葬儀の基礎知識

直葬を選んで良かったと思えるのはどんな人?選ばれる理由を解説

直葬を選んで良かったと思えるのはどんな人?直葬のメリット・デメリットやよくある疑問を解説

葬儀の簡略化や高齢化によって、近年選択されることが多くなっている直葬。一般的な葬儀で行われるお通夜や葬儀・告別式を省略し、火葬のみを短時間で済ませるのが特徴です。

今回は、直葬を検討している方や直葬を選んだことで後悔しないかどうか悩んでいる方向けに、直葬のメリット・デメリットやスムーズに直葬を執り行うために注意すべきポイントを詳しく解説します。直葬についての疑問点や不安を事前に解消しておき、直葬を選んで良かったと思える葬儀にしましょう。

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直葬とは

直葬は一般葬や家族葬と異なり、お通夜や葬儀・告別式などの一連の儀式をまったく行わないのが特徴です。直葬で行うのは、納棺の儀と火葬、火葬後のお骨上げのみと非常に簡素で、所要時間も1時間程度と、すぐに完了します。

故人をゆっくりと見送りたい方や時間をかけて心の整理をしたい方にはあまり適しませんが、葬儀費用を抑えたい方や葬儀を短時間で執り行いたい方にとっては負担が少なく、ほかの葬儀形式よりも適しているでしょう。

なお、以下の記事では直葬の内容や葬儀の流れについてより詳しく解説しているので、ぜひあわせてチェックしてみてください。

関連: 直葬とは?トラブルにならないよう費用・流れ・注意点を解説

関連: 【直葬の流れ 完全ガイド】選ばれる理由と注意点も解説

直葬が選ばれる理由

かつての日本の葬儀では、生前に関わりのあった数多くの人を招いて一般葬を執り行うのが主流でした。しかし、近年ではコロナ禍において葬儀の小規模化や簡略化が進み、直葬を選ぶ人が増えています

直葬は短時間で簡単に済ませられるため、身体的な負担を少なくしたい高齢の方や、葬儀にかけられるお金を十分に用意できない方でも選択しやすいのが魅力です。また、伝統的な葬儀の形式や宗教にこだわらない人が増えており、基本的に無宗教で行われる直葬に魅力を感じる人も多いようです。

直葬の費用相場

直葬の費用相場は、20〜50万円といわれています。一般葬が140万円前後、家族葬や一日葬が50万円前後かかるケースが多いのに比べて、直葬は費用をかなり安く抑えられるのが特徴です。

また、弊社「1日葬・家族葬のこれから」は、相場よりさらに抑えた税込8万6,900円から直葬をお手伝いいたします。必要最低限のセットプランで承っておりますので、まずはお気軽にご相談くださいませ。

関連: 直葬(火葬式)の費用相場は?内訳や賢く費用を抑える方法を解説

直葬のメリット

ほかの葬儀形式と比べて、葬儀費用を抑えられるという特徴を持つ直葬。費用面以外でもさまざまなメリットがあります。

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経済的な負担を抑えられる

直葬を選んだ際のもっとも大きなメリットとして、葬儀費用を安く抑えられることが挙げられます。

高齢化社会や経済状況などの背景により、なかなか葬儀費用を十分に用意することが難しい昨今の世の中。直葬であれば、葬儀にかかる費用を最小限に抑えて故人を見送ることができます。

葬儀準備の負担が抑えられる

故人が亡くなってから葬儀を執り行うまでの期間、喪主や遺族は葬儀のためのさまざまな準備を行う必要があります。

とくに喪主や遺族に高齢の方が多い場合は葬儀の準備が負担になりうる可能性がありますが、直葬は葬儀の規模が小さく参列者数も少ないため、ほかの葬儀形式に比べて葬儀準備の負担を抑えることができます。

短時間で葬儀を執り行える

直葬は納棺・火葬・お骨上げのみを行う簡易的な葬儀形式です。火葬の所要時間は約1〜2時間と短く、参列者の身体的負担が抑えられます

長時間着席していることが難しい高齢の方はもちろん、遠方に住んでいる人も日帰りで参列できるため、日程を調整しやすいでしょう。

接待が少なく精神的負担が少ない

一般葬や家族葬では、葬儀が始まる前に受付を行ったり弔問や香典の対応を行ったりするほか、通夜の後に参列者や僧侶を招いて会食を行うことも多く、葬儀の時間以外にも休む暇がありません。

それに対して直葬はこのような対応がほとんど発生しないため、精神的な負担が少なく、落ち着いて葬儀に臨むことができます。

香典返しの手間を抑えられる

直葬は家族や親戚などの身内のみが参列するため、受け取る香典の数も自ずと少なくなります。手間になりやすい香典返しの対応を最小限にできるほか、香典辞退も選択しやすいでしょう。

