家族や大切な人が亡くなり火葬の手続きを進めようとすると、火葬許可証を発行する必要があります。火葬許可証は火葬を行うために必要不可欠な書類で、この書類がなければ故人の火葬を執り行えません。
しかし、どこでもらえるのか、どのような手続きが必要なのかわからず不安に感じる方も多いでしょう。そこで本記事では、火葬許可証の取得方法や火葬までの流れをわかりやすく解説します。
突然の別れに戸惑うなかでも、必要な手続きをスムーズに進められるよう参考にしてください。
この記事を要約すると
- 火葬許可証は故人を火葬するために市区町村役場から発行される公的書類で、この書類がなければ火葬を執り行えません。故人の本籍地・死亡地・届出人の所在地の役所で、死亡届提出時に火葬許可申請書を記入・提出することで交付されます。
- 発行手順は死亡診断書とセットで死亡届を戸籍係に提出し、同時に火葬許可申請書に死亡者氏名・死亡日時・死亡場所などを記入します。発行自体は無料ですが、紛失時の再発行には200~300円程度の手数料がかかります。
- 火葬当日は火葬場管理事務所に火葬許可証を提出し、火葬実施後に「火葬済み」の証印が押されて返却されます。この証印付きの書類は埋葬許可証として機能し、遺骨を墓地や納骨堂に納める際に必要です。
火葬許可証とは?
火葬許可証とは、どのようなタイミングで必要になるのでしょうか。ここでは、火葬許可証の概要を3つのポイントに分けて解説します。
- 火葬許可証の概要
- 火葬許可証の受け取り場所
- 火葬許可証を発行する際にかかる料金
それぞれ詳しく見ていきましょう。
火葬許可証の概要
火葬許可証とは、故人を火葬するために市区町村役場から発行される公的な書類です。火葬許可証がなければ火葬場での手続きができず、遺体を火葬することは認められません。
基本的には、死亡届を提出すると火葬許可証が役所から交付されます。この手続きは、葬儀社に代理で手続きしてもらうことも可能です。
火葬許可証の受け取り場所
火葬許可証の受け取り場所は、市区町村の役所窓口です。具体的には、以下の役所で発行されます。
- 故人の本籍地の役所
- 故人の死亡地の役所
- 届出人の所在地の役所
多くの場合、死亡届を提出した際に、窓口で火葬許可証が同時に交付されます。また、自治体によって差異はあるものの、夜間や休日でも死亡届を受け付けているケースが一般的です。
ただし、火葬許可証を即座に交付してもらえるのは平日の開庁時間内に限定されている場合もあります。また、夜間・休日に受付した場合は、翌開庁日以降の交付となることが多いでしょう。
火葬許可証を発行する際にかかる料金
火葬許可証の発行自体には、基本的に料金はかかりません。死亡届提出と同時に火葬許可証が無料で交付されます。
ただし、火葬許可証を紛失し再発行が必要となった場合は、再交付の際に200~300円程度の手数料が必要な自治体もあります。
なお、火葬そのものの費用は別途必要で、自治体や火葬場の運営方法によって金額は大きく異なる点を留意しておきましょう。
火葬許可証を発行する手順
火葬許可証を取得するには、死亡届を提出する際に火葬許可申請書も同時に記入・提出します。死亡を確認した医師による死亡診断書とセットで死亡届を市区町村の戸籍係に提出する流れです。
死亡届提出時に火葬許可申請書が渡され、記入・提出することで火葬許可証が発行されます。申請書には、以下の項目を記入しましょう。
- 死亡者の氏名
- 死亡日時
- 死亡場所 など
記入内容に不備があると手続きが遅れる恐れがあるため、慎重に確認しながら記入を進めます。多くの自治体では、休日や夜間でも死亡届の受付は可能です。火葬許可証の即時交付は自治体により対応が異なり、平日のみの自治体もあれば、土曜日や休日昼間でも即時交付する自治体もあります。
夜間・休日に受付した場合は翌開庁日以降の交付となることが多いため、事前に各自治体の公式ホームページで受付時間と交付スケジュールを確認しておくことが重要です。
なお、近年は火葬場は混みあっている傾向があるので、火葬許可証の取得手続きと並行して、火葬の予約もできるだけ早い段階でとりましょう。死亡診断書について詳しく知りたい方は、以下の記事を参考にしてみてください。
火葬許可証を受け取ってから火葬までの手順
火葬許可証の受け取り後から火葬の完了までには、以下の3つのステップがあります。
- 火葬場の管理事務所に火葬許可証を提出する
- 火葬を実施する
- 火葬執行済み印を受け取る
順に解説します。
ステップ1. 火葬場の管理事務所に火葬許可証を提出する
