「お寺での葬儀費用は、どれくらいかかるんだろう？」「お布施の相場は、いくらが適切なの？」。
お寺での家族葬を検討されている方のなかには、このような不安や疑問を抱えている方も多いのではないでしょうか。実はお寺での家族葬は、費用を抑えられるだけでなく、さまざまなメリットがあります。
本記事では、お寺で家族葬を執り行う際の費用の相場や内訳・気を付けるべきポイントについて詳しく解説します。お寺での家族葬を検討されている方は、ぜひ参考にしてみてください！
この記事を要約すると
- お寺での家族葬は、使用料金10～20万円・お布施17～31万円・火葬料金無料～5万円が一般的な相場で、檀家の場合はさらに費用を抑えられる可能性がある。
- 既存の祭壇を利用できることや僧侶の移動費用が不要なことから、一般的な葬儀会館と比べて費用を大幅に抑えられるのが特徴。
- ただし、高齢者への配慮や駐車場の収容台数など事前に確認すべき点も多いため、早めに菩提寺や葬儀社に相談することをおすすめする。
お寺で家族葬をあげるケースはある
お寺での葬儀は「寺院葬」と呼ばれます。檀家であれば本堂での葬儀が可能で、菩提寺との良好な関係を築いている場合は、スムーズに話を進められるでしょう。
ただし、すべての寺院が葬儀を受け入れるわけではなく、寺院独自の規則や制限が設けられている場合もあるため、事前の確認が必要です。
故人が生前から寺院と関わりが深かった場合や宗教的な価値観を大切にする家庭では、お寺での家族葬が故人の意思を尊重する選択となるでしょう。なお、寺院葬について詳しく知りたい人は、以下の記事を参考にしてみてください。
お寺で家族葬をあげるとかかる費用
お寺で家族葬をあげる場合、どのような費用がかかるのでしょうか？ここでは、葬儀にかかる費用について主な項目を5つ紹介します。
- 使用料金
- 祭壇費用
- 参列者へのおもてなし
- お布施
- 火葬代
それぞれ詳しく見ていきましょう。なお、一般的な家族葬の費用については、以下の記事を参考にしてみてください。
なお、弊社「1日葬・家族葬のこれから」ではお寺での葬儀も承っております。葬儀に必要なものが含まれ、相場より価格を抑えたセットプラン料金で家族葬を行えます。
※火葬料金は別途必要になります。
1. 使用料金
お寺での家族葬における施設使用料は、10～20万円が一般的な相場です。ただし、檀家や菩提寺との関係性によって、この費用は大きく変動します。
長年の付き合いがある檀家の場合は、通常より低額になることが多く、場合によっては無料となるケースもあります。
お寺での葬儀は、本堂の既存の祭壇を利用できることが多く、別途祭壇費用（20〜100万円程度）がかかりません。そのため、総合的に費用を抑えられます。
ただし、お寺によっては祭壇の持ち込みが必要な場合もあり、その際は別途設置費用が発生することに留意しましょう。
2. 祭壇費用
お寺での家族葬における祭壇費用は、形式や規模によって大きく異なります。新たに祭壇を設置する場合の費用相場は、以下のとおりです。
| 祭壇の種類 | 費用相場 |
|---|---|
| 白木祭壇 | 30〜100万円 |
| 生花祭壇 | 20〜50万円 |
| 折衷祭壇 | 50〜70万 |
生花祭壇は、故人の好みの花を取り入れられる利点がありますが、白木祭壇と比べて費用が高くなる傾向があります。
祭壇の価格は、以下の要因によって変動します。
- 祭壇の種類（白木・生花・折衷）
- サイズと装飾の豪華さ
- 使用する花の種類と量
- 設置・撤去にかかる人件費
なお、檀家の場合は、菩提寺の本堂を優先的に利用させてもらえる可能性があります。菩提寺の本堂を利用できるときは祭壇の設置が不要となり、生花などの装飾のみで済むため、大幅に費用を削減できるでしょう。
