お葬式に呼ぶ人がいない状況に、戸惑いや後ろめたさを感じていないでしょうか。
故人と付き合いのあった人がほとんどいない、遺族だけで見送るしかない、そんな場合でも、心のこもった温かい見送りは十分に可能です。
この記事では、1人や少人数でも行える葬儀形式の特徴や、トラブルを防ぐための連絡マナー、後悔しないお別れのポイントを分かりやすく解説します。
世間体にとらわれず、故人と自分にとって重要な点を整理し、一番納得のいく見送り方を選びましょう。
この記事を要約すると
- お葬式に呼ぶ人がおらず、遺族がたった1人でも、心のこもった見送りをすることは可能です。お葬式はお別れをするためのもので、人が集まるからするものではありません。
- お葬式に呼ぶ人がいない場合、「直葬・火葬式」「一日葬」「家族葬」の3つの選択肢があります。葬儀形式を選ぶ基準は、お別れの時間、費用や体力・精神的な負担、菩提寺との関係です。
- お葬式に呼ぶ人がいなくても、菩提寺、親族、故人と関わりのあった人には連絡しておきましょう。儀式への参列と、事実の報告は別問題です。
お葬式に呼ぶ人がいなくても、心のこもった見送りはできます
お葬式に呼ぶ人が誰もいなかったとしても、心のこもった温かい見送りをすることは可能です。
「お葬式にはたくさんの人が集まるもの」というイメージが強いと、参列者がいないことに孤独や不安を感じてしまうかもしれません。しかし、高齢化や核家族化が進む現代において、参列者がいないお葬式というのは珍しいことではなくなっています。
お葬式は、故人と最後のお別れをするためにするものであって、人が集まるからするというわけではありません。参列者がいなくても、遺族があなた1人だけであっても、故人を想う気持ちがあれば、葬儀として成立します。
「人が集まらない=お葬式をしない」とはなりません。世間体や「普通はこうするべき」という固定観念にとらわれる必要もありません。人数が少なくても、故人とあなたにとって一番心地よく、納得のいく見送り方の選択肢はたくさん用意されています。
呼ぶ人がいない場合に選べる葬儀形式
お葬式に呼ぶ人がいない、または少人数の場合、大きな葬儀を行う必要はありません。人数や予算、遺族の状況に合わせて選べる3つの葬儀形式を紹介します。
- 直葬・火葬式
- 一日葬
- 家族葬
直葬(ちょくそう)・火葬式
直葬・火葬式は、通夜や告別式を行わず、火葬のみで見送る形式です。儀式を省略するぶん、参列者が少ない、あるいはいない場合でも選びやすい方法といえます。
直葬・火葬式は、費用や遺族の負担を抑えやすい点が大きなメリットです。日程調整や式場の手配といった手間が少なく、対応時間も短いため、遺族の体力面・精神面の負担を小さくできます。
注意しておきたいのは、お別れの時間が短くなることです。儀式を行わず短時間で終わってしまうので、後になって改めて法要を依頼するといった方もいます。
一日葬
一日葬は、通夜はなしで、告別式と火葬を一日で行う形式です。儀式そのものは行いたいけれど、通夜からの2日間という時間は短縮したい、という場合に向いています。
メリットは、通常2日かかる葬儀を1日に短縮するため、スケジュールを合わせやすく、遺族の負担を減らせる点です。家族1人での見送りや、直葬よりもきちんとお別れの儀式を持ちたい方に選ばれる傾向があります。
ただし、菩提寺がある場合は注意が必要です。宗派や寺院の考え方によっては、通夜を省略する一日葬が認められないケースもあります。一日葬を検討しているなら、事前に相談してみましょう。
家族葬
家族葬は、家族や本当に親しかったごく一部の人だけで行う葬儀です。名前に「家族」とありますが、参列者が遺族1人であっても実施できます。一般的なお葬式と同様に、通夜と告別式の両方を行います。
通夜・告別式を行うため、直葬や一日葬に比べてゆっくりとお別れできるのがメリットです。ただし、遺族が少ないからといって安くなるとは限りません。式場や祭壇、儀式の内容によっては、相応の費用が必要となります。
なお、参列者を誰も呼ばずに家族葬を行う際の注意点などについては、以下の記事で詳しく解説しています。家族葬を検討される方はぜひ参考にしてみてください。
葬儀形式を選ぶ3つの基準?
