葬儀の基礎知識

葬儀・告別式とは?2つの違いや流れ、準備すべきことや注意点を徹底解説

葬儀・告別式とは?2つの違いや流れ、準備すべきことや注意点を徹底解説

大切な人を亡くし、葬儀・告別式の準備や当日の進行に不安を感じている方は多いのではないでしょうか。葬儀・告別式は、故人の人生を締めくくる大切な儀式ですが、初めての経験だと戸惑うこともあるかもしれません。

本記事では、葬儀・告別式の意義や流れ、準備すべきこと、参列者のマナーなど、基本的な情報を詳しく解説します。また、よくある質問にもお答えしているのでぜひ参考にしてみてください。

お急ぎ

葬儀・告別式とは|概要を解説

まず、葬儀や告別式の概要について簡単に解説します。

葬儀・告別式とは「故人との別れを惜しむセレモニー」

葬儀・告別式は、故人の死を悼み、故人との別れを惜しむためのセレモニーです。遺族や親族、友人、知人が集まり、故人の人生を振り返り、感謝の気持ちを表す場となるでしょう。

宗教的な儀式や読経、焼香などを通じて、故人の冥福を祈り、死を受け入れる機会でもあります。葬儀・告別式は、遺族にとって故人を送る大切な節目であり、悲しみを乗り越えるための重要なプロセスです。

葬儀と告別式の違い

葬儀とは故人の死を弔うための一連の儀式や手続きの総称のことで、通夜・告別式・火葬・埋葬などが含まれます。告別式は、葬儀のなかで最も重要な儀式の一つで、参列者が故人に最後の別れを告げる場です。

葬儀は宗教色が強く僧侶や神職による読経や儀式が中心ですが、告別式は宗教色が薄い場合もあります。葬儀は宗教的な儀式に則って故人を弔うことに重きを置かれますが、告別式では故人の人生を偲び、感謝の気持ちを伝えることに重点が置かれているという特徴があります。

葬儀・告別式の流れ

次に葬儀や告別式の流れについて、大きく以下の6つに分けて解説します。

  1. 受付
  2. 開式
  3. 焼香
  4. 献花
  5. 釘打ち
  6. 出棺

なお、葬式全体の流れについては、以下の記事を参考にしてみてください。

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1. 受付

葬儀・告別式の会場入り口に受付を設置し、参列者を出迎えます。参列者は受付で氏名や所属、故人との関係などを芳名帳に記入しましょう。

次に記帳を済ませた参列者には、式次第や会葬礼状などの資料を手渡します。参列者の人数や故人との関係性を把握し、スムーズな受付業務を心がけましょう。

2. 開式

定刻になったら司会者が開式の辞を述べ、葬儀・告別式の開始を宣言します。

故人の人生を振り返る映像や写真を準備できれば、追悼スライドショーを上映することも可能です。また、喪主や遺族代表が故人との思い出や感謝の気持ちを述べる追悼の言葉を読み上げるケースもあります。

弔辞や弔電の紹介、参列者への謝辞などが行われたら開式の儀は終了です。

3. 焼香

開式後、参列者による焼香が行われます。司会者の指示に従い、喪主や遺族、親族から順に参列者が焼香台に進みます。

焼香の回数は1~3回の間が一般的ではあるものの、人数が多い場合は1回に統一されるケースがあります。焼香が済んだら、ご遺体や遺影に最後の別れを告げ、席に戻ります。

所要時間は参列者の人数によって異なりますが、スムーズに進行できるよう配慮しましょう。

4. 献花

焼香に続いて行われる献花は、花を故人が眠る棺の中へ手向ける儀式です。故人への感謝や哀悼の意を表すための儀式で、葬儀・告別式のなかでも最も感慨深いひとときになるでしょう。白菊やユリ、カーネーションなどの花を手向けることで、故人との思い出や絆を振り返ります。

