家族葬に参列できない場合、香典をどうすべきか悩む方は多いでしょう。「香典を送るべきか」「代わりに何か用意すべきか」といった疑問が浮かぶかもしれません。
本記事では、家族葬に参列できない場合の適切な対応方法や、香典の代わりの品物について詳しく解説します。ぜひ参考にしてみてください。
この記事を要約すると
- 家族葬に参列しない場合の香典は、基本的には控えましょう。遺族側に香典返しの負担をかけてしまいますので、どうしてもという方は事前に香典を送ってもいいか確認しましょう。
- 家族葬に参列せずに香典を渡す方法は、「参列する人に代理してもらう」「郵送で送る」「葬儀後に弔問する」が挙げられます。遺族側に香典辞退の意向がある場合は、無理に渡さないように注意しましょう。
- 家族葬に参列できず、香典の代わりとなるものを送りたい場合、「線香」「供花」を送るのが良いでしょう。またマナーとして、葬儀中であれば葬儀場に送る、葬儀後であれば初七日法要が終わるまでは送るようにしましょう。
家族葬に参列しなくても香典は送るべき?
家族葬に参列しない場合の香典について、以下の3つの状況に分けて説明します。
- 家族葬に招かれた場合
- 家族葬に招かれていない場合
- 遺族が香典を辞退している場合
家族葬の香典についてより詳しく知りたい方は、以下の記事も参考にしてみてください。
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1. 家族葬に招かれた場合
家族葬に招待された場合は、香典を用意するのが基本的なマナーです。その際にまず確認すべきなのは、遺族側が香典を辞退していないかどうかです。遺族側の意向に沿って、香典の有無を判断します。
香典の金額は一般葬と同程度で問題ありませんが、故人との関係性や家族の状況を考慮して決めると良いでしょう。関係性による香典の一般的な相場については、以下の記事を参考にしてみてください。
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2. 家族葬に招かれていない場合
招待されていない家族葬に香典を送ることは、基本的には控えましょう。家族葬は、近親者のみで執り行われることがほとんどです。そのため、招待されていない人から香典を送ってしまうと香典返しの準備など遺族側にかえって負担をかけてしまうことになりかねません。
香典の代わりに、供花や供物を贈る方法もありますが、そのような贈り物も辞退される可能性があるため事前に遺族の意向を確認することが大切です。
故人ととくに親しかったなどの理由でどうしても弔意を示したい場合は、事前に遺族に確認を取りましょう。遺族や故人の気持ちを尊重し、無理に香典や贈り物を渡すことは避けることが大切です。
3. 遺族が香典を辞退している場合
遺族側が明確に香典を辞退している場合は、その意向を尊重しましょう。香典の代わりに、故人を偲ぶ気持ちを言葉で伝えることが適切です。
遺族の心情に寄り添う姿勢を何よりも大切にしましょう。
参列しない家族葬における香典以外の弔意の表し方
家族葬に参列できない場合の香典以外の弔意表現について、以下の4つの方法を紹介します。
- 香典の代わりになるものを送る
- 弔電を送る
- お悔やみの手紙を送る
- 弔問に伺う
なお、ここで紹介する香典以外の弔意の表し方については、家族葬に限定する作法ではなく、ほかの葬儀形式でも同様の考え方で問題ありません。
1. 香典の代わりになるものを送る
家族葬に参列できない場合でも、適切な方法で弔意を表せます。具体的には、以下の品物が香典の代わりとして選ばれます。
品物 | 概要 |
---|---|
線香 | 仏教式の葬儀でとくに適しており、故人の冥福を祈る気持ちを効果的に伝えられる |
供花 | 祭壇を飾るだけでなく、遺族への労いの意も込められている |
果物やお菓子 | 故人の好みを考慮すると、弔意を伝えられる |
葬儀中であれば、自宅ではなく式場に送りましょう。
葬儀後に送る場合は、初七日法要が終わるまで待つのがマナーとされています。遺族の心が落ち着いた頃を見計らい、心のこもった手紙とともに送ることで、より丁寧な弔意を示せます。
なお、香典の代わりとなる品物についてより詳しく知りたい方は、以下の記事も参考にしてみてください。
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2. 弔電を送る
家族葬に参列できない場合、弔電を送るという方法があるでしょう。弔電とは、故人や遺族に対してお悔やみの気持ちを表明する電報のことで、香典やお供え物と比べて遺族への負担が少ないという特徴があります。