3. 参列者へのおもてなし
参列者へのおもてなしは、通夜振る舞い・精進落とし・返礼品の3つが挙げられます。
通夜振る舞いは、1人あたり2,000円前後が相場で、寿司桶やオードブルなどの大皿料理が一般的です。
精進落としは、火葬後の会食で1膳ずつの懐石料理やお弁当形式で提供されることが多く、1人あたり3,000～5,000円程度を見込んでおきましょう。
返礼品については、会葬御礼と香典返しの2種類があります。会葬御礼は、参列者全員に渡す品で、1人あたり3,000〜5,000円程度が相場です。コーヒーやお茶・お菓子・タオルなどの日用品が一般的といえます。
一方、香典返しは香典を頂いた方へのお返しで、香典の3～5割程度が相場です。1万円の香典を受け取った場合、3,000～5,000円が目安です。
なお、近年では感染症対策の観点から、会食を省略してグルメギフトで代替したり、返礼品を当日に渡す即日返しを選択するケースも増えています。
4. お布施
家族葬におけるお布施は、地域によって金額に大きな差があり、各地域のお布施の相場は以下のとおりです。
| 地域 | お布施の相場 |
|---|---|
| 北海道 | 31万円前後 |
| 東北 | 31万円前後 |
| 関東 | 29万円前後 |
| 東海 | 25万円前後 |
| 関西 | 21万円前後 |
| 四国 | 20万円前後 |
| 中国 | 20万円前後 |
| 九州 | 17万円前後 |
お布施には、主に以下の項目があります。
| お布施の内訳 | 費用相場 |
|---|---|
| 読経料 | 1回あたり3〜5万円。 一般葬や家族葬はお通夜・葬儀式・火葬で読経を行うため、9〜15万円が相場 |
| 戒名料 | 「信士・信女」で50～100万円「居士・大姉」で50～80万円程度「院居士・院大姉」で50万円以上 |
| 御膳料 | 5,000～1万円 |
一般的にはお車代を準備しますが、寺院葬の場合は僧侶が移動する必要がないため用意は不要です。なお、菩提寺との関係性や地域の慣習によって金額は変動することがあります。
家族葬のお布施について詳しく知りたい方は、以下の記事もぜひご覧ください。
5. 火葬代
火葬料金は地域によって大きな差があります。公営の火葬場では、市内在住者の場合は無料〜5万円程度、市外在住者の場合は5～10万円程度が一般的です。
一方、民営火葬場の料金は3～5万円と幅広く、地域差も大きいのが特徴です。とくに、東京23区内では2024年6月からの値上げにより、火葬料が千葉市の約15倍になるなど、地域差が拡大しています。
火葬については、以下の記事で詳しく解説しているのでぜひ参考にしてみてください。
お寺で家族葬をあげることで抑えやすい費用項目
お寺で家族葬をあげても、お布施や火葬代などの費用は一般的な葬儀と大きく変わりませんが、使用料金や祭壇費用などは、大きく削減できる可能性があります。
ここでは、寺院葬にすることで抑えやすい費用項目を3つ紹介します。
- 場所代
- 移動代
- 祭壇費用
なお、弊社「1日葬・家族葬のこれから」では、事前にお問い合わせいただいたお客様には、特別価格でご案内しておりますので、まずはお気軽にお問い合わせください。
1. 場所代
お寺での家族葬は、一般的な葬儀会館と比較して会場費を大幅に抑えられます。とくに檀家が葬儀をあげる場合、低めの費用で利用できるでしょう。
一般的な施設使用料の相場は10～20万円程度ですが、長年の付き合いがある檀家の場合はさらに低額になることがほとんどです。また、本堂を利用する場合は既存の設備を活用できるため、追加の設備費用も抑えられます。
ただし、檀家以外の場合は一般の葬祭ホールと同程度の費用が必要になることもあるため、事前に確認が必要です。
2. 移動代
