家族葬を検討しているものの実際どういったスケジュールで進行し、どれくらいの日数がかかるのかよくわからないと感じられる方もいるのではないでしょうか。数日間仕事を休み、葬儀に向けてさまざまな準備をしなければならないため、具体的な流れを把握しておくことは重要です。
この記事では、家族葬にかかる日数や日程の決め方、具体的な葬儀の流れなどをまとめました。お読みいただくと、実際の家族葬をイメージでき、必要な準備が進められるでしょう。葬儀を行う際の参考としていただけると幸いです。
家族葬にかかる日数は通常の葬儀と同じ
家族葬にかかる日数は通常の葬儀と同じで、平均3〜5日です。葬儀の日程には、必ず何日目に葬儀や火葬を行うべきといった決まりはありません。ただし、法律によりご逝去から24時間は火葬ができないため、安置期間を経て翌日に通夜、翌々日に葬儀を行うのが一般的な流れです。
葬儀の日程は、葬儀場や火葬場、僧侶のスケジュールによって決まる傾向があります。必ずしも希望通り最短の日程で葬儀が行えるわけではないことも念頭に置いておきましょう。
そもそも家族葬とは
家族葬とは、家族を中心に故人の身近な人のみのプライベートな空間で行う葬儀形式です。子どもや孫などの数人で行うもの、数十人で行うものなど規模はさまざまです。僧侶が読経を行う一般的な仏式のものもあれば、無宗教で行うものもあります。
家族葬については以下の記事でも詳しく紹介しているので、ぜひチェックしてみてください。
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家族葬の流れ
家族葬の日程を決めるにあたって、まずは家族葬の流れを確認しましょう。家族葬の流れは一般的な葬儀と変わらないことがほとんどですが、無宗教で行う場合や通夜を行わない場合などは、一般的な流れと異なります。
ご臨終から四十九日法要まで、葬儀の流れについては以下の記事でも詳しくご紹介しています。
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逝去
ご逝去の後、医師の死亡判定が行われたら死亡診断書を受け取ります。病院でご逝去された場合は霊安室から安置場所への搬送が必要となるため、葬儀社へ連絡します。自宅でのご逝去の場合は、そのまま安置となることがほとんどです。
ご逝去の前後の流れや訃報の方法などについて、詳しくは以下の記事でご紹介しています。
ご遺体の安置
病院でのご逝去の場合は、安置場所へご遺体を搬送します。ご遺体安置の場所は、大きく分けて以下の3つがあります。
- 自宅
- 斎場・葬儀社の安置室
- 民間の安置施設
家族葬を自宅で行うのであれば、安置場所は自宅となるでしょう。ご遺体の状態を保つためにドライアイスなどの準備が必要ですが、葬儀社に任せれば必要な処置はすべて行ってくれます。安置期間が長くなる場合、エンバーミングと呼ばれる防腐処置を行う方法もあります。自宅以外の安置場所を利用する場合は利用料が必要です。
安置場所の決め方や安置の方法・儀式など、ご遺体安置について、詳しくは以下の記事でも解説しているのでご覧ください。
葬儀社との打ち合わせ
ご遺体を安置したら、葬儀社と葬儀の打ち合わせをします。通夜、葬儀・告別式の場所、日時、内容、予算などを決定します。
近年多くの葬儀社で家族葬のプランが用意されています。プランに含まれるものは葬儀社によって異なるため、ここでしっかり確認しておきましょう。宗教などの形式や祭壇・進行などに対する希望があれば、打ち合わせで伝えます。
その他、葬儀の打ち合わせでの確認事項については、以下の記事で詳しく解説しているので、あわせてご覧ください。
納棺