弔電の文面は、簡略な場合で50字前後、長くても150字程度に抑えるのが一般的です。弔電を送る際は、以下のポイントに注意しましょう。
ポイント | 概要 |
---|---|
宛先 | 通夜・葬儀が執り行われる会場 会場がわからない場合は、喪主の自宅宛て |
宛名 | 一般的には「喪主」にする |
差出人 | 自身の名前と故人との関係性 |
また、忌み言葉や重ね言葉に注意し、丁寧に弔意を伝えることが求められます。
忌み言葉 | 重ね言葉 |
---|---|
●四 ●九 ●急死 ●亡くなる ●消える | ●度々 ●ますます ●いろいろ ●重ね重ね ●わざわざ など |
弔電は、通夜や葬儀の数時間前までに届くよう手配しましょう。ただし、家族葬では弔電を辞退されることもあるため、事前に遺族の意向を確認することが大切です。
3. お悔やみの手紙を送る
家族葬に参列できない場合の弔意表現として、お悔やみの手紙を送る方法もあります。手紙を書く際は、時候の挨拶を省き、直接本題に入るのが一般的です。
冒頭でお悔やみの言葉を述べ、故人を偲ぶ気持ちと遺族への慰めの言葉を簡潔に記します。忌み言葉や重ね言葉は避け、故人の死因や詳細な状況には触れないよう注意が必要です。結びの言葉では、遺族の心情に配慮した表現を選ぶことが大切です。
便せんや封筒は、白色で無地のものを選びます。また「不幸が重なる」ことを連想させないよう、手紙の分量は便せん1枚に収めましょう。
遺族の気持ちに寄り添って対応することで、心のこもった弔意を伝えられます。
4. 弔問に伺う
家族葬後の弔問は、遺族の心情と負担を十分に考慮しましょう。まず、弔問に伺っても良いか遺族に確認し、了承を得てから訪問日時を決めます。
訪問時は、黒や紺など落ち着いた色の服装で伺うのがマナーです。なお、香典を渡しても良いか事前に確認し、辞退されている場合は、相手が受け取っても負担にならない程度の供物を持参するのが一般的です。具体的には、お菓子や果物、お花などが適しています。
弔問の際は、遺族側の負担を考慮してできる限り長居は避けましょう。必要に応じて線香をあげ、故人を偲ぶ時間を持つことも大切です。弔問のタイミングは、葬儀後3日から49日までの間が望ましいとされています。
このようなポイントを意識して、心からの弔意を表しましょう。
参列しない家族葬における香典の渡し方
家族葬に参列できない場合でも、香典を渡す方法は大きく分けて3つあります。
1つ目は、代理人を立てる方法です。代理人に香典を預け、葬儀に参列してもらいます。香典袋の表書きには、依頼者のフルネームを書き、左下に代理人の「代」と記入します。
2つ目は、郵送する方法です。ただし、かならず現金書留を利用し、普通郵便や宅配便で送ることは法律で禁止されています。送り先は、葬儀当日であれば会場や葬儀社、それ以降は遺族の自宅が適切です。
3つ目は、葬儀後に弔問として故人の自宅を訪れ、直接遺族に渡す方法です。
いずれの場合も、事前に遺族の意向を確認することが大切です。香典辞退の意向がある場合は、香典を渡すことは控えるべきでしょう。
家族葬に参列しないときのマナー
家族葬に参列しない場合のマナーについて、以下の2点を留意しておきましょう。
- 参列できない際は早めに伝える
- 弔問は事前に連絡してから伺う
それぞれ詳しく解説します。
1. 参列できない際は早めに伝える
家族葬に参列できない場合、速やかに遺族へ連絡することが重要です。喪主は、参列者数を把握して会場や料理を準備する必要があるため、早めに連絡すると遺族側は助かります。
連絡方法は、電話やメールが一般的です。香典や弔電を送る予定がある場合は、その旨もあわせて伝えておくと良いでしょう。遺族の心情に十分配慮しながら、誠意を持って対応することが求められます。
2. 弔問は事前に連絡してから伺う
家族葬に参列できなかった場合、後日弔問に伺うことがあります。その際は、必ず事前に遺族へ連絡を入れ、訪問の可否と適切な日時を確認することが重要です。
遺族は、葬儀後もさまざまな手続きや対応に追われていることが多いため、突然の訪問は避けましょう。連絡の際は、遺族の都合を最優先し、無理のない日程を調整しましょう。
また、訪問時間は短めに設定し、長居は控えるのがマナーです。弔問の際の服装は、黒や紺など落ち着いた色合いを選びましょう。
家族葬の香典にまつわる良くある質問
家族葬の香典について、よくある質問とその回答を以下に紹介します。
- 香典袋はどのように選ぶ?
