葬儀の基礎知識

寺院葬とは?基本的な流れやメリット・デメリット・費用について解説

寺院葬とは?基本的な流れやメリット・デメリット・費用について解説

「寺院での葬儀を検討しているけれど、具体的な流れや費用がわからない」「寺院葬のメリット・デメリットを知りたい」。

このような悩みをお持ちの方は多いのではないでしょうか。寺院葬は伝統的な形式でありながら、近年では家族葬としても選ばれる葬儀形式のひとつです。本記事では、寺院葬の基本的な流れから、メリット・デメリット具体的な費用相場まで詳しく解説します。お寺での葬儀を検討されている方は、ぜひ参考にしてみてください。

この記事を要約すると

  • 寺院葬は、仏教寺院の本堂や檀信徒会館で執り行われる葬儀形式で、檀家であれば施設使用料が優遇されるなど費用面でのメリットがあり、少人数での家族葬にも適している。
  • 荘厳な雰囲気のなかで伝統的な形式に基づいて葬儀を執り行えるメリットがある一方で、檀家限定だったり葬儀内容に制限があったりするなど、いくつかの制約も存在する。
  • 一般的な葬儀費用の相場は約140万円で、主な費用は寺院使用料(10~20万円)・お布施(10~50万円)・祭壇費用(20~100万円)の3つに大別され、寺院本堂の祭壇を利用できる場合は費用を抑えられる。
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寺院葬とは

寺院葬は、仏教寺院の本堂や檀信徒会館で執り行われる葬儀形式で、主に2つのパターンがあります。ひとつは葬儀社が主体となって寺院の施設を利用するパターンです。もうひとつは、寺院自体が主体となって執り行うパターンがあります。

基本的には、本堂での葬儀は檀家限定になるケースがほとんどです。本堂での葬儀には寺院ごとの細かい規則があり、檀家としての貢献度によって祭壇の配置場所などが変わることもあります。

寺院葬の特徴として、厳粛な雰囲気のなかで故人を送り出せることが挙げられます。宗派に基づいた伝統的な儀式を重視した葬儀といえるでしょう。

寺院葬の流れ

寺院葬において、一連の流れを正しく理解することは非常に重要です。ここでは5つの重要なステップについて、順を追って説明します。

  1. 遺体の安置
  2. 納棺
  3. 通夜
  4. 葬儀・告別式
  5. 火葬

1. 遺体の安置

ご遺体は通常、自宅や病院の霊安室で一時的に安置されます。安置の際は、枕飾りを整え、遺体の向きや姿勢にも注意を払いましょう。

仏教では北枕が基本ですが、難しい場合は西枕とします。遺体は仰向けに寝かせ、顔には白い布をかけます。

安置室の温度は、18℃以下に保ちドライアイスを使用して適切な保存状態を保ちましょう。

遺体を安置する方法については、以下の記事も参考にしてみてください。

関連:  遺体安置を自宅で行う際の手順や方法、注意点を解説

2. 納棺

納棺は故人との最後のお別れとなる大切な儀式です。通常、お通夜の3〜4時間前に執り行われ、30分〜1時間ほどかかります

故人の好きだった品物や思い出の品を一緒に入れてもよいでしょう。副葬品は燃えるものを基準に選ぶ必要があります。ガラス製品や金属製品・プラスチック製品・電子機器などは避けましょう

納棺の際には、故人の体を清めて死装束に着替えさせ、化粧を施します。納棺は、葬儀社のスタッフと遺族が協力して進められます。

3. 通夜

通夜は葬儀前日の夜に行われる儀式です。寺院の本堂や檀信徒会館に参列者が集まり、僧侶による読経が行われます。

通夜の開始時刻は通常午後6時か7時頃で、参列者は焼香を行い故人を偲びます。現代では、1〜3時間程度で終了する「半通夜」が一般的です。

儀式の後には通夜振る舞いが用意され、参列者同士で故人の思い出を語り合う機会となります。通夜は「最後の夜をともに過ごす」という意味を持つ大切な機会であり、遺族と参列者が故人との思い出を共有し、お別れの心構えを整える場です。

