葬儀の基礎知識

直葬と密葬の違いを徹底比較!費用や流れ、選び方を解説

直葬と密葬の違いを徹底比較!費用や流れ、選び方を解説

近年は、家族葬や直葬といった一般葬以外の葬儀形式を選ぶ人が増えてきています。近親者だけでゆっくり故人を見送りたい場合は、直葬や密葬がおすすめです。しかし、双方の特徴や葬儀の流れの違いがよく分からないという人もいるでしょう。

今回は、直葬と密葬の違いについて分かりやすく解説していきます。葬儀ごとの流れやメリット・デメリットなどを解説しています。家族葬や一日葬についても紹介しているので、葬儀形式を決めるうえで参考にしてみてください。

お急ぎ

直葬と密葬の違い

直葬と密葬は、どちらも身内だけで故人を見送る葬儀内容であることは共通しているものの「葬儀の流れ」に違いがあります。

直葬は身内だけで故人を見送り葬儀が終了しますが、密葬の場合は後日「本葬」が執り行われます。しかし、明確なルールは存在しないため、なかには密葬で本葬を行わない人もいます。

「密葬」と聞くと、後から本葬が行われると思う参列者もいるため、混乱が生じないよう本葬を行わない密葬のことを家族葬と呼ぶのが一般的です。次章では、直葬と密葬の葬儀内容と流れの詳細について解説していきます。

直葬の費用相場やメリット・デメリットに関しては、以下の記事で詳しく解説しています。気になる方はチェックしてみてください。

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直葬の流れ

直葬の葬儀内容と流れは、以下のとおりです。

直葬の内容と流れ
葬儀の流れ【1日目・故人の逝去当日】ご遺体安置
【2日目・故人の逝去の翌日】納棺→お通夜
【3日目・故人の逝去の翌々日】出棺→火葬→お骨上げ→繰り上げ法要・精進落とし
※繰り上げ法要や精進落としは喪主の意向による
葬儀時間の目安2~3時間
納棺:30分~1時間火葬とお骨上げ:1~2時間

直葬の一番の特徴と言えるのが「お通夜や葬儀といった仏教儀式がない」ことです。故人の逝去後は、ご遺体を安置します。葬儀当日に納棺が行われ火葬へと移る流れです。他の葬儀形式と比べて葬儀工程が最も少ないため、2~3時間で葬儀が終了します。

火葬場のスケジュールによっては、故人が逝去してから葬儀が行われるまで、数日空くこともあります。直葬の流れに関しては、以下の記事で詳しく解説しているので、気になる方はチェックしてみてください。

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密葬の流れ

密葬の葬儀内容と流れは、以下のとおりです。

密葬の内容と流れ
葬儀の流れ【1日目・故人の逝去当日】ご遺体安置
【2日目・故人の逝去の翌日】納棺→お通夜
【3日目・故人の逝去の翌々日】葬儀→出棺→火葬→お骨上げ
【葬儀後(約1ヶ月前後が目安)】追悼会やお別れ会といった内容で本葬を執り行う
葬儀時間の目安【2日目】1~2時間納棺:30分~1時間お通夜:1〜2時間程度
【3日目】3~4時間葬儀:1~2時間火葬とお骨上げ:1~2時間

葬儀内容や流れは、一般葬と変わりません。参列するのが身内だけであるため、全体的に葬儀時間は短めになる傾向です。葬儀が終わった後日、本葬が執り行われます。

本葬の内容と流れ

密葬のあとに行われる本葬は、葬式とは全く別ものであり、喪主が執り行うわけではありません。故人が務めていた会社や団体が主体となるのが一般的です。遺族や親族の意見も反映されるものの、葬儀自体を執りしきるのは事前に決定した葬儀委員長です。

故人に合わせた葬儀とは異なり、企業人や著名人として焦点が当てられることが特徴と言えるでしょう。そのため、故人とは面識がないものの、企業人として付き合いがあった人や、有名人の場合は、そのファンが参列します。本葬の一般的な流れは以下のとおりです。

  1. 関係者が集まり、ご遺骨などをお出迎えする
  2. 本葬の受付を開始する
  3. 開式し、宗教者による読経が行われる
  4. 弔電や弔辞を披露し、焼香を行う
  5. 宗教者が退場し、閉式する