安置期間を経て、故人を棺に納める納棺を執り行います。納棺のタイミングに決まりはありませんが、通夜の前に行われることが一般的です。ご遺体を整え、副葬品などを納めます。近年、死装束として故人の気に入っていた服装を選ぶこともあります。
納棺の詳しい流れや必要なものなどについては以下の記事で解説しているのでご確認ください。
通夜
通夜は、早ければご逝去の翌日、亡くなった時間帯や火葬場の空き状況などによっては翌々日に行われます。一般的な葬儀と同じ仏式で行う場合、読経や焼香があります。参列者・弔問客の少ない家族葬では、焼香は短時間となるでしょう。また家族葬のなかには、通夜を省いて1日葬とするケースもあります。
通夜の後は通常、通夜ぶるまいが用意されますが、家族葬では省略されることもあります。通夜ぶるまいを用意しない場合、参列者の食事をどうするか前もって考えておきましょう。
通夜の意味や儀式の流れ、マナーまで、通夜については以下の記事で詳しく解説しています。気になる方はご確認ください。
葬儀・告別式
通夜の翌日に、葬儀・告別式を行います。会葬や弔電などを断っている場合、会葬者の焼香・弔電紹介などがないため、一般葬より時間は短くなる傾向があります。その分、思い思いの方法で故人を偲ぶこともできるでしょう。
葬儀・告別式の詳しい流れやマナーなどについて、以下の記事で解説しているのでご覧ください。
出棺
葬儀・告別式の最後に、出棺前の儀式として花や副葬品を入れることもあります。故人との最後のお別れをし、棺の蓋を閉めたら出棺です。以前は棺の蓋に釘を打つ「釘打ち」が行われていましたが、近年では遺族の考え方によって行わないこともあります。
家族葬での喪主の挨拶は、参列者の顔ぶれによって考えましょう。一般葬では参列・会葬へのお礼としても挨拶が必要ですが、同居の家族のみで行う場合などは、喪主の挨拶はなくても問題ありません。挨拶の要不要は状況に応じて判断しましょう。
火葬
告別式後は火葬場へ移動し、火葬を執り行います。火葬にかかる時間は火葬場によって異なりますが、1~2時間程度が目安です。火葬の後は、お骨を骨壷に納める「お骨上げ」を行います。
初七日法要を行う場合は、葬儀場に戻ります。火葬の前に初七日法要を行う場合もあるので、僧侶・葬儀社との打ち合わせで確認しておきましょう。
初七日法要が終わると、精進落としの御膳を参列者といただき、葬儀は終了となります。火葬の手続きや費用、注意点などについて、以下の記事で詳しく解説しているのでご確認ください。
家族葬の日程はどのように決める?
規模の小さな家族葬であっても、葬儀の日程を喪家の都合だけで決めることはできません。日程を決める際は、以下の3つの確認が必要です。
- 葬儀場・火葬場の空き状況
- 菩提寺・僧侶の都合
- 家族・親族の都合
一つずつ見ていきましょう。
葬儀場・火葬場の空き状況
家族葬の日程を決めるには、まず葬儀場・火葬場の空き状況を確認しなければなりません。火葬場は一般的に年始が休みです。また自治体によっては、友引を火葬場の休みとしているケースもあります。
また、一般的に1月は繁忙期で例年火葬の件数が多い傾向があります。年末年始・友引・繁忙期には、葬儀の日程が遅れがちになることを覚えておきましょう。
菩提寺・僧侶の都合
家族葬を仏式で行なう場合、葬儀日程を決める際は菩提寺・僧侶のスケジュール確認も必要です。菩提寺・僧侶の都合がつかない時は、同宗派の僧侶を紹介していただいたり葬儀の日程をずらしたりします。
火葬場と同様、繁忙期は僧侶のスケジュールも詰まりがちです。菩提寺への連絡はご逝去後、速やかに行いましょう。
家族・親族の都合
家族葬の日程を決めるには、喪主や家族の都合ももちろん重要です。遠方に住む家族の都合に合わせるために葬儀をずらすケースもあります。安置期間が長くなる場合はご遺体の状態を保つため、エンバーミングも検討すると良いでしょう。
家族葬の事前準備は何をするべき?