通夜については、以下の記事でも詳しく解説しているので、ぜひ参考にしてみてください。

関連: お通夜の流れや服装のポイント、持ち物を解説!押さえておくべきマナーも紹介

4. 葬儀・告別式

葬儀・告別式は通常、通夜の翌日午前中から執り行われます。寺院の本堂や檀信徒会館に設置された祭壇の前で、導師となる住職による読経から始まります。

焼香は、喪主→遺族→親族→一般参列者の順で進めるのが一般的です。儀式の流れは宗派によって異なりますが、40〜60分程度の読経中に戒名授与と引導が執り行われます。

葬儀が終わったら、出棺し火葬場へと向かう流れです。出棺時は喪主が位牌を、遺族が遺影を持ちます。葬儀・告別式については、以下の記事も参考にしてみてください。

関連: 葬儀・告別式とは?2つの違いや流れ、準備すべきことや注意点を徹底解説

5. 火葬

火葬場に到着後、火葬許可証を提出して納めの式を執り行います。炉の前または専用の部屋で納めの式を行い、僧侶が同伴している場合は読経のあと、喪主から順に焼香をして最後のお別れをしましょう。

火葬には、1〜2時間程度かかり、その間参列者は待合室で過ごします。火葬が終わると、30分〜1時間程度遺骨が冷めるのを待ってから遺族が骨上げに移ります。

骨上げは、足元から頭部へと順に進め、最後に喉仏の骨を拾うのが一般的な流れです。遺骨は骨壷に収められ、埋葬許可証とともに遺族に渡されます火葬については、以下の記事でも詳しく解説しているので、参考にしてみてください。 

関連: 火葬とは?必要な手続きや流れ・費用を解説|注意点や当日のマナー

寺院葬のメリット

寺院葬には、いくつかの重要なメリットがあります。ここでは4つの主要なメリットについて詳しく解説します。

  1. 家族葬に適している
  2. 葬儀費用を抑えられる
  3. 移動の負担が少ない
  4. 荘厳な雰囲気のなか葬儀を執り行える

ひとつずつ見ていきましょう。

1. 家族葬に適している

寺院葬は、少人数での家族葬を執り行うのに理想的な選択肢です。寺院の本堂や檀信徒会館の広さは家族葬に適しており、親密な雰囲気のなかで故人との最後のときを過ごせます。

また、参列者が限られることで、弔問客への気遣いも少なくなり、家族だけで落ち着いて故人を偲ぶ時間をとれるでしょう。寺院と相談のうえ、比較的柔軟に日程や時間を設定できる点も、家族葬を検討している方々にとって大きな利点といえます。

2. 葬儀費用を抑えられる

寺院葬は一般的な葬儀会館での葬儀と比べて、費用を抑えられる可能性があります。とくに檀家の場合は、施設使用料が無料または安価になることがあるでしょう。

また、本堂にはすでに祭壇が設置されているため、新たに用意する費用(20〜100万円相当)を抑えられます。ただし、通夜振る舞いや返礼品などの費用は別途必要です。

3. 移動の負担が少ない

寺院葬では通夜から葬儀、そして初七日法要まで、同じ場所で一連の儀式を執り行えます。そのため、火葬場への移動を除き、参列者の移動負担が軽減されるでしょう。

とくに、地域の寺院で行う場合、参列者の多くが近隣に住んでいることが多く交通の便も良好です。さらに、寺院は地域に根付いた存在であるため、参列者にとっても場所がわかりやすくアクセスしやすいのも大きな利点です。

4. 荘厳な雰囲気のなか葬儀を執り行える

寺院葬では、長い歴史を持つ本堂や仏間の厳かな雰囲気のなかで葬儀を執り行えます。寺院の本堂や仏間は、仏像や仏具に囲まれているため、故人を送る場としてふさわしい荘厳さを備えています。