花を置く際に故人への感謝の気持ちを込めて手を合わせて、心の中で最後の別れの言葉を捧げましょう。

5. 釘打ち

釘打ちとは、棺の蓋を閉じる際に釘を打って固定する儀式です。

しかし「くぎを打つのは心苦しい」という遺族の気持ちもあるため、あえて釘打ちを行わない場合もあります。

6. 出棺

葬儀・告別式の締めくくりとなる出棺は、棺を霊柩車に移し、故人を送り出す最後の別れの儀式です。

火葬場へは家族や近親者のみが出向き、一般参列者は参加しないケースが多いでしょう。しかし、家族からの依頼があった場合のみ参列しても問題はありません。

なお、火葬の流れについては以下の記事で詳しく解説しているので、ぜひ参考にしてみてください。

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葬儀・告別式で準備すべきこと

ここでは、葬儀や告別式に向けて準備しておくべきことを5つ紹介します。

  1. 葬式を依頼する会社を決める
  2. 喪主を決める
  3. 葬儀会社と打ち合わせをする
  4. 葬儀の日取りを決定する
  5. 親族や関係者へ訃報を伝える

ひとつずつ見ていきましょう。

1. 葬式を依頼する会社を決める

葬儀・告別式を執り行うには、まず信頼できる葬儀会社を選ぶことが重要です。自宅近くの葬儀会社や、知人・友人から評判の良い会社をリストアップし、比較検討しましょう。

葬儀会社の実績や価格、提供するサービス内容などを確認し、遺族の要望に合う会社を選ぶことが大切です。また、葬儀会社との相性も重要なポイントなので、実際に会って担当者の人柄や対応を見極めるのも良いでしょう。

複数の葬儀会社に相見積もりを取り、価格やサービス内容を比較して、最適な会社を決定することをおすすめします。

2. 喪主を決める

喪主は葬儀・告別式の中心となり、さまざまな役割を担う重要な存在です。通常は、故人の配偶者や子供、兄弟姉妹など、故人と最も近しい関係にある人が務めるでしょう。

喪主は葬儀会社との打ち合わせや、親族・知人への連絡、当日の進行など、多岐にわたる責任を負います。遺族のなかでリーダーシップを発揮でき、責任感が強い人が適任と言えるでしょう。

故人の意向や遺族の意見を踏まえつつ、葬儀・告別式の全体像を決定していく重要な役割を担うのが喪主の仕事です。

3. 葬儀会社と打ち合わせをする

葬儀会社が決まったら、具体的な葬儀・告別式の内容について打ち合わせを行います。日時・会場・参列者の規模・式の形式・宗教的な要素の有無など、基本的な事項を決めていきます。

葬儀・告別式に必要な祭壇や棺、花、供物など、各種用品やサービスの内容も確認しましょう。故人の生前の写真や思い出の品、追悼ビデオなどの準備についても相談し、手配を進めます。

参列者への案内状の発送・会場設営・当日の進行など、一連の流れを葬儀会社と入念に打ち合わせることが、滞りない葬儀・告別式の開催につながるでしょう。

4. 葬儀の日取りを決定する

葬儀の日程は、故人との別れを告げる大切な儀式であるため、慎重に決定する必要があります。遺族の都合や親族や知人の参列のしやすさを考慮して、日取りを決めるのが一般的でしょう。

故人の生前の希望や宗教的な習慣なども考慮に入れて、最適な日程を選ぶことが大切です。会場の空き状況や必要な準備期間なども踏まえて、余裕を持った日程設定を心がけましょう。
葬儀会社と綿密に相談し、遺族全員が納得できる日取りを決定することが、円滑な葬儀・告別式の開催につながります

5. 親族や関係者へ訃報を伝える

葬儀の日取りが決まったら、速やかに親族や故人の関係者へ訃報を伝えます。電話やメールなどを使って、故人の逝去と葬儀・告別式の日時、場所を連絡しましょう

親族には直接電話で伝えるのが望ましく、その際は故人への思いを込めて丁寧に説明します。友人や知人、故人の職場関係者などへは、書面や電話、メールなどで連絡を取りましょう。
訃報の連絡は、できるだけ早く行うことが大切で、参列者が日程を調整しやすいよう配慮することが求められます。訃報を伝える際は、故人の人柄や業績についても触れ、葬儀・告別式への参列を呼びかけると良いでしょう

葬儀・告別式にかかる費用

葬儀・告別式には、さまざまな費用が発生しますが、葬儀と告別式自体にかかる費用の全国平均は、約119万円と言われています。(特定サービス産業動態統計調査(経済産業省)をもとに算出)

