家族葬は親族メインで執り行う葬儀ですが、夫や妻の両親、つまり義両親を葬儀に呼ぶべきか悩むケースもあるのではないでしょうか。相手が義両親という立場上、万が一マナー違反があれば今後の関係性がこじれてしまう可能性もあるため、万全を期したいところです。
今回は、家族葬に義両親を呼ぶべきかを判断する際のポイントを紹介します。家族葬に義両親を呼ぶ場合と呼ばない場合のマナーについてもあわせて解説するので、ぜひ参考にしてください。
家族葬に義両親は呼ぶべき?
家族葬に義両親を呼ぶべきかどうかは、ケースバイケースです。
ひと口に家族葬といっても、さまざまな規模やスタイルの家族葬があるものです。ごく内輪で行う家族葬の場合には、義両親は呼ばなくても問題ありません。
しかし、場合によっては葬儀にお呼びするのが無難なこともあるので、家族葬だからと一律に義両親の参列をお断りするのは避けるべきです。
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家族葬に義両親を呼ぶべきかを決めるポイント
家族葬に義両親を呼ぶべきかどうかを決めるポイントは、おもに以下の4つです。
- 葬儀の規模
- 故人との関係性
- 今後の関係性
- 故人の意向
それぞれ詳しく説明していきます。
1.葬儀の規模
葬儀の規模は、家族葬に義両親を呼ぶべきかどうかを決める大きなポイントです。
葬儀の規模が20人未満のごく内輪で行う家族葬の場合には、義両親を呼ぶ必要はありません。
一般的に、家族葬の参列者数が10人程度の場合、故人の配偶者や子ども、子どもの配偶者、親、孫くらいまでの親族が参列する傾向があります。20人程度の場合には、さらに故人の兄弟姉妹やその配偶者が、30人ならいとこや甥、姪まで含めた親戚が参列することが多い傾向があります。
ある程度規模が大きい家族葬の場合には、親戚のみならず友人を呼ぶ場合もあります。規模が大きめな家族葬を執り行う場合には、義両親を呼ぶことも検討しましょう。
2.故人との関係性
家族葬に義両親を呼ぶべきかどうかは、故人との関係性でも異なります。
小規模な家族葬であっても、故人と交流があったり関係性が深かったりする場合には、義両親を呼んだほうが無難です。ただし、理由があって義両親を呼ぶのが難しい場合には、無理をしてまで呼ばなくても問題ありません。同居家族のみで家族葬を行うと決めている場合や、葬儀会場が狭く義両親を呼ぶ余裕がない場合には、丁重にお断りしましょう。
葬儀の規模にもよりますが、遠方に住んでいて故人とほとんど付き合いがなかった義両親は、家族葬に呼ばないことが多い傾向があります。
3.今後の関係性
故人ではなく、自分自身と義両親の今後の関係性を見据えて葬儀に呼ぶかどうか決定するのも大切です。
葬儀に呼ばないと義両親が気分を害しそうであれば、呼んだほうが無難でしょう。特に、参列をお断りする理由を明確に伝えられないような場合には、無理を通そうとすると義両親との関係性がこじれる可能性もあるため注意が必要です。
4.故人の意向
故人の意向にも配慮しましょう。故人が生前から自分の葬儀に対する強い意向を持っていたのであれば、故人の思いを尊重するべきです。
故人の意向が特になく、葬儀の規模や関係性を考えても判断に迷う場合には、義両親を呼んだほうが無難です。血縁関係がないとはいえ、義両親はまったくの他人とはいえません。家族葬に呼んでも不自然ではないので、声をかけてみましょう。なるべく後々もめずにすむ行動をとることが大切です。
家族葬に義両親を呼ばない場合の断り方
家族葬に義両親を呼ばないと決めた場合には、以下の点に注意して連絡しましょう。
- 訃報を伝えるタイミングと方法に配慮する
- 身内だけの葬儀であることを丁寧に伝える
具体的に解説していきます。
訃報を伝えるタイミングと方法に配慮する
相手に訃報を伝えるタイミングと方法には十分配慮しましょう。
家族葬の案内状は、招待者のみに渡すのが一般的です。参列しない人にまで案内を出してしまうと混乱を招いたり、気を遣わせたりして、かえって相手を困らせてしまいます。こちらの意に反して参列を希望する方が出てくるかもしれません。
義両親を葬儀に招待しない場合にも同様で、事前に案内状は送らず、葬儀から2週間以内に死亡通知を送るのが基本的なマナーです。