お寺特有の装飾や雰囲気、そして静寂な空間は、参列者の心を自然に落ち着かせ、故人との大切なお別れの時間をより意味深いものにするでしょう。

また、代々受け継がれてきた伝統的な仏教儀式にのっとった形で式を執り行えることも、寺院葬ならではの特徴です。

寺院葬のデメリット

寺院葬には、考慮すべき重要な注意点もあります。ここでは、4つの主要なデメリットについて見ていきましょう。

  1. 葬儀会館より使いにくいケースがある
  2. 檀家しか葬儀を執り行えない
  3. 寺院での葬儀を断られることがある
  4. 葬儀内容に融通が利かない

それぞれ詳しく解説します。

1. 葬儀会館より使いにくいケースがある

寺院の施設は葬儀専用に設計されていないため、いくつかの不便な点が生じる恐れがあります。

たとえば、エレベーターが設置されていない寺院では、高齢者や体の不自由な方の移動が困難になることが考えられるでしょう。

また、冷暖房設備が十分でない場合もあり、季節によっては参列者の快適性が損なわれるかもしれません。加えて、控室やトイレの数が限られていたり、駐車場のスペースが十分でなかったりすることも考慮する必要があります。

そのため、寺院葬の場合は参列者に高齢者がいたり人数が多すぎたりすると、不都合なことが起こる恐れがあるといえるでしょう。

2. 檀家しか葬儀を執り行えない

多くの寺院では、本堂での葬儀は檀家に限定されており、檀家でない場合は利用が制限されていることがほとんどです。

近年では、檀信徒会館などの葬儀専用施設を設けて檀家でない人にも開放する寺院も増えていますが、その場合でも宗派や宗教による制限が設けられていることがあります。

また、檀家でない人が利用できる場合でも、式場費用が檀家より高めに設定されていたり、予約の優先順位が低くなったりするなどの制約があることも考慮する必要があるでしょう。

なお、弊社「1日葬・家族葬のこれから」では、お寺との提携がございます。そのため、檀家でなくてもお寺で葬儀を執り行えます。葬儀後に檀家になる必要もありませんので、ご安心くださいませ。

3. 寺院での葬儀を断られることがある

寺院葬は、さまざまな理由で断られる可能性があります。

たとえば、お盆やお彼岸の時期は、寺院での法要や行事が多く予定されているため、葬儀の受け入れが難しい傾向があります。

そのため、檀家であってもタイミングがあわなければ寺院で葬儀をあげられないことはあり得るでしょう。とくに、宗派が異なる場合もお経や葬儀の作法が異なるという理由で基本的に寺院葬は受け入れてもらえません

タイミングや条件があわないと、寺院葬を執り行うことは難しいことに留意しましょう。

4. 葬儀内容に融通が利かない

寺院葬では、寺院独自の規則や伝統的な儀式の形式に従う必要があるため、葬儀の内容に制限がかかることがあります。とくに本堂での葬儀では、祭壇の配置場所や使用できる設備に関して細かい決まりが存在します。

また、寺院から特定の葬儀社を指定されることも多く、遺族が希望する葬儀社を自由に選べないことも珍しくありません。宗派による制限も厳格で、異なる宗派の方法を取り入れることは難しいといえます。

とくに、本堂での葬儀については寺院ごとの厳密な規則に従わなければなりません。葬儀の進行についても、寺院の伝統的な形式を重視するため、現代的なスタイルや遺族が希望する演出を取り入れにくい面があるでしょう。

