近年は一般葬ではなく、家族葬を選ぶ人が増えてきています。家族葬は、親族やごく近しい人のみで執り行う形式が多く、参列者の負担に配慮して香典を辞退するケースが一般的です。しかし、辞退していたにもかかわらず、会社関係者や後日の弔問で香典を受け取る場面もあります。
この際、香典返しは不要なのか、返すべきなのか迷う方もいるでしょう。この記事では、家族葬における香典返しの考え方を整理し、状況別の対応マナーをわかりやすく解説していきます。
この記事を要約すると
- 家族葬では香典を辞退することが多く、香典を受け取らなければ香典返しも不要。ただし、親族や会社関係者などから香典を受け取った場合は、感謝の気持ちとして香典返しを行うのが基本となる。
- 香典返しをする際は、忌明け後1ヶ月以内を目安に、香典の3分の1~半額程度の品を選び、食べ物や日用品などの消えものを用いるのが一般的。
- 家族葬以外の場面で香典を受け取った場合は、会社・郵送・弔問など状況に応じて対応を判断し、失礼のない形でお礼を伝えることが大切。
家族葬では香典を辞退することが多く、香典返しは原則不要
家族葬では香典を辞退するケースが多く、香典を受け取らない場合は香典返しも原則不要です。家族葬は親族やごく近しい人のみで執り行われるため、参列者の人数自体が少なく、香典をやり取りする必要性が低いと考えられています。また、香典を受け取ると返礼の準備や手配が必要になり、遺族の負担が増えることも辞退されやすい理由です。
故人の意向として「形式よりも静かに見送ってほしい」と考えるケースも多く、案内状で香典自体を明記することが一般的になっています。そのため、香典を受け取らない場合は、香典返しを用意する必要はありません。ただし、何でも省略するわけではなく、参列への感謝は言葉や態度で丁寧に伝える姿勢が大切です。
家族葬でも香典を受け取った場合は、香典返しをするのがマナー
家族葬であっても香典を受け取った場合は、香典返しをするのが基本的なマナーです。香典辞退していても、親族の心遣いや後日の弔問で香典をいただく場面は少なくありません。このような場合、葬儀の規則に関係なく、頂いた厚意に対して何らかの形で感謝を示す必要があります。
特に会社関係者や形式を重んじる相手からの香典は、香典返しを行わなければ失礼に受け取られる可能性があります。迷った場合は、返す前提で考えるようにしましょう。
香典を受け取った際に「香典返しは不要」を言われた場合の対応
香典を受け取った際に「香典返しは不要です」といわれた場合は、その申し出を尊重しても問題ありません。特に親族からの香典では、遺族の負担を気遣って返礼を辞退されることがあります。この場合、無理に香典返しを用意する必要はありません。
ただし、何もせずに済ませるのではなく、電話や挨拶状などで感謝の気持ちを伝える配慮は必要です。辞退の言葉がない場合は、親しい間柄であっても香典返しを行うのが無難でしょう。
香典返しは「即日返し」か「後日にお返し」が基本
香典返しの方法は「即日返し」か「後日にお返し」のいずれかが基本です。家族葬でも香典を受け取る形式の場合、当日に香典返しを渡す即日返しが選ばれることもあります。ただし、親族から高額な香典を受け取る場合は、金額に応じた品を後日改めて送るケースが一般的です。
また、葬儀後に弔問を受けて香典をいただいた場合でも、後日返しが必要になります。香典を受け取ったタイミングと金額を整理し、無理のない方法を選ぶことが重要です。
家族葬で香典を受け取った場合の香典返しのマナー
家族葬で香典を受け取った場合、基本となる香典返しのマナーは一般葬と大きく変わりません。ここでは、香典返しの時期や金額、内容や掛け紙のマナーまで詳しく解説します。
香典返しは忌明け後1ヶ月以内に送る