葬儀費用は、主に葬儀社に支払う費用・参列者への飲食接待費・宗教者への謝礼に分かれます。大まかな費用の目安は以下のとおりです。

費用の種類項目費用目安
葬儀基本費用遺体処置・搬送費5万円~
祭壇設営費5万円~
葬儀進行費※プラン・内容によって異なる5万円~
施設使用料葬儀場使用料5万円~
火葬場使用料自治体によって異なる
飲食接待費通夜振る舞い1人5,000円~
精進落とし1人5,000円~
返礼品1人1,000円~
宗教者への謝礼(お布施)読経・戒名※宗教宗派等により異なる5万円~30万円
その他車両レンタル費2万円~
供花・供物費5万円~
遺影作成1万円~
印刷費1万円~

費用を抑えたい場合は、葬儀社が手配するプランを利用したり、式の規模を小さくしたりするなどして節約できます。ただし、故人や遺族の意向を最優先に考え、故人の人生を偲ぶにふさわしい葬儀・告別式を執り行うことが何より大切です。

葬儀・告別式の費用は、故人への感謝と敬意を表す大切な意味を持つことを忘れずに、遺族で話し合って決めていきましょう。

葬儀・告別式における挨拶の仕方

告別式における挨拶のポイントは、第一に参列者へ感謝を述べることです。

喪主自身の言葉で故人との思い出を話しても良いですが、出棺前は時間が押していることも多いため、長くなりすぎないように注意しましょう。

最後に、改めて参列者へのお礼の言葉を述べて、挨拶を締めくくります。なお、告別式における挨拶は暗記する必要はなく、挨拶の内容を記した紙を読み上げても問題ありません

また、喪主がどうしても挨拶できない場合には、代理の人が挨拶しても良いでしょう。喪主に代わって代理が挨拶をする旨を一言伝え、挨拶に移ればOKです。

葬儀や告別式に参列する際の注意点

葬儀や告別式に参列する際に注意すべきことを4つ紹介します。

  1. 忌み言葉は使わない
  2. 私語は慎む
  3. 香典に新札を使わない
  4. 席順は故人との関係が近い人が祭壇の近くに座る

ひとつずつ見ていきましょう。

1. 忌み言葉は使わない

忌み言葉とは、葬儀や告別式の場で使ってはいけないとされる言葉のことです。葬儀や告別式では、「死」などの直接的な表現は避け「逝去」「他界」などの婉曲表現を用いるのが望ましいと言えます。

「めでたい」「おめでとう」など、お祝いの言葉も不適切とされるため注意が必要です。ほかにも忌み言葉には、以下のような例が挙げられます。

忌み言葉言い換え例
忙しい多用
生きていたころご生前
重ね重ね深く
わざわざあえて
日々毎日

不幸や死を連想させる言葉や重ね言葉は、できる限り使わないようにするのが無難です。遺族の心情に配慮し、感謝の気持ちを表すような言葉選びを心がけることが大切です。不適切な言葉を口にしてしまわないよう、言葉遣いには細心の注意を払いましょう。

2. 私語は慎む

葬儀や告別式の最中は私語を慎み、静かに故人を偲ぶことが求められます。参列者同士の雑談は式の進行の妨げになるだけでなく、遺族への配慮に欠ける行為でもあるでしょう。

式中に聞こえてしまうような大きな声での会話は厳禁で、どうしても話す必要がある場合は、会場の外に出るのがマナーです。携帯電話の着信音やアラームにも注意し、あらかじめマナーモードに設定しておくようにしましょう。

3. 香典に新札を使わない

葬儀や告別式で香典を包む際は、新札を避けるのがマナーとされています。新札を使うと、まるで故人の死を予期していたかのような印象を与えかねません

「死に備えて新札を用意していた」と受け取られる可能性があり、不謹慎だと考えられているためです。代わりに、できるだけきれいな状態の古札を選ぶことが望ましいと言えます。多少の使用感があっても、汚れや破れのないお札を用意するのが無難です。

4. 席順は故人との関係が近い人が祭壇の近くに座る

葬儀や告別式の座席は、故人との関係の近さによって指定されます。最前列には、喪主や遺族、親族が座り、続いて親しい友人、職場関係者などが続くでしょう。

着席後は背筋を伸ばし、静かに式の進行を見守りましょう。

葬儀・告別式によくある質問

最後に、葬儀や告別式についてよくある質問を紹介します。

  1. 通夜と告別式はどちらに参列するほうが良い?
  2. 告別式に参列できる人は?
  3. 告別式に参列する際の持ち物は?
  4. 喪主が準備すべきことは?