寺院葬を執り行う際の相場

公正取引委員会の「葬儀の取引に関する実態調査報告書」によると、一般葬の費用相場は約140万円です。主な費用は、寺院使用料やお布施・祭壇費用の3つに大別されます。

寺院使用料は、10万~20万円程度ですが、檀家の場合は無料や割引が適用されることもあります。お布施は、10~50万円程度が一般的です。

祭壇費用は、20〜100万円と幅がありますが、寺院本堂の祭壇を利用できる場合は大幅に費用を抑えられます。

戒名料は別途必要で、位によって金額に幅がありますが相場は30万円以上です。一般の葬儀会館での葬儀と比べると、寺院葬は全体的に費用を抑えられる傾向にあります。

お寺で葬儀を執り行う場合の費用についてより詳しく知りたい人は、以下の記事も参考にしてみてください。

関連: お寺で家族葬をあげると費用はいくらかかる?相場や気を付けるべきことを解説

寺院葬に関するよくある質問

最後に、寺院葬に関する疑問点について、よく寄せられる質問とその回答を紹介します。

  1. 気を付けるべきマナーはある?
  2. 弔電の出し方は?
  3. 供花は何を選べば良い?

ぜひ参考にしてみてください。

1. 気を付けるべきマナーはある?

寺院葬においても一般の葬儀と同様、服装と振る舞いの両面でマナーに気を配る必要があります。服装については、男性は黒のスーツ白の無地シャツ黒のネクタイを着用し、ネクタイピンは控えめにしましょう。

女性は、黒の喪服ワンピースまたはスーツを基本とし、露出の多い服装は避けます。参拝の際は数珠を持参することが望ましく、宗派が異なる場合でも自身の数珠を使用してかまいません。

香典の表書きは「御香典」「御香料」が一般的で、宗派を問わず使えます。寺院内では、厳かな雰囲気を保ち故人を見送りましょう。

葬儀のマナーについて詳しく知りたい方は、以下の記事も参考にしてみてください。

関連: 葬儀のマナー|喪主・参列者の服装・香典・焼香・挨拶を詳しく解説

2. 弔電の出し方は?

弔電は、通夜までに届くのが望ましく、遅くとも葬儀・告別式の開始数時間前までに届くように送ることが重要です。送り先は自宅・葬儀会場のいずれも可能です。

葬儀会場の場合は「○○斎場気付」を追記し、宛名は喪主のフルネームを記載します。喪主が不明な場合は「故○○様ご遺族様」または「○○様ご一同様」という形式で送りましょう。

差出人名は、故人との関係がわかるように記載し、会社や学校などの所属も明記します。

弔電の文面では「死」や「苦」を連想させる言葉重ね言葉を避け、宗教に応じた適切な表現を選びましょう。

3. 供花は何を選べば良い?

供花は、白を基調とした花を選ぶのが基本です。仏式では、菊やユリ・カーネーション・カスミソウなどが一般的です。とくに、白菊は定番の供花として広く使われています。

また、プリザーブドフラワーや造花も受け入れられるようになってきており、とくに夏場は花持ちを考慮して造花を選ぶのもひとつの選択肢です。供花の手配は葬儀社を通じて行うのが望ましく、通夜の開始までに届くよう早めに準備することが大切です。

寺院葬で心のこもった葬儀を執り行いましょう

寺院葬は、伝統的な形式を重視しながらも家族葬として執り行える優れた選択肢です。菩提寺での葬儀は、厳かな雰囲気のなかで故人との最後の別れを大切に過ごせる機会となります。

檀家であれば施設使用料が優遇されるなど、予算面でのメリットが多いのも寺院葬の特徴です。事前に寺院や葬儀社としっかり打ち合わせをすることで、故人の希望に沿った温かみのある葬儀が実現できます。

家族だけの静かな環境で、心を込めて最後のお別れをする時間を大切にしましょう。

弊社では、寺院でのご葬儀を承っております。価格を抑えたプランパックでの葬儀をご用意しています。参列人数に応じた広さの式場で、現代に合わせたシンプルな葬儀を行えます。依頼・相談は24時間365日受け付けているので、興味をお持ちの方はぜひお気軽にご相談ください。

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