家族葬を執り行うにあたって「2人だけで行うことは可能なの?」「費用はどのくらいかかる?」といった疑問や不安を感じてはいませんか?
本記事では、2人だけで行う家族葬の流れや注意点・費用の目安を詳しく解説します。さらに、一日葬や直葬などのほかの選択肢についても紹介するので、ぜひ参考にしてみてください。
この記事を要約すると
- 家族葬は、2人だけでも行えます。20人程で行われることが多いですが、参列範囲に厳格なルールはないため、2人で行われることもあります。また、2人で家族葬を検討される方には、「直葬」「一日葬」の葬儀形式もおすすめです。
- 家族葬は、2人で行う場合でも、一般的な20人で行う場合でも、葬儀の流れ自体は変わりません。変わるのは費用のみで、香典返しや飲食接待費が抑えられるため、一般的な家族葬の相場の70万円よりは安くなるでしょう。
- 2人で家族葬を行う際の注意点は、弔問の対応に追われる可能性があることです。訃報を聞いた親戚や友人が訪れるかもしれないため、事前に2人で見送ることを伝えておくか、葬儀社に弔問対応を代行してもらうなど対策しましょう。
家族葬は2人だけで行える
ここでは、家族葬の概要と参列者の平均人数について説明します。
- 家族葬とは
- 家族葬における参列者の平均人数
1. 家族葬とは
家族葬は、近親者のみで執り行う小規模な葬儀形式です。一般的な葬儀と比べて、参列者が限定され、規模が小さいのが特徴です。費用面でも一般葬より抑えられることが多く、経済的な負担が軽減されます。
また、一般葬と比較して葬儀に招く人を少数に絞れるため、準備する遺族の負担が軽くなることも家族葬が選ばれている理由と言えます。
さらに、家族葬は状況によっては2人だけで執り行うケースもあります。たとえば、配偶者と子供の2人だけで行う場合などが該当します。このような極小規模の家族葬は、より親密で個人的な追悼の場となり、故人との最後の時間を静かに過ごすケースが想定できるでしょう。
家族葬についての詳細は、以下の記事を参考にしてみてください。
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2. 家族葬における参列者の平均人数
家族葬の参列者数は、一般的に11~20人程度とされていますが、5人以下で家族葬を行うケースもあります。
家族葬の参列者は、主に配偶者や子供・孫・兄弟姉妹などの近親者が中心です。参列者の範囲は、遺族の判断で決定できるため、小さめの規模でひっそりと葬儀を執り行える点が家族葬のメリットです。
家族葬を2人だけで行う流れ
2人だけで家族葬を行う場合の流れを、以下の5つのステップで説明します。
- ご逝去・遺体安置・納棺
- 通夜
- 葬儀・告別式
- 出棺・火葬
- 初七日法要・精進落とし
家族葬の場合は、参列者の数が2人の場合でも数十人で執り行う葬儀と基本的な流れは変わりません。ただし、2人だけで執り行う家族葬は規模が小さくなるので、参列者が多い葬儀と比較すると費用は安く抑えられるでしょう。
家族葬の流れについて、1ステップずつ見ていきましょう。
1. ご逝去・遺体安置・納棺
故人がご逝去したら、速やかに医師による死亡診断書を発行してもらいます。ご遺体は、葬儀場の施設で安置するケースが一般的です。多くの場合、安置を依頼した葬儀社に葬儀の手配を依頼します。
納棺の際は、故人の好みの衣装や思い出の品を一緒に入れることもあります。葬儀社のサポートを受けながら、故人との最後の時間を大切に過ごしましょう。
ご遺体の安置について詳細に知りたい方は、以下の記事をぜひ参考にしてみてください。
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2. 通夜
2人だけの家族葬では、通常の通夜は省略してもかまいません。通夜を行わない場合は、一日葬に分類されます。
一般葬では、多くの参列者の対応に忙しくなりがちですが、2人だけの葬儀なら故人の思い出話をしたり、生前の写真を見返したりして故人を偲ぶ時間を十分取れます。
参列者が2人だけの場合は、喪主の挨拶は省略しても良いでしょう。また、通夜振る舞いは行わず、2人で簡単な食事を取るだけでも問題ありません。
3. 葬儀・告別式
2人だけの家族葬では、葬儀・告別式も簡素化する流れになるでしょう。小さな祭壇を設け、遺影と遺骨を安置します。
