家族や親戚、親しい友人のみが参列する家族葬。参列者の人数制限や参列する人の明確な決まりがないため、どこまで呼ぶのか悩んでいる方も多いのではないでしょうか。
そこで今回は、家族葬の参列者の選び方や訃報を知らせるタイミングなどを詳しく解説します。参列案内を受け取った際のマナーや、参列してよいかどうかの判断基準についてもあわせて紹介するので、ぜひ参考にしてみてください。
この記事を要約すると
- 家族葬にどこまで呼ぶかの範囲に明確な決まりはありません。が、祖父母や兄弟、孫といった第2親等までを呼ぶことが多いです。
- 家族葬には人数制限もないですが、第2親等までを呼ぶことが一般的なので、10〜30人になるでしょう。
- 参列者に規定はありませんので、会社や旧友などの親しかった方を呼ぶことも問題ありません。そのため故人が最後に会いたい人は誰か、も判断基準にすると良いでしょう。
家族葬とは
家族葬は、故人の家族・親族やごく親しい友人・関係者のみが参列する小規模な葬儀です。参列者の目安は10〜30人程度で、アットホームな雰囲気で執り行われます。
家族葬は、故人が生前交友関係のあった人やご存命の方が少ない場合、少ない人数で静かにお別れをしたい場合によく選ばれる葬儀形式です。一般葬よりも規模が小さいため、葬儀にかかる費用が比較的安く抑えられるのもメリットのひとつ。近年は高齢化やコロナ渦の自粛の影響で、以前よりも家族葬の件数が大幅に増加しています。
また、以下の記事では家族葬の費用や注意点について詳しく解説しています。ぜひあわせてチェックしてみてください。
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家族葬に人数制限はある?
家族葬は一般葬に比べて参列者が少なく小規模な葬儀形式ですが、明確な人数制限や参列者の規定はとくにありません。一般的には10人〜30人程度を招いて執り行うことが多いといわれていますが、親族の数や生前親しかった人の数などによっては50人程度に膨らむケースもあります。
家族葬の参列者はどこまで?
家族葬の参列者の続柄に明確な決まりはありません。誰を呼ぶか・何人呼ぶかについては、故人や遺族の意向に委ねられています。とはいえ、実際は2親等以内の家族・親戚を招くことが多い傾向があります。
故人との続柄 | 詳細 |
---|---|
1親等 | ・父母 ・配偶者 ・配偶者の父母 ・子供 ・子供の配偶者 |
2親等 | ・祖父母 ・兄弟姉妹 ・兄弟姉妹の配偶者 ・配偶者の祖父母 ・配偶者の兄弟姉妹 ・孫 ・孫の配偶者 |
3親等 | ・曽祖父母 ・叔父叔母 ・叔父叔母の配偶者 ・婿姪 ・配偶者の曽祖父母 ・配偶者の叔父叔母 ・配偶者の婿姪 ・ひ孫 ・ひ孫の配偶者 |
参列者の選び方
家族葬は「家族」という名がついていますが、必ずしも血縁のある家族や親族しか参列できないわけではありません。故人が生前深い付き合いをしていた場合は、友人や関係者も一緒に招かれる場合があります。
参列者を選ぶときは、葬儀全体の規模感とどの間柄の人まで呼ぶかの基準をあらかじめ決めておくとスムーズです。故人が生前意向を示していた場合やエンディングノートに希望する参列者の記載があった場合は、それを第一に優先してください。
また、葬儀の参列者は、故人との関係性だけでなく今後の親戚付き合いなども加味して選ぶケースがあります。同じ親族でも参列する人と案内を送らない人に別れる場合は、後にトラブルにならないよう十分な配慮を行いましょう。
参列人数ごとの目安例
ここからは、70〜80代のご高齢の方の葬儀を執り行うと仮定して、参列人数ごとの参列者の続柄の目安例を紹介します。あらかじめ葬儀の規模や参列人数を決めておきたい方は、どれくらいの関係性の人まで招待できるか、参考にしてみてください。
参列人数の目安 | 参列する人の例 |
---|---|
10人程度 | ・配偶者 ・兄弟姉妹 ・子供 ・孫 ・親しい友人 |
20人程度 | ・配偶者 ・兄弟姉妹 ・兄弟姉妹の配偶者 ・子供 ・子供の配偶者 ・孫 ・婿姪 ・親しい友人 |
30人程度 | ・配偶者 ・配偶者の兄弟姉妹 ・兄弟姉妹 ・兄弟姉妹の配偶者 ・子供 ・子供の配偶者 ・孫 ・婿姪 ・従兄弟 ・親しい友人 |
参列をお願いするか迷った時は
