葬儀の基礎知識

お通夜の流れや服装のポイント、持ち物を解説!押さえておくべきマナーも紹介

お通夜の流れや服装のポイント、持ち物を解説!押さえておくべきマナーも紹介

大切な人を亡くし、通夜の準備に頭を悩ませている方は多いのではないでしょうか。通夜は、故人を偲び、遺族を支える大切な儀式ですが、いざ主催する立場になると、何から手をつけたら良いのか迷ってしまうものです。
本記事では、通夜の意義や流れ、服装やマナーなど、スムーズに通夜を執り行うために必要な情報を詳しく解説します。事前準備のポイントや当日の進行の流れ、参列者としての心得など、役立つ情報を詳しく紹介しているので、ぜひ参考にしてみてください

お急ぎ

通夜とは

まず、通夜の概要について簡単に紹介します。

  • 通夜の意味
  • 告別式との違い
  • 葬式との違い

それぞれ詳しく見ていきましょう。

通夜の意味

通夜は故人を送る前夜に行われる儀式で、故人を偲び、遺族を慰める重要な役割があります。故人との最後の別れを告げ、遺族や親族、友人らが故人を偲び語り合う場を設けることが目的です。

通夜は、仮通夜と本通夜の2つに大きく分けられます。

仮通夜宗教的な儀式は不要で、故人と近しい間柄の方が最後の時間をゆっくりと過ごすための通夜。故人が息を引き取った日の夜に家族や親族のみで行う
本通夜生前関わりがあった方々を招く通夜

通夜では遺族と親しい人々が集まり、故人との思い出を語り合い、故人の人生を振り返ります。遺族の悲しみを和らげ、喪失感を乗り越えるための大切な儀式と言えるでしょう。

告別式との違い

告別式は、葬式において2日目に行われる故人とのお別れの儀式です。通夜は、告別式の前日に行われる前夜祭の役割があります。

主に遺族や近しい人々が集まるのが通夜で、告別式にはより多くの参列者が集まります。遺族と参列者の対面が中心なのが通夜で、告別式では読経や弔辞、焼香など宗教的な儀式が行われると理解するのが良いでしょう。

通夜は一般的に夕方から夜にかけて行われることが多く、告別式は昼間に執り行われることが多い傾向があります。

葬式との違い

葬式全体の流れのなかで行われる儀式の一つが通夜であり、通夜は葬式の一部に位置付けられます。通夜・告別式・火葬・埋葬などの一連の儀式の総称が葬式です。

そのなかでも故人との別れを告げ、遺族の悲しみを和らげる役割を担うのが通夜です。

また、通夜が比較的シンプルな儀式であるのに対し、葬式は地域や宗派によってさまざまな風習があり、宗教によって形式が大きく変わる場合もあります。

通夜の流れ

次に、通夜の流れについて5つのステップに分けて紹介します。

  1. 通夜の準備をする
  2. 参列者の受付を行う
  3. 読経と焼香を行う
  4. 通夜振る舞いを行う
  5. 祭壇と線香の火を見守る

葬式全体の流れについては、以下の記事を参考にしてみてください。

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1. 通夜の準備をする

近親者が息を引き取ったら、喪主を決めて通夜や葬式の準備に着手します。喪主は通夜の日時・会場・参列者などを決定し、親族や関係者に速やかに連絡しましょう。

通夜の案内状を作成して参列者に送付し、メールや電話での連絡も併用します。通夜当日の段取りや祭壇の準備などは、葬儀会社と相談できるため、信頼できる葬儀会社に依頼しましょう。

故人の生前の写真やエピソードをまとめたアルバムや追悼ビデオを用意するのも、遺族の大切な仕事の一つです。なお、通夜の設営や当日の進行は葬儀社が担当するので、葬儀社とのすり合わせと参列者への挨拶が喪主や遺族の主な仕事となるでしょう。

なお、葬儀の打ち合わせについては以下の記事も参考にしてみてください。

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2. 参列者の受付を行う

会場入り口に受付を設置し、参列者を出迎えます。通夜が始まる30分~1時間前から受付を開始するようにしましょう。

参列者から香典を受け取り、芳名帳への記帳を依頼します。香典は会計係に渡し、会計係は香典を記帳・計算し保管しましょう。

次に参列者の氏名や連絡先を確認し、座席まで案内します。遅れて到着した参列者にも丁寧に対応し、速やかに席へ案内しましょう。参列者からの問い合わせや要望に適切に対応し、円滑な受付業務を心がけることが大切です。