身内だけで静かにお別れできる

小規模で行われる直葬では、家族や親戚などの身内のみが参列するケースがほとんどです。そのため、周囲に邪魔されることなく、静かに故人を送り出すことができます。

直葬のデメリット

一方、葬儀の内容を簡略化した直葬には、メリットだけでなくデメリットもあります。なかには式後に「お金を理由に直葬を選ばなければよかった」と振り返る方もいるため、検討中の方はデメリットを知ったうえで慎重に選びましょう。

十分なお別れの時間が取れない

直葬はほかの葬儀形式と異なり、お通夜や葬儀などの儀式を行いません。そのため、納棺・火葬・お骨上げの一連の流れが、1.5〜3時間程度で完了します。

故人の顔を見ながらゆっくりとお別れする時間が取りにくいため、葬儀が終わった後にあっけなく感じてしまったり、お別れの時間が短すぎたと感じたりする可能性があります。

身内から反対される

故人や遺族が葬儀の簡略化や直葬の形式を望んでいた場合でも、参列するほかの親戚や関係者から反対される可能性があります。

身内のなかには、故人をたくさんの人で囲んで見送ってあげたいと考える方もいるかもしれません。葬儀前に周囲に相談したり直葬であることを詳しく説明したりしなかった場合、後からトラブルになるケースも考えられます。

葬儀後の弔問対応の負担が大きい

直葬は10人以下の少人数で行われることが多く、参列者のほとんどが家族や親戚で構成されるケースがほとんどです。葬儀に参列しなかった人や生前関わりのあった友人・知人などには、後日訃報と葬儀を執り行った旨を伝えるのが一般的です。

参列者の少ない直葬ですが、そのぶん葬儀後に弔問に訪れる人が多くなる可能性があります。葬儀後の手続きや四十九日の準備で忙しい時期に弔問対応も行うとなると、遺族にとっては負担が大きいかもしれません。

納骨を断られる

直葬では、仏式の葬儀で行われる読経や戒名の儀式を行わないため、納骨の際に菩提寺とトラブルになる可能性があります。

菩提寺では、葬儀の一連の流れを仏式で行っていることを納骨の条件としているケースが珍しくなく、ほとんどが無宗教で執り行われる直葬の方の納骨が断られる可能性があります。先祖代々のお墓や菩提寺が決まっている方は、十分に注意する必要があります。

直葬が向いている人

葬儀を簡略化し、葬儀にまつわる負担を最小限に抑えたい方は、直葬が向いているといえます。

葬儀費用を抑えたい人

大々的な葬儀を執り行う金銭的余裕がない方や、長期にわたる入院・療養生活によって葬儀にかけられる費用が残っていない方など、さまざまな事情によって葬儀にお金をかける余裕がないケースも少なくありません。

一般葬・家族葬・一日葬に比べて葬儀費用の相場が安い直葬は、葬儀費用をとにかく安く抑えたい方にとって最適な葬儀形式です。

短時間で葬儀を執り行いたい人

お通夜や告別式を行わず火葬のみを行う直葬は、葬儀全体にかかる所要時間が1.5〜3時間程度と、とても短いのが特徴です。

遺族や参列者に高齢の方が多い場合や何らかの事情によって葬儀時間の確保が難しい場合など、葬儀を短時間で終わらせたい場合にも適しています。

参列者数が少ない人

小規模かつ少人数で、内々に執り行われる直葬。故人が高齢で参列できる身寄りが少ない方や生前の交友関係が狭かった方など、元々参列者数が少ないことがわかっている方にも適しています。

宗教にこだわりがない人

直葬はお通夜や告別式を省略して火葬のみを行うため、別途僧侶を呼んで読経を行わない限りは基本的に無宗教で執り行われます。

そのため、葬儀の宗教形式にとくにこだわりがない方や無宗教の方、付き合いのある菩提寺がない方などにも適しています。

直葬が向いていない人

葬儀の内容にこだわりがある方や、故人とのお別れの時間をゆっくりと過ごしたい方は、直葬が向いていないかもしれません。

たくさんの人に見送ってもらいたい人

直葬は通常小規模で執り行う葬儀のため、参列者数が多くなりそうな場合にはあまり適していません

生前の交友関係が広かった方や仕事関係者や友人を数多く招いて大々的に執り行いたい方は、一般葬や家族葬を選びましょう。

ゆっくりとお別れしたい人

直葬は納棺と火葬のみを短時間で執り行うため、あっという間に葬儀が終了します。

心の整理をしながら故人をゆっくりと見送りたい方にとっては、お別れの時間が短く感じるでしょう。そのような方には、2日間かけてお通夜や告別式を執り行う一般葬や家族葬の方が適しています。

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宗教へのこだわりがある人

直葬ではお通夜や告別式などの式典が省略されるため、無宗教で執り行うのが一般的です。

僧侶を呼んで火葬前に簡易的な読経をお願いすることも可能ですが、信仰している特定の宗教がある方や、僧侶を呼んで読経や戒名を形式的に行いたい方は、ほかの葬儀形式を選んだ方がよいでしょう。