葬儀や告別式は、火葬の時間を考慮し午前10時頃に行われるのが一般的です。読経のあとの焼香が終わると、棺に花を入れて最後のお見送りをします。
葬儀や告別式については、以下の記事を参考にしてみてください。
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4. 出棺・火葬
出棺の際は、2人で棺を見送ります。火葬場では、炉前で最後の別れを告げます。火葬の間は、施設の待合室で過ごしましょう。
火葬が終わったら2人で遺骨を骨壷に納めます。火葬場のスタッフのサポートを受けながら、丁寧に作業を進めましょう。
5. 初七日法要・精進落とし
初七日法要は、故人が亡くなってから最初の7日目に行われる法要を指します。最近では、告別式と同日に実施するケースが増えてきています。
精進落としは、初七日法要や火葬のあとの食事のことです。食事をしながら故人との思い出を語り合いましょう。大規模な会食は行わず、2人で静かに故人を偲ぶ時間を過ごします。
精進落としの機会に、今後の生活や故人の遺品の整理などについて話し合いましょう。
初七日法要については、以下の記事で詳しく解説しているので、ぜひご覧ください。
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家族葬を2人だけで行う際に気を付けるべきポイント
2人だけで家族葬を行う際に、注意すべきポイントを3つ紹介します。
- 弔問対応に追われるおそれがある
- 事前に親族から理解を得る
- 不要な内容が葬儀プランに含まれていないか確認する
それぞれ詳しく見ていきましょう。
1. 弔問対応に追われるおそれがある
2人だけで葬儀を行う場合でも、親族や知人が個別に弔問に訪れる可能性があります。事前に故人の交友関係を把握し、誰が弔問に訪れるのかをあらかじめ想定しておくと良いでしょう。
弔問者への対応方法を決めておき、必要に応じて時間や場所を指定することも検討します。電話やメールでの弔問にも備え、簡潔な応答の仕方を考えておくと、突然の連絡でも焦らずに済むでしょう。
弔問対応が負担になる場合は、葬儀社に代行を依頼することも一つの選択肢です。
2. 事前に親族から理解を得る
2人だけで葬儀を行う決断について、事前に近親者や親族に説明し、理解を求めましょう。故人の遺志や現在の状況を丁寧に説明し、小規模な葬儀を選択した理由を明確に伝えます。
親族間の軋轢を避けるため、葬儀の形式や規模について話し合いの場を設けることも検討しましょう。誠意ある説明を心がけることで、2人だけの葬儀への理解と協力を得やすくなります。
3. 不要な内容が葬儀プランに含まれていないか確認する
2人だけの家族葬に適した、必要最小限のプランを選択することも大切です。葬儀社から提案されたプランを詳細に確認し、不要なサービスが含まれていないか入念に確認しましょう。
通夜や告別式用の大きな会場・余分な供花などが含まれていないか注意します。霊柩車や参列者用の送迎車両など、2人だけの家族葬では不要なサービスを省くよう依頼することが大切です。
葬儀社と直接対話し、2人だけの葬儀に最適化されたプランをカスタマイズしてもらいましょう。見積書を細かくチェックし、不明な点があれば必ず質問し、理解したうえで契約します。
コストだけでなく、故人の意思を尊重し、2人で心からお別れできる内容になっているかも押さえるべきポイントです。
2人だけで家族葬を執り行う場合の葬儀費用
2人だけで家族葬を行う場合の費用について、目安と内訳を説明します。
1. 葬儀費用の目安
公正取引委員会の葬儀の取引に関する実態調査報告書をもとに算出したところ、家族葬の平均的な費用は、平均で約72万円です。(参考:公正取引委員会|葬儀の取引に関する実態調査報告書)
ただし、2人だけで行う場合は費用が72万円より安くなる可能性があります。
参列者が2人だけの場合、香典に対する返礼品やお食事などの費用がかからないためです。また、ごく少人しか参列しない葬儀なら、小さめの祭壇で問題ないでしょう。祭壇のスケールを抑えれば、その分費用も安くなります。
実際の葬儀費用は、地域や葬儀社によって価格に差があるため、複数の葬儀社から見積もりを取ることが重要です。都市部と地方では価格に差があり、都市部の方が若干高めになる傾向があります。