家族葬とはいえ、希望の規模や付き合いの深さによっては葬儀の案内を送るかどうか迷う人がいるかもしれません。その際は、「故人が最期に会いたい相手か、見送ってほしいと思うか」を加味して決めるのがよいでしょう。
もし故人との血縁が深かったり遺族同士の関係が良好でも、故人との生前の関係性があまりよくなかった場合は、無理をして葬儀に招かなくても問題ありません。葬儀の参列者を選ぶ際は、生前の故人の交友関係を重視することが大切です。
とはいえ、葬儀後に参列をお願いしなかった人とのトラブルが起こるのを避けたい場合は、ひと通りの親族に声をかけておくのが無難です。
訃報と葬儀の案内連絡のマナー
ここからは、故人の訃報と葬儀の案内を伝える際に気をつけるべきポイントを解説します。
また、以下の記事では職場の人への家族葬の伝え方を詳しく紹介しています。ぜひこちらも参考にしてみてください。
基本的に電話で伝えるようにする
故人の訃報と葬儀の参列案内は、故人が亡くなった日から翌日頃にかけて連絡します。連絡手段は電話・メール・FAX・はがきなどさまざまですが、緊急度や重要度が高いため電話で伝えるのが一般的です。
また、電話が繋がらなかった場合はメールで連絡したり、電話の内容の詳細をメールで送ったりと、メールをうまく活用するとスムーズでしょう。また、メールを送る際は、句読点を使わないという特殊なルールに注意が必要です。
<電話の例文>
「〇〇の息子の〇〇です。母の〇〇が昨日息を引き取りました。つきましては通夜を◯月◯日◯時から、告別式を◯月◯日◯時から、〇〇セレモニーホールにて仏式で執り行います。何かございましたら、私の電話番号までご連絡ください。」
<メールの例文>
件名:【訃報】〇〇他界のお知らせ
本文:
かねてより病気療養中でした母の〇〇が ◯月◯日◯時◯分に息を引き取りました享年◯歳でしたここに故人が生前賜りましたご厚情を深謝し 謹んでお知らせいたします通夜ならびに葬儀・告別式は 仏式にて 下記の通り執り行います
1.通夜:◯月◯日(◯)午後◯時〜
2.葬儀告別式:◯月◯日(◯)午前◯時〜◯時
3.斎場:〇〇斎場(住所/電話番号)
4.仏式:〇〇宗
5.喪主:〇〇(長女)
6.連絡先:(電話番号)
香典を辞退する場合は事前に知らせる
家族葬では、参列者の多くが血縁者や身内であるため、香典や供花を辞退するケースも珍しくありません。葬儀を執り行う際は、事前に香典を受けるかどうかを決めておく必要があります。
もし香典を辞退する場合は、葬儀案内を送るタイミングであわせて伝えるのが一般的です。案内文に「故人の意向により、御香典・御供花等は辞退させていただきます」といった文言を添え、香典を受け取らないことを参列者にあらかじめ伝えましょう。
参列を依頼しない人への対応方法
葬儀の参列を依頼しない人に対しては、混乱を避けるために葬儀前に訃報の連絡を行わず、葬儀後に訃報と葬儀を近親者のみで執り行ったことを伝えるのが一般的です。
しかし、参列の案内はしないものの、訃報だけは先に伝えたいというケースもあるでしょう。その場合は、故人が亡くなった旨だけを伝え、葬儀に関しては「故人の遺志によって、葬儀は近親者のみで執り行います」と明記するのがポイントです。
また、葬儀に参列しない人の弔問や香典を辞退したい場合は、「故人の遺志により、御香典・御供え物は固くご辞退申し上げます」といった文言も付け加えるとよいでしょう。
家族葬に参列する判断基準
家族葬の案内を受けたときに自分が参列してよいのかどうか悩んだ経験がある方がいるのではないでしょうか。ここからは、故人の訃報を受けたときに葬儀に参列するかどうか判断する方法を解説します。
参列して問題ないケース
家族葬では、基本的に遺族に直接参列をお願いされない限りは参列しないのがマナーです。もし訃報を受け取った際に遺族から「葬儀へ参列してほしい」と伝えられたら、その葬儀には参列して問題ありません。
また、訃報の文中に葬儀の日時や会場の具体的な情報が記載されていた場合も参列してかまいません。
<参列OK>
・遺族から直接参列を依頼された
・葬儀の日時・会場などの情報が細かく記載されている
参列を控えるべきケース
家族葬では、訃報を伝えられた際に「故人の遺志によって、葬儀は近親者のみで執り行います」といった文言が添えられていることがよくあります。これは参列をお断りする意向を表しているもので、このような文章が送られてきた場合は参列を控えるのがマナーです。
