葬儀の準備

直葬は後悔する?選んだで良かった人の声と理由も併せて紹介

直葬は後悔する?選んだで良かった人の声と理由も併せて紹介

近年は生活スタイルの変化に伴い、一般葬ではなく直葬や家族葬、一日葬といった葬儀形式を選ぶ人が増えてきています。葬儀形式ごとで葬儀の流れが異なり、それぞれにメリット・デメリットがあります。

直葬を検討しているものの「後悔」「トラブル」といったネット上の声を目にして、不安に感じている人もいるのではないでしょうか。一方で「直葬を選んで良かった」という声も少なくありません

この記事では、直葬を執り行った人の声を中心に、葬儀形式を選ぶ上で後悔しないためのポイントについて解説しています。直葬が適している方と、そうでない方についても紹介していますので、参考にしてみてください。

お急ぎ

直葬とは

直葬(ちょくそう)とは、お通夜や告別式などを行わず、火葬のみを行う葬儀形式のことです。亡くなった後に24時間の安置期間を経て出棺し、火葬を執り行います。

火葬の際に僧侶による読経などはなく、身内だけで故人を見送ります。直葬が選ばれる主な理由は以下の通りです。

  • お通夜や告別式がなく費用を抑えやすい
  • 短時間で葬儀が終わるため体力的な負担が少ない
  • 参列者を接待する必要がなく精神的な負担が少ない
  • 身内だけで静かに執り行える

核家族化や高齢化が進むなかで葬儀に対する考え方が変わってきており、一般葬ではなく直葬を選ぶ人も増えてきています。直葬の流れや注意点については、以下の記事で詳しく解説しているので、気になる方はチェックしてみてください。

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直葬を選んで良かったという人の声

冒頭で解説した通り、直葬についてネット上で調べると「後悔」「トラブル」といったネガティブな声がある一方で「直葬で良かった」といった声も少なくありません。

上述した直葬が選ばれる理由に加えて、他の葬儀形式と比べた直葬のメリットを交えながら解説していきます。

費用面が安く経済的な負担が少なかった

直葬を選んで良かったと感じる1つ目の理由は「経済的な負担が少ない」ことです。

直葬は、他の葬儀形式と比べて費用が安く、経済的な負担が少ないと言えます。各葬儀形式の費用相場は以下の通りです。

葬儀形式費用相場
直葬20~50万円
一日葬30~50万円
家族葬60~150万円
一般葬140万円前後

直葬はお通夜や葬儀式がないため「通夜振る舞い」や「返礼品」を準備する必要はありません。お坊さんが読経したり戒名を付けたりすることもないため、他の葬儀形式よりも費用が安くなります。

ただし、棺のランクを上げたり、火葬場での読経をお坊さんにお願いしたりした場合は、相場よりも高くなる可能性があります。直葬の費用は、以下の記事で詳しく解説しているので、気になる方はチェックしてみてください。

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身内だけで静かに故人を送れた

直葬を選んで良かったと感じる2つ目の理由は「身内だけで静かに故人を送れる」ことです。直葬に明確な参列基準はないものの、身内だけで執り行うのが一般的です。

葬儀の準備に追われず、参列者に気を遣うことなく故人を送りだせます。また、最近は影響が限定的になってきているものの、新型コロナウイルスへの感染を考慮して、葬儀をなるべく小規模で抑えたいという人も少なくありません。

短時間で葬儀が終わるので体力的な負担が少なかった

直葬を選んで良かったと感じる3つ目の理由は「短時間で葬儀が終わるため、体力的な負担が少ない」ことです。

直葬はお通夜や葬儀式を執り行わないため、葬儀が2日に分かれていません。葬儀当日の流れと所要時間は以下の通りです。

直葬の流れ詳細と所要時間
納棺の儀を執り行い出棺する「納棺の儀」とは、あの世への旅立ちに向けて、故人の身体を清めて身支度する儀式のことです。手順などは葬儀業者によるものの、30〜60分ほどで終わります。
火葬と骨上げを執り行う一般葬のような「納めの式」はなく、火葬場スタッフからの説明を受けてから火葬を行います。火葬には1〜2時間ほどかかり、その後に骨上げを行います。

具体的なタイムスケジュールは、火葬場の混み具合によって異なりますが、朝9〜10時に出棺した場合、お昼過ぎには骨上げまで終わるのが一般的です。

朝早くから夜遅くまで、葬儀の準備や参列者の対応に追われないため、体力的な負担を最小限に抑えられます。直葬の流れについては、以下の記事で詳しく解説しているので、気になる方はチェックしてみてください。

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参列者への接待などがなく精神的な負担が少なかった

直葬を選んで良かったと答える人のなかには精神的な負担の少なさを理由に挙げる人もいます。ここまで解説した通り、直葬にはお通夜や葬儀式がなく、僧侶も基本的に呼びません。

