葬儀をめぐって親族間でトラブルになることは珍しくありません。「誰が費用を負担するのか」「どのような形式で葬儀を行うのか」といった点を事前に話し合っていないと、感情的な対立に発展しやすいものです。
本記事では、葬儀費用で起こりやすい3つのトラブル原因をはじめ、一般的な支払いルール、費用が不足した場合の対処法や専門家に相談する方法まで詳しく解説します。事前に知識を備えておけば、大切な人を穏やかに見送ることにつながるでしょう。
この記事を要約すると
- 葬儀費用でケンカになるのは、「誰がいくら払うか」「事前の話し合い不足」「葬儀の内容や金額に納得いかない」の3つのパターンです。
- 葬儀費用の支払いは一般的に、喪主・施主・相続人・親族などが担います。判断基準は現実的に支払えるかどうかがです。
- ケンカを防ぐためには、生前の話し合い、支払い者との葬儀内容の共有が大切です。判断や費用の裏付けとなる記録を残しておくとよいでしょう。
葬儀費用でケンカになる3つのパターン
葬儀は人生の最期を飾る大切な儀式ですが、慣れない準備や費用をめぐる意見の食い違いが、思わぬケンカの原因となることがあります。特に、金額の妥当性や負担の分担、手続きの進め方に対する認識がずれていると、後々深刻なトラブルへ発展することも少なくありません。
この記事では、実際によく見られる「葬儀費用トラブル」の代表的な3つのパターンを取り上げます。誰にでも起こり得る問題として、事前に確認しておきましょう。
誰がどのくらい払うかでケンカになる
葬儀費用をめぐるトラブルで最も多いのが、「誰がどのくらい負担するか」という点での食い違いです。
特に親が亡くなった場合、長男が負担すべきなのか、それとも子ども全員で分担するのかなど、兄弟姉妹の間で認識が異なりやすく、準備の段階から雰囲気が悪くなることもあります。
「長男が全額を支払い、他の兄弟は香典だけだった」「費用の話になると誰も責任を負いたがらなかった」など、感情のもつれがケンカに発展するケースも少なくありません。
親が元気なうちは切り出しにくい話題ではありますが、「もしもの時に誰がどのくらい負担するのか」を、事前に家族で話し合い、共有しておくことが大切です。
事前の話し合いをせずにケンカになる
葬儀費用のトラブルでよくあるのが、事前の話し合い不足です。
喪主や一部の家族が主導して葬儀を進めた結果、後から他の親族に費用の一部を請求することで、思わぬトラブルに発展するケースがあります。「勝手に豪華な葬儀を決められた」「事前に相談もなく一方的に進められた」といった不満が火種となり、親族間の対立やケンカにまで発展してしまうこともあります。
特にトラブルになりやすいのは、以下のようなパターンです。
- 喪主が全額を立て替えた後に費用の分担を求めたが、他の親族に拒否された
- 遺産から支払おうとしたものの、相続分の按分方法をめぐって対立した
- 親の口座から無断で費用が支払われていた
- 葬儀内容が喪主の独断で決まり、他の家族が蚊帳の外に置かれていた
葬儀という非日常の場面では、冷静に判断したり丁寧に合意形成したりすることが難しくなりがちです。
だからこそ感情的な対立を防ぐためにも、「誰がどの程度費用を負担するのか」「どのような形式で葬儀を行うのか」を、できる限り事前に家族で話し合っておくことが大切です。
葬儀の内容や金額に納得がいかずケンカになる
葬儀の規模や内容、費用のかけ方についての感じ方は人それぞれで、「豪華すぎる」「質素すぎる」といった価値観の違いが、費用トラブルの原因になりやすいものです。
よくあるトラブルの例は以下のとおりです。
- 喪主が高額な葬儀プランを選び、他の親族が費用負担を拒否した
- 一部の親族が「もっと丁寧に見送ってあげたかった」と不満を抱いた
- 供花・会葬礼状・返礼品などの追加オプションが後から請求され、納得できなかった
「高額でも手厚く見送りたい」と考える人もいれば、「形式にこだわらず最低限で十分」と考える人もいます。こうした想いのズレがそのまま費用トラブルにつながります。
