直葬は通夜や告別式を省き、火葬のみで故人を送る現代のニーズに合わせた葬儀形式です。
近年都心を中心に広まりつつある直葬ですが、従来の葬儀とは異なるため、服装やマナー・必要な準備などわからないことが多く、不安に感じる方もいるかもしれません。
本記事では、直葬の基礎知識から、服装のマナー・持ち物・マナーについて解説しています。葬儀に参列する際の服装について網羅的に紹介するので、ぜひ参考にしてみてください。
この記事を要約すると
- 直葬であっても服装は、略式の喪服を着用するのが最適です。具体的には、男性は暗めの無地のスーツ、女性であれば暗めのワンピースやスーツです。
- 家族のみの直葬であっても、火葬場では他のご家庭の遺族もいるため、略式の喪服の着用が適切です。
- 平服と言われた場合、男性であればビジネススーツ、女性はダークスーツを着用しましょう。平服は決して私服のことではないので注意しましょう。
直葬とは?
直葬とは、通夜や告別式などの宗教的な儀式を行わず、火葬のみで故人を送る簡素な葬儀形式のことです。近年、以下のような理由で直葬を選択する方が増えてきています。
- 費用を抑えたい
- 故人の希望に沿いたい
- 時間をかけずに葬儀を済ませたい
実際、葬儀を直葬で執り行った場合、葬儀場使用料や供花代・会食費など、さまざまな費用がカットできます。また「盛大な葬儀はしないでほしい」という遺志を残していた場合、直葬の形式で葬儀を執り行うことで故人の希望を叶えられるでしょう。
直葬は、経済面や葬儀の準備にかかる負担を軽減する選択肢として、近年注目されている葬儀形式です。
直葬についてより詳しく知りたい方は、以下の記事も参考にしてみてください。
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直葬の服装におけるマナー
直葬における服装のマナーについて紹介します。
- 男性の服装
- 女性の服装
- 子供の服装
- 乳幼児の服装
それぞれ詳しく見ていきましょう。
1. 男性の服装
男性の場合、黒のスーツに白かグレーのワイシャツ、黒のネクタイを着用するのが一般的です。スーツは柄物や派手な色は避け、シンプルで落ち着いたデザインを選びましょう。
ワイシャツは白が無難ですが、薄いグレーや黒でも問題はありません。革靴は黒のものを履き、靴下も黒や濃い目の色を選んだほうが無難です。
アクセサリーは基本的に慎み、動物の皮などがあしらわれた小物は身につけないようにしましょう。
2. 女性の服装
女性は、黒のワンピースやスーツを着用するのが一般的です。
ワンピースは、膝丈から足首丈までの上品なデザインを選ぶと良いでしょう。スーツは、スカートスーツでもパンツスーツでも問題はありませんが、派手な柄や色は避けたほうが無難です。
ブラウスやインナーは、白や黒、グレーなどの落ち着いた色がおすすめです。
アクセサリーは、真珠のネックレスやイヤリングなどシンプルで上品なものを選びましょう。ネックレスやイヤリングを着用するときに注意すべきポイントは以下のとおりです。
アクセサリー | 着用OK | 着用NG |
---|---|---|
ネックレス | 1連・鎖骨にかかる長さまで | 2連以上・鎖骨より下の長さ1粒タイプ |
イヤリング(ピアス) | 1粒・固定 | 2粒・揺れる |
とくに二連のネックレスは「不幸が重なる」という意味を連想させるため、葬儀の場に身につけて参列するのは控えてください。
3. 子供の服装
子供の服装は、基本的に学校の制服で問題ありません。
制服ではなく礼服を着用する場合は、男の子はブレザーとズボン、女の子はブレザーとスカートあるいはワンピースを着用します。また紺や濃紺・グレーなどの落ち着いた色を選び、原色や蛍光色は避けてください。
とくに女の子は、刺繍やフリルなどの装飾が付いたものを選ばないようにしましょう。
また靴下は、くるぶし丈や膝上丈ソックスなどではなく、ふくらはぎまでの靴下を選びます。靴については、暗い色の靴が無難ですが白いスニーカーでも派手でなければ問題ありません。
4. 乳幼児の服装
乳幼児が葬儀に参列する場合は、黒や紺・グレーなどの暗めの色の服を選びます。
暗めの色が準備できない場合は、ベージュや水色などの淡い色でも良いでしょう。靴下は、黒、白、紺などの落ち着いた色を着用させましょう。
服装だけでなく直葬にまつわる全体的なマナーについては、以下の記事で詳しく解説しています。ぜひ参考にしてみてください。
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直葬で服装とあわせて用意しておくべき持ち物
直葬では、服装だけでなく持ち物にも気を配ることが大切です。葬儀に参列する際に用意すべき持ち物は、以下のとおりです。
持ち物 | 説明 |
---|---|
袱紗(ふくさ) | 香典を包むための布慶事用は暖色系、弔辞用は寒色系を選ぶ直葬では弔辞用の袱紗を使用する |
ハンカチ | 派手な色や柄は避け、地味なものが好ましい |
ネックレス | シンプルで上品なものを身につけるのがおすすめとくに二連のネックレスは「不幸が重なる」という意味を連想させるため、一連のネックレスを選ぶ |
数珠 | 直葬のみの場合、用意しなくてもよいケースもあるが、火葬場で読経がある場合は用意しておくのが無難 |