一般葬と比べて直葬は、以下のような接待や準備を省略できます。

参列者への対応⚫︎受付の準備
⚫︎香典返しの手配
⚫︎焼香の案内
⚫︎通夜振る舞いの手配や参列者の接待
儀式関連の手配⚫︎僧侶の手配
⚫︎お布施の準備
⚫︎お通夜や葬儀式の詳細に関する打ち合わせ
⚫︎参列者への連絡

直葬であれば、葬儀の流れなどについて簡単な打ち合わせを葬儀社と行うだけで、葬儀を執り行えます。葬儀が終わったあとの弔問などの準備は必要であるものの、精神的な負担を最小限に抑えられます。

直葬を選んで後悔している人の声

直葬を選択して後悔してしまっている人の主な理由は、以下の通りです。

  • 納骨を断られてしまった
  • 故人とのお別れの時間を十分に取れなかった
  • 親族から反対された
  • 弔問の対応が大変だった
  • 一般葬がよかったがお金がなかった

上記5つの理由について、直葬のデメリットを交えながら解説していきます。

納骨を断られてしまった

直葬を後悔した1つ目の理由は「納骨を断られてしまった」というものです。直葬は、お通夜や葬儀式といった仏教儀式がないため、納骨を断っている菩提寺もあります。

直葬を済ませて先祖代々のお墓に納骨しようとしたところ、菩提寺に断られてしまうといったケースは珍しくありません。菩提寺がある場合は、必ず直葬を執り行う前に相談しておくようにしましょう。

なお、直葬でも戒名や読経を条件に納骨を許可しているお寺もあります。直葬後の納骨については、以下の記事で詳しく解説しているので、気になる方はチェックしてみてください。

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故人とのお別れの時間を十分に取れなかった

直葬を後悔した2つ目の理由は「故人とのお別れの時間を十分に取れなかった」というものです。直葬では、故人を専用施設へ安置した後、好きなタイミングで面会することは基本的にできません。

再開するのは葬儀当日の朝で、納棺の儀が終わればすぐに出棺となり、火葬が執り行われます。故人との別れをゆっくり過ごしたい場合は、家族葬なども検討してみましょう。

なお、自宅にご遺体を安置することでお別れの時間を確保できますが、搬入経路を確保したり、室温を18℃以下でキープする必要があるため、注意が必要です。

親族から反対された

直葬を後悔した3つ目の理由は「家族や親戚から反対された」というものです。直葬は仏教儀式が省略されて僧侶も基本的に呼びません。そのため、親族のなかには「故人がかわいそう」「故人が成仏できない」と反対する人もいます。

他にも「会社の同僚や友人など多くの人に見送ってほしい」という考えの人もいるでしょう。後々のトラブルを避けるには、喪主1人で葬儀形式を決めないことが大切です。

宗教的な理由で直葬を反対されている場合は、火葬の際にお坊さんを呼ぶなどの選択肢も検討してみましょう。直葬における読経や戒名については、以下の記事で詳しく解説しているので、気になる方はチェックしてみてください。

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弔問の対応が大変だった

直葬を後悔した4つ目の理由は「弔問の対応が大変だった」というものです。

直葬は遺族や親戚だけで執り行うことが多く、会社関係者や友人などは声をかけられない限り参列できません。そのため、葬儀が終わった後、弔問に訪れる人が多くなる可能性があります

葬儀後は、各種サービスの解約や相続手続きなど、やることが多く忙しくなります。直葬の後もそっとしてほしい場合は、訃報連絡や葬儀案内の際に、弔問をお断りする旨を伝えておきましょう。

一般葬がよかったがお金がなかった

一般葬が良かったものの、お金がないことを理由に直葬を選んで後悔する人もいます。「故人との別れをゆっくりできなかった」「みんなで見送りたかった」といった内容です。

故人の逝去後は、なるべく早く葬儀を執り行う必要があるため、ゆっくり葬儀形式について検討できないまま決断を迫られがちです。

葬儀費用を工面できない場合は、故人の生命保険を利用したり葬儀ローンを組んだりして、要望に沿った葬儀を執り行うようにしましょう。「本当にこれでよかったのか」と悩まないためには、葬儀形式などについて事前に話し合っておくことが大切です。

葬儀費用の工面については、以下の記事で詳しく解説しているので、気になる方はチェックしてみてください。

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直葬で後悔しないためには「本人の意思」が大切

直葬を執り行う際に後悔をしないためには「本人の意思」を確認しておくことが大切です。

葬儀に対するイメージは人それぞれですが、最も尊重されるべきなのは故人の意思です。「縁起でもない」と考える方もいるかもしれませんが、終活は残された家族が困らないための大切な準備です。