香典返しは、忌明け後から1ヶ月以内に送るのが基本です。仏式では四十九日法要が忌明けの目安となり、その後に香典返しを手配します。家族葬でもこの考え方は同じで、葬儀後すぐに送る必要はありません。香典を後日受け取った場合も、忌明け前であれば四十九日を過ぎてから、忌明け後であれば10日以内を目安に対応すると丁寧です。
無宗教葬の場合は、明確な忌明けがないため、葬儀後2〜3週間から1ヶ月以内を目安にするとよいでしょう。時期が遅れる場合は、先に電話などでお礼を伝える配慮も大切です。
香典返しの相場は3分の1~半額程度にする
香典返しの金額相場は、いただいた香典の3分の1から半額程度が目安です。たとえば1万円の香典であれば3,000円から5,000円、3万円であれば1万円前後が一般的でしょう。家族葬では親族から高額な香典を受け取ることもありますが、この場合は例外となり高額な返礼を用意する必要はありません。
香典返しには上限の考え方があり、15,000円程度までで問題ないとされています。即日返しをする場合は、3,000円前後の品を用意し、高額だった方には後日追加でお返しをする形が現実的です。
香典返しの内容は「消えもの」を選ぶ
香典返しの品物は、使ったり食べたりすると残らない「消えもの」を選ぶのが基本です。洗剤や石けん、お茶、菓子、乾物などは好みが分かれにくく、受け取る側の負担になりにくいとされています。また、悲しみを後に残さないという意味合いが込められている点も理由の一つです。
タオルやハンカチのように実用性が高い品も選ばれています。近年はカタログギフトを利用し、受け取った側が必要な物を選ぶ方法も一般的です。肉や魚などの生ものや縁起物は避けるようにしましょう。
掛け紙は「外のし」と「内のし」を使い分ける
香典返しには、必ず掛け紙を付けるのがマナーです。水引は黒白または双銀の結び切りが一般的で、表書きは宗教を問わず使える「志」を選ぶとよいでしょう。掛け紙には外のしと内のしがあり、使い分けが重要になります。直接手渡しする場合は、表書きが見える外のしを用いるのが一般的です。
一方、郵送や配送で送る場合は、汚れや破損を防ぐための内のしを選びます。どちらを選んでも失礼にはなりませんが、渡す方法に合わせて掛け方を選ぶことが大切です。
家族葬以外の場所で香典を受け取った場合のマナー
家族葬では参列者が限られるため、葬儀当日以外の場面で香典を受け取ることもあります。会社や郵送、後日の弔問など、受け取る状況によって対応の考え方は異なるため注意が必要です。ここでは、場面ごとの判断ポイントと失礼のない対応方法について解説します。
会社から香典を受け取った場合
会社から香典を受け取った場合は、まず名義を確認することが重要です。香典袋が会社名義であれば、福利厚生の一環として支給されている可能性があり、香典返しは不要と考えるのが一般的です。この場合は、香典を届けてくれた方に口頭でお礼を伝えるだけで問題ありません。
一方、上司や同僚が故人名義で香典を包んでくれた場合は、香典返しを送るのがマナーです。会社名と個人名が併記されている場合は判断が難しいため、社内で確認してから対応するようにしましょう。
郵送で香典を受け取った場合
郵送で香典を受け取った場合も、基本的には香典返しが必要です。現金書留で届くため、無事に受け取った旨を早めに電話などで伝えると丁寧でしょう。そのうえで、香典返しは忌明けから1ヶ月以内を目安に送ります。葬儀に参列していない相手には、挨拶状を必ず添えて香典返しを送ることが大切です。
挨拶状では、香典へのお礼と略儀での対応となることへのお詫びを簡潔に記します。香典返しが挨拶状より遅れて届かないよう、同封または同時発送を心がけましょう。
弔問客から香典を受け取った場合
家族葬の後は、後日自宅に弔問客が訪れ、香典を受け取ることもあります。事前に香典辞退を伝えていても、持参された場合は無理に断らず受け取って差し支えありません。忌中に受け取った香典は、忌明け後から1ヶ月以内を目安に香典返しを送ります。