費用の支払いは、本葬を計画した会社や団体が支払います。ただし、本葬の参列者からいただいた香典は遺族に渡します。

直葬と密葬の費用相場

直葬と密葬では、葬儀内容に違いがあることから、費用相場も異なります。身内のみの参列で規模が小さく、納棺と火葬・お骨上げのみを執り行う直葬の費用相場は20~50万円です。仏教儀式がなく僧侶を呼ばないため、お布施も基本的にかかりません。

一般葬と葬儀内容は変わらず、身内のみ参列する密葬の費用相場は60~150万円です。直葬よりも葬儀工程が多い分、費用は高めです。葬儀費用が幅広いのは、一般の参列者がいないうえ、故人の意向に沿った自由な葬儀を行いやすいことが関係しています。

なお、一般葬の費用相場は140万円であるため、直葬も密葬もさまざまなオプションをつけない限り、費用は安めと言えるでしょう。

直葬のメリット・デメリット

お通夜や葬儀のない直葬のメリット・デメリットは以下のとおりです。

直葬のメリット
費用を抑えやすい葬儀を最短で終わらせられる参列者への対応がない
直葬のデメリット
菩提寺や身内から反対されやすい弔問の対応に追われる可能性がある故人との別れをゆっくりできない

前述したとおり、直葬の費用相場は20~50万円と安く、葬儀工程が少ないことから、最短で終わらせられます。お通夜や葬儀がなく参列者も身内のみであるため、参列者に対する対応もありません。

一方で、仏教儀式を省略しているため、仏教を信仰する菩提寺や身内から反対されやすいと言えます。遺体を葬儀社の施設に安置したあとは、葬儀当日まで会えないため、故人とゆっくりお別れできないといったデメリットもあります。

直葬のデメリットに関しては、別記事で詳しく解説していますので、気になる方はチェックしてみてください。

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密葬のメリット・デメリット

密葬のメリット・デメリットは以下のとおりです。

密葬のメリット
故人との別れをゆっくりできる参列者対応の負担がない一般葬よりも費用を抑えやすい
密葬のデメリット
故人の意向に沿ったオーダーメイドな葬儀にすると費用が高くなる本葬に向けた準備が大変

密葬は身内のみの参列であるため、お通夜や葬儀で一般参列者の対応に追われることはなく、故人との別れをゆっくり過ごせます。参列者が少ない分、葬儀規模が小さく、一般葬より費用を抑えることも可能です。

一方で、故人に意向に沿ってさまざまなオプションを依頼すると、費用も高くなります。参列者が少ない分、香典も少ないため注意しましょう。

本葬は、故人が所属していた会社や団体が主催となって準備してくれますが、全く協力しないわけではありません。2回葬儀を執り行うのと同じなので、負担が大きくなりやすいと言えます。

直葬をおすすめする人

以下のような項目に当てはまる人には、直葬をおすすめします。

  • 故人に身寄りがなく、参列者が少ないと予想される人
  • 宗教にこだわりがなく、菩提寺もない人
  • なるべく費用面の負担を抑えたい人

故人が高齢で、友人が少ない場合は、参列できない人から反対されることもなく、葬儀後の弔問も少ないと予想されます。宗教にこだわりがなければ、仏教儀式の有無を気にする必要はありません。費用の安さを最優先にしたい人にもおすすめです。

なお、葬儀費用を抑える方法として、葬儀形式を変えるだけでなく「葬儀費用の補助制度」や「葬儀ローンの活用」といったものもあります。葬儀費用の工面で悩んでいる方は、以下の記事も参考にしてみてください。

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密葬をおすすめする人

以下のような項目に当てはまる人には、密葬をおすすめします。

  • 故人が会社代表者や有名人で、参列を望む人の数が多い人
  • 一般の参列者に故人とのお別れをさせてあげつつ、葬儀自体は身内だけで執り行いたい人

本葬とセットの密葬は、故人が会社や団体の代表者であったり、有名人であったりして、参列を望む人が多い場合におすすめです。一般葬にしてしまうと、参列者の数が多く対応しきれなくなる可能性があり、対応に追われて故人とのお別れの時間をゆっくり過ごせません

密葬であれば、身内だけで故人との別れをゆっくり過ごしつつ、本葬で多くの人にも参列してもらえます。

葬儀規模や費用を抑えたいなら家族葬や一日葬もおすすめ

直葬と密葬について解説してきましたが、家族葬や一日葬を選ぶ人も少なくありません。ここでは各葬儀形式の特徴について解説していきます。内容を理解したうえで、最適な葬儀形式が何か検討してみましょう。