ただし、事前に連絡しておかないと相手が不快に思いそうな場合には、参列をお断りする旨を明記した案内状を送ります。この案内状には、葬儀日程や葬儀会場については記載しません。
訃報は、周囲から自然に伝わる場合もあります。どこからか葬儀日程や会場を聞きつけ、葬儀に参列しようとする義両親もいるかもしれません。その場合には相手の気持ちを尊重し、葬儀に迎え入れましょう。
身内だけの葬儀であることを丁寧に伝える
義両親を家族葬に呼ばない場合には、身内だけの葬儀であることを丁寧に伝えるのも大切です。
義両親には、ごく内輪の家族葬であるため、身内以外の参列はすべて辞退したことをしっかり説明します。そうすれば、たとえ葬儀に呼ばれなくても相手は不快に思いにくいものです。
参列をお断りする旨とあわせて、故人や身内の意向を尊重してほしいことや、お詫びとお礼の言葉を添えて礼を尽くしましょう。必要に応じて、香典や事後の弔問を辞退する旨も併記しておくのがおすすめです。
家族葬に義両親を呼ぶ場合のマナー
家族葬に義両親を呼ぶと決めた場合には、電話で直接連絡するか、家族葬の案内状を送ります。香典を辞退する場合には、あわせてその旨を連絡しておきましょう。
一般的に家族葬の場合は香典を辞退するケースが多いですが、絶対ではありません。連絡しておかないと相手が迷い、準備の負担をかけてしまう可能性があります。
もし香典を辞退せず受け取る場合、地域や宗派にもよりますが、香典の相場は3~5万円ほどといわれています。参考にしてください。
香典の相場やマナーを詳しくチェックしたい方は、以下の記事もあわせてご参照ください。
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家族葬に義両親を呼ばず、後日の弔問を受ける際の注意点
家族葬に義両親を呼ばない場合、後日改めて席を設け、弔問を受ける場合もあります。その際には、葬儀の数日後から四十九日前までを目安に弔問を受けるのが一般的です。
日程や時間帯は、双方で事前に相談のうえ決定します。香典や供物を辞退する場合には、あらかじめ伝えておくと先方の負担を減らせます。しっかり意向を伝えておきましょう。
家族葬と義両親にまつわるよくある質問
最後に、家族葬と義両親にまつわるよくある質問を紹介します。
義両親の後日の弔問を辞退してもよい?
葬儀の後、義両親が弔問したいと申し出てきた場合には、辞退しても構いません。身内だけでひそやかに故人を見送りたい旨を、礼を尽くして説明しましょう。
ただし、相手の気持ちや今後の付き合いもあるため、無下に断るのは必ずしも正解とはいえません。双方の負担にならないよう、短時間かつ簡易的な場を設けるなど、状況に応じて受け入れを検討してみるとよいでしょう。
義両親が亡くなったときの家族葬には参列すべき?
義両親が亡くなった場合、たとえ配偶者が喪主に該当しなかったとしても、義両親の家族葬には基本的に参列すべきです。10名程度までの小規模な家族葬であっても、故人の子どもとその配偶者は優先的に参列すべき立場にあります。
ただし、参列をお断りする旨の連絡を喪主から受けた場合には、それに従いましょう。
義両親の家族葬には香典は必要?
義両親の家族葬に参列する場合、香典は用意しておきましょう。家族葬の場合には香典や香典返しを省く場合もありますが、通常通り香典が必要な場合もあります。香典を辞退する旨の連絡がない限りは、香典は用意しておくべきです。
香典の額の目安は、地域や宗派によって異なります。自身が20代なら3万~5万円、30代以降なら5万~10万円が香典の相場といわれています。夫婦連名で香典を渡す場合には、1.5倍の金額を包むとよいでしょう。
なお、配偶者が喪主に該当する場合には、葬儀を執り行う側の立場にあるため香典は不要です。
家族葬への義両親の参列は状況に応じて判断しよう
家族葬は、身内や親族のみで執り行うことが多い葬儀形式のため、義両親の参列をお断りしても基本的には失礼にあたりません。
しかし、状況次第では義両親へ参列してもらった方がベターなこともあります。規模が大きな家族葬を行う際や、故人との付き合いが深かった義両親には、葬儀に参列してもらったほうが無難です。今回ご紹介した内容を参考に、家族葬へ義両親を招くか否か決め、マナーを押さえた家族葬を執り行ってください。
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