どの形式が自分に合うのかわからないとき、迷ったときは、次の3つの基準で考えてみましょう。世間体ではなく、「自分たちがどうしたいか」を軸にすることが大切です。
- お別れの時間をどの程度取りたいか
- 費用や遺族の負担をどこまで抑えたいか
- 宗教儀礼や納骨に問題がないか
1.お別れの時間をどの程度取りたいか
まずは、故人とのお別れにどのくらいの時間をかけたいかを整理しましょう。火葬前にゆっくり顔を見て過ごしたい場合や、読経・焼香などの儀式で気持ちを整理したいなら、一日葬や家族葬が向いています。対して、儀式にこだわらず、なるべく簡素に見送りたい場合は、直葬・火葬式が選択肢となるでしょう。
2.費用や遺族の負担をどこまで抑えたいか
費用や体力・精神面での負担も重要な判断基準です。お葬式は想像以上に心も体も消耗します。
葬儀費用はもちろん、所要時間、当日から葬儀後の対応までどの程度の体力・精神的な労力が必要かも合わせて考えておきたいポイントです。高齢の遺族が1人で対応するケースでは、日程が短く済む形式の方が向いていることもあります。
3.宗教儀礼や納骨に問題がないか
先に述べたとおり、宗教的な儀礼や納骨に関する事項も選択基準の一つとなります。菩提寺がある場合は、葬儀形式を決める前に必ず事前相談をしておきましょう。
直葬や一日葬は通夜・告別式の簡略化を伴うため、菩提寺によっては納骨を断られる可能性もあります。戒名や読経をどうするかも、菩提寺によって考え方はさまざまです。葬儀の形式については、早めに確認しておくと後々のトラブルを防げます。
お葬式に呼ぶ人がいない場合でも「連絡だけ」はすべき相手
お葬式に「呼ばない(参列してもらわない)」ことと、亡くなったことを「知らせない」ことは別の問題です。後々のトラブルを避けるために、以下の相手にはしっかり連絡を入れておきましょう。
- 菩提寺
- 親族
- 故人と関わりのあった人
菩提寺
先述のとおり、先祖代々のお墓があるお寺には、葬儀の形式を決めてしまう前に必ず連絡を入れましょう。納骨やその後の法要に影響します。葬儀社を決めるのと並行して相談しておくと確実です。
親族
普段は付き合いがない、あるいは疎遠になっている親族であっても連絡しておきましょう。亡くなったことを後から知ると「なぜ教えてくれなかったのか」と揉め事に発展することもあります。
連絡する際は参列を求めるのではなく、「家族だけで静かに見送る予定です」という言葉とともに、訃報の事実だけを伝えるのがスマートです。
故人と関わりのあった人
近所の方、友人、勤務先、あるいは病院・介護施設のスタッフなど、故人が生前にお世話になった方々にはマナーとして連絡しておきましょう。家族だけで葬儀を済ませたあとに「無事に送り出しました」と後日報告を入れる形をとれば失礼になりません。
誰も呼ばない葬儀で後悔しないためのポイント
参列者がいない・少ないお葬式だからこそ、事前に押さえておきたいポイントがあります。ここでは3つの視点から見ていきましょう。
- 火葬前にお別れの時間を設ける
- 葬儀後の弔問や連絡方法を決めておく
- 葬儀社に希望を具体的に伝える
火葬前にお別れの時間を設ける
参列者が少なくても、火葬前のわずかな時間を大切にすることで、心のこもったお別れとなります。
ご逝去の直後は、葬儀社との打ち合わせや親族への連絡、費用の確認などに追われ、故人との思い出をゆっくり振り返る余裕がないものです。仕事に家庭にと忙しければなおさらです。
特別な演出を行わなくても、火葬の前に少しでも故人と寄り添う時間を作ることが大切です。手紙を添える、好んでいた花を納める、お気に入りの衣服を選ぶ、思い出の写真を囲んで声をかけるなど、ご自身ができる方法で最後のお別れを形にしてみましょう。
葬儀後の弔問や連絡方法を決めておく
葬儀に誰も参列しない場合であっても、後日になって訃報を受け取った方から「自宅へお悔やみに伺いたい」と申し出を受けるケースがあります。こうした温かいお気持ちはありがたいものですが、重なる弔問への対応が遺族にとって大きな負担となってしまうことも少なくありません。
そのため、「自宅への弔問や香典はすべて辞退する」か、あるいは「希望する方の訪問を受け入れる」か、事前に対応方針を明確にしておくことで、その後の対応を円滑に進めることができます。
葬儀社に希望を具体的に伝える
葬儀社とのやり取りでは、状況や希望をできるだけ具体的に伝えることが重要です。以下の点は、遠慮せず、はっきり希望を伝えておきましょう。
- 参列者がいない
- 費用面の希望
- お別れの時間
- 宗教儀礼の希望
担当者に状況を正確に伝えることで、こちらの事情に合った提案をしてもらいやすくなります。
お葬式に呼ぶ人がいない場合によくある質問
お葬式に呼ぶ人がいない方から弊社に全国からよくいただくお問い合わせをまとめました。そのほか些細なことでも気になることやご不安ごとありましたら、24時間全国対応しておりますので、お気軽にお問い合わせください。
参列者が1人もいなくてもお葬式はできますか?