お寺での家族葬では、移動に関する費用を複数の面で抑えられます。まず、僧侶に渡すお車代が不要です。
通常、葬儀会場に僧侶を招く場合は5,000～1万円程度の御車代が必要ですが、お寺で行う場合は僧侶の移動が発生しません。
また、遺体の搬送費用も安くなる可能性があります。とくに菩提寺がご自宅から近い場合、搬送距離が短くなるため、運搬費用を抑えられるでしょう。
一般的な遺体搬送費用は10kmまでで1.2～2万円程度です。それ以降は10kmごとに3,000～5,000円が加算されるため、距離が短いほど費用を抑えられます。
3. 祭壇費用
お寺での家族葬では、祭壇費用を大幅に抑えられます。お寺の本堂には既存の祭壇が設置されているため、新たに祭壇を設置する必要がありません。
本堂の祭壇をそのまま使用する場合、設置費用は不要となり、供花や生花などの装飾費用のみで済みます。祭壇費用がまったくかからないとなると、大幅な節約となるでしょう。
お寺で家族葬をあげるときに気を付けるべきこと
最後に、お寺で家族葬をあげる際に気を付けるべきことを3つ紹介します。
- お礼の表書き
- 高齢者への配慮
- 駐車場の収容台数
それぞれ詳しく見ていきましょう。
1. お礼の表書き
お寺での家族葬におけるお礼の表書きは、宗派や地域によって異なる作法があります。
一般的な仏式の場合、僧侶へのお礼は白無地の封筒に「お布施」と書きます。香典袋には四十九日までは「御霊前」と書き、四十九日以降は「御仏前」と書きましょう。
ただし、浄土真宗の場合は四十九日前でも「御仏前」を使用します。
会葬御礼の表書きは「会葬御礼」、香典返しの場合は「志」が一般的で、地域によっては「満中陰志」も使用されます。
表書きは宗派によって適切な書き方が異なるため、事前に菩提寺に確認するのが無難です。表書きの書き方については、以下の記事も参考にしてみてください。
2. 高齢者への配慮
お寺での家族葬では、高齢者の参列者への配慮がとくに重要です。
まず、本堂までのお年寄りを誘導する際に注意しなくてはいけません。多くのお寺では階段や段差が多く、手すりが設置されていない場合もあります。
また、本堂内の座席配置も重要で、正座が困難な方のために椅子を準備したり、出入りしやすい通路側の席を確保したりする必要があるでしょう。
ただし、寺院によっては板間や畳敷きのみの場合もあるため、事前に確認が必要です。
3. 駐車場の収容台数
駐車場の収容台数は、お寺によって大きく異なります。5台程度の小規模な駐車場しかない寺院もあれば、郊外の寺院では30～80台程度の大規模な駐車場を完備しているお寺もあります。
参列者の多くが車で来場するときは、事前に必要な駐車スペースを用意しましょう。とくに、高齢の参列者が参列するなら、寺院の入り口に近い駐車スペースを確保しておくと親切です。
お寺の駐車場が限られている場合は、以下の対策を検討しましょう。
- 参列者に公共交通機関の利用を依頼する
- 近隣の有料駐車場を事前に確保する
- 乗り合わせを推奨する
事前に駐車場の場所や収容台数をお寺に確認し、必要に応じて参列者に案内しておけば、当日駐車できなくて困ることがなくなります。
家族葬をお寺であげて心を込めて故人を見送りましょう
お寺での家族葬は、故人との深い絆を感じられる場所で最後のお別れができる選択肢です。
寺院葬は、既存の祭壇を利用できるなど、費用面でも現実的な選択肢です。宗教観を大切にしながらも、参列者への配慮を忘れずに準備することで、温かく故人を見送れます。
弊社では、お寺での家族葬も承っております。価格を抑えたプランパックでの葬儀を行えます。依頼・相談は24時間365日受け付けているので、興味をお持ちの方はぜひお気軽にご相談ください。
※火葬料金は別途必要になります。