また、とくに葬儀の詳細を案内されなかった場合や「家族葬で執り行う」とだけ明記されていた場合、訃報を人伝てに耳にした場合も、遺族に直接依頼されていないため参列は控えましょう。どうしても判断に迷った場合は、遺族に直接確認するという方法もあります。
<参列NG>
・参列をお断りする旨を伝えられた
・弔問を辞退する旨を伝えられた
・葬儀の日時・会場などの詳細情報を共有されていない
・遺族から訃報を直接伝えられていない
家族葬に参列する際のマナー
ここからは、家族葬に参列する際に心がけておきたいマナーについて解説します。
ほかの人に口外しない
家族葬では、周囲の人に騒がれずに静かに葬儀を執り行えるよう、参列者以外には訃報を伝えないのが一般的です。そのため、もし自分が家族葬に招かれた場合は、ほかの人に訃報や葬儀に参列することを口外しないように徹底しましょう。
香典や供花の対応を確認する
家族葬では、参列者に負担をかけたくない、香典返しを用意する手間を省きたいなどの理由で、香典や供花を辞退するケースもあります。家族葬に参列する際は、遺族から事前に香典を辞退する旨が伝えられていないか確認しましょう。
もし香典を受け取らない場合は、葬儀案内に「故人の意向により、ご厚意を辞退させていただきます」といった文言が添えてあります。とくに記載がなければ包んで問題ありませんが、辞退される場合は無理に包んではいけません。
また、以下の記事では葬儀における香典の相場や香典の包み方などを詳しく解説しています。ぜひあわせてチェックしてみてください。
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黒い準喪服を着て参列する
家族葬に参列する際は、男女ともに黒の準喪服を身につけるのが一般的です。男性は黒いスーツ、女性は黒のワンピースやアンサンブルなどが準喪服にあたります。
靴やバッグなどの小物も、黒色で光沢のないものを選びましょう。メイクはできるだけ薄く、アクセサリーを身につける場合は真珠を選ぶのも葬儀のマナーです。
服装 | 男性 | 女性 |
---|---|---|
正喪服 | 黒のモーニングコート黒の紋付羽織袴 | ・黒のアフタヌーンドレス ・黒無地の着物 |
準喪服 | ブラックスーツ | ・黒のワンピース ・黒のアンサンブル ・ブラックスーツ |
適切なお悔やみの言葉をかける
遺族や喪主にお悔やみの言葉をかける際は、「くれぐれも」「たびたび」などの重ね言葉や、「別れる」「終わる」などの忌み言葉を避けるのがマナーです。
遺族は数多くの参列者の弔問対応で忙しくしているため、長々と話し込むのは避け「この度は心よりお悔やみを申し上げます」「この度はご愁傷様でございます」などと手短に述べましょう。
家族葬に参列しない場合のマナー
ここからは、家族葬に参列できない場合や遺族から参列の依頼がなかった場合のマナーを解説します。
無理に香典を送らない
家族葬に参列しない場合は、基本的には香典を控えるのが一般的です。遺族が香典を辞退していない場合は郵送で送ったり後日弔問に伺ったりした際に渡す手もありますが、事前に遺族に確認するのが好ましいでしょう。遺族が香典を辞退していた場合は、無理に香典を送ってはいけません。
お悔やみを伝えたい場合は弔電を活用する
葬儀に参列できなくても、「故人や遺族にお悔やみの気持ちだけは伝えたい」と考える方も多いのではないでしょうか。遺族が弔電を辞退していない場合は、葬儀にあわせて弔電を送る方法もあるので、ぜひ検討してみてください。
後日弔問したい場合は遺族に確認する
葬儀に参列できなかった方のなかには「故人や遺族に直接お悔やみの言葉を伝えたい」「香典やお供え物を贈りたい」と考える方もいらっしゃるかもしれません。もし遺族が弔問をお断りしていなかった場合は、後日弔問に伺うことも可能です。
ただし、いきなり訪問するのではなく、必ず事前に弔問して問題ないか確認し、日時を決めたうえで訪ねるようにしてください。
家族・親しい人のみでゆっくりお別れをしましょう
家族葬は、故人の家族や親戚、とくに親交の深かった特定の人のみが参列するアットホームな葬儀形式です。故人の生前の交友関係や遺志を加味しながら、適切な参列者選びを行いましょう。
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