一方、忌明け後に香典を受け取った場合は、受け取った日から10日以内を目安に対応すると丁寧です。小額で「お返しは不要」といわれた場合は、その意向を尊重しても問題ありませんが、感謝の言葉は必ず伝えるようにしましょう。
家族葬での供花や供物に対するお返しは基本的に不要
家族葬では、香典と同様に供花や供物も辞退するケースが多く、受け取った場合でもお返しは基本的に不要とされています。供花や供物は弔意を表す気持ちとして贈られるものであり、必ずしも返礼を前提としたものではありません。そのため、親族や知人から小額のお供えをいただいた場合は、お礼の言葉を伝えるだけで問題ないでしょう。
ただし、1万円以上の高価な供花などを受け取った場合や、特に感謝の気持ちを伝えたい相手には、忌明け後に消えものを中心とした品を送ることもあります。状況や相手との関係性を踏まえ、無理のない対応を心掛けることが大切です。
家族葬の香典返しに関するよくある質問
家族葬の香典返しでは、基本的な考え方を理解していても、実際の場面で判断に迷うケースも珍しくありません。ここでは、家族葬や香典返しに関する4つのよくある質問に答えていきます。
香典返しを送る場合に挨拶状は必要?
香典返しを郵送で送る場合は、挨拶状を添えるのが基本です。直接会ってお礼を伝えられないため、書面で感謝の気持ちを伝える意味があります。挨拶状には、香典へのお礼と無事に法要を終えた報告、略儀でのお詫びを簡潔に記します。
一方、香典返しを手渡しする場合は、口頭でお礼を伝えればよいため挨拶状は必須ではありません。渡し方に応じて対応を判断するとよいでしょう。
家族葬でも会葬御礼は準備すべき?
家族葬であっても、会葬御礼は基本的に準備しておくと安心です。会葬御礼は参列そのものに対する感謝を伝えるものであり、一般参列者がいない場合でも、親族が参列している事実は変わりません。また、忌引き休暇の申請時に会葬御礼や会葬礼状の提出を求められる企業もあります。
さらに、葬儀後に自宅へ弔問に訪れる方へ渡すこともあるため、当日分に加えて予備を用意しておくと対応しやすいでしょう。
お見舞いをいただいた方にはお礼をすべき?
お見舞いをいただいた方には、香典返しではなく「御見舞御礼」としてお礼をするのが基本です。家族葬では訃報を伝えていない場合も多く、香典を受け取っていなくても生前の心遣いに感謝を伝えたいという方もいるでしょう。その場合は、食べ物や日用品などの消えものを選び、御見舞御礼の掛け紙を付けて贈ります。
郵送する際は、生前のお礼と逝去の報告を簡潔に記した挨拶状を添えると丁寧です。御見舞御礼に関しては、忌明け前に送っても問題ありません。
葬儀に参列できなかった方への挨拶まわりは必要?
家族葬に参列できなかった方への挨拶まわりは、必要に応じて行うのが理想です。家族葬では会葬者を限定するため、故人が生前お世話になった方へ直接お礼を伝える機会が後日になることもあります。職場や介護施設、病院、ご近所など関係性が深い相手には事前に連絡を入れたうえで伺うと丁寧です。
介護施設などの場合、事務的な手続きが必要になる場合もあるため、事前に確認しておきましょう。
家族葬の香典返しは不要が基本、状況に応じて判断しよう
家族葬では香典を辞退するケースが多く、香典を受け取らなければ香典返しも不要です。ただし、親族や会社関係者、後日の弔問などで香典を受け取った場合は、基本的なマナーに沿って香典返しを行う必要があります。
香典返しは時期や金額、品物を押さえて対応することで、相手への感謝を失礼なく伝えられます。また「香典返しは不要」と言われた場合や供花・供物をいただいた場合など、状況によって判断が分かれる場面も少なくありません。形式にとらわれすぎず、相手との関係性や地域性を踏まえ、無理のない対応を心がけることが大切です。
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