3. 読経と焼香を行う

通夜の開始時間になったら、司会者が開式の辞を述べ、僧侶が読経を始めます。読経が終わったら、司会者が焼香の順番を案内します。焼香は遺族から始まり、親族・友人・会社関係者の順で行われるのが一般的です。

参列者は祭壇に進み、線香に火を付けて香炉に立て、故人に対する祈りを捧げます。

読経と焼香が終わったら、喪主は参列者と僧侶にお礼を述べます。僧侶に通夜振る舞いの案内をしますが、断られた場合は食事代の代わりに「お膳料」と「お車代」を白封筒に包んで渡しましょう。

4. 通夜振る舞いを行う

通夜振る舞いは、参列者に食事や飲み物を振る舞い、故人を偲びながら親族や関係者が交流する場です。料理は精進料理や懐石料理が一般的で、故人の好物を取り入れるのも良いでしょう。

飲み物は基本的にお茶やお酒を用意しますが、宗教や地域の慣習に配慮して選ぶ必要があります。通夜振る舞いの場で喪主は参列者に礼を伝え、通夜への参列に対する感謝の意を表しましょう。

5. 祭壇と線香の火を見守る

通夜が終わるまで祭壇に安置された遺体や遺影、供物などを大切に扱い、常に整えておきます。線香の火を途切れさせないよう、定期的に線香の点火や交換を行いましょう。

祭壇の周りを清潔に保ち、花や飾りつけを整えておきます。通夜の間、喪主や関係者が交代で祭壇を見守る時間は、故人とともに過ごす最後の大切なひとときになるでしょう。

通夜にかかる費用

通夜にかかる費用は、30万円~50万円程になるケースがほとんどです。ここでは、通夜にかかる費用を大きく3つに分けて紹介します。

  1. 会場費
  2. 通夜振る舞いにかかる費用
  3. お布施にかかる費用

それぞれ詳しく見ていきましょう。

1. 会場費

通夜の会場費は、式場の規模や設備、立地などによって異なりますが、平均的には20万円~30万円かかります。会場費には祭壇の設置費用や室料、照明・音響設備の使用料などが含まれるケースがほとんどです。

通夜の会場には、大きく分けて以下の3つが挙げられます。

  • 葬儀社が運営する式場
  • 寺院が運営する式場
  • 公営の式場

寺院が運営する式場と比較すると、葬儀社が運営する式場は金額が若干安く済む傾向があるでしょう。

公営の式場は、約10万円で利用できるケースもあります。収容人数や利便性など、必要な条件を満たす会場を選ぶことが大切です。葬儀社によっては提携する式場を紹介してくれるので、相談してみるのも良いでしょう。

2. 通夜振る舞いにかかる費用

通夜振る舞いは、参列者への感謝の意を込めて用意される料理や飲み物のことです。30人ほどの参列者に通夜振る舞いを準備した場合、平均的な費用は20万円ほどです。

料理は、寿司や弁当、オードブルなどが一般的で、参列者の人数に応じて手配します。通夜振る舞いにかかる費用は、料理の内容や参列者の人数によって変わるため、事前に予算を確認しておきましょう。

3. お布施にかかる費用

通夜では僧侶を呼んで読経を依頼することが一般的で、その際にお布施を渡します。お布施の金額は、宗派や地域、僧侶の格などによって異なるものの全国平均は30万円~45万円ほどと言われています。

お布施の準備は、喪主や近い親族が行うことが多いでしょう。お布施は、僧侶への謝礼であり、故人の冥福を祈るために欠かせない費用の一つです。そのため事前に葬儀社や寺院に相談し、適切な金額を用意しておくようにしましょう。

通夜の服装

ここでは、通夜に適した服装の特徴について、詳しく解説します。

  1. 男性
  2. 女性
  3. 子供

ぜひ参考にしてみてください。

1. 男性

男性は黒のスーツ、白やグレーのワイシャツ、黒のネクタイを着用するのが一般的です。スーツは柄物や派手な色は避け、シンプルで落ち着いたデザインを選びましょう。

ワイシャツは白が無難ですが、薄いグレーや黒も可能です。革靴は黒のものを履き、靴下も黒や濃い目の色を選ぶと良いでしょう。
また、アクセサリーは基本的に慎みます。とくに、動物の皮などがあしらわれた小物は「殺生して作られたもの」であるため、葬儀の場には適しません。