- お札の入れ方は?
- 香典袋の表書きはどうする?
- 家族葬に参列する判断基準は?
ひとつずつ見ていきましょう。
1. 香典袋はどのように選ぶ?
香典袋の選び方は、故人の宗教や宗派、包む金額によって異なります。具体的には、以下のとおりです。
宗派 | 香典袋 |
---|---|
仏式 | 蓮の花が描かれた袋や黒白の水引が付いたタイプ |
キリスト教 | 十字架が印刷された封筒タイプ |
神式・宗派がわからない場合 | 無地の袋 |
また、香典が高額になるほど本物の水引がついた袋を選ぶのが一般的です。選択に迷った場合は、葬儀社に相談してみると良いでしょう。
2. お札の入れ方は?
香典のお札の入れ方には、いくつかのマナーがあります。
代表的なマナーとして、新札は避け、適度に使用感のあるお札を選ぶことが挙げられます。新札を避ける理由は、不幸を予期してあらかじめ準備していたという印象をもたれないようにするためです。
中袋に入れる際は、中袋を裏にして開けたときに、お札の表(肖像画が描かれている面)が上になるように入れましょう。また、お札の上下は、肖像画が中袋の下側になるように配置するのが望ましいといわれています。
複数枚のお札を入れる場合は、向きを揃えて丁寧に入れることが大切です。また、お札の枚数は奇数が好ましく、4枚や9枚など縁起の悪い数字は避けるのが一般的です。
3. 香典袋の表書きはどうする?
家族葬における香典袋の表書きは、故人の宗教や宗派に合わせましょう。宗派による表書きの書き方の違いは、以下のとおりです。
宗教 | 表書き |
---|---|
仏教 | 「御霊前」「御仏前」 |
キリスト教 | 「御花料」「御ミサ料」 |
神道 | 「御玉串料」「御神前」「御榊料」 |
宗教や宗派が不明な場合 | 「御霊前」「御香典」 |
そして、表面の下段に自分の名前を書きます。夫婦で出す場合は、夫の名前の左隣に苗字を省略して妻の名前を書きましょう。
故人への敬意を表すため、事前に宗教・宗派を確認し、適切な表書きを選択することが大切です。
4. 家族葬に参列する判断基準は?
家族葬への参列は、基本的に遺族からの案内があった場合に限られます。直接参列の依頼があれば、出席するのが原則です。
一方、訃報のみで葬儀の詳細が記載されていない場合や「近親者のみで執り行います」といった文言がある場合は、参列を控えましょう。
人づてに家族葬の情報を聞いた場合も、遺族から直接連絡がない限り参列は避けるのが適切です。判断に迷う場合は、遺族に直接確認するのではなく、ほかの参列予定者に相談すると良いでしょう。
家族葬は遺族の意向を尊重することが重要であり、参列の判断は慎重に行う必要があります。
家族葬に参列しない場合の香典は原則必要ありません
家族葬は、故人や遺族の意向を尊重する葬儀形式です。家族葬に招かれていない場合は、原則として香典を送る必要はありません。
一方、招かれた場合は香典を用意するのがマナーです。代理の人に香典を託したり、現金書留で送ったりするなどして、遺族のもとに香典を届けます。なお、香典を送る場合は、事前に確認しましょう。
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