もちろんできます。たとえ参列者があなた1人だけでも、あるいは誰もいなかったとしても、葬儀社のスタッフが付き添ってくれます。わからないことや不安なことがあっても、経験豊富なプロが火葬までの一連の流れをサポートしてくれるので心配いりません。
喪主を務める人がいない場合はどうなりますか?
喪主を誰が務めるかについて、法律上の決まりはありません。親族や故人と親しかった人が喪主となることも可能です。
ただし、葬儀社との契約や火葬許可の申請を誰が行えるかは別途確認が必要です。埋葬や火葬を行う人がいない、または判明しない場合は、死亡地の市町村が対応します。
施設職員が手続きを行えるかは施設との契約内容や自治体の取り扱いによって異なるため、まずは自治体窓口や葬儀社に相談しましょう。
※参考
墓地、埋葬等に関する法律(昭和23年5月31日法律第48号)
墓地、埋葬等に関する法律の概要|厚生労働省
お葬式に誰も呼ばないのは非常識でしょうか?
決して非常識なことではありません。遺族の置かれた状況や家族関係、生前の交友関係などは人それぞれ異なるためです。
また現代では、家族のあり方や交友関係も多様化しています。「遺族に面倒な思いをさせたくない」という故人の遺志や、様々な事情から、あえて誰も呼ばない形を選ぶ方もいます。
親族への訃報はどのタイミングがいいですか?
基本的には亡くなってすぐのタイミングです。ただし、関係性によっては、すべてが終わったあとに事後報告という形をとることもあります。
事前連絡をする場合は、「参列は不要で、家族だけで見送る予定です」というむねを合わせて伝えると、相手も戸惑わずに受け止めやすくなります。
直葬でもお坊さんを呼べますか?
直葬や火葬式を選択した場合でも、僧侶の手配は可能です。火葬の直前に炉の前で読経を行ってもらったり、故人が安置されている場所へ来てもらったりするケースもあります。
お付き合いのある菩提寺が存在するのであれば、あらかじめそちらへ相談してみるのが確実です。もし菩提寺がない場合でも、葬儀社にその旨を伝えれば、個々の希望条件に合致した僧侶を紹介・手配してもらえます。
なお、弊社では菩提寺がない方に、全国定額の費用でお坊さんのご手配を承っております。お布施の費用には、読経・戒名・御車代が含まれてわかりやすい料金体系となっており、葬儀後に檀家になる必要もありませんので、ご安心ください。
呼ぶ人の数より、納得して見送れる形を選ぼう
お葬式に呼ぶ人がいないことは、決して珍しくも、非常識でもありません。大切なのは参列者の人数ではなく、故人をどのように見送りたいかという気持ちです。
参列者がいないからといって、葬儀をしてはいけないわけでも、葬儀をする必要がないわけでもありません。直葬・一日葬・家族葬など、それぞれの特徴を踏まえ、ご自身の状況や希望に合った形式を検討しましょう。世間体や固定観念にとらわれず、故人とご自身にとって納得できる形を選ぶことが、後悔のない見送りにつながります。
どのような葬儀が適しているのか迷ったときは、さまざまな事例を知る葬儀社に相談すると安心です。相談したからといって、必ずその葬儀社に依頼する必要はありません。まずはどのような葬儀ができるのか、ご自身の希望に合う形式は何かを聞いてみましょう。
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