2. 女性

女性は黒のワンピースやスーツを着用するのが一般的です。ワンピースは膝丈から足首丈までの上品なデザインを選びましょう。

スーツはスカートスーツでもパンツスーツでも可能ですが、派手な柄や色は避けてください。ブラウスやインナーは白や黒、グレーなどの落ち着いた色を選ぶと良いでしょう。

アクセサリーは真珠のネックレスやイヤリングなど、シンプルで上品な物を身につけます。ただし、二連のネックレスは「不幸が重なる」という意味を連想させるため、ネックレスを付ける際は一連のものを選ぶようにしましょう。

3. 子供

学校の制服がある場合は、基本的に制服で問題ありません。礼服を着用するのであれば、男の子はブレザーとズボン、女の子はブレザーとスカート、あるいはワンピースが基本です。

男女ともに襟付きのワイシャツを着用しますが、とくに女の子は刺繍やフリルなどの装飾が付いたものは選ばないようにしましょう。靴は、男の子は黒の革靴、女の子は黒のフォーマルシューズやバレエシューズが無難です。

通夜の持ち物

次に、通夜の持ち物について紹介します。

  1. 香典
  2. 袱紗
  3. 数珠
  4. 小物

現場に到着してから忘れ物に気がつくことがないよう、きちんと準備しておきましょう。

1. 香典

香典は、故人への追悼の意を表すために包む金品で、通夜に持参する最も重要な持ち物です。香典袋の表書きは「御霊前」「御仏前」「御香典」などと記入しましょう。

金額は、参列者と故人や遺族との関係性や年齢によって異なります。一般的には、1万円・3万円・5万円といった単位が多く、奇数を選ぶのがマナーです。「縁が切れる」という意味を連想させるため、割り切れる偶数の金額は適していないと言われています。

また、お札は新札ではなく古札を入れます。新札を入れると不幸が来ることをあらかじめ準備していたように受け取られる可能性があるためです。

2. 袱紗(ふくさ)

袱紗は、香典や祝儀として渡す金封を包むために使う布です。慶事用は暖色系、弔辞用は寒色系の袱紗が用いられます。

風呂敷のように広げて使う大判の袱紗には、正しい包み方があります。まず、つめの部分を左側にして袱紗の真ん中より若干右に香典を置きます。次に、袱紗を右・下・上・左の順に折って、最後に爪の部分をひっかけて留めます

金封をそのまま持参するのは失礼にあたるため、必ず準備しておきましょう。

3. 数珠

数珠は読経や焼香の際に手に持つ宗教的な意味合いを持つ必需品です。通夜では、主に真言宗や浄土宗、日蓮宗などの仏教式の葬儀で用いられます。

数珠は家に置いてある物を持参するか、葬儀社や仏具店でも購入できます。数珠入れを用意しておくと携帯に便利なうえ、数珠を傷めずに持ち運べるでしょう。

4. 小物

通夜では悲しみで涙することも多いため、ハンカチやティッシュペーパーを用意しましょう。

また、鮮やかなネイルが施されている女性は手袋を付けるのが無難です。焼香のタイミングは外しても構わないので、華やかなネイルアートはできる限り手袋の下に隠すようにしましょう。

通夜で押さえておくべきマナー

通夜のときに押さえておくべきマナーを3つ紹介します。

  1. 遅刻しそうな場合
  2. 通夜振る舞いに案内された場合
  3. ご遺体のとの対面を進められた場合

実際によくある場面について解説したので、ぜひ参考にしてみてください。

1. 遅刻しそうな場合

通夜の開始時間には余裕を持って到着するのが望ましいですが、どうしても遅れそうな場合は連絡を入れましょう。会場に到着したら受付で氏名や連絡先を記入し、喪主や遺族に一言お悔やみの言葉を伝えます。

なお「ご冥福をお祈りします」や「哀悼の意を表します」という表現は、基本的には口頭では使えない点のみ注意しましょう。「ご愁傷様です」や「お悔み申し上げます」がベターです。

読経や焼香が始まっている場合は、静かに席に着き、周りに合わせて行動します。式次第が進行中の途中入場は控えめにし、目立たないように振る舞うことが大切でしょう。

遅刻した理由を長々と説明するのは避け、短く簡潔に謝罪の言葉を添えるのがマナーです。

2. 通夜振る舞いに案内された場合

通夜振る舞いに案内されたら、可能な限り参加するのが礼儀です。また、通夜振る舞いには僧侶や参列者に感謝の意を示すという意味があるので、基本的に喪主は参列者が食事に手を付けない限りは食べ始められないことも押さえておきましょう。

他の参列者と談笑する際は、故人の思い出話を中心に、遺族への配慮を忘れてはいけません。一般参列者の場合は、通夜振る舞いの席には長居せずに、30分~1時間を目安に退席するようにしましょう。