菩提寺がある人

先祖代々お世話になっている菩提寺がある方やすでに入るお墓が決まっている方は、菩提寺との兼ね合いも考える必要があります。

菩提寺で納骨を行う場合、仏式の葬儀で読経や戒名を行うことが条件になっているケースが珍しくありません。納骨時のトラブルを避けるためには、直葬以外の形式を選んでおいたほうがリスクが少ないでしょう。

直葬を行う上での注意点

ここからは、直葬を行う場合に注意すべきポイントを解説します。直葬では葬儀を簡略化することで葬儀前後に負担がかかったりトラブルが発生したりする可能性があるため、事前に対策しておくとよいでしょう。

身内の理解を得る

故人や遺族が直葬を望んでいる場合でも、ほかの親戚や関係者が直葬に反対する可能性があります。葬儀後に親戚間でトラブルに見舞われないために事前によく話し合っておき、身内の理解を得ておくことが大切です。

故人の人間関係や意向を尊重する

大前提として、葬儀の形式や規模は故人の意向を尊重することが大切です。なかには遺族の考えと、故人が生前に残していた希望が異なるケースもあるかもしれません。そのような場合でも、できるだけ故人の希望を優先して叶えてあげるようにしましょう。

菩提寺に事前に相談する

無宗教の形式で執り行うことがほとんどの直葬では、火葬後の納骨に注意が必要です。

多くの菩提寺では、仏式の葬儀で読経や戒名を行っていることを納骨の条件にしています。直葬かつ無宗教で葬儀を執り行う方のなかで先祖代々の墓に納骨したいと考えている場合は、あらかじめ菩提寺に相談しておきましょう。

遺体安置所を手配する

直葬では納棺と火葬のみを行い、通常行うお通夜や告別式などの葬儀を省略します。

そのため、亡くなってからすぐに火葬できるのではと思う方もいるかもしれませんが、実は日本では亡くなってから24時間以内の火葬は禁止されています。直葬のみで故人を見送る場合も、遺体安置所の手配は必要です。

葬儀後の弔問に備える

葬儀を直葬で行った場合、家族や親戚以外の参列者や会葬者がほとんど参列できません。そのため葬儀後に訃報を伝えることになり、訃報を聞いた人が遺族の自宅に弔問に訪れる可能性があります。

弔問はお断りすることもできますが、せっかく弔意を持って訪れてくれる人に対し、強く断るのもあまり好ましい対応とはいえません。あらかじめ、葬儀後の弔問があることを見越して準備しておくことをおすすめします。

直葬に関するよくある疑問

ここからは、直葬に関するよくある疑問点について、Q&A形式で解説していきます。葬儀の手配を進める前に、不安を解消しておきましょう。

直葬も葬儀として認められる?

直葬はほかの葬儀形式と異なり、お通夜や告別式などの式典を行わずに火葬のみを執り行います。特定の宗教形式に則ったり伝統的な儀式を行ったりはしませんが、人によっては葬儀のひとつの形として認められる場合もあります

読経は必要?

直葬は、別途オプションで僧侶を手配して読経の場を設けない限りは、基本的に無宗教で執り行われます。読経を行わずに故人を見送ることに不安がある方もいるかもしれませんが、読経が必要かどうかはあくまで個人の宗教観に基づいて判断すべきポイントといえます。

戒名なしでも成仏できる?

仏式の葬儀では、故人が安心して極楽浄土に行けるように仏教の名前をつける戒名が行われます。戒名も読経と同じく、仏教の考え方に基づいた形式のひとつです。そのため、こちらも個人の宗教観に委ねられているといえるでしょう。

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直葬では香典を受け取れる?

日本の葬儀では、葬儀形式や宗教形式を問わず、参列者が遺族に対して香典を包むのがマナーです。直葬の場合も例外ではなく、遺族が香典を辞退しない限りは香典を受け取れます

香典を受け取る場合は、香典返しの用意が必要なことをあらかじめ認識しておきましょう。

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直葬も葬儀社に依頼すべき?

直葬ではお通夜や葬儀の儀式を執り行わないため、葬儀社を介さなくても問題ないと考える方もいるかもしれません。しかし、ご遺体の安置や火葬場の手配など、儀式以外にも専門業者に依頼すべきことは多々あるため、必ず葬儀社に依頼するようにしましょう。

とはいえ、どうしてもご自身で直葬を執り行いたいと考える方もいるかもしれません。以下の記事では、直葬を自分で行う方法について解説しているので、ぜひ参考にしてみてください。

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事前に家族同士でよく話し合うことが大切

お通夜や葬儀を行わず、納棺と火葬のみを行う直葬の形式。費用や事前準備の負担を抑えられますが、さまざまな面でデメリットも生まれてきます。

直葬を検討している方は、直葬を選んで良かったと葬儀後に心から思えるよう、葬儀前のうちに家族間で不安点を解消して準備を進めておくことが大切です。

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