一般葬よりコンパクトではあるものの、家族葬も事前にしておくべき準備があります。葬儀をスムーズに行うため、確認しておきましょう。
家族・親族・友人などに危篤の連絡を行う
危篤の状態になったら、駆けつけてほしい人、故人が会いたい人に連絡をしておきましょう。危篤の連絡をする人が、家族葬の参列者となります。家族葬に参列しない方々への連絡は、葬儀日程が決まってからでも良いでしょう。
参列者のリストアップ
家族葬をする場合、事前に参列者のリストアップをしておくとスムーズです。家族葬の参列者の範囲は多くの方がもっとも悩む部分でしょう。親族から不満が出ないよう、配慮が必要です。仕事関係・友人などを呼ぶ場合も同様です。葬儀を家族葬とすることで、後日の弔問が増えて手間がかかることもあります。
家族葬の日程や場所が決まったら参列者に連絡します。関係性や準備の状況に応じて、連絡のタイミングは以下のどちらかを選ぶと良いでしょう。
- 葬儀の前に家族葬のため参列・会葬は遠慮することを連絡する
- 葬儀の後に家族葬を行った旨を連絡する
家族葬の理解を得る
家族葬を行うなら、家族や親戚などの理解を得ておくのがスムーズです。
家族葬は参列範囲や弔問客などの面で、古くから行われてきた一般的な葬儀とは異なります。そのため、親族や菩提寺が家族葬を受け入れられない場合があるかもしれません。事前に親族・菩提寺などに予定している家族葬の具体的な内容を伝えて、理解を得ておきましょう。
葬儀社の決定
葬儀社は、生前のうちに早めに決めておくのがおすすめです。葬儀のスタイルに関わらず、ご逝去後すぐは各所への連絡や手続きなどで慌ただしくなります。とくに病院で臨終の場合、速やかな搬送が必要となることもあります。
時間のないなか、葬儀社に連絡したり見積もりをとったりする作業は、遺族にとって大きな負担となります。葬儀社は事前に決めておくと、困ったり迷ったりしたときにも相談に乗ってもらえて心強いでしょう。
忌引き休暇の確認
葬儀の準備に際して、喪主・遺族の忌引き休暇が具体的に何日間あるのか確認しておきましょう。忌引き休暇の長さは、会社や学校によって、また故人との関係性によっても変わります。以下は一般的な忌引き休暇の日数の目安です。勤め先や学校に問い合わせてみると良いでしょう。
関係性 | 忌引き休暇の日数 |
---|---|
配偶者 | 10日 |
実父母 | 7日 |
子 | 5日 |
配偶者の父母・兄弟姉妹・祖父母 | 3日 |
孫・配偶者の兄弟姉妹・祖父母・叔父・叔母 | 1日 |
家族葬の場合の職場への連絡方法などについては以下の記事で詳しく解説しているので、参考にしてみてください。
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【コピペOK】家族葬をする際の職場への連絡例|参列や香典の断り方もあり
現金の用意
家族葬の前に現金の用意もしておきましょう。葬儀社への支払いをはじめ、ご逝去以降は何かとお金が必要となります。
死亡連絡が銀行へ届くと、故人の口座は凍結され出金できなくなります。口座情報や印鑑などは早めに整理しておきましょう。
家族葬の日程に関してよくある質問
最後に家族葬の日程に関するよくある質問を紹介します。
家族葬の日程を短くしたいです。通夜を省いても良いでしょうか。
家族葬で通夜を省くケースもあります。一般的に、通夜は親族や近しい人が集まるもの、告別式は広く一般会葬者が集まるものといった考え方があります。
ただし、菩提寺によって通夜に対する考え方はさまざまです。通夜を省くかどうかは、周囲にも相談しながら決めると良いでしょう。
家族葬をするのに良くない日はありますか?
家族葬をするのに良くない日は、一般葬と同じで友引です。友引は友を引くと書くことから、葬儀をするのに縁起の悪い日とされています。
友引は大安や仏滅といった六曜の一つです。実際は六曜と仏教は関係ありませんが、古くから物事の日取りを決める際、風習として六曜は参考とされてきました。地域によっては友引を火葬場の休みとしている場合もあるので、避けるほうが無難でしょう。
家族葬の日程は希望通りにいかないことも。事前準備で納得のいくお別れを
家族葬にかかる日数は通常3日~5日です。早ければご逝去の翌日が通夜、翌々日が葬儀となります。ただし、年末年始や葬儀場・火葬場の混雑状況、僧侶の都合などによっては日程を調整しなければなりません。
家族葬をスムーズに進めるためには、参列者・葬儀社・菩提寺への連絡を速やかに行うと良いでしょう。
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