3. ご遺体のとの対面を進められた場合

ご遺体との対面は、故人との最後のお別れの時間となる大切な儀式です。遺族から対面を進められるまでは、自ら行動を起こすのは控えめにしましょう。

ご遺体と対面する際は、喪主や遺族の意向に沿って行動することが大切です。対面の際は、故人の遺影や思い出の品に目を向け、故人を偲ぶ気持ちを込めましょう。

ご遺体との対面では、感謝と哀悼の意を表し、遺族の気持ちに寄り添うことが何より大切です。

通夜に関するよくある質問

最後に、通夜に関してよくある質問について紹介します。

  1. 参列者は何時に行けばいい?
  2. 香典の包み方は?
  3. 供花とは?
  4. 枕花とは?
  5. 通夜の途中で帰るのは失礼にあたる?
  6. 清め塩はどうやって使うの?

素朴な疑問に回答するので、ぜひ参考にしてみてください。

1. 参列者は何時に行けばいい?

親族や遺族は、開式の1時間前までに会場に到着するのが望ましいでしょう。参列者の場合は、開式の15分前ほどでOKです。

通夜の時間は、一般的に17時~21時頃に設定されることがほとんどで、準備に1時間、通夜に1時間、通夜振る舞いに1時間かかると見積もっておくと良いでしょう。

早めに到着することで、他の参列者と故人について語り合う時間も取れます。式の開始に間に合うよう、時間には余裕を持って行動することが大切です。都合により遅れる場合は、喪主や葬儀社に連絡を入れるようにしましょう。

2. 香典の包み方は?

香典は奇数の金額を古い札で用意し、水引付きの不祝儀袋に入れるのが一般的です。不祝儀袋の表書きは、「御香典」「御霊前」などと記入しましょう。

香典の金額は、故人や遺族との関係性を考慮して決めますが、1万円・3万円・5万円が相場です。受付で香典を渡す際は、「ご愁傷様です」などの一言を添えましょう。

3. 供花とは?

供花は故人の霊前に手向ける花のことで、ユリやカーネーションなど白色を基調とした花が用いられます。通夜では、参列者が持参した花を祭壇や遺影の周りに飾ることで、故人を偲びます。

花は故人の好みや思い出に関連するものを選ぶと良いでしょう。供花の注文方法は大きく分けて、以下の3つがあります。

  • 葬儀社に注文する
  • 花屋に注文する
  • インターネットで注文する

喪主の場合は葬儀を依頼している葬儀社に依頼したほうが、準備する手間が省けるのでおすすめです。

4. 枕花とは?

枕花は故人の枕元に供える花のことで、キク類やカーネーション、ユリが使われることがほとんどです。遺族や近親者が用意するのが一般的です。

枕花には故人への感謝や哀悼の意を込めて、最後のお別れの気持ちを表す役割があります。基本的には通夜の始まる前に祭壇に飾られ、葬儀・告別式が終わるまで供えられます。

5. 通夜の途中で帰るのは失礼にあたる?

通夜の途中で帰ることは、基本的には失礼にはあたりません。帰る際は喪主や遺族に一声かけ、「これで失礼します」と挨拶をするのがマナーです。

また、僧侶がお経を読んでいる最中は避けたほうが良いでしょう。焼香が終了後、場の雰囲気を乱さないように静かに退席するのが無難です。

6. 清め塩はどうやって使うの?

清め塩とは通夜や葬儀・告別式の際、会場の入り口に置かれる塩のことです。参列者は玄関をまたぐ前に、塩をつまんで自分の体にかけます

塩をかけることで、死の穢れを清め、日常の世界に戻るという意味があるのです。胸→背中→足下の順番に塩をかけて、軽く払うのが一般的です。

清め塩は神道の習慣ですが、仏教の葬儀でも用いられることがあります。

通夜の流れを理解して円滑に準備を進めましょう

通夜は故人を偲び、遺族を支える大切な儀式です。通夜の意義を理解し準備から当日の流れ、服装やマナーまでしっかりと把握すると、スムーズに式を進められるでしょう。

喪主は日時や会場の設定、案内状の送付など、事前の準備を入念に行うことが求められます。参列者は時間に余裕を持って到着し、香典や数珠などの必要な持ち物を用意しておくことが大切です。

通夜での的確な振る舞いは、故人への感謝の気持ちを表し、遺族の悲しみに寄り添うことにつながるでしょう。本記事を参考に、通夜の意義や流れを理解し、円滑に準備を進めてみてください

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