なるため、何があるかを先に把握しておけば、抜け漏れや二度手間を防ぎやすくなるでしょう。
「急ぎのもの」と「時間的余裕があるもの」に分けて考える
手続きには期限があるものとないものがあります。主要な手続きの期限は以下の通りです。
| 手続き | 期限 |
|---|---|
| 死亡届の提出 | 死亡を知った日から7日以内 |
| 世帯主変更届の提出 | 死亡届提出後14日以内 |
| 年金受給停止の届け出 | 国民年金は14日以内、厚生年金は10日以内**日本年金機構にマイナンバーが収録されている場合は原則不要 |
| 相続放棄 | 相続の開始を知った日から3ヶ月以内 |
| 相続税の申告 | 相続開始から10ヶ月以内 |
| 不動産の相続登記 | 相続を知った日から3年以内 |
まずは期限が短いものから着手し、順番に進めていきましょう。
参考:
・法務省|死亡届
・デジタル庁|e-Gov 法令検索 住民基本台帳法 第二十五条
・日本年金機構|年金受給者が亡くなりました。何か手続きは必要ですか。
・デジタル庁|e-Gov 法令検索 民法 第九百十五条1項
・国税庁|No.4205 相続税の申告と納税
・政府広報オンライン|不動産の相続登記義務化!過去の相続分は?所有不動産を一覧的にリスト化する新制度も開始!
行政手続きの流れ
世帯主が亡くなった直後は、まず役所での行政手続きが必要です。死亡診断書の受け取りから始まり、死亡届・火葬許可証の申請、必要に応じて世帯主変更届の提出と続きます。いずれも期限のある手続きのため、順を追って確認しておきましょう。
死亡診断書を受け取る
死亡診断書は、医師または病院から発行される書類で、以降のすべての手続きの起点となります。年金・保険の手続きなど、以降の各種手続きに必要になるため、受け取ったらすぐに複数枚コピーを取っておきましょう。原本は提出するため、コピーがあると各窓口でスムーズに対応できます。
死亡届・火葬許可証の申請をする
死亡届は、死亡を知った日から7日以内に、故人の本籍地または死亡地、届出人の居住地のいずれかの市区町村窓口へ提出します。死亡届と死亡診断書(死体検案書)はA3用紙の左右一体になっており、右側の死亡診断書は医師に記入してもらいます。
死亡届を提出すると同時に行うのが、火葬許可証の申請です。法律上、火葬許可証がなければ火葬できません。
なお、弊社では火葬許可証の申請の代行も葬儀のセットプランの内容に含まれておりますので、葬儀が初めてでご不安な方も安心してご利用いただけます。
世帯主変更届(必要な場合のみ)を提出する
世帯主変更届が必要になるのは、同じ住所に15歳以上の家族が2人以上いる場合です。たとえば、世帯主が亡くなったあとも配偶者と子が同居を続けるようなケースです。
提出期限は死亡届の提出後14日以内で、窓口は市区町村の住民課(住民登録担当)です。手続きに必要なものは、届出人の身分証明書、印鑑(不要な自治体もある)などが一般的ですが、自治体によって異なる場合があるため、事前に確認しておきましょう。
なお、次のケースでは世帯主変更届は不要です。
- 故人が一人暮らしだった場合(世帯そのものが消滅するため)
- 残った家族が1人だけの場合(自動的にその人が世帯主となるため)
参照:中央区|Q:世帯主が死亡したのですが、世帯主変更は必要ですか。
公的な年金・健康保険の手続きの流れ
世帯主の死亡に伴い、年金や健康保険に関する手続きも行います。手続きを行わないままにしていると、後から返還や修正が必要になることもあるため注意しましょう。ここでは、遺族が対応すべき年金・保険関連の手続きについて整理していきます。
年金の受給停止・遺族年金の申請をする
亡くなった方が年金を受け取っていた場合、受給停止の届け出が必要です。ただし、日本年金機構にマイナンバーが収録されている場合は、届け出の必要はありません。
収録されていない場合は、国民年金が14日以内、厚生年金が10日以内に、年金事務所または年金相談センターへ届け出ます。手続きが遅れると、本来受け取れない年金が振り込まれてしまう「過払い」が発生することがあるため、早めに確認しておきましょう。
なお、マイナンバーの収録有無にかかわらず、未支給年金の届け出は別途必要です。また、配偶者や子など一定の遺族は遺族年金を受け取れる可能性があります。遺族基礎年金・遺族厚生年金の2種類があり、受給できる条件は亡くなった方の年金加入状況や遺族の状況によって異なります。申請窓口は年金事務所または街角の年金相談センターです。
健康保険証の返還と加入先の変更を届け出る
亡くなった方の健康保険証は、速やかに加入先の保険者へ返還します。返還先は、会社員だった場合は勤務先(または健康保険組合)、国民健康保険の場合は市区町村窓口です。
注意が必要なのは、亡くなった方の被扶養者になっていた家族です。世帯主が亡くなると、その保険の被扶養者としての資格も失うため、自身の健康保険への加入手続きを行わなければなりません。手続きには期限があるケースも多いため、早めに勤務先や市区町村に相談しておきましょう。
介護保険の資格喪失届(該当者のみ)を提出する
亡くなった方が65歳以上、または要介護・要支援認定を受けていた40歳以上の場合、介護保険の資格喪失届の提出が必要となることがあります。手続きの際には、介護保険被保険者証(介護保険証)を併せて返却します。
なお、窓口は市区町村の介護保険担当課で、手続きは各自治体によって異なるため、事前に確認しましょう。
名義変更・解約手続きが必要なもの
行政や年金・保険の手続きと並行して、故人名義のさまざまな契約や資産についても整理が必要です。重要度の高いものから順に対応していきましょう。