似た疑問を抱えている方は、ぜひ参考にしてみてください。

1. 通夜と告別式はどちらに参列するほうが良い?

通夜と告別式の両方に参列するのが理想的ですが、スケジュールの都合でどちらか一方しか参列できない場合もあります。故人との関係性が近く、喪主や遺族との付き合いが深い場合は、告別式への参列を優先すると良いでしょう。

一方、故人とのゆかりはあるものの、喪主や遺族との関係性が薄い場合は、通夜のみの参列でも問題ありません。ただし、告別式に参列できない場合は弔電や供花を送るなど、哀悼の意を表すことが望ましいと言えます。

参列する際は通夜と告別式の日程や会場、服装などを事前に確認し、遅刻のないよう余裕を持って行動しましょう。

2. 告別式に参列できる人は?

告別式は、故人の親族や友人、知人など幅広い関係者が参列します喪主や遺族から告別式の案内を受けた人は参列したほうが望ましいでしょう。

会社関係では、上司や同僚、部下など、故人と親しかった人が参列します。参列人数が多い場合は、会場の収容人数や喪主の意向に合わせて調整することも大切です。

3. 告別式に参列する際の持ち物は?

告別式に参列する際は、黒や紺の喪服、または黒いスーツを着用し、華美な装飾は控えましょう男性は黒のネクタイ、女性は黒のストッキングや靴を合わせます。

香典を用意し、表書きには「御霊前」「御仏前」などと記入しましょう。数珠を持参し、焼香の際に手にします。また、涙を拭えるようハンカチやティッシュを用意しておくことも大切です。

通夜や告別式の案内状、会場の地図などを事前に確認し、スムーズに葬儀場へ到着できるようにしましょう。

4. 喪主が準備すべきことは?

喪主は、葬儀・告別式の全体的な進行や参列者への対応など、多岐にわたる役割を担います

主な喪主の仕事は以下のとおりです。

  • 葬儀社と打ち合わせを行い、葬儀・告別式の日程や会場、式次第などを決定する
  • 故人の遺影写真などを用意し、祭壇や式場に飾る
  • 当日のスケジュールを把握し、スタッフや関係者との連携を密にする
  • 弔辞や挨拶の原稿を用意する
  • 参列者への挨拶や僧侶へのお布施など、当日の所作を確認する
  • 席次を確認する
  • 弔辞・弔電を確認する
  • 火葬場へ行く人の人数を確認する

全て一人でこなすのは、作業量が多すぎるので、喪主以外の遺族も積極的にフォローすることが大切です。葬儀・告別式の前後には、精神的にも体力的にも負担がかかるため、体調管理に気を付けましょう。

葬儀・告別式は専門業者の力を借りて故人を温かく送り出しましょう。

葬儀・告別式は、故人の人生を締めくくる大切な儀式であり、遺族にとって心に残る一日となります。葬儀会社の専門スタッフは豊富な経験と知識を活かし、故人への敬意を込めて、儀式の円滑な進行をサポートしてくれるでしょう。

遺族は、葬儀会社との綿密な打ち合わせを通じて、故人の思いや遺族の願いを反映した、心のこもった葬儀・告別式を実現できるはずです。参列者も故人を偲び、遺族を支える気持ちを持ちながらマナーを守って参列することが大切です。

専門業者の力を借りつつ、遺族と参列者が一丸となって故人を温かく送り出すことで、悲しみを乗り越え、新たな一歩を踏み出す勇気を得られるでしょう。

弊社では24時間365日無料でご相談を受け付けているので、葬儀にまつわる疑問や不安などがあれば、お気軽にお問い合わせください。

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