そのため、葬儀社に見積もりを依頼する段階で、規模・内容・金額について、費用を分担する親族同士でしっかり意思疎通をしておくことが大切です。
誰がどう支払う?葬儀費用の一般的な支払いルール
葬儀費用をめぐってトラブルにならないためには、「誰が」「どの費目を」「どのように」支払うのか、基本的なルールを知っておくことが大切です。
葬儀費用を負担する親族は法律で決められてはおらず、状況に応じて柔軟に対応されるのが一般的です。ここでは、代表的な支払いパターンと注意点を解説します。
以下の記事でも葬儀費用の支払いは誰がするのかについて詳しく解説していますので、チェックしてみてください。
支払いを担うのは喪主・施主・相続人・親族など
葬儀費用を誰が支払うかについて、法律上の明確な決まりはありません。実際には、以下のような立場の人が費用を負担するケースが一般的です。
- 喪主(葬儀全体の代表者)
- 施主(葬儀を主催・運営する人)
- 相続人(故人の財産を受け継ぐ立場)
- 兄弟姉妹や親族など、家族内の話し合いで決まった人
喪主が未成年や高齢者、経済的に支払いが難しい場合などは、配偶者や兄弟、子ども、あるいは内縁のパートナーや友人などが代わって支払うこともあります。「誰が支払うべきか」ではなく、「誰が支払うことが現実的か」を考えることが大切です。
代表者が立て替えるケースが多いが、複数人払いも可能
実際の支払いでは、代表者(喪主や長男など)が一旦すべての費用を立て替えるケースが一般的です。その後、兄弟や親族間で費用を按分し、精算する方法がよく見られます。
葬儀社によっては、あらかじめ相談しておけば複数人からの振込対応をしてくれる場合もあります。代表者の負担を軽くしたい場合、契約時に葬儀社へその旨を相談してみましょう。
葬儀費用が足りない場合の対処法
家族や親族の中で費用の分担がうまくいかない、 想定より費用が高くついたといった時の対策を事前に知っておくと安心です。ここでは、よく使われる5つの対処法をご紹介します。
香典から支払う
葬儀の場で参列者から受け取る香典は、現金で得られる数少ない収入源です。喪主の個人資産として扱われることが多いものの、親族の同意があれば、葬儀費用の一部に充てることが可能です。
ただし「香典=喪主のもの」という考え方もあるため、後々のトラブルとならないよう、事前に香典は費用に充てることを親族間で共有しておくと安心です。
香典の費用相場については以下の記事で解説していますので、香典がどのくらいいただけそうかの目安にすると良いでしょう。
故人の遺産・預貯金から支払う
相続人全員の合意があれば、故人の預貯金や相続財産から葬儀費用を充てることができます。
ただし、金融機関は名義人の死亡を知ると預金口座を凍結するため、その後はすぐに出金できません。そのため、葬儀に必要な最低限の費用をあらかじめ引き出しておく対応が取られる場合もあります。
いずれにしても、相続人同士の不要なトラブルを防ぐためには、「誰が・いくら・何に使ったのか」をきちんと記録に残しておくことが重要です。
相続税控除を受ける
葬儀費用は、相続税を計算する際に「控除対象」として差し引くことができます。これは国税庁でも明記されている制度で、死亡診断書の取得費用・火葬・埋葬・式場使用料・読経料・運搬費など、一定の範囲が認められています。
控除を受けるには、領収書や明細の保管が必要不可欠となるため、必ず整理して残しておきましょう。
葬儀ローンを利用する
葬儀社や金融機関によっては、分割払いに対応した「葬儀ローン」を提供しているところもあります。まとまったお金が用意できない場合、選択肢のひとつとして検討するとよいでしょう。
ただし、金利や審査条件は事前に確認し、家族間でも情報を共有しておくと安心です。
葬祭補助金・給付金等をの制度を利用する
公的制度として、以下のような葬儀関連の支援制度があります。
- 国民健康保険・協会けんぽなどの「埋葬料」
- 共済組合等の埋葬料
- 生活保護世帯の葬祭扶助
申請には期限や必要書類があります。該当しそうな制度があるか、市区町村の窓口や加入団体などに早めに確認してみましょう。