「葬儀形式・納骨先・費用の目安」などについて決めておくことで、スムーズに葬儀の準備を進められます

また、直葬だけでなく一日葬や家族葬の特徴についても正しく理解しておくことで、葬儀選びでの失敗を防ぎやすくなります。各葬儀形式については、以下の記事で詳しく解説しているので、気になる方はチェックしてみてください。

関連:  一日葬とは?流れや費用、メリット・デメリットの完全ガイド

関連: 家族葬とは?費用・メリット・注意点やマナーも解説

直葬が合う人

葬儀形式を選ぶ際に後悔しないためには、要望に沿った形式を選ぶことが大切です。直葬が向いているのは、以下のような人です。

  • 宗教にこだわりがなく菩提寺もない人
  • 体力的な負担や費用面の負担をなるべく抑えたい人
  • 故人が高齢で身寄りがなく、予想できる参列者が少ない

宗教にこだわりがなければ、仏教儀式の省略に抵抗がない人は直葬が向いているといえるでしょう。故人の意思であれば、周りから反対されることもありません。

喪主や親戚が高齢であり、2日かけて葬儀を行うのが大変ない場合なども、短時間で執り行える直葬がおすすめです。

直葬が合わない人

次に直葬が合わないのは、以下のような人です。

  • 菩提寺があり先祖のお墓へ納骨したい人
  • 故人が生前にお世話になった人達にも見送ってもらいたい人
  • 故人との別れの時間をゆっくり過ごしたい人

仏教儀式を省略している直葬をNGとしている菩提寺も少なくありません。菩提寺があり、事前の相談で直葬に対する理解を得られない場合は、直葬以外の形式をおすすめします。

身内だけでなく知人や会社関係者など、多くの人に見送ってもらいたい場合は一般葬や一日葬がおすすめです。故人との別れをゆっくり過ごしたい人は、家族葬が合っていると言えます。

あくまでも1つの考えであり、葬儀形式の選び方に正解・不正解はありません。故人や遺族の意思を考慮したうえで選んでみましょう。

直葬に関するよくある質問

最後は直葬に関する、3つのよくある質問に答えていきます。

  • 読経や葬儀式がない直葬は葬式ではない?
  • 戒名なしでも成仏できる?
  • 直葬でトラブルになることもある?

葬儀形式を検討するうえで役立つ内容ですので、参考にしてみてください。

読経や葬儀式がない直葬は葬式ではない?

読経や葬儀式のない直葬も、現代社会における1つの葬儀形式です。

日本では、昔から多くの葬儀で仏教形式が用いられてきたため、宗教儀式がなくみんなで見送れない直葬に対して否定的な考えを持つ人もなかにはいます。

しかし、宗教信仰に対する考えは人それぞれで、無宗教の人も少なくありません。また、生活スタイルや社会の変化により、一般葬以外の葬儀形式の需要も高まってきています。

周りの意見を聞くことも大切ですが、まずは故人の意思を尊重してあげましょう。

戒名なしでも成仏できる?

戒名なしで成仏できるかできないかは、人の考えによって異なります。

戒名とは、仏弟子になった証として授けられる名前のことで「迷わずに極楽浄土へ行けるように」といった目的のもと付けられます。「戒名なしでは成仏できない」と不安に感じる方もいるでしょう。

しかし、戒名は仏教に基づいた考えであり、成仏できるかできないかは人の考えによって異なります故人が望んでいないのであれば、無理に戒名を付ける必要はありません。

ただし、菩提寺によっては理解を得られない可能性があるため、事前に相談しましょう。

直葬でトラブルになることもある?

直葬を執り行ったことが原因で親族や菩提寺とトラブルになる可能性はゼロではありません。具体的な内容は以下の通りです。

  • 菩提寺から直葬に対する理解を得られず納骨を断られた
  • 「読経や戒名がないのは故人に失礼」と親族に反対された
  • 「葬儀に参加したかった」と後から知人などに詰め寄られた

仏教儀式を省略した直葬を良く思わない人も中にはいます。故人の見送り方に対する考えも人それぞれであるため、葬儀形式を決める際には、周りの意見も聞いてみましょう。

経験談をもとに要望にそった葬儀形式を考えましょう

直葬はお通夜や葬儀式を省略した葬儀形式で、葬儀費用を抑えられたり体力的・精神的な負担を軽減できたりするメリットがあります。

その一方で、直葬をNGとしている菩提寺もあり、納骨を断られることがあります。「お通夜や葬儀式が省略されて故人が可哀そう」と周りから反対される可能性もゼロではありません。

直葬で後悔しないためには、事前に葬儀形式などについて、故人の意思を聞いておくことが大切です。また、周りの意見も参考にします。今回解説した内容をもとに、一日葬や家族葬も検討してみてください。

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