火葬当日に火葬許可証を火葬場の管理事務所へ提出しなくてはいけません。火葬許可証は火葬の適法性を証明する書類であり、当日提出できないと火葬を執り行えないためです。
火葬場の申し込みや段取りは葬儀社が代行してくれることが多いですが、自身で手続きする際は火葬許可証を持参して提出する必要があることを留意しておきましょう。
ステップ2. 火葬を実施する
火葬場に火葬許可証を提出したあとは、火葬の実施に進みます。火葬は、棺を火葬炉に納めて、読経や焼香を交えて最後のお別れを行う流れが一般的です。
その後、火葬が開始されます。火葬時間は、通常1~2時間ほどかかるでしょう。遺族や参列者は待合室で待機し、火葬が終わると遺骨を箸で拾い骨壺へ納める「お骨上げ」という儀式に移ります。
火葬については、以下の記事を参考にしてみてください。
ステップ3. 火葬執行済み印を受け取る
火葬終了後には「火葬済み」の証印が押されて返却されます。
証明印が押されてはじめて火葬許可証は埋葬許可証として効力を持ち、遺骨を墓地や納骨堂に納める際に提出が求められます。
火葬執行済み印のついた書類は火葬場から返却されますが、多くの場合、骨壺と一緒に桐箱などに収められて引き渡される仕組みです。
なお、埋葬許可証はその場で直接手渡しされるとは限りません。骨壺を受け取った際に桐箱のなかも必ず確認し、紛失しないよう大切に保管しましょう。もし紛失した場合は、市区町村役場で再発行の手続きが必要となるため、早めの確認が肝心です。
火葬許可証に関するよくある質問
最後に、火葬許可証に関するよくある質問を3つ紹介します。
- 火葬許可証と埋葬許可証の違いは?
- 火葬許可証は土日でも発行できる?
- 火葬許可証を紛失してしまったら再発行できる?
同じような疑問がある方は、参考にしてみてください。
火葬許可証と埋葬許可証の違いは?
火葬許可証と埋葬許可証には、役割の違いがあります。
火葬許可証は、市区町村役場で死亡届とともに発行され、遺体を火葬するための法的な許可を示す書類であり、火葬場での手続き時に提出が求められます。
一方、埋葬許可証は、遺骨を墓地に納める際や埋葬の際に必要となる書類です。両者の役割は異なるものの、実際には同一の書類が手続きの流れで使い分けられているだけです。
火葬場で火葬が終わった際に「火葬済み」の証明印が押されて返却され、この印が付与された火葬許可証は埋葬許可証として機能します。
つまり、火葬前と火葬後で書類の呼び方が火葬許可証から埋葬許可証に変わるだけで、同じ書類を使い回しているということです。
火葬許可証は土日でも発行できる?
火葬許可証は、土日でも発行できる自治体が増えている傾向があります。多くの市区町村では、休日や夜間でも届出のみ受け付けており、死亡届と必要書類を提出すれば申請できます。
ただし、即時交付の対応時間は自治体により異なることを留意しておきましょう。
土日昼間(8:30~17:15など)は即時交付する自治体が多い一方、夜間(17:15~翌8:30)は翌開庁日交付となる場合がほとんどです。そのため、急ぎで火葬許可証が必要な場合は事前に役所や窓口の受付・交付時間を確認しておくことが重要です。
土日しか動けない方は、葬儀社による代理申請サービスを活用するのも現実的な選択肢といえるでしょう。
なお、弊社「1日葬・家族葬のこれから」では、葬儀のセットプランに火葬許可証の代行料金も含んでおります。必要なものに厳選したセットプラ料金を全国一律価格でご提供しておりますので、安心してご利用いただけます。
火葬許可証を紛失してしまったら再発行できる?
火葬許可証は紛失してしまっても再発行は可能です。申請先は、死亡届を提出した市区町村の役所で、原則として本人や遺族、場合によっては代理人でも申請できます。
再発行時は、本人確認書類の提出や200~300円程度の手数料の支払いが求められるほか、代理申請の場合は委任状も必要です。
申請は窓口だけでなく、自治体によっては郵送での対応もできるため、事前に公式サイトや窓口に問い合わせてみると安心でしょう。
火葬許可証は火葬前に必ず準備しましょう
火葬許可証は、火葬前に準備しなくてはいけない書類です。
死亡届と死亡診断書(または死体検案書)を市区町村役場に提出し、火葬許可申請書を記入・提出することで交付される仕組みとなっています。
火葬許可証がなければ火葬の日程調整もできず、葬儀自体の進行に大きな支障を来すため、死亡後は速やかに手続きに取り掛かる必要があります。
葬儀社が一連の申請手続きを代行してくれることが多いものの、自分でも流れを把握しておくと万一の際も落ち着いて行動できるでしょう。
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