銀行口座・クレジットカード
故人の死亡が金融機関に知らされると、銀行口座は凍結されます。凍結後は相続手続きが完了するまで引き出しができません。生活費の支払いなどに影響する場合は、早めの対応を心がけましょう。事前に残高を確認し、相続手続きの準備を進めておくことをおすすめします。
クレジットカードは解約手続きが必要です。自動引き落としの支払いがある場合は、別の支払い方法への変更も忘れず行いましょう。
公共料金・通信サービス
電気・ガス・水道・固定電話・携帯電話などは、名義変更または解約の手続きが必要です。多くの場合、電話やウェブから手続きできます。引き続き使用する場合は名義変更を、不要な場合は解約を選択しましょう。
運転免許証・パスポート
運転免許証は、警察署や運転免許センターへの返納が推奨されています。法律上の義務ではありませんが、悪用防止の観点から早めに対応しておくと安心です。パスポートは最寄りの旅券事務所で、返納・失効手続きが必要です。
その他、各種サブスクリプション等
動画配信・音楽・電子書籍・新聞などのサブスクリプションサービスは、手続きをしなければ自動更新が続きます。故人が契約していたサービスをリストアップし、早めに解約手続きを進めましょう。
また、故人のメールアカウントやSNSなどのデジタル遺品の整理も必要です。サービスによって対応方法が異なるため、各サービスの規約を確認しながら進めてください。
相続に関する手続きも早めに確認しよう
相続に関する手続きは、期限が長いものもありますが、内容によっては早めの判断が重要になるケースもあります。特に相続放棄などは期限を過ぎると選択できなくなるため注意が必要です。
ここでは、押さえておきたい相続手続きのポイントを解説します。
相続放棄には3ヶ月以内の期限がある
相続放棄とは、亡くなった方の財産だけでなく、借金などの負債も含めて一切の相続を放棄する手続きです。
この相続放棄には、「相続の開始を知った日から3ヶ月以内」という期限が定められています。この期間を過ぎると、原則として相続を承認したものとみなされるため注意が必要です。
特に、故人に借金がある可能性がある場合は、財産状況を早めに確認し、相続するか放棄するかを検討することが重要です。判断が難しい場合は、専門家への相談も検討するとよいでしょう。
相続税申告が必要なケースもある
相続が発生した場合、すべてのケースで相続税がかかるわけではありませんが、一定額を超える財産がある場合は申告が必要です。
目安となるのは、基礎控除額である「3,000万円+600万円×法定相続人の数」です。この金額を超える遺産がある場合、相続税の申告が必要となります。
申告期限は「相続の開始を知った日から10ヶ月以内」とされており、期限内に税務署へ申告・納付を行う必要があります。財産の評価や計算は複雑になることも多いため、早めに内容を確認しておくことが大切です。
参考:財務省|親が亡くなりました。遺産を相続する場合にどのような税金がかかるのですか?
不動産の相続登記にも期限がある
不動産を相続した場合は、名義を変更する「相続登記」が必要です。これまでは任意とされていましたが、2024年4月から義務化されました。
現在は、「相続を知った日から3年以内」に法務局で登記申請を行う必要があります。正当な理由なく手続きを行わない場合、過料が科される可能性もあるため注意が必要です。
不動産の名義変更を放置すると、売却や活用ができなくなるだけでなく、相続人が増えて手続きが複雑になることもあります。後回しにせず、早めに準備を進めておきましょう。
参考:法務省|所有者不明土地の解消に向けた民事基本法制の見直し(民法・不動産登記法等一部改正法・相続土地国庫帰属法)
なお、弊社では葬儀のみならず、葬儀後の相続の手続きについてもサポートしております。相続でお困りごとがございましたら、お気軽にお問い合わせください。
世帯主死亡の際のよくある疑問
世帯主が亡くなった際の手続きについては、細かい条件によって対応が変わることも多く、疑問を感じやすいポイントがいくつもあります。ここでは、よくある疑問をQ&A形式でまとめて確認していきましょう。
世帯主変更届は必ず出す必要がある?
必ずしも必要ではありません。届け出が必要となるのは、世帯に残る15歳以上の家族が2人以上いる場合のみです。一人暮らしだった場合や、残った家族が1人だけの場合は不要です。
手続きは誰がやるべき?
法的な決まりはなく、遺族であれば誰でも対応できます。ただし、一部の手続きでは相続人本人の対応や、代理人による場合は委任状が必要なケースもあります。
一人暮らしの世帯主が亡くなった場合はどうなる?
世帯そのものが消滅するため、世帯主変更届は不要ですが、死亡届や相続手続きは必要で、遺品整理や住居の解約なども別途対応が必要になります。
死亡届を出せば、ほかの手続きも自動で済む?
死亡届は戸籍への記載が主な効力であり、年金・保険・名義変更などは別途それぞれの窓口での手続きが必要です。自動で完了する手続きはほとんどないため、この記事を参考に、必要な手続きを確認してください。
世帯主死亡後の手続きで迷ったら、全体像の整理から始めよう
世帯主が亡くなった直後は、悲しみのなかで多くの手続きをこなさなければならず、精神的にも体力的にも負担が大きい時期です。まずはこの記事を参考に手続きの全体像を把握し、期限のあるものから優先して対応することが大切です。
複雑な手続きは専門家(司法書士・税理士・行政書士など)に相談することも選択肢のひとつです。故人のために、落ち着いて一つひとつ進めていきましょう。
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