鞄 | 服装に合わせた落ち着いたデザインのものを選ぶ色は黒色が望ましい光沢のある金具が付いていたり動物の革が使われていたりする鞄は避ける |
故人へ追悼の思いを込めて、失礼のないよう準備しておきましょう。
直葬における身だしなみのポイント
直葬に参列する際の身だしなみのポイントを3つ紹介します。
- 髪は基本的に黒
- メイクは控えめ
- アクセサリーは原則結婚指輪のみ
細かいマナーが気になる方は、参考にしてみてください。
1. 髪は基本的に黒
直葬に限らず、葬儀の場での髪色は黒が基本とされています。
金髪や派手な色は、葬儀の場にふさわしくないと受け取られる恐れがあります。また、華美な髪飾りは控えめにし、シンプルなヘアスタイルが理想的です。
女性の場合、派手なヘアアクセサリーや飾り過ぎたアップスタイルは避けましょう。男性は寝癖をつけたままにしないよう、しっかりと髪を整えておくことが大切です。
2. メイクは控えめ
直葬では、華美なメイクは控えるべきです。自然な仕上がりで、故人を偲ぶ場にふさわしいメイクを心がけましょう。
ファンデーションやアイシャドウは控えめな色を選び、口紅は薄く塗るのが無難です。色味の薄いアイテムを使った化粧である「片化粧」を心がけましょう。
なお、薄いメイクが好ましいからといってノーメイクで参列するのはマナー違反です。華美に見えない程度のメイクを施して、葬儀に参列しましょう。
3. アクセサリーは原則結婚指輪のみ
アクセサリーは、原則として結婚指輪のみにするのが無難です。とくに、派手なネックレスやピアス、ブレスレットなどは、葬儀の場にはふさわしくないでしょう。
ただし例外として、真珠の一連ネックレスを身に付けるのは問題ありません。二連のネックレスは「不幸が重なる」ことを連想させるため、葬儀の場では一連のネックレスを身に付ける必要があります。
また、腕時計も身につけないほうが無難です。遺族の方に時間を気にしているような印象を与えてしまうことが理由です。腕時計を持っている場合は、外してポケットや鞄にしまうと良いでしょう。
直葬の服装に関するFAQ
最後に葬儀の服装にまつわるよくある質問を紹介します。
- 私服でも良いの?
- 平服で良いと言われたら?
- 乳幼児が参列するときに注意すべきことは?
- 喪服が用意できない場合は?
- 家族のみで直葬を行う場合は?
ひとつずつ見ていきましょう。
1. 私服でも良いの?
直葬では宗教的な儀式が簡素化されるため、服装に関して厳格な決まりはありません。しかし、故人への敬意を払い、慎ましい服装を心がけることは大切です。
私服で参列する場合でも、落ち着いた色合いの服装を選び派手な服装は避けましょう。火葬場に参列する場合、ほかの参列者は喪服を着用しているのが一般的であるため、明らかに私服とわかる服装は目立つ恐れがあります。
TPOをわきまえるためにも、普段着ているようなカジュアルな服装や露出の高い服装は避けたほうが良いでしょう。
2. 平服で良いと言われたら?
故人や遺族から「平服でよい」と伝えられた場合は、意向にしたがって本喪服ではなく略式の喪服を着て葬儀に参列します。
「平服」とは軽装の略喪服という意味で、普段着のことではありません。男性の場合はビジネススーツ、女性はダークスーツが基本的な平服の服装と言えるでしょう。
なお平服の場合でも、基本的には華美な色味やアクセサリーは避けるのがマナーです。
3. 乳幼児が参列するときに注意すべきことは?
乳幼児を葬儀の場に連れていく場合は、泣き出したり騒いだりしないように準備しておくことが大切です。
子供がぐずり出したときに、おもちゃなどで静かにあやせるよう工夫しましょう。オムツ替えや授乳などの場合に備えて、必要なアイテムを持参しておくことも忘れてはいけません。
葬儀の雰囲気を乱さないよう、子供の行動には十分気を配る必要があります。
4. 喪服が用意できない場合は?
喪服が用意できない場合は、落ち着いた色のスーツやワンピースなど喪服に準じた服装で参列しましょう。本喪服ではない場合でも、黒色の服装を選ぶのが一般的です。
また、どうしても喪服を用意できない場合は、礼服のレンタルサービスを利用しても良いでしょう。「喪服 レンタル」などで検索すると、5,000円前後で4日間ほどの相場で喪服の貸し出しを行っているサービスを見つけられます。
5. 家族のみで直葬を行う場合は?
家族のみで直葬を行う場合は、服装に関して厳格な決まりはありません。
故人との関係性や家族の意向を尊重し、服装を決めるのが良いでしょう。ただし、火葬場ではほかの参列者も葬儀を執り行っているため、最低限目立たないよう落ち着いた服装で参列するのがマナーです。
直葬にふさわしい服装で故人を送り出しましょう
直葬は、故人をシンプルに送る儀式であり、服装にも気を配ることが大切です。ただし、宗教的な儀式が簡素化されているため、服装に厳格な決まりはありません。
服装を選ぶ際は、原則として落ち着いた色合いのものを選び、派手な服装は避けましょう。故人への敬意を払い、慎ましい服装を選べばおおむね問題ありません。直葬に参列する服装で迷った際は、本記事の内容を参考にしてみてください。
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