家族葬の特徴

本葬を執り行わない密葬が「家族葬」です。葬儀の流れは一般葬と全く一緒の流れで執り行われます。参列者は身内のみの参加が一般的であるため、故人との別れの時間をゆっくりすごせます。

一般参列者への対応がないため、喪主の負担も軽減できます。密葬と異なり本葬はないため、葬儀後の弔問が多く負担が大きくなる可能性がある点に注意が必要です。

心の整理ができておらず、そっとしておいてほしいという場合は、葬儀案内時に弔問を断る旨を伝えましょう。

本葬がないこと以外は、密葬と同じであるため、費用相場は60〜150万円程です。家族葬の詳細は、以下の記事で詳しく解説しています。気になる方はチェックしてみてください。

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一日葬の特徴

一日葬は、文字通り1日で葬儀を執り行う形式の葬儀です。通常1日目にあるお通夜がなく納棺・葬儀・出棺・火葬・お骨上げ」の順で進めていきます。直葬や密葬とは異なり、一般の参列者も呼びます。

なるべく費用を抑えつつ、身内以外の人にも最後の別れをさせてあげたいような人におすすめです。仏教儀式を全て省略するわけではないため、直葬と比べて周りからの理解を得やすいというメリットがあります。

葬儀が1日のみであるため、喪主や参列者の負担を減らせることも魅力と言えるでしょう。一日葬の具体的な流れや注意点は、以下の記事で詳しく解説しています。気になる方はチェックしてみてください。

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直葬や密葬に関するよくある質問

最後は、直葬や密葬に関する、3つのよくある質問に答えていきます。葬儀形式が多様化した理由や葬儀形式を選ぶ際の注意点に関する内容を記載したので、葬儀形式を決めるうえで参考にしてみてください。

直葬を選ぶ人が増えているのはなぜ?

直葬を選ぶ人が増えてきた背景には「生活様式や宗教観の変化」が関係しています。

昔と比べて、核家族が増えてきたこともあり、世代を超えた近所付き合いが希薄になってきています。そのため、生前に付き合いのあった人を大勢集めるような葬儀ではなく、身内のみでの葬儀を選ぶ人が増えてきました。

近年は、新型コロナウイルスの感染防止の観点から、規模が小さく最短で終わらせられる直葬を選ぶ人も少なくありません。

直葬を選んで後悔する人は多い?

なかには直葬を選んで後悔する人もいますが、ほかの葬儀形式と比べて突出して多いとは考えにくいでしょう。直葬を後悔する声の内容は以下のとおりです。

  • 仏教儀式がないことに対して、周りの理解を得られなかった
  • 故人との最後の時間をゆっくり過ごせなかった

直葬はお通夜や葬儀がないことから、仏葬に慣れ親しんだ人から反対されやすいと言えます。身内だけでなく、お寺も直葬をNGとしている場合があります。葬儀自体もすぐに火葬へと移る流れであるため「ゆっくり最後の時間を過ごせなかった」と、後悔してしまう可能性があります。

葬儀形式には、それぞれにメリット・デメリットがあるため、自分1人で決めずに家族や親戚と話し合ったうえで決めましょう。

一般葬以外の葬儀形式を選ぶ際の注意点は?

一般葬以外の葬儀形式は、葬儀内容や費用などそれぞれにメリット・デメリットがあります。費用のみや葬儀内容のみで決めるのではなく、総合的に判断しましょう。

また、葬儀形式を決める際は、なるべく家族や親戚、菩提寺に相談しながら理解をえたうえで依頼することが大切です。葬儀形式で揉めたり後悔したりしないよう、生前から亡くなった場合の葬儀形式について話し合っておきましょう。

葬儀形式ごとの特徴を把握したうえで最適な葬儀を選んでみましょう

直葬と密葬は、葬儀内容に大きな違いがあります。直葬はお通夜や葬儀を行わず、納棺と火葬・お骨上げのみで葬儀を執り行うスタイルです。密葬は、葬儀内容は一般葬と同じであるものの、葬儀は身内のみで済ませて、後日本葬を執り行います。

それぞれにメリット・デメリットがあるため、故人や喪主の意向に合った葬儀形式を選んでみてください。葬儀形式を決める際には、家族や親戚の了承を得ることも大切です。一日葬や家族葬といった形式もあるので、十分に検討したうえで葬儀社へと依頼しましょう。

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