また、以下の記事では葬儀においての補助金制度について解説していますので、併せてチェックしてみてください。
ケンカにならないためにできること
葬儀費用をめぐるトラブルの多くは、「知らなかった」「聞いていない」「勝手に決められた」といった、思いのすれ違いから生まれます。大切なのは、事前にできることをしておくことです。
以下のポイントを意識しておくと、親族間の認識ズレやトラブルの防止につながります。
亡くなる前に本人を交えて話し合っておく
本人が元気なうちに「どんな葬儀にしたいか」「費用はどうするか」などを家族で話し合っておきましょう。終活の一環として、エンディングノートや遺言書、家族信託などを活用するのもおすすめです。「まだ早いかも」と思うタイミングのほうが落ち着いて話し合えることもあります。
葬儀の規模・内容・予算をおおまかに決めておく
「家族葬にしたい」「お金は最小限に」「菩提寺をどうするか」など、希望する葬儀のスタイルや予算感を、あらかじめ家族で共有しておくと安心です。
ポイントとして、以下をすり合わせておくだけで、事後の「聞いてない」問題がぐっと減ります。
- 葬儀形式(一般葬・家族葬など)
- 規模(何人ぐらい呼ぶか)
- 費用(上限や目安)
打ち合わせ・見積もり確認は複数人で行う
喪主や施主が単独で進めてしまうと、「勝手に決められた」と思われがちです。費用を出す予定の親族がいれば、一緒に打ち合わせや見積もり確認に参加してもらうのがベストです。メールやLINEグループなどでこまめに共有しておくと、記録にも残って安心です。
信頼できる第三者に相談しておく
葬儀社や行政書士など、専門家に早めに相談しておくのも安心です。家族では気づけないリスクや注意点を知ることができます。さまざまなケースを知るプロにアドバイスをもらうことで、トラブルを回避できます。
ケンカになった時の対処法
葬儀費用をめぐるトラブルは、感情的なもつれだけでなく、金額や手続きの複雑さも関係しています。 「言った・言わない」や「いつ、誰が決めたか」といった認識のズレが原因で、話し合いがこじれてしまうこともあります。
こういった事態に備え、落ち着いて対処するためには、できるだけ冷静に事実を残し、客観的な助けを得ることが大切です。
記録と証拠を残しておく
話し合いがケンカに発展しないよう、判断材料として以下のように記録を残しておきましょう。
- 打ち合わせ内容はLINEやメールなどで記録を残す
- 見積書や領収書を保管し、家族が閲覧できる場所に共有する
- 誰が・何に・いくら支払ったのかを明確にしておく
こうした記録があれば、「言った・言わない」といった争いを避けられ、冷静な話し合いを進めるための土台になります。
専門家(葬儀社・行政書士・弁護士)に相談する
トラブルが大きくなる前に、第三者の力を借りるのも有効な方法です。具体的には以下のような方法があります。
- 葬儀社に事情を説明して間に入ってもらう
- 行政書士に相談して、相続や書類面の整理を進める
- 弁護士に依頼し、法的な立場からアドバイスをもらう
特に相続やお金の話が絡む場合は、身内だけでの解決が難しい場合もあります。中立的な視点を入れることで話がまとまりやすくなるでしょう。
また、市区町村の無料相談窓口などを活用するのもおすすめです。状況に応じて的確な対応策を提案してもらえます。
まとめ:葬儀費用でケンカをしないために、事前準備をしっかり
葬儀費用をめぐるトラブルは、多くの場合、遺族同士の感情や価値観の違いから生じます。「誰がどのくらい負担するのか」「どんな葬儀にするのか」といった点をあらかじめ話し合っておけば、多くの揉め事は未然に防ぐことができます。
さらに、一般的な支払いルールや支払いに充てられる原資(故人の遺産や香典など)、費用が不足した場合の対処法を知っておくと安心です。
「その時」が来てから慌てないためにも、元気なうちに家族と話し合い、意思を共有しておきましょう。もし準備に迷ったり、トラブルが起きて困った場合には、専門家へ相談することも有効な手段です。
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