予備費として総額の10~20%程度を見込んでおくと、突発的な出費にも対応しやすいでしょう。
家族葬にかかる費用については、以下の記事を参考にしてみてください。
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2. 葬儀費用の内訳
家族葬における葬儀費用の内訳の例は、以下のとおりです。
項目 | 費用 |
---|---|
葬儀一式費用(通夜・葬儀・告別式) | 40〜60万円 |
火葬料 | 0〜10万円(地域による) |
棺 | 5〜15万円 |
霊柩車 | 3〜5万円 |
ドライアイス代 | 1〜2万円 |
納骨具 | 3〜10万円 |
通夜振る舞い | 2,000~3,000円/人 ※2人の場合不要 |
精進落とし | 3,000~5,000円/人 ※2人の場合不要 |
返礼品 | 3,000~5,000円/人 |
読経料 | 3〜5万円/回 |
戒名料 | 20〜100万円 |
費用を抑えるポイントとしては、簡素な祭壇を選ぶことや不要なオプションを省くことなどが挙げられます。ただし、故人の遺志を尊重し、心からお別れできる内容の葬儀にすることは忘れないようにしましょう。
また、家族葬でのお布施相場については、以下の記事で詳細に解説しています。
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2人だけでひそやかに葬儀を行うなら家族葬以外の選択肢もある
2人だけで葬儀を行う場合、家族葬以外にも選択肢があります。ここでは、一日葬と直葬について説明します。
1. 一日葬
一日葬は、通夜を省略し、告別式から火葬まで1日で行う葬儀形式です。家族葬よりもさらに簡素化された形式で、手間と費用を抑えられるため、精神的・経済的負担を軽減できます。
一日葬の費用は、平均で約30~50万円で、一般的に午前中に告別式を行い、午後に火葬を行う流れが多いです。
故人との最後の別れの時間は確保しつつ、負担を軽減したい場合に適しています。一日葬は、仕事の都合などで、長時間の葬儀参列が難しい人々にも配慮した形式で、地方からの参列者にとっても、1日で全ての儀式を終えられるメリットがあります。
ただし、準備や進行が慌ただしくなる可能性があるため、事前の計画が重要です。一日葬についてより詳しく知りたい方は、以下の記事も参考にしてみてください。
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2. 直葬
直葬は、通夜も告別式も行わず、火葬のみを行う最もシンプルな葬儀形式です。故人の死後、できるだけ早く火葬を行い、その後に収骨を行います。
参列者は、近親者のみとなることが多く、2人で行うことも珍しくありません。葬儀にかかる費用を最小限に抑えられ、平均費用は約20~50万円です。
直葬は、高齢化社会や核家族化が進むなかで、近年選択する人が増えている形式です。宗教的な儀式を必要としない人や、葬儀の形式にこだわらない人に適しています。
葬儀社によっては、小規模な祭壇設置や簡単な式次第を含むプランも用意されていることもあるので、直葬を検討する際は確認してみると良いでしょう。
直葬についてより詳しく知りたい方は、以下の記事も参考にしてみてください。
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直葬とは?トラブルにならないよう費用・流れ・注意点を解説
2人で家族葬を執り行う場合は葬儀会社と相談しましょう
2人だけで家族葬を行うことは、故人との静かな最後の時間を過ごせる意義深い選択です。しかし、スムーズに葬儀を手配・進行できるかについて不安を感じてしまうのは無理もありません。
そんなときこそ、経験豊富な葬儀会社に相談してみましょう。葬儀会社は、小規模な葬儀のノウハウを持っており、あなたの希望に沿った形で故人を送る手助けをしてくれます。
費用面での相談や、親族への対応方法など、さまざまな不安も解消できるはずです。信頼できる葬儀会社に相談し、心からのお別れの時間を作り上げましょう。
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